昨日テレビで宇多田ヒカルが任天堂のCMに出ているのを見た。と言っても最初の3秒くらい。あ! と思ったときには父にチャンネルを変えられてしまっていた。
で、たった3秒でなぜ任天堂だとわかったか、またなぜ宇多田ヒカルだとわかったか、と言えば、任天堂のCMは必ず最初に「ピコーン!」という音が鳴るし、「できたできた!」という嬉しそうに笑う声はあのヒッキー独特のものだったからだ。それと、映像の後ろに流れる、どうしようもなく心を引っ掴まれる“I still remember the ways that you touched me”のフレーズ。
『Easy Breezy』という曲は“You're Easy Breezy and I'm Japaneesy”という歌詞ももちろん好きではあるけれど、曲の最初に耳に飛び込んでくる“I still remember the ways that you touched me”にはそれ以上の、「もうほんっとにこれって最上級じゃない?」というくらいのパンチ力があると思う。
訳詞を見ると「あなたの手の感触を未だに覚えている」なわけで、あたし的にはこれだけで床を転げ回りたくなるような気持ちになる。これだけ「ああ、わかる」とか「思い出すと切なくなる」みたいな歌詞がこれまであったか? いやたくさんあったかもしれないけれど、このメロディに英語で、という、英語という言葉の響きでなければ伝わらないんじゃないかという想いを、そこに乗せているような気がする。
日本語だとどうしても湿っぽくなりがちで、しかも思い入れが強すぎてアレな感じがしなくもないけど、“I still remember”──もうそれだけで、自分の体験の中から思い出が自動的に引き出され、想いを重ねそうになる。
覚えている──そう、「憶えている」。そう言いたくなる思い出は誰にだってある。そして、その思い出がどんなものであるか、何を伴っているかはひとりひとり違うだろうけれど、“I still remember the ways that you touched me”という歌詞はきっと誰もを同じような想いの中へ、連れて行ってくれる気がするのだ。
『Easy Breezy』はただただ切ない曲というわけじゃないけれど、だからこそ、最初に耳に飛び込んで来る“I still remember the ways that you touched me”という言葉には、どうしようもなく人を引き込む力があるのだと思う。
ちなみに『Easy Breezy』をiTunesで聴いた回数は164回。……なんだ、少ないじゃん。
ヒッキーが出演しているCMは
任天堂DSキャンペーンサイトで見ることができます。ブロードバンド推奨。うちの環境だと表示が崩れてちゃんと見れなかったよ。