先日のオフで,くろマンを読んでくださってる方から「『おおひなたごう』で書いてください」とリクエストをいただいたので.
 いやしかしおおひなたごうって,感想書きにくいんだよな.っていうか,このひとのマンガって,マンガじゃないんだよな.特にこの「カステラショック」とか「俺に血まなこの花」とかのようなショートギャグ系のは.なんつーか,ギャグイラストというか.ネタと絵の微妙なマッチングというかミスマッチというか,その辺が面白い人であってさ.感想を書こうとすると,そのネタを解説しなくちゃいけないし,しかもネタだけ解説しても多分面白さは伝わらないし,なんせネタバレそのものだ.これはなかなか難しいですぜ.
 とも言ってられないので無理矢理なんか書くか.この「カステラショック re-mix!!」はその名の通り「カステラショック」という氏の単行本の再発版.んでもって内容は「バニラの招待状」と「この素晴らしき世界」という二本の連載作品をまとめたもの.先にも述べたようにネタ満載なマンガなのでなかなか感想は書きにくいのだが,えーと・・・面白いです(←そんだけか).いろいろなキャラが出てくるのだが,やはり一番印象に残るのは「力持ち」だろうか.彼はその力でなんでもかんでもコネコネして,人間を別の物に変えてしまったりするのだ.人間がメガネやらサイコロやらケシゴムに変えられたりするのだが,変えられた人の行動と,その救われなさがなんともおおひなたごうテイストな感じだ(←わからんて).や,やはりこれじゃあ説明になってないな.ううむ,分かりたかったら買って読め.な.
 といいつつこの手のマンガは人を選ぶので★★★☆☆.

 安達哲・青春3部作(←勝手に名付けるな)の2作目.ブックオフの100円コーナーになんとKCで全巻揃っていたので大人買い.って全巻で800円じゃんとかってツッコミはなしね.
 ひょんなことから芸能人高校に通うことになった慎平と,その周辺を描く.「ホワイト〜」がただのスケッチみたいな(←「絵が」ってことじゃなくてね)マンガだったのに対して,「キラキラ!」は作者の意志みたいのがずんずん伝わってくる.特に2巻のあたま2話あたりからは目下連載中の「バカ姉弟」にも通ずる安達氏独特のセンスが冴えてくる.それと,彼らを取り巻く周辺の脇役がまたイカス.奥平とか岡島,あるいは美里や美里の弟なんかは「お天気お姉さん」に出てくる脂っこい連中の伏線っぽくてヨイ.や,こういうの描かせるとほんとうまいよな,この人.あと,恵美里のベッドシーンなんかは,おいおいおい少年誌でここまで描いていいのかよッ!ってくらいソソりますね.この人の描くソノ時の女性の表情とかって,ほんと上手いです.

 バッドエンディングになりそなところを6〜7巻でまとめつつ,さらに登場キャラをうまく使ってキレイにまとめてるよなって感じのエンディングですな.まー最後の方は主人公そっちのけって感じもしなくもないし,今読んでみると平和すぎてちょっと味気ない感じもするのだが,でもまあいいですわ.うん.
 そんな感じで★★★★☆.あの頃の切ない想い出って感じ.・・・ってそんなもんねーよ.けっ!

 この間の北崎恋愛マンガ2連発の時にちょっと書いたら読みたくなって・・・というか,や,当時YS読んでたし単行本も持っていたのだが,ハッピーエンドじゃないのだけ覚えていて話の筋をどうにも思い出せなくて気持ち悪かったのでついつい購入.ブックオフにて2巻セットで100円.うはー.
 んでまあその話の筋だが,ヒーローの上の人「中の人」になりたいアクション役者志望の青年が主人公.何人かの若者が登場して,それぞれ自分の夢と恋愛の中で揺れて・・・って感じのお話.2巻完結(全24話)と短いけれどもまあそれなりにって感じです.今読み返してみると打ち切りだなーって感じも否めないのだが・・・(笑).しかし最悪なのが二枚目役の伊達クンが初登場のシーン.ヒーローの着ぐるみのヘルメットだけを脱いだカッコウで段抜きで初登場なのだが,このシーン,何度見ても等身が変です(笑).でもまあ(多分)最初の連載だし,なにせマンガは絵の上手いヘタだけじゃないですからね.といいつつ,あまりオススメはしませんなー.北崎ファンで未読ならって感じかな.★☆☆☆☆(←辛ッ)

 ちなみに氏の連載順序,「ヒーロー志願」→「たとえばこんな〜」→「ふたり」だと思っていたのだが,「ヒーロー志願」のあとに「望郷戦士」ってのもありましたな.よく覚えてないのだが,面白かったという記憶はナシ(あらー).それよりも今は「なぎさMe公認」を揃えそうなイキオイ.はてさて(←こいつ絶対揃えるぞ)

 安達哲・青春三部作(←またそんな勝手な呼び名を)のその3.ステージを少年誌から青年誌(ヤンマガ)に移して,かなり濃いめの,鬱屈した青春を描く.て感じかしらん?
 何軒かブックオフを廻ったのだが3巻だけが見つからない,と思ったらなんと3巻は成年指定されていた.あらー.どこかそんなに?って気もするが,まあエロだという以外に危ないものなあ.
 両親が海外赴任中で,出戻りの元ヤンな姉と二人暮らしの主人公・市ノ瀬利彦.叔父夫婦が居候することをキッカケに利彦の周囲がどんどん変わっていき,そして文化祭での大事件が起きる・・・ってな感じか.んむ,こう書くとなんだか分からんな.んむー,その叔父ってのが地上げ屋でとんでもなく悪いことばかりやってるのだが,利彦もその中に否応なく巻き込まれていくのだな.それで,利彦のまわりの人たちがどんどん不幸になるというか.
 なんつーか,読むとかなりダークな気分になるマンガではあるのだが,しかし有無を言わさぬ面白さがある.安達氏のこれまでの2作が比較的明るめの話であるのに対して,この「さくらの唄」はどろどろ.ただそのどろどろ具合がただどろどろしてるってだけじゃないんだよな.青春の葛藤とかナントカ,そういうものがちゃんと描かれていて,んむ,なんかうまく書けんが,まあそういうことだ(←どういうこと!?).

 しかしコレ,残念ながらリアルタイムでは読んでいないのだが,当時はいろいろ問題あったんだろうな.ラストもそれなりにまとまっていて打ち切りって感じの終わり方ではないのだが,なんとなく,作者が描きたかったモノを全部描けているのかなって気もするな.でもま,いいですわ.これがあまりに完成度高いと,案外佳作「お天気お姉さん」なんかは生まれなかったかもシレンしな.
 などと偉そうなことを言いつつ★★★★☆

 先日ブックオフでなんと100円で購入.KCデラックス(A5版)だし発行部数少ないし,なんとなくマニヤとしてはこんな値段で買えていいのかしら!?って気もしたのだが,まあこんなもんだろうね(←現実的).本自体もヤニで汚れてて汚いし.

 山田芳裕初期の作品.現代にあって侍として生きる新入社員加藤と,同期入社の天然オヤジ(という表現が適当とは思わないが)源が織りなす物語.というか,加藤が勝手にバタバタして,源が天然でそれをさらっていくってな構図なのだが・・・
 なーんか評価は高いらしいのだが,はっきり言ってマンガとしてはイマイチ.山田氏独特のタッチも構図も擬音も生きてはいるのだが,なんというか作者の確固たる意志みたいなものが感じられないというか.作品としての方向性みたいなものがあまり見えてこないんだよなー.
 それに設定と話の内容.加藤は「大正野郎」の主人公・平に通じるモノがあるっちゃあるのだが,ちょっとばかり無理に作り出された感じがしてあまり感情移入できない.話の最大の山場である球技大会も,加藤があそこまでこだわる理由がよくわからんし,源の行動もそれまでの彼の行動とあまり一致していないような気がする.それと小鳩.なぜ源に惹かれているのかもよーわからんし,なにより物語全体を通して重要な役割に思えない.加藤との絡みもあの蹴り一発だけだし.まー,なんというか,全体に作者の葛藤みたいなモノが見えるというか,なんだかなーって感じだな.
 ・・・と思ってたのだが,二度三度と読み返してみると,ちょっとした発見があった.ああ,ちょっとだけ作者の意図も見えてきたかもしれない.わかった風なこと書いてごめんなさい山田先生.

 だけど少なくともこれをちょろっと読んだだけで山田芳裕を評価するのは勘弁してもらいたいなという意味を込めて.★☆☆☆☆

 よーやくめっけた.津田沼のパルコにもなくて「あーこりゃ注文せにゃダメかなー」と思いつつ昭○堂に行ってみたらごっそり積んであった.どうもほかの本屋では入荷数が少なかったってことらしいな.あー,ちょうどスラダンの完全版が同じ日に発売になった関係で売れやすかったのかも.まーなんにせよ手に入って良かった♪

 で,これ,やはりバスケマンガです.ただし普通の高校バスケじゃなくって,高校中退やらケガ(っつーか,片足切断)で普通の高校バスケができなくなった野郎どものお話.高校中退でバスケをやる場所がなく,その気持ちの行き場を無くした野宮朋美(♂な)と,事故で片足を失ったが馴合いの身障者バスケにアイソを尽かした戸川清春が出会って物語は進んでいく.なんつーか,身障者スポーツを題材にしてはいるが,別に悲壮感があるわけじゃなく,かといって何かの問題提起をしているわけでもない.たんなる道具として取り出しているだけってあたりがなかなか.ジンジンとアツい話だ.
 話は野宮の元チームメイトなんかも微妙に絡みつつ・・・なのだが,なにせ展開が遅い.いや,まだ1巻しか出てないんだけどな.実はこれ,連載ではなく読み切りで不定期に掲載されているのだ.年間4〜5話載るかっつーペース.2巻の発売予定が2002年春ですってよ.はっはっは.たのむよー.もちっと掲載ペース上げてくれって感じで★★★★☆.

 あれ?朝倉世界一!?ってな感じで反射的にレヂに持っていってしまったマンガ.もしかしたらこのマンガをご存知な方もおられるかもしれないが復刻版でした.ええ,これ,以前持ってました(笑).
 心臓が弱くて計算が苦手なロボットの「ロボくん」が主人公のキュートなマンガ.ネズミ風な悪役のテンプターや後半登場するロボ郎・ロボ美なんかとあいまって,トムとジェリー的,あるいはタイムボカン的なほんわか勧善懲悪なお話を展開する.最終話はロボくんの体の秘密がむにゃむにゃでちょっとせつない終わり方になっている.んむ,こういうせつなさって,朝倉世界一のよさのひとつだよなあ.第6話とか,第10話とかもせつないなあ.
 「アポロ」のサイドストーリー的な読み切り「アネモネ」が初収録だったりして,★★★★★.

 山崎さやか・・・って,代表作ってなんだろ?最新作は「フローズン」なんだけど,話題性からいって「マイナス」あたり?てな感じで大メジャーではないのでご存じない方もおられると思いますが,まあそんな人です.
 以前(というかYSに載るときかな?)は「沖さやか」と名乗ってたりもして,この本は沖さやかで書いた読み切りを集めたヤツ.デビュー作から大漫王掲載の比較的最近の読み切りまで幅広く掲載.きれいな女の人描くし,エロ表現もなんか女性的だがツボを押さえてて(笑),結構好きな作家なので少々値は張ったが買い.
 全部で6作掲載.大漫王掲載の「ラブ・ゾンビ」と「P-good」はオボエがあるのだが,あとは初見.なんとなーく尻切れトンボ的な話が多いような印象.「ラブ・ゾンビ」はマユミが予兆なく豹変するのがちょっと「?」な感じ,「主婦201号室」はエロでいいのだがオチがとってつけた感じ.「HIKARI」みたいな隠れてこそこそ・・・ってのはいかにもこの人らしい話で,まあまあ.「便所」は面白いのだが,やはり最後に神長が態度を改める理由がよくわからん.「群青」はオチなし.っつーか,どこで終わってんのよ,コレ?って感じ.「P-good」田舎育ちの天然な娘ってのは,案外こんなもんかも・・・ってのは理想かねえ.あたしゃこんな娘といっしょに養豚して田舎暮らしがいいですよ.

 ところでデビュー作の「群青」,今とはずいぶん画風が違うのだ.なーんかぱっとみ「サトラレ」の佐藤マコト氏にも似てるかなって感じなのだが,もしかして同じ穴?ってことは鈴木由美子アシ?や,この人の絵って安達哲にもちょっと似てるのだが,関係あるのかな?でもこのトーンをわざと(だよな?)ラフに貼るのって,なーんか見覚えあるんだよなー.まあどうでもいいけど.
 この手の作品集はファンならって感じで★★☆☆☆.ちなみに実用性(笑)は低し.

 ここんとこ安達哲を立て続けに読んでいたのだが,「さくらの唄」まで行ったのなら,コレも行っとかないことには.ねえ.
 ということで言わずと知れた安達哲の代表作.マンガ読みならご存じない方はおられないと思うが,ボディコン・ワンレン(←うわー)なお天気キャスターの仲代桂子が主人公の,破天荒なお話.しかし設定のわりには今読んでも十分おもしろい.古くささはまったく感じられないなかなかよいマンガ.
 ただ,これって,書き始めの頃に作者自身が描きたかったであろうことって,1巻ですべて描き尽くされてる感じだよな.1巻の最終ページにそのまま「完」て書いてもいいんじゃないかってくらい.まあ2巻以降,かおり,かよこ,変態ハンターの夏美と律子など濃いキャラクターが登場して面白くはなるのだが,どうにも1巻のテンションが出ていないように読める.深読みしすぎかもしれないが,5巻あたりで桂子が引きこもってしまうあたりは,作者の心情をそのまま表わしているのではないかとも思える.
 とはいえ総じて作品の完成度は高いし,いいマンガです.マンガ読みなら一度は読んでおきたい作品.安達哲入門としてももってこいです.っつーことで★★★★☆

 ええと,好きな人にはかなりウケがいいのだが,知らない人は全然知らない,あるいは,本気で池上遼一が描いている,またはニセモノだと思いこんでいる,なんてな具合にかなり微妙なマンガなのだが,まあアレです.
 いや,売れてるんですよ,本格的に.なんせくろひょうが買ったのが2刷なのですが,1刷の発行日が2月16日で2刷が3月2日.つまり,わずか半月で増刷されるというくらい売れているのだ.・・・あるいは初回発行部数が極端に少なかったか(笑).

 この手のギャグマンガはなかなか感想が書きづらいな.しかもこのマンガに関して言えば,どこがどう面白いかってのを人様に説明するのが非常に難しい.強いて言うなら,池上遼一タッチな劇画風強面な高校生たちが,非常にマヌケな会話をしたりするというギャップが最大のポイントだろうか.あああああ,こう書くとおもしろくなさそだなー.まあなんというか,そういう感じです(←だからワカランて).ちなみに単行本のくせに,各話の最終ページの柱にアオリというかツッコミがちゃんと載っているのも笑える.
 ま,そんな感じで好みが分かれるところだが読んだことのない方は食わず嫌いせずにちょっとくらい読んでみてくださいな,という意味を込めて★★★☆☆.

 2周目読了.いやはや面白いマンガだ.以上.

 ・・・って,それじゃあなんだな.や,読んでくださいよとしか言えんのだよなまったく.話の大筋は,とある寺の息子である蒼月潮(あおつきうしお)がある日,古い蔵で槍を突き刺されて身動きができなくなっている妖(ばけもの)と出会う.もろもろの事情により潮はその妖(のちに「とら」と命名)から槍を引き抜く.とらは潮を食べるために取り憑くのだが,その槍(獣の槍)がある限りはうしおを食べることができず,ともに行動するようになり何故かいっしょに化け物退治をしたりする・・・ってな話.
 なんとなくジャンプテイストなありがちな話っぽいのだが,しかしそんじょそこらのマンガとはひと味違う面白さがある.面白さのポイントってのは多分,話のスジが早い段階ではっきりと見えていること.や,それじゃつまらんのじゃないかって気もするのだが,しかしこれが読者を惹きつける理由になっているに違いない.最後に倒すべき強大な敵を,かなり早い段階から見せておいて,それに向かって話がどんどん加速しながら進んでいくのだ.まーつまるところこの手の冒険活劇ってのは勧善懲悪のそれ以上でもそれ以下でもないってことだろうな.話が単純であればあるほど面白い.そんな気がするな.ちょっと話がそれるが,ドラクエなんかも最初の頃は善悪がはっきりしてて,その分ゲームの世界に没入できたのだが,最近のは・・・とくにDQ7あたりになると話が複雑すぎて,というか「何が善で何が悪かなんてのは決まってないんだ!」みたいな描かれ方をするとかえってしらけるというか.この「うしおととら」はその辺をハッキリ描いておいて,なおかつストーリーの細部を緻密に描くことで読者を惹きつけている.そんな感じがする.
 それになんというか,最初からこの全33巻分の話が用意されていたんじゃないかって思わせるくらい,全体としてよくまとまっている.全部の話が最後の戦いのための伏線であるかのようなまとまり方だ.まーそれになんつっても泣ける.途中の話もそうなのだが,最後の方はもう泣きっぱなし.わかっちゃいるのだがやはり27巻あたりからずーっと鼻水止まらんですよ.
 ってなぐあいによく出来てはいるのだが,最終回だけちーっと不満.最後には結局うしおととらは別れてしまうのだが,その場面をもちっと引っ張ってもいいんじゃないかなーって気が,ね.なんつーか,一番泣けなきゃいけない場面だと思うのだが,ちとあっさりし過ぎてて,ここでは泣けないんですわ.まあ,そのあとに一発あるんですけどね.でもそこだけちょっとねえ〜って感じかしらね.
 でもまあ,いいぞ,コレ.読め.★★★★★

 お.こっちも主人公がうしおだな.んあ,でもこっちは名字か.まあいいや.
 新米検事の苦悩の日々(←それだけかよ).やー,青春ってのとも違うんだけど,ちょっと暑苦しいくらいの人情ドラマ.苦手な人はまるでダメだろうねえ,こゆマンガ.
 んでまあ2巻なんすけど,1巻の頃のインパクトと比べるとちょっと停滞気味かなって印象.とはいえ同期の丹羽ちゃんの告白とか,潮の奥さんや子供のこととか,物語のバックボーンになっている部分が見えたり,新任期間を終えて新天地に異動したりと,物語がこれから展開していくことを匂わせるような巻.完結後にあとでまとめて読んでみるとまた違うかもね.
 でもまあ好きずきでってことで,無理には勧めませんぜ★★☆☆☆