スペリオール連載の新米熱血検事の事件簿.3巻目.
 いや,「熱血」って書いたけど,もうこの3巻目あたりはそれほど熱血でもないんだよなー.1巻目のころはこの作者の前作「演歌の達」の越川達を彷彿するようなキャラクタで描かれていたのだが,2巻,3巻と話が進むにつれて,まあ主人公・潮貞志(うしおただし)が成長してるってのもあるだろうし,そもそも主人公自身30歳(だよな?)ってことで,それなりの落ち着きもあるんだろうし,という感じで,なんつーか無駄なテンションの高さみたいのがどんどん削ぎ落とされていってるんだよな.とはいえそれなりに内に秘めた闘志みたいなものは見え隠れはするのだが,しかしなんつーか,どんどん被疑者と周辺の人間ドラマみたいな雰囲気を呈してきていて,ちょっとなーって感じがしている.
 作者側の事情なんてもちろん知らないが,本作を読む限りで見て取れることとしては,「演歌の達」から離脱することがひとつの目標なのだろうな,ということ.1巻最初の潮の上司として登場したのが寺岡というこれまた熱いおっさんで,これが「演歌の達」での富沢本部長とダブってしまうのだ.その辺をはじめとして,最初の方ではどうにも「演歌の達」のカラーを脱却できていないなというのは伺い知れる.で,その辺が主人公・潮の成長とともに徐々に「演歌の達」離れが進んできているのかな,というような見方ができるわけだ.
 「演歌の達」が好きだったくろひょうとしては,寂しい気持ちもあるのだが,しかし好きな漫画家さんが自分の筆の幅をひろげてくれるのは嬉しいことだ.
 でもなー・・・てのがやっぱりあるんだよな.単なる人間ドラマを描くのならもっとうまい人はほかにたくさん居るわけで.そうでなくて,そういうものを描くのであっても,誰かのマネをするんじゃなくて,高田靖彦にしか描けない,熱くて人情味のある人間ドラマにしてほしいな,とか思うわけですわ.
 そんなこんなで,作者自身,迷いもあるんじゃないかなとか勝手に思ってたりします.

 前置きが随分長くなったが,この巻では新潟地検に配属となって・・・ってなお話.先輩検事である桑原の応援をする話なんかがメインになるわけだが,んむこのエピソードもどうにも潮がカッコよすぎるというか,アタリを出しすぎるきらいがあるんだよな.うまく行き過ぎちゃうのね.その辺がどうもなーって気がする.のだが,この巻の最後のエピソードでは事件の関係者が自殺をしてしまったりとか,まあそれなりに波乱はある.けしてつまらんマンガになっているわけではない.
 ただねー.全体としてツクリがテレビドラマぽい感じになってるんだよな.なんかさ,穿った見方ではあるけど,あたかもテレビドラマ化されることを狙って描いているかのようにもとれちゃう.柴門ふみのマンガなんかにそういうのは多いよな.ヒキとかタメとか,あとある一定期間毎のまとめというか落ち着かせ方みたいな.どうなんだろ?深読みしすぎかな.
 あるいは潮の妙なクールさみたいな部分とか,逆にテレビドラマに影響を受けた部分も大きいのかもね.ほれ,最近あったよね.いい男が検事やるドラマ.ねえ.あー,影響されてるだろうなー少なからず.まあそれが悪い方に働いているとは一概にはいえないけどね.
 ま,あとは「最初は敵対もしくは嫌っていたが徐々に主人公に魅せられていくキャラクタ」として登場するのが立ち会い事務官の堀部.なんつーかもう,ものすごく典型的な描かれ方ではあるのだが,彼女の視点ってのがこのマンガのキーになっていることもたしかで.
 ただね,堀部のセリフにもあるんだけど,潮のやり方で失敗したことがないってのはどんなもんなのかなーってのがね.絶対に人が死なない「め組の大吾」にも共通する気味の悪さみたいなものもある(大吾はそうだから面白いってのもあるんだけど)よな.その辺もきっと,「テレビドラマみたい」とか思っちゃう一因なんだろうな.

 まあいろいろ書いたけど,スペでは注目のマンガであることにはかわりないわけで.
 ただこの巻に関してはちょっと厳しめに★★☆☆☆.
 ま,この続きからまた面白くなるんだけどね.

(発行日:2001/10/01)

 いやはやこれでいいのかヤングジャンプ.
 「妹〜あかね〜」はこれまでも「これでもかっ!」っちゅーくらいに妹萌え全開だったのだがここへ来てど真ん中の直球勝負.むー,これがもしヤンジャン読者の大多数が望む展開であるのなら,日本の将来は大変だなあ(←余計なお世話だ).
 それにどうだい「あい。」は.連載開始当初からいずれはそういう展開になるのではないかと思っていたがついに!まあ次回でどうなるかは分からんが,しかしこっちはこっちでそういうツボ(笑)を刺激する方向かよー.

 むろんそれだけじゃない
 「ヤスミンのダンス」はパンチラ(つーかパンモロ)全開だし,今週はお休みだったが「GANTZ」は巨乳全開.なんかさ,いわゆるエロ雑誌になると趣味が一箇所に集中しがちなのだが,その辺メジャー青年誌だからこそなのか,多方面の萌えというかフェチというかナニを満足させるかのような誌面構成になってるよな.広く浅くっていうかさ.

 仮にもヤングジャンプ.なにせいわゆる「ヤング誌」の草分けであり,これまでの二十数年間ヤング誌・青年誌をリードしてきた雑誌だ.もしかするとこれからの青年誌はこういう方向に走るべきだという道を示しているのかもしれない.・・・・・・やだなぁ(笑).
 とはいえなんだかんだ読んでるんだよな,くろひょうも.ヤンサンはイチ終了以来一切読まなくなっちゃった(キクニと北崎拓だけはたまに立ち読みしてる)けど,ヤンジャンは買ってない期間もそれなりに一通り目を通してるんだよな.その辺にヤンサンとヤンジャンの誌面作りの差があるんだろうな.よーわからんけど.

 でもま,相変わらず買うほどではなかったりして(笑).
 熊谷カズヒロが週刊連載でもしてくれたらねえ.

 むふーっ,鼻水が止まらん.

 特に目的はなかったのだがぶらっと何軒かブックオフに.
 100円コーナーでふと曽田正人「シャカリキ!」の10巻(チャンピオンコミックス版)が目に止まったのでなんとなく眺めてみた・・・ら,この巻ってちょうどテルが入院する巻でやんの.くっはー.いきなり一番アツい巻を読んでしまったらもう止まらない.帰宅して一気に全巻また読み返しちまったい.いやー,何度読んでもアツいマンガだこりゃ.もう鼻水も涙もとまらんのことよ.何度でも書くがこれは面白いぞ.読んで絶対にソンはない.断言する.読め.命令.な.

 あとはこの間ちょろっと読んでラストが気になってしまった高見まこ「ふたりの気持ち」の8巻(最終巻)を発見.ぱらぱらっと流し読みしてみたよ.ああ,ハッピーエンドだったのね,よかったよかった.しかもこれまでの波瀾万丈のわりにはこの間は山らしい山もなく.なんだかもう玉抜かれたみたいな感じですな(←なんだその表現は).
 しかしこれもさ,当時だったからこういうラストなんだろな.今同じマンガを描いたとしたら,もっとものすごい展開になったんじゃなかろかね.例えば・・・そう,寛の受験の日に冬美は神社にお参りに行くのだが,そこでスベって転んで産気づいてしまう.この辺もイマドキのセンスに従うのなら,ここできっと流産させちゃうよな.で,それを機にふたりに不幸が・・・ってな感じだろうか.このころのマンガってその辺の必要以上の毒がない分,安心して読めちゃうよな.それが今の時代にあって「物足りなさ」に感じてしまうことも否定はしないけど.

 なんつーか,ヨシアシだよな.

 あと,アクション連載中の「オッパイ・ファンド」(1)(作者名失念)を初見立ち読み.
 にゃるほど,そういうマンガでしたか.そりゃーバカバカしすぎる(笑).でもやっぱくろひょうは巨ニュウ派じゃないからなー(←なんだよそれ)

 たまにはこういう気合いの入ってないれびうなんかもね.

 おおっ、伊角タン復活!
 韓国とか言ってたよな。ってことはアレじゃないかね?洪秀英(ホンスヨン)がまた登場してヒカルが立ち直るきっかけになったりするんじゃないかしらね?

 読んでて苛つくことの多かったこの数週、そろそろまたアツい展開になって欲しいよな。

 2001/09/10追記:韓国じゃなくて中国でしたね。あわわ。

 ここの8/30付の記事によるとイブニングはほぼ完売(現状90、見込み95)ですって。同8/22付の記事では発行部数35万部と報じられている。多分新創刊の月刊誌としては驚異的な数字ではないかと。
 んでもなー。ああいうビニ本売りされると、立ち読み派もとりあえず試してみっかで買うしかないもんな。で、今回は900ページで360円と、お得感もあったわけだし。んでもって次号は次号でジパングマウスパッドだとかのオマケがつくらしい、ってことは次号もビニ本売りなんだよな。まあビニ本売りしてる間に固定ファンを掴めばそれで結果オーライなんだろうけど、どうだろね。創刊号はあまり評判よくなかったみたいだし、3号からオマケなしという前提で、15万売れるかどうかって感じじゃないかしらね。
 とりあえずくろひょうはしばらく買ってみるけど。

 参考までにここのデータ。
 アフタが16、UJ あたりで10っていうけど、購買ターゲットとか考えるとこの辺もあまり参考にならないかな。それにしても青年向け月刊コミック誌で15〜20も売れりゃ上出来か。新マグナムの頃ってどれくらい売れてたのかね。いつもコンビニで2〜3冊しか見かけなかったから、せいぜい5万とかそんなもんなんだろうな。
 まあいずれにせよくろひょうが心配するようなことでもないか(そりゃそうだ)。

 

 あ、そうそう。
 山口みかん様からの電波をキャッチしました。いつもお世話になりますー。

 阿部秀司「エリートヤンキー三郎
 そう来たかっ!・・・まいった(笑)。
 いやいや、まだまだ。来週に期待だな。なんせ「☆次号、秘策!また秘策!!☆」だ(大笑)

 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」
 「テメーはオレだちと飲んでんのかケータイと飲んでんのかハッキリしやがれーーーっ!!」か。いや、この気持ちわかるね。なんかさ、飲み会の席とかでさ、話に加わらないでケータイだかメールだか知らんけどピコピコやってる人、いるじゃない?・・・ってワシのコト!?いや、ワシはあまりやらんぞソレ。あいげっちーちょこちょこいじることはあるけど、でもそんな頻繁にやってるわけじゃないしなー。まあともあれ、アレはいっしょにいて気持ちのいいもんじゃないよな。
 つーか、いまどき「ケータイピコピコ」はねーだろ>わし

 原田重光「立つんだ!幸子」
 な〜んか読んでてすごくイヤな気分になっちゃうんだよなー。ってのは単に貧乏なのを見るのがイヤだとかではないんだよな。なんつーか、ほんとに痛々しい感じがする。これでさ、絵がもちっと上手くて、幸子に萌えられればそれなりに読めると思うんだけどさ。あー、そっか。幸子がいちいち痛々しすぎるんだよなきっと。
 作者とファンには申し訳ないけど、早く終わって欲しいなとか思ってます。はい。

 馬場康誌「空手小公子小日向海流」
 先週のヒキがアレで「脇の下通って行っただけだ」はねーだろって感じだな。まあ、そんなとこだろうとは思ってたけどさ。でもコレ、やっぱ武藤が出ないとおさまりつかんの?海流だけでなんとかならんのかねえ。

 小田原ドラゴン「おやすみなさい。」
 馬鹿すぎ(笑)

 ご存知でない方はあまりいないと思うが、「すごいよ!マサルさん」のうすた京介が今ジャンプで連載してるやつ。巻末の7ページほどのマンガで、いつもこのページ数のわりにすごい密度で描いてるなあとか思ってたのだが、うん、単行本で読むとまたより一層。

 しかし前におおひなたごうのマンガのときにも書いたのだが、ギャグマンガってのはレビューしづらいんだよな。ネタを書くと単なるネタバレになっちゃうし、しかしネタを説明したからといって面白さが伝わるでもなし。そしてうすた京介の描くマンガの面白さって、非常に説明が難しいよなー。なにせどこがどう面白いんだかさっぱりわからんのだから。それなのに読んでると笑っちゃうんだよな。んーむ。なんつーか、こういうのが結局時代とマッチしてるというか、そういうセンスなんだろうな、って気がするよ。相原コージにはこういうマンガを読んでギャグマンガの研究をしていただきたい。
 でもこのうすた京介の描く、「変なヤツがひとりいて、周りの普通の人がそれに巻き込まれていく」ってパターン。考えてみれば目新しくもなんともないんだよな。けっこう昔からあるパターンだ。くろひょうが認識する範囲でもっとも古いヤツだととりみき「るんるんカンパニー」あたりかな。ジャンプだとえんどコイチ「ついでにとんちんかん」あたりがこのパターンに近いかも。まあただそのパターンであれば必ずしも面白いかというとそうでもないんだよな。うむ、ギャグマンガは奥が深い(←無理にまとめようとするなよ)

 しかし「トイレまつり」には笑ったYO!
 ★★★★☆

(発行日:2001/09/09)

 なんか最近買ってしまうことが多いヤンマガ系の月2雑誌。
 あまりメジャーな雑誌ではない思うのでざっとラインナップを紹介すると、一色まこと「ピアノの森」夢枕獏・板垣恵介「餓狼伝」村枝賢一「RED」風間やんわり「たもっさんの時間」、あとこの間文春かなんかのナントカ賞をもらった小田原ドラゴン「コギャル寿司」、ま、ほかにもいろいろあるのだが・・・というか、これら以外の漫画と言うことになるとやや萌え寄りだったりエロ気味だったりとか,いや,正直なところまだ全部読めるまでに至ってないんですわ.まあぼちぼちって感じで.

 新井英樹「シュガー」
 スペリオールの「キーチ!」とほぼ時期を同じくして始まった新しい漫画。北海道の田舎町から東京に出て板前になるとかてきとーなことばかりの少年リンが主人公のマンガ。で、雰囲気的にはボクシングになるらしいのだが、はてさて。
 それはいいのだがこの漫画、北海道弁がどうにもなー。「したっけ」って、本来そんな使い方しません。あと、前に「ボヤけ!」で書いた気もするけど、「〜べさ」は女言葉なので男はあんまり使いません。こゆのほんと気になっちゃうよなー。新井氏って、東北の出身だっけ?んむー。でもそれとは別に札幌の風景とか描かれると、やっぱそれなりに里心みたいなもんが出てきちゃうね。

 はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」
 いやなんせくろひょうの場合、アッパーズを買うのはコレ目当てなんですが・・・(笑)。オレの・・・オレの・・・オレのワッキーがあああああっ!!やっちゃったのかなあ?ねえ、オズとワッキー、やっちゃったのかなあ!?(←バカモノ)うわー、めっちゃ気になるわ(←ほっときましょう)

 次号は9/18(火)発売。

 漫画系サイト更新時刻に捕捉された模様。
 こんなページで恐縮ですが、今後ともよろしくお願いしまっすー。

 ちなみに更新時刻取得の URL、正しくは

× http://www.bf.wakwak.com/~kuro//km/timestamp.html
○ http://www.bf.wakwak.com/~kuro/km/timestamp.html

 だったりします(汗)
 いや、このままでも取れてるからおっけーですけどね。

 今週の表紙はシマコー。
 ブタ鼻が変身途中のモロボシダンを連想させるな。
 まあどうでもいいけど。

 大橋ツヨシ「エレキング」
 新連載。んーとこの人、何年か前にスペリオールでデビューして、しばらくまんくらかなんか4コマ誌に描いてたらしいのだが、なぜかモーニングに。なーんかカラー違うと思うんだけどな。ちと形容し難いマンガ描く人なんだよな。ぶっちゃけて言えばつまんない。なんとなく「これをしつこくやれば笑うだろう」とかってな計算とかしてるっぽい(今週の「まかせろ」なんかはまさにソレ)のだが、これがイマイチなんだよな。なんとなくギャグのセンスが相原に近い気がする。ま、とにかくモーニング向きじゃないよなって感じ。どうなることやら。
 しかしアレだ。欄外の登場人物紹介にはちとワラタよ。

 津崎克糸「あなたがわたしにくれたもの」
 第10回 MANGA OPEN 大賞受賞作。うーん、難しいです。
 絵柄、描線、構図、あと技法などなど、小慣れてるなって感じはするのだが、どっかで見た感じといえばそんな感じだし。なんかアレだね。モーニング・ヤンマガでは珍しいタイプのマンガかもシレンな。スピリッツあたりだとこの手のを描く人っていそうな感じだ。ただ、登場人物の表情がちと乏しいかなとか思うのだが、でもあえてこういう感じにしてるのかなって気もするし。その辺も含めて、難しいな。
 で、3度ほど読み直したのだが、ちと内容がつかめなかった。多分こういうことなんだろうなーって気はするのだが、確信が持てないというか。その辺は興味があったら読んでみてくだされ。まあ読んでソンはないかと。

 「バガボンド」はまたしばらく休載なのかね。なーんかなー。もうちょっと溜めてくれんかねえ。じゃなかったら思い切って隔週掲載にするとか、ねえ。
 んでもって次号から惣領冬美が新連載。なんだ、イブニングで連載するワケじゃなかったのね。

 筒井康隆の「七瀬、ふたたび」の漫画化。別冊ヤンマガ連載中。
 山崎さやかは以前 YS あたりで描いてたころは「沖さやか」と名乗ってた人。まあマンガ読みで、どっちかの名前を知ってりゃもう一方も知ってるか。5〜6年前の YS 回収騒ぎの原因となった「マイナス」を描いてた人ね。

 で、このマンガ。
 原作をご存知の方もおられるかもしれないが、七瀬という「精神感応能力者(テレパス)」が主人公の、SF ってんじゃないよな、オカルトというか、まあそういうヤツです。テレパスってのは、人の心を読めちゃう人ね。日本語だと「サトリ」ですわ。「サトラレ」の逆。って、無論「サトラレ」の方が逆なんだけどね。人の心を読めちゃうってことは、いろんなことがわかっちゃうわけで、それでまあいろんな事件に巻き込まれたり、事件を解決(?)したりとかってな感じです。
 これね、面白いですよ。くろひょうは原作を読んでないから単純にストーリーを楽しめるってのもあるんだけど、多分小説では表現しきれてない「ビジュアルな想像」とかもマンガなら表現可能だ。いや、ビジュアルに限らずとも、人の心が「入ってくる」というような描写、文字だけの小説では表現しきれない部分があるのではないかと思うが、そういうのもマンガならではの表現が可能になる。小説の漫画化っての、案外たくさん例があるのだが、このくらいしっくり来るのも珍しいかもしれないな。っていうか、そもそも筒井康隆はマンガの原作向きな人なのかもシレン。・・・って、ほかにもいくつかマンガの原作(というか小説の漫画化か?)もやってるよね。

 で、この巻では、七瀬が中学時代にその能力で罪を暴いた元教師との接触とバトル(て言って良いのか?)の巻、それと二人目のテレパスであるノリオとの出会いの巻。どっちもネタを知っていてもかなり読める。
 なんつーか、ひとつは筒井氏の原作の力なのだろうが、もうひとつ絵の表現力によるところがかなり大きい。前作「フローズン」の頃とは比べモノにならないくらいに絵がうまくなっているし、技術的にかなりスキルアップしていることが伺える。なにせ決めるべきコマひとつひとつ、すべてに迫力がある。加えて登場人物(主に七瀬)の表情というか、視線がいい。突き刺すような、というか、文字通り人を射抜くような視線が、七瀬の性質に説得力を与えている。
 うむ、べた褒めだねどうにも(笑)。いや、それくらいマンガとしていいんですよ。

 ただ、前にも書いたけど、表情のパターンみたいなのがいまいちかなって気がする。そういうキャラクターだからってのもあるのだろうが、七瀬の表情が常に緊張しっぱなしなのだ。ゆるむことがない。見てるとこっちまで緊張しっぱなしになってしまうくらいだ。読んでて少々疲れる。まあ、それだけのめり込んで読めるって証でもあるんだろうけどね。また、山崎の気合いの証拠でもあるんだろうけどね。
 その点差し引いてもかなり面白いマンガですよ。オススメ。★★★★☆。

 惜しむらくはちと単行本が薄いってことか。本編180ページほど。
 まあ区切りとしてちょうどいいってのもあるし、月刊連載だからあまり待たされるのも、ね。なので、連載のボリュームをもちっと増やすに1票(←そんな勝手なことを・・・)

(発行日:2001/09/06)

 コミック誌って、買っても全部読まない場合があるのだが、というか読まないマンガがあるのが普通なのだが、スペリオールだけは一通り全部読んじゃうんだよな。最近すごくいい雑誌になってきた感がある。
 これで青木雄二のコラムさえなくなってくれれば・・・(←おいおい)

 星里もちる「本気のしるし」
 ついに。いや、エロティックでいいですよ。あのね、どこら辺がかっつーと、脚。脚の絡み具合がすごくエロティック。あとね、7ページ目6コマ目(下段真ん中のコマ)の、浮世が辻の頭をおさえてるとことか。すごくいいよ。最近読んだマンガの濡れ場の中で一番良かったよ。うむっ!(←そんなに力入れるなよ)でも「あたし・・・よかったですか?」って聞かれるのはちと萎えちゃうかも(笑)。
 このマンガ、星里もちるの中ではあまり評判がいい方ではないらしいんだけど、わしゃむしろ星里もちるの中で一番いい作品になりそうな気がしてる。単行本は3巻まで発売中。うーん、揃えちゃおうかな・・・。

 大西祥平・高橋のぼる「警視正大門寺さくら子」
 新連載第二回。いやいやいやいーよいーよ。も、最高。高橋のぼるのマンガはこうでなくちゃイカン。

 新井英樹「キーチ!!」
 なんかこう、このまんま子供の目を通してオトナの世界を風刺するみたいなマンガになってゆくのかなあ。でもね、アッパーズの「シュガー」より、こっちの方が面白くなりそうな雰囲気があるね。こっちの方がより新井っぽいっつーか。
 でも、こっちの方が先に終わっちゃうんだろうな。はてさて。

 中川いさみ「ゴムテ」
 今週のはひさびさにヤバかった。ヅラのやつ、朝ラッシュの電車の中で読んじゃって、ちょっと吹き出しちゃったよ。

 あー。あとやっぱ相原のもいらないや(←おいおいおい)
 次号は9月21日(金)発売。

 一巻でも二巻でもない、待望の第三巻!!(帯より引用)10日発売とか思ってたのだが、発見してしまったら買わないわけには。

 なんつーか、微妙に毒が増してる気がするのだが、それも含めて面白いです。つってもやっぱり万人受けするもんじゃないだろなーって気がするな。まあ読んだことがない方はこの機会に(?)読んでみることをオススメする。あーでもはじめて読むのなら2巻あたりが読みやすいかもシレンなー。

 どこがどう面白いってのは相変わらず説明が難しいのだが、ひとつはアレだよな。登場人物みんな、ちゃんとキャラが立ってるってこと。女の子(先生含む)を8人も出しておいて(←8人!?)、なにげにかぶってるところがないんだよな。で、何人かを適当に組み合わせるとそれぞれ面白い組み合わせに自然となってくれる。
 いや、この手の4コマとかでこういう風にちゃんとキャラを使えてるマンガってあまりないんじゃないかと思うんだよな。なぜかときどき引き合いに出される「しりT」あたりだと、ん、アレ面白いって人もいるらしい(つーか、だからこそ何年も続いてるのだろう)のだが、くろひょうはどうもね、面白くないなーとか思ってて、いや、面白いと感じるかそうでないかはともかく、あのマンガって、ボケ役ツッコミ役ってのがきっちり決まってて、それでもってツッコミ役ってだいたいの場合において誰が突っ込んでもあまり変わらないんだよな。つーか、そもそも何度読んでも区別のつかんキャラとかもおるしね。・・・とか書くと怒られるのだろうか(汗)。
 対してこの「あずまんが大王」。はっきりとボケ役なのは大阪ととも、ツッコミ役なのはよみとちよちゃんだが、この組み合わせで4パターンあるとすると、それぞれまったく違ったものになると思うのだ。・・・って、これじゃあ何のことかよーわからんな(汗)。んー、だからなんつーか、それぞれボケ方も違うし、ツッコミ方も違うっつーか。・・・だからそういうことなんだよっ!いいんだよッ!!(←キレるなよ)

 あ、あとさ、ぼーっと読んでると4コマごとについてるタイトルなんて読み飛ばしがちなんだけど、マンガを読んでふと上のタイトルを見たりすると笑えること、多いよな。今ちょろっと眺めて笑っちゃったのが「S」(←ページ番号かとオモタよ)「早期発見」「発見」「20ずつ」。さあみんなも見てみよう!(←誰だオマエ)

 で、今みんな3年生だし、うわさによると来春で終わってしまうとか。ほれ、単行本もね、今回6+7月号分まで掲載だから、8月号〜来春4月号まで載っけると分量的にちょうど1巻分くらいになるし、てんですごくありがちだなーとか思ってるのだが、うん、まあずるずる続いてつまらなくなるよりは、すぱっと終わっちゃった方が語り継がれる名作になるかモナ。知らんけど。

 ちよパパネタは反則な気がするが、しかし笑うことを禁じ得ない。
 文句ナシ。★★★★★

 あ、ちなみに北海道に行っても「白い恋人ブラック」は売ってないぞ(多分)。
 あと、熊カレーはどうかしらんが、トドカレーってのはあったな(本当)。

(発行日:2001/09/25)

 以前ちょろっとやって好評だった(←うそつけ)お気楽れびゅーシリーズ第二弾。ブックオフやらでの立ち読みや漫画喫茶等での流し読みで、曖昧な記憶だけを頼りにれびゅーするかなり危なっかしい企画です。

 池田文春「ノーサイド」全7巻(集英社)
 BJ 連載。タイトルからわかる通りラグビーものなのだが、主人公は女の子。・・・といってもくじらいいくこのあれではなく、ええとアレですわ。外側は女の子なのだが中身は男ってやつ。
 主人公の男はすごいラガーマンなのだが事故で死んでしまう。のだが、現世に未練がありすぎるため(?)、女の子に憑依してしまうのだ。で、相変わらずラグビーをやろうとするのだがなんせ女の子。いろいろと苦難があるわけですな。んでまあその苦難を乗り越えてチームにも受け入れられ、女性ラガーマン(ラガーウーマン)として活躍する・・・ってな感じか。
 後半になるとほかにも同じように他の肉体に憑依してしまった男が現れたりしてそれっぽさを増してくるのだが、最終回付近は傭兵みたいなヤツも絡んできたりしてかなりとんでもない試合をしたりする。でもまあそれなりに面白いマンガではある。
 ラストはちと忙しい感じだが、んむまあ読んでのお楽しみっつー感じかなあ。これ書いちゃうと思いっきりネタバレになっちゃうものな。
 設定とか連載当初の感じだとエロ満載でお気楽なマンガになるのかと思いきや、これがなかなか読める漫画に仕上がっている。読むのが速い人なら2時間くらいでコンプリートできると思うので、おひまなときにどうぞ。★★☆☆☆。

 田口雅之「バロン・ゴング・バトル」全9巻(秋田書店)
 週刊少年チャンピオン連載。田口氏というと、今ヤンチャンで「バトル・ロワイアル」を描いている人だ。「バトル・ロワイアル」の方はかなり濃い〜絵柄が原作と妙にマッチしてていい感じ。なので、前作であるコレにもかなり期待していた。
 あらすじは、ナチスが生み出した(ってのはあまり正しくないけどここではまあヨシとしてくれ)「ネオヒューム」という・・・まあミュータントのようなモノ、によって最愛の恋人を殺されてしまった主人公バロンがネオヒュームと闘うってな感じ。で、ミソになるのが、バロンが最初に倒すネオヒュームの武器であるサイコガン(←おいおい)をバロンは自分の体の一部にしてしまう。これがバロンがネオヒュームと闘うための武器となるわけだ。ただ、これで倒せる相手ばかりではなく、どっちかっつーと知力で敵の隙をつくような感じのが多いか。
 物語中盤で最大の敵ゴードンとのバトルが始まり、これが延々3巻分くらい続いたのち、ややおそまつとも思えるようなエンディングを迎える。んあ、まあ多分ゴードンとのバトルが激しくて面白い分、そのあとのがつまらなく思えてしまうのだろうが、やっぱもうひとひねり欲しいよなってのが率直な感想か。
 絵柄が今ほどではないにしろ濃いってのと、話自体も少々子供向けってのがあったりして、正直なところあまりオススメのマンガではないかな。面白くないってわけじゃなくてね。読み手を選ぶマンガでしょうな。「バトル・ロワイアル」を読んで、前作を読んでみたいと思った人なら、まあ読んでソンはないかな。
 っつーことで★☆☆☆☆。

 ところでふくしま政美の全集みたいなヤツが今出てるんだよな。
 わしが認識した限りだと、「女犯坊」「聖マッスル」「聖徳太子」なんかがそれぞれ出ている。女犯坊は2分冊くらいになってたか。すっげー欲しいんだけど、これ、一冊たしか3000円くらいしやがるんだよな。ううむ。でもせめて「聖マッスル」と「女犯坊」は欲しいところ。んむー。
 だれか買って、見せてくれい。

 あと、「新世紀エヴァンゲリオン」(7)、ヤパーリどこにも売ってません。
 結局第一刷は予約のみってことなんかいノウ・・・。フィギュアはいらんから、本だけ欲しいノウ。第二刷はいつころ出るんかノウ。

 なんか最近いまいちな感じ。
 いや、というか、ワシの漫画を見る目がにわかに厳しくなってる気がしないでもない。
 漫画はもっと気楽に読まにゃイカンよなー。

 安達哲「バカ姉弟」
 うむ。気楽に面白い(←いきなりかよ)。バカ姉弟も謎だが、デッキブラシを持って2日なにも食べてないという西洋スーツの男もかなり謎。そして福引きマシーンも謎。
 欄外より、「お天気お姉さん」が文庫化されるとか。今までなってなかった方が不思議な気もするがまあヨシ。んでもってバカ姉弟単行本はやはりオールカラーになるらしい。が、11月発売が延期になったってことは、年明けくらいかなあ。早く出て欲しいもんだね。多少高くても買う。

 阿部秀司「エリートヤンキー三郎銭ゲバヤンキー河井」
 先週に引き続き、タイトルが(笑)。「大迷惑守銭奴ぼったくりアクション」・・・ってアクションかっ!
 石井、前田を抱き込み、いよいよ次週河井の秘策が炸裂か?このエピソードのために何週もの間河井に飲んだくれさせてたのか。すげえぞ、阿部秀司。しかし河井がこれでもまたコケちゃったら、もうはい上がって来れないよな。いやはやこのエピソード、どこにどう落とすのやら。

 きうちかずひろ「BE-BOP-HIGHSCHOOL」
 そっ・・・それ・・・・・・上玉なんだ・・・(汗)
 いや、最終ページしかみてないからどんな話なんだか知らんけど。

 夏元雅人「BANDOW」
 子供のゴルフ漫画じゃないよ(←おい)
 いつか読み切りで載ってたかもしんない(別冊だったかも)元殺し屋の役者のお話。4週連続掲載ですって。のワリにはちととっつき難い感じだったな。なんせ一番最後に読んだ。理由のひとつは、ぱらぱらっとめくった印象が、なーんかまたヤクザの抗争がどーたらとかってな話っぽかったから。もうひとつはエピソードのヒロイン(だと思う)の少女にいまいちピンと来なかった。前に載ってたやつはさらっと読めた気がしたんだけどな。多分、4週連続掲載の1週目ってことで、種まきしかしてないからってのもあるんだろうな。読んでみるとそれなりに面白い話になりそうな感じもするので、次週以降に期待。

 CLAMP「ちょびっツ」
 ちぃのオパイはやらかいのだろうか?
 それともマシンだから硬いのだろうか?
 ねえ?(←知るかッ!)

 カイジは来週からいよいよ動きそうだな。
 それにしても次号予告の「花とみつばち」の絵がちとコワイ。

 チャンプ死角ナシ!
 っつーか、鷹村も世界チャンプ経験者ならそんなことで熱くなるなよ!

 

 しかし・・・このシリーズって、一体なにが目的なんだろうな。

 前にも書いたけど(ってここにはログ残ってないけど)、このマンガにおける鷹村守という存在は「強さの象徴」だと思って読んでいたんだよな。一歩も宮田も千堂も、あの伊達ですらも負けることがあるのに、鷹村だけは負けない、ナニがあっても負けない、そういう存在なんだよな(リカルドも負けナシだがここでは考えない)。前のホーク戦も、すげー苦戦ではあったが読んでいて「負けないんだろうな」という感じがしていた。あそこで負けてもらっては読者も、作中の他の登場人物もみんな困るわけだ。
 ところが今回のはなんなんだろう?鷹村に黒星をつけるのか?いや、確かにこの状況で勝つってのも、いくら不沈艦鷹村守様でも都合良すぎる感じがあるな。んでもって網膜剥離で引退?そういう場面を一歩に見せるためにこの試合をやっている?んむ、なんだかそんな気もしなくもないな・・・。

 そう、前に一歩の父のエピソードのときに「鷹村がこの世界での最強であり強さの象徴のハズなのに、なぜその世界観を壊すような話をするのだ?」というような疑問があった。
 もしや、最強を一歩の父にすり替えるために、鷹村にあえて土をつけようというのだろうか?

 だとしたら、すげえ気持ち悪いよな。
 なんで鷹村が最強じゃまずいわけ?

 あるいが逆か?
 「鷹村引退」というエピソードを描くために、あの時点で「強さの象徴=一歩の父」ということにあえてしたのだろうか?

 

 って、もう鷹村が負けることが決まってしまったかのような書き方になってしまったが・・・んでも、ここまで来て鷹村が負けないってのも、かえって気持ち悪くないか?これで勝っちゃったら、ホーク戦の苦戦がすげえ嘘臭いモノになるし、今後鷹村の試合、描けなくなっちゃうよな。いや、引退させても描けないんだろうけどさ。

 でも。
 鷹村ファンとしては、鷹村が負けるところなんて見たくないよなあ。

 なんかここ数週,あからさまにパワーダウンしてるな.「バガボンド」と「えの素」が載ってないと読む気半減だ.加えて表紙は「警察署長」.表紙はれるほど人気あるんかいノウ.あと,ジパング総集編ずる過ぎ.前回の島総集編同様,誤買を狙ってるとしか思えないぞ.
 そんなこんなでモーニング離れ著しいくろひょうハート.

 惣領冬美「ES」
 新連載.大学病院でドクターとして脳生理学を研究する九條未祢(クジョウ・ミヤ)が,次々と難事件を解決!・・・みたいな話なのかと思いきや,柱の能書きによると,「他人の心に入り込み,記憶を少しだけ改竄する存在」を“ES”と呼ぶとかなんとか.んむっ,そういえばなんか読み切りで載ってたことあったっけ?あれ?イブニングじゃないよな.・・・もしや,くろひょうの記憶が改竄されてる!?(←んなわきゃない)
 ん,まあこの人のマンガ嫌いじゃないです.話も面白そうですな.期待.

 いとう耐「純喫茶のこりび」
 最終ページで大笑いさせてもらった.特に柱の「『ブラ●クジャ●ク』も 読んどけ」(笑)

 末田雄一郎・高橋のぼる「絶叫教師エディ」
 鹿野の母親がイカスね.しかしなんつーか,爽快感のないマンガだ・・・.

 ひさびさにマンガのキャラが夢に出てきたよ.なぜか「大使閣下の料理人」の主人公大沢・・・の奥さん.・・・なんでそんなお方が(笑).
 ちなみにナニをしてたかはナイショな(←あやしいなオイ)