くりす
1998-11-16(Mon)

リンクの謎

「リンクの謎」と言っても、発売の近い「64ゼルダの伝説」の話ではもちろんありませぬ。(ベタベタ〜)

 Webサイトを作っていて味わえる楽しみの1つに、リンクを張ってもらえる事があります。

 昨日「さわれるもの」からリンクを張っていただいたのですが、このように意外なところで読んでもらえているという事がわかるのは楽しいものです。

 kera-ma-goはリンクに関しては特に約束事を設けていないのですが、リンクを張っていただいた後でその旨お知らせ下さるメールをいただくとやはり嬉しく感じます。

 ただ、メールでお知らせいただかなくてもアクセスログからある程度のリンク状況はわかります。そんな中で少し前から気になっているリンクがあります。

http://popopo.hauN.org/
http://www.ufo.co.jp/~sharl/nikki/wl.html
http://www.teu.ac.jp/nsit/%7Eyatagawa/cats/diary.html

 そおとデぽぽぽとかわっちりんく(す)などという名称がついているこれらは、みんな同じエンジンを使っている更新日時自動取得機能付の日記リンク集らしいのですが、どうも日記猿人系の日記とはまた少しラインナップが違うようです。

 Web日記のリンク集といえば日記猿人ぐらいしか知らなかった私にとってはこういうエンジンがあるのも驚きだったのですが、どなたがkera-ma-goをリンクに加えて下さったのかというのも謎の1つなのでした。

 リンクをたどってみてもスクリプトの仕様や同様のスクリプトを使用しているサイトへのリンクが並列に並んでいるだけです。中にはリストにある日記の日記読み日記のようなものを書いていらっしゃる方もいるようですが、どこがメインという訳ではありません。

 同じエンジンを使っていても少しずつ日記のラインナップが違うところを見ると、リストに入れる日記は御自分で選択していらっしゃるのかとも思います。

 しかし何故?そこまでするなんてよっぽどのWeb日記マニアなのか?それでいて極私的なものではなさそうな事の証拠に、そのリンクをたどって明らかに複数の方が見に来ていらっしゃるという事実があります。謎は謎を呼ぶばかりなのです。

 リンクしていただいているのは嬉しいのですが、ここを読んでいらっしゃる方でその辺の事情に明るい方がいらっしゃったら教えていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。
「リンクの謎」についてはわっちりんく(す)のしゃあるさんから、メールと「しゃある通信」にて解答をいただきました。(関係ないですが「しゃある」って「エイリアン通り」からのネーミングでしょうか?)

 それによればぽぽぽ・日記猫・わっちなどは基本的には個々人でエンジンを走らせていて情報を共有している日記リンク集で、意味的には普通の公開された個人のブックマークとあまり変わらないというものでした。

 私がなぜ「Web日記マニアなのか?」と思ったかというと、個人レベルでエンジンを走らせるているところからでした(誤解していただきたくないのですが、私自身は「マニア」という言葉に対して悪い意味は含めていません)。しかし巷にはWWWCのような更新確認ソフトを愛用している方も大勢いらっしゃる事を考えたら、これはさほどマニアックな事ではないのかもしれません。

 そして、同じエンジンを使用している人が情報共有の為にコミュニティを形成しているというのも形としては自然に理解できました。

 なぜ昨日の時点で私がこれらを不可解なものとしていたかというと、私がweb日記を読む時は、日記猿人の更新リストを新聞のテレビ欄のように活用していたからです。

 大体押さえておく定番日記はともかく、見出しで面白そうなものがあったらテレビのチャンネルを回すようにその日記を読む。そういう読み方をする時は、各日記の作者が個々人で更新時刻と日記の内容をアピールしてくれている形式の方が都合がいい訳です。

 しかし考えを逆にして、もしも定番の日記しか読まないのであれば、内容紹介の1行コメントも必要ありませんし、膨大なリストの中から目的のものを探す手間というのは省けた方がいいのです。

 そういう考えから構成されたのが恐らくNikkiScapeなのでしょう。しかしNikkiscapeでは自分の読みたい日記をチョイスしてリスト化できるとは言ってもチョイスできるのは元々のリスト内に載っている日記だけです。

 リストに載っていない日記も読みたいという人が自分でエンジンを走らせちゃったという風に考えたらこの一連の動きを理解する事ができたのでした。なるほど。

 それで極私的な更新日時取得エンジンの謎はわかりました。しかし次に不思議なのは、それを利用している他の人たちの存在です。

 アクセスログを見る限り、通常個人の私的Bookmarkから来る人というのはそれを置いている本人のみである事が多いのです。

 homyさんの私の好く読む日記は利用される方が多いようですが、それはhomyさんが個々の日記に対してそれをよく表すキーワードをつけていらっしゃるからだと思います。

 ところがぽぽぽなどのリストには大抵日記のタイトルか作者名しか書いていないので、その日記の内容というものはわかりません。自分があらかじめ選んでこれは面白いというものならともかく、他人のリストではそれが自分に合うかどうかわからないのにどうしてそれを利用する気になるのか。

 この謎は昨日のアクセスログで解けました。「しゃある通信」や関連サイト(「雑記」や「この頃の猫耳日記」など)が私への解答かたがたkera-ma-goに対してリンクを張っていてくださったのですが、何とそこからのアクセス数のトータルは日記猿人からのそれよりも多かったのです。

 つまり「しゃある通信」その他には、そこからリンクを張られている先の動向にまで興味を持つかなりの数の愛読者がいるという事になります。これはこれらの日記自体が日記内で他の日記とのやり取りを頻繁に行う形態を取っているからだと思われます。

 そういう読者がしゃあるさん達が定期的に読んでいる日記リストに注目しても不思議ではありません。これで私の抱いていた疑問は全て解消されるところとなりました。

 それにしても今回の件で面白かったのは、しゃあるさんや、「しゃある通信」と日頃からやり取りをしていらっしゃる日記作者の方のレスポンスがとても早かった事です。

 私が「リンクの謎」をアップしたのが朝の11時頃だったのですが、それに対してメールでお返事をいただいたり「雑記」と「しゃある通信」の間でレスポンスが始まったりしたのが昼過ぎの事。

 その水面に小石を落とした時に広がる波紋のような動きは、webの特性がよく生かされているなあとつくづく感心しましたし、少しずつ文章が付け足されていく様を観察するのは(たとえ暇人と言われようとも)なかなか興味深いものでした。こういうところに惹かれる読者は多いのかもしれませんね。

 最後に、ぽぽぽ系の根っこが「日記リンクス」だったという事についてはここで初めて知りました。ご紹介してくださったリンクの内容についても以前日記猿人に参加する前に一通り関連の文章を読破していて、それなりに自分の見解というものはあるのですが(といってもたいした物ではなくどうして日記猿人に参加することを決めたかというだけのものです)、これについてはまた長くなりそうなのでまた明日書こうと思います。

 親切にお答え下さった皆様、ありがとうございました。
1998-11-18(Wed)

私のスタンス

昨日最後に書いたのですが、日記猿人に参加するにあたって、過去に起きた有名な事件についてはある程度関連文書をリンクを辿って一通り目を通したのでした。

 理解としては、あるコミュニティにおいて独裁制と共和制とどっちを敷くかの争いがあって独裁制が敗れたというぐらいのものです。外から見たらそのコミュニティが独裁制でも共和制でも関係ないのですが、まあ中の人に取っては重大な問題だっただろうなと。

 「Webサイトは多くの人に開かれているものでないといけない、私信ばかりのものがまかりとおるのはつまらない」という主張は気持ちとしてはわからない事もありませんでしたが、その主張が特定個人に対して向けられている限り、それもまた私信でしかありません。だからそれはきっとただの権力争いだったのだな、という理解をしたのでした。

 そして、そういう紛争が起きたという事は愛好者が集まるただの任意団体というよりは内部的にある程度「縛り」がある町内会的な側面もあるのかなあと思って、ちょっと躊躇ったのも確かです。昔集団いじめにあった事のある人間としてはマス・ヒステリーへの過剰な警戒心があったのです。

 しかし、そんな私がやっぱり参加する事に決めたのは、昔はともかく今は日記猿人のシンボルといえばななゑさんだろうと思ったからでした。

 といっても別にななゑさんが権勢をふるっているという意味ではなく、少年サンデーにおいて高橋留美子が作り出した世界観のように、今の日記猿人のカラーを象徴しているのがななゑさんなのではないかと外から見て感じたのです。

 そこには寄り合い的な窮屈さは感じられません。また、日記作者でない人も参加でき、不正もしにくくなっている投票システムになったという事で一般に開かれたイメージを持ちました。もう大丈夫じゃないかと思ったのです。

 なぜそこまでして登録にこだわったかというと、以前実名サイトで書いていた日記をストーカー対策でkera-ma-goの形にしようとしていたからです。新しい日記サイトは、自分の作っている他のサイトはもちろん友人知人からのルートも辿られないようにしなければなりませんでした。

 サーチエンジンへの登録は反映まで時間がかかるし、一昔前ならともかくこの個人サイトが無数にできている昨今、そこから見てもらえる可能性というのは少ない。自分で恣意的に存在をアピールできてある程度見てもらえそうなリンク集といえば、やはり日記猿人が一番適している。最終的にはそのメリットを優先して参加する事にしたのでした。

 実際に参加してみた感想は…完全に開かれているという印象は幻想だったというところでしょうか。

 もちろん完全に開かれているといってもWWWを利用している人全員に受け入れられているなんて事を期待していた訳ではなく、せめてWeb日記愛好者に対しては開かれているんじゃないかと思っていたのです。

 でも、私の考えていた日記猿人コミュニティというのは作者と読者の両方を含むものだったのに対して、実際はほとんど登録している作者のみだったんだなという事を今は感じています。

 これなら投票権を持てるのは日記猿人に登録した作者のみとした方が実態を表していていいんじゃないかと思う事はあります。私みたいに勘違いをする人は少なくはなさそうですから。

 ただ、その中で厳密な縛りがある訳ではありませんし、自分でやりたいようにやってればいいのですから実際に何か差し障りがあるわけではありません。当初予測したメリットは確かに生きていますから、まあいいかというところです。

 日記猿人というコミュニティに対して忠誠心や愛国心のようなものは持っていませんが、日頃お世話になっているので、例えばサーバーがダウンしてミラーサーバーで運用しているような時は、自分の日記にそのミラーへのリンクを張って告知に協力するとかその程度の事はします。

 リンク集としてのメリットだけ享受して内部のしがらみにはノータッチというのがもっかの私のこずるいスタンスなのです。
 日記作者
(女性)
日記作者
(男性)
日記作者
(性別不祥)
日記読者
(女性)
日記読者
(男性)
日記読者
(性別不祥)
合計
〜19
20〜3033372732130
31〜4013202059
41〜10
合計50593860208

すごいです!年齢アンケート、本当に200通来てしまいました。100通来れば御の字だなと思ってたんで、ほんと、嬉しいです。御協力くださった皆さま、本当にありがとうございました。

前回の報告と比較してみますと、次のような傾向が見えてきました。

  • 20代がやはりダントツに多い。Yahoo Japanの年齢層調査では20代・30代が共にほぼ4割だったが、このアンケートでは20代6割・30代3割となっている。
  • 30代で男女の人数差が顕著になってきている(男性が多い)。20代では若干男性が多い。他の年齢層ではあまり男女差はない。(ただしこれはサンプル数が少ないからかもしれない)
  • しかし全体を通した男女差はYahoo Japanの性別調査と比較するとやはりかなり少ない。
  • 10代は日記作者よりも読者の割合が高いようだ。
  • 20代・30代の女性では日記読者よりも作者の割合がやや高いようだ。

 20代が多い理由についてはWeb日記を読むということで紹介させていただいている、「向日葵倶楽部日々雑記帳」の向日葵さんの考察に加えて、PCに触れる機会が多い、比較的自由になる時間が取りやすいという前回挙げた考察がそのまま通用すると思います。

 Yahoo Japanの調査と比較して相対的に女性の比率が高いのは、日記というジャンルは特に専門知識を必要としませんから比較的敷居が低く女性でも参加しやすいという事があるのではないでしょうか。

 また、その中でも特に20代女性の相対比率が高いのは、kera-ma-goの作者である私が20代女性という事で、親近感を持って読んでくださる方が多いからではないかという気がします。もし男性日記作者の方が同様のアンケートを行われたら、男女の人数の比率はまた変ってくるのかもしれません。

 10代で読者の方が作者よりも多いのは、読むだけなら学校などの施設でもできますが、自分でプロバイダに加入してWebサイトを開設するとなると経済的に難しいからという推測ができると思います。

 20代・30代の女性で作者の方が読者より若干人数が多いというのは、インターネットに接続するという行為に対して、どうせ接続するなら自分でも何か作った方がいいというように、女性の方がより能動的に関わりをもとうとしているからでしょうか。

 もっと言ってしまえばインターネットと言えばアダルト画像という喧伝のせいで、受動的な動機で気軽にネットに接続する男性が多いのに対して、女性がネットに接続する場合はもっと積極的な動機づけが必要だからではないかと想像する事もできるような気がします。

 今回の考察は以上です。おまけとして、初期は私の年齢に対する感想が「思ったより若い」とする回答が「思ったより老けている」とする回答よりも明らかに多かったのが、最近送られてくる回答では逆転現象が起こってきているという事を追記しておきます。(これは…最近の文章は子供っぽいという事なんでしょうか。なはは。)

 最後に改めて、参加して下さった皆さん、本当にありがとうございました。