個人的な印象で言えば、「賢い群衆」以前の「バーチャル・コミュニティー」でさえ、日本でこれまでに、はっきりと姿を現したことがあるとは思えない。単に私が知らなかっだけで、前からあったのかもしれないが、少なくとも私自身は、パソコン通信の時代もインターネットになってからも、そうしたコミュニティーに身を置きたいとは思わなかったし、実際に置かなかった。
「『バーチャル・コミュニティー』が、日本でこれまでにはっきりと姿を現したことがあるとは思えない」といいつつ、「パソコン通信の時代もインターネットになってからも、そうしたコミュニティーに身を置きたいとは思わなかった」というのは矛盾してるように思えます。
実際草の根BBSとかニフティでの一部フォーラムやパティオなど、充分「バーチャル・コミュニティー」と言えるものだと思うのですが、この人も「情報の最先端にいる人々」の中に時々いる「自分が体験しなかったものはそれまで存在しなかったことにする」人の一種なのでしょうか。
ところでLDには、「秘密の恋愛」カテゴリのトピックをよく書くユーザーの間で「秘密の恋愛カテの住人」という自称があり、更にはライコス日記全体においても「ライコス村の住人」という言い方があったことを思い出しました。
ライコスダイアリーサービスが始まる前は、ランキングリンク集に参加する人々が活発に参加者同士で(恐らくランキングの牽制を含めた)やりとりをしている様を「ReadMe村」とか「日記猿人村」と表現する言い方がありました。
ランキング無しのトピック単位のカテゴリだけで横に繋がるサービスでもそのようなコミュニティは生まれるんだろうかというのが私がライコスダイアリーの観察を始めた動機だったのですが、結論としてはやはりコミュニティは発生したというものでした。
その経験から、キーワードという形で横のつながりがもたらされるはてなダイアリーの住人に対して「はてな村」という名称が与えられるのは予想していたことだったのですが、それがとてもめずらしいことのように扱われているのを見ると、ライコスダイアリーって、利用者数の割にはマイナーなサービスだったんだなあとつくづく思います。
- ダク:ラインゴールド氏が提唱した「ヴァーチャル・コミュニティ」は確かネットワーク上の「コミュニティ」をさしつつも、地域に根ざした実在の人間同士が構築する「コミュニティ」と密接に関係性があることによって発展する「ネットワーク・コミュニティ」のことを指していたのではなかったでしょうか? 詳しくはわかりませんが、日本にはこういった実在の「コミュニティ」と関連性を持った「ネットワーク・コミュニティ」がはっきりと形成されていなかった、ということなのかも、と読んでみましたがどうでしょうか。(2003-11-20 23:56:43)
- ダク:補足、といいますか「草の根BBSとかニフティでの一部フォーラムやパティオ」というあまりにも小さなところでひっそりとしか根付いていなかった、ということなのかなと。主張されているのは「そんなコミュニティは存在しない」ではなく「はっきりと姿を現したことがあるとは想えない=堂々と大衆の前に姿をあらわすことがなかったほどにあまりにも密やかに行われていた」なのかなと。(2003-11-21 00:01:36)
- くりす:ラインゴールドによる定義は『「ヴァーチャル・コミュニティは、この「ザ・ネット」から生成される社会的な総和で、ある程度の数の人びとが、人間としての感情を十分に持って、時間をたっぷりかけてオープンな議論を尽くし、サイバースペースにおいてパーソナルな人間関係の網をつくろうとしたときに実現されるものである。』というもののはずです。(2003-11-21 00:20:19)
- くりす:規模的にははてなダイアリーとパソコン通信上に存在した無数のコミュニティにさほど違いがあるとは思えません。また、そのローカル度も、「特に情報感度の高い人たちだけが使っている」という点においてはさほど変わらないと思います。(2003-11-21 00:22:10)
- ダク:なるほど。では僕の記憶違いですね。訂正有り難う御座います。見当違いのコメント申し訳ありません。あまり関係ないかもしれませんが実際のコミュニティに対しても影響を与える、というコミュニティとしては「まちBBS」なんかは凄いなと僕などは想ってしまいました。ヴァーチャルなコミュニティの影響が実際のコミュニティのそれに近づいているような気がして。(2003-11-21 00:29:18)