風弱く、空気が濁ったような白光りした晴れ。案の定、昼過ぎに光化学スモッグ注意報が発令される。
ライア&ソネット
村治佳織&ザ・シックスティーン
音楽: 村治佳織のCD『ライア&ソネット』(DECCA、2006年10月発売)を聴き直す。「ザ・シックスティーン」(The Sixteen)というイギリスの人気コーラス・グループと共演しているコラボレーションアルバムで、ギターの分野にとどまらず、〈パッヘルベルのカノン〉や〈ダッタン人の踊り〉等、クラシックの名曲を合唱とギターという新鮮な組み合わせを巧みなアレンジで柔らかく聞かせてくれる——どちらかというと合唱がオーケストラの伴奏パート的に後ろに回り、ソロ楽器的にギターがのっかってふわふわとメロディーを奏でる形の曲が多い。ばりばりギターを弾く姿はこのアルバムにはないが、しかし、ギターと人の声、というクラシックの世界ではなんとなく思いも寄らない組み合わせが上手く融け合っている。綿菓子のような、ゆったりと流れていく時間。わたしは音楽に対して「癒し」を安易に使うのは嫌いだが、このCDに限っては、ストレスのない、美しい別世界に誘ってくれるまさに「癒し」である(疲れているときにはちょっと眠たくなる)。なお、アルバムタイトルの『ライア&ソネット』とは古いイギリスのことばで『リュートと歌(声)』という意味
(http://www.universal-music.co.jp/classics/kaori_muraji/discography.html#uccd1176)だそうだ。