ヒビキ

結論から言うと、合いませんでした。

「閃きシステム」を産み出した人や、ロマサガシリーズのキャラデザの人、FF13の作曲者などを集めて作られた新規IPのRPGで、「7人の主人公から一人を選ぶ」や、「閃きシステム」、「味方キャラにカエルがいる」など、スクウェア中期のRPGファンを狙い撃ちにしたゲーム。2012年にBDFFがウケたので、このゲームも非常に期待していたのです、が!

まず、シナリオが本当に薄い。一応選んだ主人公によって、冒険に出るきっかけや、チュートリアルでのキャラの掛け合いのようなショートストーリーは展開されるけど、それが終わると本当に何も無し。せっかくそれぞれに魅力のあるキャラなのに、想像を掻き立てるようなやり取りが一切行われないので、とても味気ない。

まあロマサガ1やロマサガ2だってそうだったじゃん?と言ってしまえばそこまでだけど、じゃあバトルが面白いのか、というとコレもまた。3人パーティなので手数が少なく、その割に敵が強いので長期戦になる。また、MMORPGのように誰か一人がタンク役をやるのが定石なので、更に戦いが長引く要因に。

加えて、このゲームの特色である「双次元バトル」が足を引っ張る。バトル中に火や水の精霊と契約するとステータスがアップするが、敵に契約を奪われると敵のステータスがアップしてしまうので、出来る限り精霊との契約を維持し続ける必要がある、というもの。ザコ戦ならこんなの気にせず蹴散らせる…と思ったら大間違いで、むしろザコ戦でもちゃんと精霊との契約を維持しないと普通に負けてしまう。更に一度契約しただけだと力が弱まってしまうので、数ターンに一度契約を更新し直さないといけないというオマケ付き。

これによって、戦闘におけるパーティの行動は「タンク役」と「最初のターンに精霊と契約して、数ターンに一度契約を更新する役」を強いられてしまう。フリー枠あと一人しかいないじゃないか!ものすごく地味で、ザコ戦における爽快感が一切無い。

一応これに対するカウンターとして、そのダンジョンの地図(オートマッピングされる)を町で売ると、冒険者がなだれ込んできて、そのダンジョンの敵が弱くなる、という設定なんだけど、弱くなる度合いがあんまり実感出来ない。タンクをしなくて良くなる、くらいで、やっぱり契約はしないと敵は強いままなのであった。更に言うと、地図はマッピングの完成度合いによって売値が上がるので、金策手段にもなっている。というか地図を売らないとお金がほとんど手に入らない。何というジレンマ。

あと、町が一つしかなく、武具を強くしていくステップが無い。一応クリアしたダンジョンの数によって売られるものが良くなっていくようだけど、逆に敵が強くて手詰まり、という時に武具を更新出来ないのが痛い。そもそも町が一つしかないというのがつまらない。

という訳で、4時間ほど遊んでそっ閉じしてしまいました。楽しめずに挫折してしまったゲームは本当に久しぶり。
つまらないというよりも、「素材はいいけど、調理方法が玄人好みすぎる」というゲーム。キャラクターやシステムだけを取り上げると、すごく面白そうに聞こえるんだよね。勿体無い。