今週からスタートした研修ツアーも金沢、京都、大阪が終了し、束の間の三連休を迎えた。金沢と京都の夕飯用の店では刺身がウマく、つい「こんなにいい刺身には、ビールや焼酎じゃ失礼だ」という事になり、吟醸酒を3杯ほど飲んでしまった。しばらく禁日本酒だったせいか、これもまたウマかった。

そのかわりに昼食はウドン・ソバか寿司程度で、キッチリと摂取カロリーをコントロールした。その甲斐あってか、帰京翌朝の体重は出発時より減っていた。出張時には、どうしてもその地方の食べ物に執着し、体重増加も半ば覚悟の上なのだが、研修で消費するカロリーは思いのほか大きかったのだろう。

さて、今しがたのニュースで民主党の新代表に前原誠司「次の内閣」防衛担当(43)が選出されたと出た。対抗馬の菅直人・前代表(58)とは2票差の勝利だったとか。図らずも、サンデープロジェクトの田原総一朗「岡田氏の後に中古品を出すのだけは止めて欲しい」の言葉通りの結果とはなったが、何ともニュース性に乏しい印象はぬぐえない。

民主党の凋落ぶりが深刻なだけに、新代表にはよほどの行動力が要求される。さらにキズを深くしかねない中古品復活こそ避けられたが、新製品がコケる事だってままあるのだ。前原氏は、党の建て直しを焦点とし、執行部の世代交代や支持団体である労組に縛られない政策立案などを訴えたが「口だけ新製品」だったら、またぞろ同じ轍を踏む事になるだろう。

もはや二大政党というイメージすら霧消したこの状況で、彼らがどう動くのかを少しばかり注目したい。だってこのままじゃ自民党の天上天下唯我独尊だもんね。

さて、本日から研修ツアー後半戦開始である。明日の大宮を皮切りに、千葉、横浜と東京周辺を転戦する。さっそく今夜、大宮へ前泊移動する。東京周辺だから宿泊も必要ないように見えるが、荷物が多い事と、電車事故で遅刻するとも限らず、危機管理上からもやむを得ないのだ。と言いつつも、実はいちいち家に戻って出るより楽なだけである。

久しぶりに見た高橋尚子の話題。

フィラデルフィア・ディスタンスランに自ら志願して参加した高橋尚子(33)は4位、ロックンロールハーフマラソン(4位)に続き、優勝はならなかった。レースは、アテネ五輪銅メダルのカスターが序盤から独走、今回も高橋が先頭で走る姿は見られなかった。スピードに対応できず、またしても置いていかれた。高橋は積水化学時代の後輩、上野と競り合いながら、タイムは優勝したカスターからは4分近い大差、上野にも1分半近く遅れてしまった。11月20日の東京国際女子マラソン出場を表明しているが、調整は大丈夫?!

ちょっと調子を落としたり結果が出ないと、これみよがしに書きたてるマスコミへ。

彼女は自分自身を「プロのランナー」と言っている。彼女からすればハーフマラソンなんて、練習プログラムの延長線程度だろうよ。あくまでも焦点は東京女子マラソンであり、そこに調子のピークを持ってくるのがプロである。それまでは所詮通過点に過ぎない。これしきの事でいちいち騒ぐな、と言いたい。

私だって、いつも研修本番に心身のピークが来るよう、いろいろと事前準備をしているんだ。自称「研修職人」の私は、常々思っている。キツいスケジュールだろうが難しかろうが「笑って受けて、仕事キッチリ」それがプロ、職人ってモンだろうが。

2週間に亘った研修ツアーも終わり、休養目的の3連休もノンビリ過ごせた。ツアー前に遅らばせながら取り付けたETCのデビュー戦という事で、町田のグランベリーモールと墓参りに千葉県の八柱霊園に行って来た。特に料金所混雑はなかったものの、しっかり気持ちよく通過できたのには満足だった。

さて、前回のDiaryに引き続きマラソンの話題を。

今日、ベルリンマラソンにアテネ五輪の金メダリストである野口みずきが走るというのでTV中継を見た。だが、見た瞬間に感じたのは、まさに「違和感」であった。彼女の周りを3、4人の男子ランナーが取り囲むように併走しているのだ。解説によれば、彼らは距離によって彼女と契約している「ペースメーカー」だそうである。

大会を好タイムが期待できるよう盛り上げるための「ラビット」や「ペースメーカー」が存在する事は知っていた。だが、画面に映った女子ランナーは彼女だけだし、ペースメーカー役の彼らは彼女のためだけに走っている。これじゃ競技会などではなく、単なる記録会じゃないか。しかも、とてつもなく恵まれた環境の。

マラソンという競技は、断じて個人競技である。「順位」を他人と戦って奪い、「記録」を自分と戦って作るのである。そのどちらも「レース」を通して掴むべきものだろう。自分以外は頼れず、周りは敵という中でこそ「長距離ランナーの孤独と栄光」があるはずだ。しかし今回の彼女には、その「敵」がいないどころか、複数のペースメーカーという「味方」ばかりの中で走るだけなのである。

ベルリンマラソンはコースがフラットで、高橋尚子のように過去にも金メダリスト級の選手が「新記録狙い」を目標に出走してきた。主催者にはTV放映権料が入るし、TV局は視聴率と記録のために諸々の費用にも一枚噛んでいるだろう。もはやビジネスと化していると言ってもいい。だからこういう設定は野口が初めての事ではないのだが、やはりその姿に「違和感」はぬぐえない。

野口の結果は、世界歴代3位に相当する2時間19分12秒の日本新記録で優勝した。でも、ちっとも嬉しくないし、正直、称える気持ちも起きなかった。

少なくとも彼女は「孤独と戦って」それを勝ち取ってはいないからだ。

【このトピックへのコメント】
  • ume206RCTVを見てて私も全く同感でした。これは、セナ亡き後のF1にも通ずる現象ですね。ピットのコンピュータのデータに従いピットの指示通りに走る。シューマッハ世代以降がこれです。ヒューマンな戦い、セナ・マンセル・プロスト。。。コンピュータでは計り知れない戦いがF1の醍醐味だった。だから私はセナ亡き後、F1を見なくなりました。

    戦うということは孤独なこと。そしてその戦いに勝ってこそ手に入る喜び。。。プロフェッショナルとはそういうものだと思います。
    (2005-09-28 21:34:28)
  • Chaie[URL]まったくそうですね。私は、今でもモナコGPでのセナとマンセルのデッドヒートは脳裏に焼きついています。F1ベストバウトのひとつです。(2005-09-29 13:45:22)

今月の研修出張も月末の新人フォロー研修in河口湖を残すのみとなった。先日までの研修ツアーで会った新人たちには「フォロー研修の河口湖で会いましょう。でも、その時はイヤなDrになってるかも」と少しビビらせておいた。そう、この研修に行く目的は、彼ら彼女らのロールプレイングのDr役のためなのである。それも、どんな話でも聞いてくれるやさしいDrではなく、的確なトークがなければ一切聞かないという厳しいDrである。

去年までの新人研修では、会場のホテル全体を病院に見立て、Drの個室や医局、ロビーまで設定し、15名程度のDr役に会いまくる。門前払いも当たり前、面談がかなったとしても、ある時は叩きのめされ、ある時はきつく反論され、またある時は宿題を出され、やがて処方獲得という目的を達成していくというプログラムがあった。Dr役も白衣や聴診器を身にまとい、実戦さながらの雰囲気である。

一昨年は、どんな扱いを受けてもメゲずに向かってくる新人が3割程度いた。彼らは廊下であろうが、ロビーであろうが、相手を見つければお構いなしに声を掛けてきた。だから時間内に全員のDrと会い、そこそこ目的も達成していた。去年は、出された質問の答えを廊下で片寄せあって相談する光景が目に付いた。したがって全Drと会った者はいなく、目的達成の数も少なかった。これも世代の相違か、と少し残念だった。

4月の新人研修開始以来、新人たちは医学薬学の基礎知識を叩き込まれながら、自社製品を正確に説明でき、正しいマナーで振舞うトレーニングは続けてきている。Dr役のトレーナーも、まず聞いてあげるというスタンスで臨む。この段階では、あくまで話す内容の正誤チェックが主眼だからそれでいい。

ところが、実際の現場はもちろん違う。診療に忙しいDr、調剤などに忙しい薬剤師が相手である。言うまでもなく、彼らはメーカーの営業社員に会う事が仕事ではない。だから自分達のニーズに合わなければ、いつでも面談を断れるのである。そんな現場に放り出される彼ら彼女らには、実戦に即したトレーニングが必須である。しかし今年からは、研修期間短縮という方針のため、その時間が取れなくなってしまった。

で、今度の新人フォロー研修では、小規模ながらも模擬説明会と1対1のロールプレイングを実施する事になったのである。配属後、少しは自分のテリトリーの空気に触れている現在の彼ら彼女らが、どうスキルを発揮してくるか。何をぶつけてくるか。もし生半可だったら門前払いも辞さないという、現場のイメージにきわめて近いDr像で臨みつつ、逆に彼ら彼女らからのうれしい「裏切り」を楽しみにしている。