yukatti

晴れ。今日は立冬らしい。

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会場入り口にあった花束 去る11月6日、東京国際フォーラムAにて「中島みゆきコンサートツアー2007」を観た。中島みゆきの2年ぶりのツアーとなる(昨年は『夜会』開催だった)。ファンである自分にとっては待望だったわけだが、ファンクラブ優先販売にかろうじてこの日だけひっかかり、一般発売では抽選に外れてしまっていた。ただし販売に条件があるが今回も当日券販売がある。

結論を先に書くと、非常に陳腐な言い方ではあるけれども浄化されてすごく楽になった。カタルシスと言ってもいいだろうと。では何が昇華されたのかというとまだよくわからない。その場では強烈に打ちのめされた気はしなかった。でも、日常の細々とした苦しみや寂しさを共感している歌い手がいる、ということだったのかもしれない。本当に陳腐だけれど。

選曲からはわりにストレートに「安易に死のうとしてはいけない、生きていこう、生きていってほしい」というニュアンスを感じ、今日もテレビでは自殺の悲しいニュースが流れていたなあと切なくなった。ひとりを歌う歌も愛を歌う歌も実は表裏一体であり、希求するものは同じであるのではないか、というのも今回強く自分が感じたことである。

みゆきさんからのお土産言葉は「同じ時代に生きていてくれてありがとう」。

以下、自分の心覚えのために少し細かいことを書いておこうと思う。

11/6の曲目リスト(全19曲)

  1. 御機嫌如何
  2. 1人で生まれてきたのだから
  3. あなたでなければ
  4. 一期一会
  5. with
  6. ホームにて
  7. 命の別名
  8. ララバイSinger〜アザミ嬢のララバイ
  9. 宙船(そらふね)
  10. 昔から雨が降ってくる
  11. 唇をかみしめて …吉田拓郎の歌をカバー
  12. ファイト!
  13. 誕生
  14. I Love You, 答えてくれ
  15. ボディ・トーク
  16. 重き荷を負いて
  17. 【以下アンコール】本日、未熟者
  18. 地上の星
  19. 背広の下のロックンロール

17時半開場、18時半開演(5分遅れくらいで始まった)。5,012席というキャパの巨大ホールに客はギッシリ。わたしはL2扉から入る1階、真ん中から少し前方の下手よりの席である。客層はおよそ20代〜60代、中心は30後半〜50代、ただし今回は客層が少し若返っていて、20代も増えているし、10代やなんとちらほら小学生とその保護者が! わたしの斜め前の女の子は小2だった。「家なき子」ブレイク(主題歌『空と君のあいだに』『旅人のうた』)の後から前回のツアーまでは20代以下は「ほぼいない」といっていいくらいだったのに。これはやはりドラマ「マイボスマイヒーロー」や「受験の神様」(TOKIOがみゆきさん作詞作曲の主題歌を歌った)、また「世界ウルルン滞在記」(主題歌『一期一会』とエンディングテーマ『昔から雨が降ってくる』を提供中)の影響か。みゆきさん自身はトークで語っていたがウルルンから客層が変わったと思っているようだ。

トークではほかに、紅白のミニ裏話、プロジェクトXから主題歌提供のリクエストがあった際「『命の別名』みたいな曲を」と言われたこと、TOKIOに「宙船」(そらふね)を提供したときの経緯、「吉田拓郎&かぐや姫 Concert in つま恋 2006」に出演した時の裏話(吉田拓郎と共通のプロデューサーである瀬尾さんから話が来たこと、コンサートが観られると思ってOKしたが『サプライズゲスト』扱いだったので一切表に出られずホテルに缶詰、コンサートスタッフのために呼ばれている豪華そうなケータリングサービスの昼食をつつくわけにもいかず昼食はホテルの部屋でマック、そこから歌う直前に目隠しバスでステージに連れて行かれて『永遠の嘘をついてくれ』を歌い、またそのままバスで会場を後にした。結局どんなコンサートだったかわからないままである、だから自前でDVDを購入した……と)など。

みゆきさんは相変わらず細くて色白で(シルエットのかわらなさかげんはバケモンや)今日は喉の調子も良さそうで、声に張りがありものすごい声量で一安心。わたしの好きな歌も多かったし、一番の収穫は「with」(という歌)の積年の謎が解けたこと。曲中でその「答」をアルファベット指文字で示し続けるので、気になっている方は要注目です。もちろん作者(中島みゆき)が今回示したことばが唯一解であるわけではないことは、かねがね、ご本人も言っている通り。

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