GW中に観た映画の感想二本。
「銀幕版スシ王子」と「ライラの冒険 黄金の羅針盤」です。ネタバレはしてないはずですが、気になる方は読まないほうがいいかも。
『銀幕版スシ王子』
ドラマは見たことなかったのですが、映画館でこの映画の予告を見て、あまりにも馬鹿馬鹿しくて、その馬鹿馬鹿しさが好みだったので見ることにしました。きっと予告以上のものはないな、と思ってみてたのですが、いやいやそんなことはなかったですよ。
私は主役の光ちゃんを見に行ったのに、脇のKAT−TUNの中丸くんが意外にもツボ。ぐしゃぐしゃ泣きながら台詞を言うシーンがあるのですが、そこが良かったわー。
内容は……えー元ネタよくわかってないんでろくに説明できないんですが、日本中を修行して回っていた、スシ王子と呼ばれている(のが本当かどうかは知らないが)米寿司(まいずつかさ)が、米を極めるため、ニューヨークで開店している八十八寿司を訪ね、そこで巻き込まれる珍道中。いや、珍道中ゆーたらいけんけども、そんな感じ。
ドラマも相当馬鹿馬鹿しかったらしいんですが、映画もいい感じに馬鹿でした。あれを大真面目に撮ったって相当凄いですよね。光ちゃん、あの、ウミガメっ!ていう型とか相当練習したんだろうな。いやもうホント凄い。
そして凄いのは、武留須リリー……ってこんな字だったかな。司の亡くなった師匠で、ちゅらさんのおばあをやってらした方なんですが、幽霊なので好きな形に変わることができるという設定なんです。彼女は石原さとみちゃんの姿で出てくるんですが、石原さとみちゃんがいい感じでしたー。喋り方は彼女に似せて、だけど見た目は石原さとみちゃん。楽しそうだったな。
途中で光ちゃんが釈由美子ちゃんにキスされそうになって、「くちびるはやめて……」って相当弱々しく言うところも好きでした。そういや光ちゃん、あんまりラブシーンないですよね。光ちゃんも女性に迫られるの苦手だったなあ。そんなとこは中居に似なくてもいいのに(笑)。
さっきから全然感想になってませんが、あのね、感想書きようがないんですよね(笑)。中丸くんのシーンはめっちゃ重要シーンなんですが、下手に書くとネタバレ。しかも相当重要なネタバレだし。他のシーンは……うーん……。感想って難しいなあ。
この映画、この馬鹿馬鹿しさがダメな人にはもう全然勧められませんが、好きな人はいいんじゃないかと。あと、光ちゃんや中丸くんのファンの人にはいいんじゃないかと。
『ライラの冒険 黄金の羅針盤』
ライラの冒険3部作の第1部。原作を読んでみて結構かなり好きだったので、日本語吹き替え版しかなかったけど見に行きました。
洋画を見るときは、普段は字幕版です。日本語版のほうが、台詞をしっかりカバーしてるというのは知ってますけど、諸事情により字幕版のほうが私には良いので。
でも今回は、忙しくてばたばたしてる間に字幕版が終わっちゃったので吹き替え版だったのですが、やっぱり字幕版が良かったよ。外国の人の顔から日本人の声ってものすごい違和感。声帯の大きさとか発声の仕方が違うから、声が全然違うんですよね。それが気持ち悪かった。
あとは、ちゃんと声優さんを使ってほしい。いくらうまくても世間的には無名の声優さんより、より知られている俳優さんや女優さんを使うほうがマスコミに取り上げられるから、という事情はわかりますが、その結果吹き替えのレベルが下がったら意味ないと思う。今回吹き替えをされた方たちはうまいほうだとは思うんですが、やっぱり違和感があります。
いくら演技がうまい方でも、俳優さんは普段全身で演技をしてる。声だけで演技をしている声優さんと較べたら、どうしても落ちる。
主役級は俳優さんだけど、脇は声優さんだから、脇の人の方が凄くうまく感じるんですよね。ホント、何とかしてほしい。
というのは置いておきまして、感想を。
あのー……正直詰まんなかった。
原作読んでるとき、すごくわくわくドキドキしてたんですよね。これから先どうなるんだろうって。一巻は上・下巻で読んだんですが、上巻を読み終わってすぐに下巻を手にとりました。ライラはどうなるんだろう、この先どこに行くんだろう、イオレクはちゃんと闘えるのかな、コールター夫人て、アスリエル卿ってなにものなの?
そう思ってドキドキしながらページを繰っていたのに、この映画はどうしてこんなに無味乾燥なのか。
以前この映画のレビューを読んだときに、「どうしてすべてのエピソードをただ追っていったのだろうか」というようなことを書いていた方がいらしたんですが、その意味が良くわかりました。
原作は結構長いから、2時間程度じゃとてもおさまらないんですよね。となると、当然エピソードを取捨選択しなくてはならなくなる。それが気に入らなくて、原作派としては文句を言うことになるわけですが(どうしてあのエピソードを削ったんだとか、逆にどうしてあんな膨らませかたしたんだとか)、今回はちょっと違う。映画化するにあたって、ほとんどすべてのエピソードを拾ったがために、つまらなくなってる。
ほとんどすべてのエピソードを拾うといっても、やっぱり時間は足りないから、さらっと流すわけですよ。だからその裏に誰がどんなこと考えてるとか、こういう小さなことの積み重ねでこういう結果になった、とかいうような積み木をひとつひとつ積み上げる作業があることさえわからない。どんとひとつ大きな塊を目の前に突然置かれたような感じ。それがどこから来たか、どういう作り方をされたのか、そういうのが全然わからない。
もちろん、原作を読んでいる以上、このエピソードは削ってほしくないという意見も持ってますけども、今回みたいな中途半端なことされるくらいなら、思い切ってエピソードを一つ二つ削るくらいの方が良かったな。
たとえば全部で10章あるとして、もちろん導入部分と山場は外すわけには行かないから、映画を作る際に再構成して、1,2、4、6、8、9、10章の内容で行きましょう。というのが普通の原作のある場合の作り方としたら、この『ライラの冒険』は1〜10まで全部入れるけど、それぞれを半分くらいの内容にしました。って感じかな。
だからどうしてそうなったのかがまったくわからないのです。原作を読んでいる私がわからなかったんだから、原作を読んでない人はホントそれこそ全く全然わからなかっただろう。
あの原作をよくここまでつまらなくできたな、と違う方向で感心したわー。
第2部、気にはなるんだけどどうしようかなあ。第2部の話も好きだったので、いい方向に転がってほしいなあと思います。