yukatti

風弱く、空気が濁ったような白光りした晴れ。案の定、昼過ぎに光化学スモッグ注意報が発令される。

ライア&ソネット
村治佳織&ザ・シックスティーン
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音楽: 村治佳織のCD『ライア&ソネット』(DECCA、2006年10月発売)を聴き直す。「ザ・シックスティーン」(The Sixteen)というイギリスの人気コーラス・グループと共演しているコラボレーションアルバムで、ギターの分野にとどまらず、〈パッヘルベルのカノン〉や〈ダッタン人の踊り〉等、クラシックの名曲を合唱とギターという新鮮な組み合わせを巧みなアレンジで柔らかく聞かせてくれる——どちらかというと合唱がオーケストラの伴奏パート的に後ろに回り、ソロ楽器的にギターがのっかってふわふわとメロディーを奏でる形の曲が多い。ばりばりギターを弾く姿はこのアルバムにはないが、しかし、ギターと人の声、というクラシックの世界ではなんとなく思いも寄らない組み合わせが上手く融け合っている。綿菓子のような、ゆったりと流れていく時間。わたしは音楽に対して「癒し」を安易に使うのは嫌いだが、このCDに限っては、ストレスのない、美しい別世界に誘ってくれるまさに「癒し」である(疲れているときにはちょっと眠たくなる)。なお、アルバムタイトルの『ライア&ソネット』とは古いイギリスのことばで『リュートと歌(声)』という意味http://www.universal-music.co.jp/classics/kaori_muraji/discography.html#uccd1176)だそうだ。

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穏やかな晴天。5月に入って日中の風が南から吹くようになった。夏の風だ。

映画: 吹き替え版『スパイダーマン3』("Spider-Man 3" 2007年アメリカ、サム・ライミ監督、http://www.imdb.com/title/tt0413300/)を観る。5月5日だったせいか、子どもが多かった。シネコンの大きい箱が満員。スクリーンがでっかいのに、最前列なんかで観たら吐きそうになると思う。ポップコーンかかえた親子連れとかが座ってたけど大丈夫だったのかな。

1、2のエピソードがからんでくるので出来れば見直していったほうがいいようだ。ただ、回想シーンが入れてあるのである程度忘れていてもそんなに問題ない。とはいえ、いきなり3から観るのはちょっとキツイだろう。

以下、ちょいネタバレ。

敵は、

  • サンドマン(実はちょっといいもんというか、仕方なく悪事をやってしまった人)
  • ニュー・ゴブリン(実は親友)
  • ヴェノム(自意識が出ちゃう)
  • ライバルのカメラマン(ちょっとずるいやつ。といっても小悪人タイプ)

で、連れは「敵の数が多くて、ごちゃごちゃしてわかりにくいー」と言う。でもわたしはそこはそんなには瑕疵に思わなくて(一人ずつについてどうしても突っ込みが浅くなるけど、かわりにどんどん話が変わって退屈しない)、まあそんなに複雑なエピソードにはしていないぶん、敵の絡み方それぞれが理解できる範疇だったように思った。

一方で、幼なじみから大人の愛情へと変化していくラブストーリーのパートは、劇場に沢山いたお子ちゃまには理解できたかなあ……。中学生くらいなら大丈夫だろうけど。子供たちに(大いに)うけていたのは、編集長のオーバーアクションなヒステリーシーン。錠剤が飛び散るところとか。

で、今作もまた、アクションシーンもさりながら、人間の弱い心を見たとき自分はどうするか、とか、自意識との戦いとか、世間の荒波にさらされたときの対処法、悩める苦しみ、そういった人間ドラマがたっぷり印象に残る。「復讐心をどう乗り越えるか」が今作の大テーマだし、そして、克己、ですね。そういう若者の成長物語としてやっぱ映画のスパイダーマンは秀逸で、そんな彼らの成長していく姿をこの映画シリーズの大ヒットを子役から大人の俳優としての世界的売れっ子への足がかりとして見事トップスターになった主演二人(トビー・マグアイアとキルスティン・ダンスト)がまさに「成長したわたしたちを見て!」という感じのきちんとした演技で見せる。その成長っぷりがバーチャルな映画のなかにタフでリアルな手応えを醸しだし、見ものだった。

近況報告: 恐ろしく日にちが空いてしまって。その間、何してたかなあ……というと自分のことで結構忙しく、あと、家族の病気があったのが(終わった今、振り返れば)精神的にきつかったんだなあと。いちおう解決して今はちょっと落ち着いたので久々の更新です。

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