広告で作家陣を見てこりゃ買わんわけにはイカンだろう,と思ったのだがコンビニ等では見つけられず昨日ようやく本屋で購入.
 でその作家陣,松本大洋,山本直樹,相原コージ,さそうあきら,日本橋ヨヲコ,唐沢なをき,しりあがり寿,松永豊和などなど.が,読み切りモノではなく,隔月刊誌になるらしくどれもこれも連載第一回なので雑誌全体を通してタネ蒔きに終始している感は否めない(スピリッツ本誌などから引っ越し連載があってもよかったのではなかろうか?)が,それでもまあ,600ページ以上もあるということもあろうが,読み応えは十分.しかしキャッチの「漫画の痒いトコにペンが届く」ってのはどうだろうなあ.なんだか寄せ集め的な感じがして方向とかターゲットとかもよーわからんし.作家によってはハズレっぽいのもあるしなあ.まあ次号(1月下旬発売?)次第ってとこかしらね.

 多分マンガ好きな方にとっては目玉は松本大洋「ナンバーファイブ」なのだろうが,すんません実はくろひょう,この松本大洋ってヒトのマンガ,あまりよく分かりません.「花男」とか「鉄コン筋クリート」とかも読みましたが,手放しで面白いってわけでもなかったし,よく言われる絵の巧さにもそれほど惹かれませんでした.もちろん面白くないってワケでもないんですけどね,なーんか「言うほどかなー」って気がして.
 なのでこのマンガもよく分かりません.すんません.

 山本直樹「安住の地」はいいすね.氏っぽくない不思議な世界観だけど面白くなりそな雰囲気ありますね.初回からエロありだし(笑).
 日本橋ヨヲコ「G戦場ヘヴンズドア」も,いつもの調子ですがよさげです.
 他方,あららーって感じだったのはスピリッツの例の連載開始の頃からどっか逝っちゃったとか噂の相原コージと,以前「くろマン」でも紹介した「バクネヤング」を描いてた松永豊和でしょうかねえ.詳しくは書きませんけど,ちょっとがっかりしました.
 黒田硫黄「セクシーボイスアンドロボ」画風も好きなんですけどテンポも良くていい感じで読めました.連載1回目って感じじゃなくて読み切りっぽい.本誌「うずまき」の伊藤潤二の読み切り「阿弥殻断層の怪」もまさに引き込まれるような感じで(笑)読めましたね.ただ,ラストはもちっと怖いものを期待してたのですが,ちょっと肩すかし気味.

 ま,ほかにも面白いマンガはいくつかあったのですが全部書いてもしょうがないのでこんなもんで.

 ご存知の方も多いと思うのだが,年明けに映画も公開される同名小説の漫画化.
 架空の国「大東亜共和国」における国家的プロジェクト「プログラム」の該当クラスに選ばれてしまった町立城岩中学校3年B組の物語.「プログラム」ってのは,ある閉ざされた空間の中で最後の一人になるまでクラスの友人同士で殺し合いをするゲームなのだ.互いに殺し合いをするよう仕向けられた中学3年生の生徒達が,お互いを信じられなくなって本当に殺し合いをしてしまったり,殺される前に自殺をしたりとか,信じたり,信じられなくなったり,あるいはゲームを脱出するために奮闘したりとか,というような感じの話だ.
 原作をお読みになった方ならお分かりになると思うのだが,この小説,中学生のくせにやたら濃いヤツが登場する.で,このマンガではその濃さを余すところなく,いやむしろ原作以上に濃く描いているといっていいだろう.とりわけ相馬光子,川田章吾,沼井充,月岡彰あたりの濃さといったら,そりゃおめー絶対中学生じゃねーよッ!ってくらいだ(分からんなこれじゃ).まあもともとこの田口雅之というヒトの描く絵が濃いってのも十二分にあるのだが,しかしかなりいい案配でイメージが浸透することウケアイだ.

 内容の方はここまでは坂持の名前が違うくらいであとはおおむね原作通りなのだが,多分このマンガは原作のマンガ化というよりは映画のマンガ化という感じだろう(それにしては中川典子と前田亜季は違い過ぎかもシレン)(←おい)から,ここから先は原作といっしょとはかぎらんかもだな.
 本誌連載が今どの辺まで行ってるのかはよーわからんのだが,原作や映画とはまた違った面白さがあると思うので,興味のある方は是非.

 ★★☆☆☆

 たしか今月発売だよなーという認識はあったのだが,昨日の帰りに寄ったコンビニで発見してそのまま本屋へ直行.や,せっかく最新刊買うのに,コンビニの手垢にまみれたヤツはイヤじゃないですか.なのでちゃんとビニ本になってる本屋さんで購入(←「ビニ本」て・・・)
 表紙(背表紙?)は越智か?と思っていたのだが伊角さんでした.まあ内容を改めて見ればそうかしらね.越智は11巻かな.ってことでその内容はプロ試験本戦中盤戦,その伊角とヒカルの対局とその前後といった感じ.伊角がナニしてヒカルが動揺して,でもヒカルは1敗で立ち直るが伊角はちと引きずりつつも・・・という展開.なるほどなるほど,くろひょうは連載時この辺をちょこちょこ読み飛ばしていたので,この終盤に来て星勘定が曖昧だったりしたのだが,こうしてちゃんと追ってみるといろいろ納得.この巻の最後の方で塔矢が越智に『あの一局』を見せて今に至るって感じか.それにしてもこの巻の最初と最後で伊角の顔は随分変わったよなー(笑).

 しかしこの辺に来たらぼちぼち碁の内容に踏み込んでもいんじゃないかなーって気がしてくるな.いや,くろひょうはもちろんのこと,おそらくこのマンガの読者の9割以上は碁の内容を説明されてもついていけないのだが,しかしここまで内容に関しての記述がないと,なんとなく説得力に欠けるような気がしてしまうのだ.例えば79ページ最後の二コマ.越智はヒカルと伊角の局面をぱっと見て「伊角さんの方が優勢」といっているのだが,読者にとってはその盤面のどこがどういう風に優勢なんだかよーわからん.せめてヒトコトフタコトの説明的なセリフがあってもいんじゃないかな,と思うわけだ.第85局の伊角-越智戦もしかり.単行本未収録分だけど先日のヒカル-越智戦もそうだよな.心理描写のセリフだけでなく,簡単な局面解説的なセリフが欲しい.それを読むことによって読者を「分かったような気にさせる」ってのも大事だと思うんだよなあ.
 次巻は3月になるかな.この巻と次巻を続けて読むと萌えそう燃えそうだな.うむッ!

 ちなみに本誌連載の方の今週は・・・や,書かない方がいいよな,きっと(笑).

 ★★★☆☆

 エロ.
 「塔山森」も含んでいると言えばわかる人にはわかるだろう.そゆ本だ.ここ2年くらいの間に「マンガ エフ」「週刊漫画アクション」ほかで発表された読み切り作品を集めたモノらしい.コレクターズアイテム的要素が強いかな.くろひょうはコレクターでもマニアでもないのだが,なんだかうっかり購入.ほんとはほかの本を探してたんだけどなあ.魔が差したんだね.えへへ.

 しかし山本直樹の描く女の子はいーなー.でも電車の中で読むマンガじゃなかった(笑).

 ★★☆☆☆