つまんねー。
 一番良かったのはなんせグラビアだな。

 こしばてつや「BODY GIRL」
 5週連続連載その1。正直、激しくつまんなかったです。妙な言葉遣い、6ページに渡る意味のない見開き、なんせヘタクソな絵。っていうか、以前に増してヘタになってないかなこの人。わしの印象だと、最初の頃(「萬」以前ね)のが一番良かった感じがする。なにより「カリスマ店員」ってなんだよ・・・。いまどき「カリスマ」はねーだろって感じだな。
 ごめんね、辛口で。

 山下ゆたか「ガガガガ」
 ダメその2。なんかもう2週目にしてワシ的にはアウトです。こういうのが格好イイって人も、世の中いるからこの漫画が成り立ってるんだろうなーとか、そんな風にしか考えられない。とりあえずわしのセンスではない、ということにしておくが、それにしても最終ページのアオリ、「緒戦はレーイチの貫禄勝ち!!」どの辺が勝ちでどの辺が負けなのやら・・・。一般読者にも分かるような描き方にしてもらいたいものだ。

 巻末目次、『「立つんだ!幸子」は休載します』って、あれ、終わったんじゃなかったの?
 ともあれ、このままだとヤンマガ続けられない。どーする!?

 うーん。
 読み方が分かってきたようなまだ分からないよな。非常にビミョーな感じ。

 新井英樹「シュガー」
 なんか停滞してないかなあ。隔週誌なんだから、もっと突っ走ってくれた方が読みやすいと思うんだけどな。も少し早めに展開してくれないと、読まなくなっちゃいそうだよ。

 咲香里「春よ、来い」
 むー。そんなにスパッと言えるか。すげえ大人だすな。
 なんだか地味にこの漫画にハマってきてるような気がしなくもない。やっぱなんだかんだ言って、かわいい女の子描ける漫画家さんにはかなわねーやなー(←誰だおまえ)。

 はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」
 思い出したようにナオ登場。ううむ、これで物語的にはなんか進展があるんだろうか?・・・なさそだな(汗)。まあそれでもいいんだけどね。むにゅ。
 ときに今度の日曜、サイン会があるんですって!・・・大阪でな(泣)。うーん、同じ日本橋でも東西線の日本橋なら喜び勇んで行くんだけどなあ。ジャムネンだー。

 こばやしひよこ「PERIDOT」
 あれま次号最終回だって。単行本未収録分は読めてない話がいっぱいあるのだが、繋がりを考えると今のタツヤ編のみなのだろう。はて、包帯の謎とかはもうどうでもいいのだろうか?とかいいつつわしもどうでもいいんだけど(←おい)。でも楓とか晶とか、あとほれ、最初の方に出てきた空手部の眼鏡っ娘。ハァハァ。とか、もっと使いどころがあるような気がするんだけどな。なんかもったいない感じがしますな。
 む。よみも好みだし、もしかしてわし、眼鏡っ娘萌えなんじゃろか・・・?(←知るか!)

 ああっ、チョット待て!?
 黒田硫黄の「映画に毛が3本」の欄外(閉じ側)。20(土)に池袋でサイン会とか書いてあるぞオイ。どーするよ!?こっ、これは行くしかねーべ!?・・・でも土曜は午後から上野でオフ会なんだよなー。うーん、どーしよー!?すげえ悩みどころなんすけど。むーんむーん。だっ・・・誰か、わしの黒船あずけるので、かわりにサイン貰ってきてくれんか?(笑)(←ちょっとマジ)
 次号は3週後の11/6(火)発売。

 スポーツ漫画の巨匠・塀内夏子が描く、駅伝をテーマにした漫画。

 これね、ズルい(笑)。
 連載は追ってないので最近どうであるとか、この先どういう風に展開するとかってのはわからんのだが、とりあえずこの巻ではいきなり駅伝の混成チームを作るところからはじまる。ここでの混成チームってのは、出場チームの補欠選手なんかを集めて参加する、おミソみたいな集団。
 5人でひとチームとなるわけだが、それぞれがそれぞれの事情があって混成チームへの参加となっているわけで、各々が走っている場面で回想やらモノローグやらを交えてそれぞれのドラマを読者に見せるわけだが、これがもう、それぞれの抱えているドラマだけで2週合計80ページ!とか5週連続集中連載!なんてな読み切り/短編を描けそうなくらいのモノなのだ。なんつーかね、もう、読んでると最初っから最後まで「泣けやオラー!」って感じなんですわ。これはある意味暴力ではないかなとか、そのくらい。
 実際ボリュームもある。この巻、200ページちょっとあるわりにはたったの5話しか収録されていない。つまり、1話1話もそれだけボリュームがあるのだ。で、1話ないし2話でひとり分の走破区間をカバーするような格好なので、その間にひとり分のドラマが凝縮されている。読んだ感じとしては、オムニバス形式の漫画を読んだような感じになるわけだ。それがひとつひとつにしっかり泣きドコロがあるので、わしのように涙腺がゆるいと読み始めからずーっと泣きっぱなし、てな具合になってしまうのだ。
 こういう手法って、ズルくない?(笑)

 この巻を読んだ限りでは、この先どういう漫画になるとかも分からない。このチーム自体はこのレースが終わったら解散してしまうチームなわけだから、このレースきりって漫画になるのかもしれないし、あるいはそれもアリだろうと思う。この先誰がメインの主人公になってくるのかもよく分からないが、Jドリームあたりでは登場人物全員を主人公にしてしまえ的な描き方をしていたので、あるいはそういう漫画になるかもしれない。しかし、どう転ぶにせよ面白い漫画になりそうだ。

 実を言うと前作「Jドリーム」はあまり好きではなかった。サッカー自体あまり好きではないというのもあるのだが、必要以上にだらだら続いてしまった感もあるし、現実的な部分と非現実的な部分(鷹のような身元不明のガキをいきなり日本代表にするとか)の混じり具合があまり気持ちよくなかったりとか、うーんうまく説明はできないのだが、少なくとも同じサッカー漫画である「オフサイド」と比べてもイマイチな感じがしていた。
 だからこそ、この漫画は希望も含めて、期待したい。

 ま、いいから買って読んでおけって感じだ。★★★★☆。
 ええと2巻はいきなり来月発売になるんだっけ?

(発行日:2001/10/17)

 毎月第3週はアッパーズもあるし別冊もあるし、概ねイブニングもこの週発売だし、しかもスペも重なること多いし、って感じで大変だ。勝手に大変がってろって感じでもあるのだが。

 小形孝義「あめっこ兄弟」
 しまった。おもしれーぞコレ。弟が激しくエロなのもいいのだが、この津軽弁がなにげにいい味をだしている。これきっと、標準語だとあまり面白くないんだろうな。今後に期待大。

 山崎さやか「NANASE」
 緊迫しつつさくさく読んでしまうので物足りなさを感じたのだが、なんと54ページもあったのね。ひゃー。というわけで西尾編解決。ちょっとあっさりな印象を受けたのだが、どうだろうか。西尾の死の描写がもう少し詳しかったりするとずっしり来るのかもシレンが、しかしこの辺あまり克明に書きすぎるとかえって引いちゃう可能性もあるな。難しいところだ。
 次号から新展開。さて。

 松浦まどか「ウッハ!ハーレム学生寮」
 先月誉めたような気がするのだが、なんといきなり第一部完ですって。まあ第二部は「必ず」やるとのことなので期待して待ってましょ。でもアレだね、この漫画。絵柄も内容も、ちょーっとばかしヤンマガには似つかわしくない感じだよな。こゆのはやっぱヤンジャン系だろう。まあいいんだけど。
 それはともかく「私のこと好きなんてウソだよ 自分のことしか考えてないじゃん」は刺さるね。まあ、そもそも「好き」って感情自体が自分勝手な感情なんだろうけどさ。

 とはいえ別冊は危ういよなー。「NANASE」「DEI48」あたりが柱だと思うのだが、もう一本しっかりしたのが欲しいよな。「DEI48」もギャグなのかエロなのかマジなのか、いまひとつよーわからんしね。まあこの漫画自体はそこがいいのだが、雑誌の柱としてはちと弱いかなとか。
 余計なお世話か。

 次号は11/15(木)発売。

 相変わらずイブニングの宣伝がすごいな。
 倉田真由美の宣伝漫画の上下部分を見ると「創刊2号激売れ御礼」となっている。創刊号のときは「完売御礼」だったので、これはつまり、2号は創刊号ほどの売却率ではなかったということか。やっぱり徐々に厳しくなってきてるんじゃないかな。3号は店によっては立ち読み可能だったところもあるらしいので、ますます売り上げは落ちるのではないだろうか。
 ・・・って、これはイブニングのトピックでやれやって感じだな。失礼。

 弘兼憲史「部長島耕作」
 今野のかわりようがすごい・・・っつーか、そもそも温室で花を育てるようなタマだったか?とかって気がしてしまうのだがそれはさておき今野家が偉いことになってるみたいですよ、奥さん!ひとんちのことなんか放っておけよって気もするのだが、そうはいかない人情派の島部長。はて、どうなることやら。っていうか、どうもならんのかな?
 それよりも今野の奥さんって、いくら元ミスで美人だとはいえ、今いくつなんだよ。50は超えてるだろうに・・・。

 うめ「ちゃぶだいケンタ」
 新連載。テキ屋の親子の・・・なんだろう。ギャグってんではないよな。ほのぼのって感じでもないし。絵柄が古谷実似でもっとキッツイ感じのかと思ったのだが・・・なんつーかつかめんな。あ、そうか。ちばてつや賞だからギャグではないんだな。どっちかっつーとエエ話を狙ってるのかなー。でもまだそこには到達してないというか。うーん、正直な感想としては面白くなかった。笑えばいいのか、しみじみすればいいのかって感じで。まあしばらくはなま暖かい目で見守ってみますが、どうだろなあ。
 それはそうとカラーの絵が非常に気持ち悪かった。なんていうか、この手の絵にまったく似合わない陰影の付け方とか。マシン使えばいいものができると勘違いしている例のような気がする。実はコレのせいで漫画の方に偏見を持ったってのもある。わしゃあ、古い漫画読みじゃけんノウ(←なんだそれ)。

 斉藤富士夫「奇妙なボーダーライン」
 ああ、そうか。「Y氏の隣人」ね(←ミもフタもないなー)。まあマネだとかパクリだとかって言うつもりはないけど、とりあえず二つ並べたら「Y氏」の方が読みやすいし面白いよなあ。ネタでそれ以上の面白さが出せればいいんだろうけど、でも正直なところ斉藤氏は絵がなあ・・・。あの絵でソレ系をしっかり読ませるなら、相当いいネタばかりでないと難しいんじゃないかな。最低ラインで初回のリセットのやつくらいだろうな。今回の寿命先払いなんてネタは、けっこう使い古されてるんじゃないの?辛口だけど、世の中の評価はもっと低いカモよ?
 ところでトイチなら1年間で30倍にもなるって知ってます?

 田島隆・東風孝広「カバチタレ!」
 ヤクザっすか・・・。なんかすごく安易な方法で解決してしまいそうな予感。
 それはそうとコラムというか、法務相談。「サラ金屋が紹介する仕事。大丈夫でしょうか?」って、おいおい・・・。

 次号は山本康人が登場。3週連続読み切りですって。なんかまた濃そう。
 プラネテスの表紙がいい感じっぽい。早く読みてぇぞ。

 昨日、別冊ヤンマガのトピックであんなことを書いたわりには、昼に飯を買いに入ったせびんいれびんにはスペがない。むー、今週は出ない週だっけか?とか思いつつ帰宅して先週号を見てみるとしっかり「次号は10月19日発売」って書いてある。んぬー。置いてなかったのか売り切れてたのか、はたまたほかの本に埋もれてしまってたのか。とにかくほかの店でめでたく入手。うーむ、こんなことでいいのか。こんなにいい雑誌なのにねえ。

 武論尊・池上遼一「HEAT-灼熱-」
 新たな男登場。なんか敵っぽくあるのだが、どうだろうか。

 星里もちる「本気のしるし」
 必死で言い訳をする女、言い訳を必死で納得しようとする男。じらしてじれて。ううー、こういう展開、読んでてほんとつらくなるよなー。でも読んでしまう。目がはなせん。

 秋月戸市・吉本浩二「こまねずみ常次朗」
 よくもまあ、こんな展開思いつくもんだ。まあ捺子がいきなり風俗なりに売り飛ばされないだけマシか。それにしてもいまさらだが、この猫本のスーツだけはなんとかならんのか(笑)。

 相原コージ「漫歌アイハラ派」
 やべえ、最近ハマりつつあるかもシレン。いや、大方は面白くないのだが、「アメリカン夫婦」のシリーズだけはつい笑ってしまうよ。ちょっと悔しい(←おい)。

 須賀原洋行「あんたのせいだっ」
 気付かなかったのだが、今見たら「完」って書いてあって、トビラを見直したら最終回ですって。んー。正直この漫画、以前はエノキダとかぶってるよなーとか思ってたし、ここ最近はセリフの量が半端じゃなく多くて読むのが結構大変だった。来年4号から新連載ってことだが、どうだろうなあ。同じ路線ならまた同じ漫画になりそうだし、とはいえコレとモーニングでやってる実在ネタ以外、この人は漫画を書けるのだろうかって気もしちゃうよな。まあわしが心配するコトじゃなかろが、でもちと心配。

 次号から新シリーズ「サラリーマンの達人」ですって。第一回はなんと山田玲司。あーどうか時代錯誤なヤンエグ(笑)とか描きませんように(←おい)。それはそうと、新シリーズってことは「未来世紀ヒロインシリーズ」はおしまいなのか?柏木ハルコはどうしたんだよ、おいっ!「花園〜」が軌道に乗っちまったんで、スペどころじゃなくなったってことだったら悲しいな。期待してるファンもいるってことを忘れないで欲しいよな。
 次号は11月2日(金)発売。

 創刊3号。
 安心して買えるレベルかどうかはさておき、今回は前号あたりとくらべて読み応えがあったかな。モーニングからの出張は「天才柳沢教授の生活」。これが雑誌全体の印象を上げている感じだな。前回、前々回のようなモーニング連載漫画の番外編よりは、もともと読み切り形式の漫画を掲載した方が読みやすい感じがする。そもそももはやモーニングとは別雑誌なのだから、モーニングを読んでいなければ話についていけない、というような漫画は載せるべきでないと思うのだがどうだろうか。・・・あ、そう言ったら「柳沢教授」も同じか。知らないで読んだらただの危ないおっさんだよな(笑)。

 田島隆・東風孝広「極悪がんぼ」
 とりあえず今のところのイブニングの顔ってことなんだろうか。正直読んでてあまりいい気分にならない漫画ではあるのだが、それでもそれなりに読み応えもアリ。
 今回は1400万円の手形をなんとかするの巻。金子の導き出した方法って、融資だから結局は落目が支払わなければならない金なわけで、それで4000万も持ってかれたんじゃ、普通に考えりゃたまったもんじゃないよな。

 佐藤マコト「サトラレ」
 今回は無人島にひとりで生活する、日本で二番目に発見されたサトラレである白木のお話。相変わらずイイ。サトラレの思念波がどう伝わるのか?ということを知る手がかりにもなる話だが、そういう細かいところは置いておいて、単純にいい話だった。こういう話こそがサトラレの原点的な話ではないかとか思いました。

 吉田基已「恋風」
 なんかもう、あざとすぎっつーか狙いすぎっつーか、背中がムズ痒くなってしまいますな。妹属性の人にはこういうのがたまらんのだろうか。いや、わしも決してこの手のが嫌いなわけではないのだが、そこまで妹中枢(←?)刺激せんでもって感じだよなー。しかも読み終えて改めてトビラに戻って、ふとサブタイトルをみると「お兄ちゃん禁止!」ですって。くはーっ、もうなんと言えばいいのやら・・・。
 しかし絵の雰囲気は相変わらずいいですやね。見開きのページなんか、特に。モノクロなのに色が見えてきそうな感じ。うまいね。

 木葉功一「クリオの男」
 イブニングで一番調子がいいのがコレじゃなかろうか。相変わらず迫力のある絵を描く人だ。それと、この人の描く女性はいちいちいいね。前号みたいなタイプもいいのだが、今回みたいなタイプもイイね。434〜435ページあたりのウルウルした感じなんか、たまらんす。

 今月はマイケルストラップ(←いらねー)がオマケだったのだが、配布方法は例によってビニ本形式のほか、店によってはレジ渡しやら輪ゴム留めなんかもあったらしく、どうやら立ち読みも可能だったらしい。となると、恐らくは売り上げが落ちるだろうと予想されるのだが、はてどうなることやら。

 今号は読み応えアリ。
 ・・・って休載が射矢ガールだけか。なるほど。毎号こうだといいんだけどなあ。

 木内一雅・渡辺潤「代紋TAKE2」
 せ・・・切ねぇっ!しかしわざわざそんな方法で殺さなくてもって感じだよな。もうちょっと自分も相手も楽な方法で殺ったりや。

 こしばてつや「BODY GIRL」
 2回目。相変わらず。っていうか、予想通りクオリティは前号よりもさらに落ちてる感じ。んだってもう何描いてるかわかんねーよ。なんかさ、いちいち「こういうポーズが萌えるんだろ?」と言わんばかりに意味なくポーズつけたりしてるんだけど、それがどうにも萌えないんだよな。むしろ・・・いや、やめとくか。酷評にもほどがあるよな。
 しかし最終ページのト書き「捨てられた服をてくで拾いに行ったのでした」ってあるんだけど、「てくで」って何?標準語なの?方言?それともギャル語?意味分かんないです。「徒歩で」って意味かなとも思うのだが、それじゃ面白くもなんともないよなー。むう。まあどうでもいいけど。

 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」
 ここんとこずっと、極悪さと顔面力だけで勝負してて、肝心のネタがイマイチってことが多かったのだが、今号はひさびさに爆笑したよ。こういうときのゲンさん、イカスね(笑)。
 あと、お月までが股間に紙コップをあててるのにもワラタ。

 古谷実「ヒミズ」
 やはり。つーかすでに犯罪者かよっ!って感じなのだがまあそんなとこだろ。うわもう、次号どんなんなるんだか、目が離せねっす。

 阿部秀司「エリートヤンキー三郎」
 ワラタ。福士もすげえが、萩原の恐がりっぷりが笑える。石井のフンドシもグー・・・っていうかむしろ反則だ(笑)。次号はいよいよ前田のヘタレっぷりが炸裂か?このテンションでがーっと盛り上げて欲しいもんだ。

 次号はアッパーズ連載の村枝賢一「RED」の番外編が登場。アッパーズ・・・売れてないのかなあ(←余計なお世話だ)。
 ところで「空手小公子小日向海流」は休載って扱いにもなってないってことは、第一部完とかだったのだろうか?ちと未確認なのだが、このまま消えてしまったら悲しいよなあ。

 「SFニュースタンダード」(帯より引用)待望の第2巻。
 21世紀終盤を舞台とした、SF の人間ドラマって感じか。物語のスタンスとかは1巻紹介のときも軽く触れているが、異星人と戦うとか、はたまたスペースコロニーの独立戦争とかそういう SF ではない。ひたすら「宇宙で生きる」ということを描いている。この切り口の面白さと、単純にストーリーのよさ、それに描画のセンスの良さが光る佳作。いや、絵は「上手い」って感じではないのだが、センスがいいのだ。宇宙の描写はもちろんだが、人の描き方もなかなかのものだ。うむ。

 この巻では、主人公・ハチマキの有人木星往還船フォン・ブラウン搭乗員選抜を背景にしつつ、宇宙テロや宇宙船員の生死にかかわるような事故などをまじえて、さまざまなドラマを描いている。ハチマキの父であるエンジニア・ゴローや、ハチマキに替わってデブリ回収船DS-12号に乗ることになったタナベが登場し、ドラマに絡んでくる。とりわけタナベは、ハチマキの根底にあるものを否定する存在として登場し、ハチマキの中でどんどん存在を大きくしていく。このタナベが絡んでのハチマキの内面の変化の描写、そして前巻最後に登場した「もう1人の自分」との決別なんかがこの巻の大部分を占めている。
 心理描写的な部分が多くなった分、1巻のときのような「読む者に宇宙への憧れを抱かせる」感じは少なくなっている感じがする。というか、宇宙の「怖い部分」みたいなものと、もうひとつ「地球も宇宙の一部である」ということを描くことによって、読む者の宇宙への思いを単なる憧れからそれ以上のものにしている、という感じもしなくもない。
 ・・・格好良く書きすぎだろうか(汗)。というか、日本語になっていないような気がしてきた。

 まあそんなこんなで。相変わらず従来の SF マンガとは一線を画す、ハイセンスなマンガとしてオススメの一冊ですな。1巻未読な方はこの機会に是非2冊まとめて、1巻を読んだ方はもちろん2巻も。
 とにかく読めってことで。★★★★★。

 帯「わがままになるのが怖い奴に宇宙は拓けないのさ」いやあ、いいですな。対してタナベのセリフ「宇宙は独りじゃ広すぎるのに」も心に沁みます。
 この巻、本誌掲載時のカラーページは全部そのままカラーで収録。オマケでハチマキやタナベらの4コママンガがついてたりして。いや、なにがいいって前巻もそうだったけどカバーイラストがイカスね。・・・といいつつ実は前巻のが好きだったけど、いやでも今回のもいいですよ。うん。
 そんな感じなのでこの単行本、通常のモーニングKCより少々高めの税別648円なのだが、しかし手にすると値段はむしろ安いくらいだよなあ。うん。

 ちなみに11月19日発売のイブニング12月号に番外編(ゴローの若い頃の話になるらしい)が掲載され、その後モーニング本誌で12月以降隔月掲載になるらしい。楽しみだね。

(発行日:2001/10/23)

 漫画好きさんへ100の質問なんての発見しました。
 近日中に回答してみまひょ。

 ところでずーっと気になってるんだけど、ヒラマツ・ミノル「アグネス仮面」って単行本化はまだなんでしょうかねえ。結構人気もあったみたいだし、続編もあるらしいし、それに単行本1冊分くらいはあると思うんだけどなあ。11月予定にはないってことは、続編開始待ちだったりするのだろうか。

 村枝賢一「仮面ライダーSPIRITS」は読了。感想は今晩か明晩あたりに。

 今号はあまり読めなかったなー。やっぱ1週おきなんかねー。
 バガボンドが載ってると違うんだろうなー。でもこのペースだとバガボンド復帰のNo.49は読み応えのない号の可能性がっ!?(←適当なこと言うなよ)

 田島隆・東風孝広「カバチタレ!」
 やっぱりこんな解決方法でしたのー。次週休載で49号からは新シリーズっていうことは、これでおっけーってことなんだよな。なんかさー、この解決方法っていわばタナボタ的だし、安易すぎだよなー。で、このオヤジが改心するってのも、これまでのスジだとなんだか納得いかんし。ちょと萎え。

 うめ「ちゃぶだいケンタ」
 第二回。トビラに「明るくヘヴィーな学童漫画」ってあるのでそういう漫画なんだろうか。しかしやっぱりまだよくわからん。最後は落としてるのか、単に悲壮感を出そうとしてるのか・・・なんつーか描写が中途半端なんだよなー。うーん。見守りたいところだがどうもわし的にはダメっぽい。でもモーニングはこゆの好きそうだよな。馴染むし。

 山本康人「小鈴14歳」
 「ガンマ」「僕」の人ですな。3週連続掲載1週目。
 この人の漫画、どっちかっつーと苦手。ヤンジャンでやってた「打撃天使ルリ」あたりはバカバカしさもあって結構読んでたけど、ガンマとかはどうもなー。なんか絵が独特の濃さを持ってて取っつきにくいんだよなーってのもあるんだけど、それ以上に読者になんの説明もしないで、作者のあたまの中だけで話が進行してるっぽいところがあるんだよな。ハッキリ書けば電波っぽい感じがすることがたまにあるのだ。なんかものすごい発想の飛躍とか、感じないです?
 んでこれもそんな感じがしちゃう。いきなりブルース・リーだし、34歳のサラリーマンが駅で14歳の小娘に見開きページ使って「好きです」とか言われちゃうし。唐突さを狙ってるのはわかるんだけど、ちょっと入りにくすぎじゃないかな。まああと2回、様子見ましょうか。

 斉藤富士夫「奇妙なボーダーライン」
 なんつーか、ネタが尽きてきたっぽいネタですなコレ。老い先短そうな気がする。そのわりにはアオリで「面白いと評判です」だって。どこで評判なんじゃろか。小一時間ほど問いつめたいね。

 イカンなー、最近辛口なことしか書いてない気がする。
 ま、いっか(←いいのか?)

 その後の仮面ライダー的なアレの2巻目。

 ライダーマン編(1話)、X編(2話)、アマゾン編(2話)収録。
 実はこの辺のライダーって、リアルタイムで見た記憶ってあまりないんだよなあ。X、アマゾンは幼稚園くらいだったと思うので見ているはずなのだが、ドラマの内容ってのを全然といっていいほど覚えていない。ライダーマン(V3の最終クールあたり)はリアルタイムで見ていた(本編と関係ないがこの辺でのエンディングテーマ「走れハリケーン」はアニソン屈指の名曲だ。Hyperjoyあたり、カラオケにしてくんないかなー←ここで書いてもダメだって)のだが、なんとなくあの風貌が好きになれなかったため、思い入れがあまり強くない。
 なのだが、漫画の方は手堅くというか、うん、村枝ライダーは相変わらず無駄に熱くてかっちょいいと思う。いや、無駄ってのとはまた違うか。無駄に熱いっつーと島本和彦あたりになるだろうか。島本の場合は熱さに尽きるところがある(←けなしてるんじゃないのよ)のだが、村枝の場合、熱さのほかに主人公の持つ悲哀みたいなものもうまく表現していると思う。この辺が石ノ森章太郎の描く、原作のヒーロー像に近く、古いファンも共感が持てるのではないかとか思っている。
 ただ、変身前の神啓介や山本大介のキャラってのはどうなのかなーとかちょっと。や、テレビ本編の方をあまり観てないとかいいつつそんなこと言うのもどうかとは思うのだが、神啓介はなんだかやたらいい人だし、アマゾンは必要以上にワイルドな感じがしちゃったなあ。
 でもまあ、いいんですよ。ええ。★★★☆☆。

 今本誌にはストロンガー編が載ってますな。で、今後はスカイライダー、スーパー1ときて・・・ブラックに繋がるんだろうか。ZX とか ZO とか、あるいは J とかの扱いはどうなるんかね?まさかクウガ、アギトまでは行かないだろうが、どこまで出すつもりなのか気になるところだね。
 で、いずれは集結してひとつの敵を倒したりするんじゃろうね。本巻でもその敵集団っぽいのが出てきてるし。なんかこのライダー集合とかっての、この年になってもついワクワクしてしまいますな。

 ところで本巻と前後して雑誌サイズの総集編も発売されてたり。ぱらぱらっと眺めたのだが、オマケページが結構充実してるっぽい。うーん、買っちゃおうかなあ。

(発行日:2001/10/23)

 そんなわけで、この間書いた「漫画好きさんへ100の質問」に回答してみました。実はこれ、わしも作ろうかと思って作りかけてたのだがとてもじゃないが100なんて思いつかなんで保留してたのだ。この設問はわりと答えやすいのが多いし、バランスもよさげだし、重複とかもないし、結構いい具合でしたよ。気が向きましたらみなさまもひとつ。
 わしの回答のフォーマットをここに置いてあります。名前と各種リンクをいれかえて、空行をうめればおけーな感じです。テーブルの色や大きさとかはオコノミで。

 今日は大学時代の遊人友人に会うために都内まで。ついでに月曜発売の単行本をフライングゲットできるといいなあ。っつーか、ゲットしてこよ。

 この雑誌、ヤバいっすな。
 なんかこう、ものすごい勢いでつまらなくなっていってる気がする。「ものすごい勢いでつまらなく」といえばなんといっても去年のヤングサンデーなのだが、あれは度胸星、WIM、イチと段階的に看板マンガが終わっていったので実はいきおいはそれほどでもなかった。しかし今のヤンマガって、なーんかこの2〜3ヶ月の短い間でどのマンガも一気にテンション下げてしまった感じがする。
 って書いておきながらほんとにそうだろうか?と思ったらそうでもないんだよな(←おい)。最近あからさまにつまらなくなったのって「エリートヤンキー三郎」くらいで。でもなんだかなーって感じではあるよな。あー、「カイジ」は班長のイカサマ暴露したあたりで一段落しちゃって、その先はしばらくテンション低めだね。「ヒミズ」「クーデタークラブ」は面白いんだけど潜っていってる感じだし。あと「小日向海流」かなー。いま休載中だけど、これが戻ってくると雰囲気かわるかね。ちょっと期待。
 対して新連載と短期集中連載がことごとく好みじゃないんだよな。この間の「BANDOW」だっけ?あと今の「ガガガガ」「BODY GIRL」。いずれも弱いよね。やっぱりこう、もちっとヌル目でもいいからテンションあげてくれるようなマンガが一本欲しいとこだよなー。なんとかなりませんか?(←誰に言ってる)

 阿部秀司「エリートヤンキー三郎」
 マクラではあんなこと書いたけど今週は激しくワラタ。後藤田の「ナイス作戦」もすげーが、なんせ今週は石井だろう。アップで舌なめずりしながら「オレはお前が・・・欲しいんだ・・・(ドォーン)」は反則だろー(笑)。もう萩原が可哀想でならん。「いいケツしとる・・・ますます惚れるのぅ・・・」怖いって(大笑)。
 それにしても X は二郎ないし三郎ってのは軍団員でも思いつくことだったか。だったら大穴で河井ってのもありかなー。優勝賞金払わなくて済むしな。多分萩原は業を背負うため(?)石井にも前田にも勝つだろう(前田には楽勝っぽい)。後藤田が X に負けて、決勝戦は X 対萩原だが、X が反則して萩原タナボタ優勝とか予想してみる。あたったらなんかクレ(←誰が)。

 古谷実「ヒミズ」
 あー。ねー(←何が)。
 これで何を伝えようとしてるのかとか、そういうことは抜きにして、ヤったかヤらなかったかに関係なく、茶沢さんはなんか偉大だね。偉大だけど137ページの茶沢さんの目が怖い。

 来週はお待ちかね安達哲「バカ姉弟」掲載。おおっ、小日向海流も来週から再開だってよ。これで少しは読めるようになってくるかねー。

 前巻のつづきで、ショーグン(オッチョ)と角田が海ほたるを脱走するところからはじまる。
 ショーグンたちは陸地にたどり着くのだが、そこから回想モードで「血の大みそか」がショーグンと神さまの口から語られる・・・ってな感じか。血の大みそかになにがあって、どういう結末になったのかということはこれまで語られてなかったのだが、それがどうやら明らかにされるらしい。そこで何が起こって、なぜショーグンは刑務所に入れられてるのか?ケンヂやほかの仲間はどうなったのか?そしてショーグンたちはこれから何をどうしようとしてるのか?ってあたりがこれからようやく語られるわけだな。ううむ。

 ここから先の展開、もちろん期待してはいるのだが、なんかこの構成にちょっと苛立っている。多分肝心なのはショーグンやカンナ、ユキジらがこれから何をどうして、最終的にどういう結末になるのかってことだと思うのだが、それを語るための伏線としてここまで、いや、この先、血の大みそかの顛末がしっかり語られるまでが使われるってことになろうか。序章としては長すぎじゃないかねえ。ちょっとばかり引っ張りすぎの印象を受けたよ。というか、今さら血の大みそかを語るのなら、カンナ編に入る前にまっすぐ書いちゃってた方が読んでる方としてはありがたかったよなー、という感じかなあ。多分意図があってこういう構成にしてるんだろうけど、読み手としてはただただ振り回されてるだけの感じがしちゃうんだよな。
 それでもまあ、ストーリーはまだ面白そうだし、ぐいぐいと読者を引っ張って行くだけの牽引力はあると思う。「MONSTER」の中盤以降に通じる気持ち悪さがあることは否めないが、まだまだついて行けそう。
 ってことで、とりあえずこの巻は★★☆☆☆。

 ところで、この「血の大みそか」を語る段でなぜかカンナの同級生らしきコイズミという少女が出てくるのだが、これって必然性あるんだろうか?少なくともこの巻を読む限りはいなくてもいいような気がしちゃうなー。まあ決めつけは早計か。

(発行日:2001/12/01)

 あの、InternetNinja ご使用の方にお願いです。

 恐らくはブラウザの先読みキャッシュかなんかの機能だと思うのですが、アクセスと同時にすべてのリンク先を読み出してしまうようなアクセス方法は、サーバへの負荷が大きいのでできれば遠慮していただけませんか?
 WAKWAK の CGI サーバはユーザごとのプロセス数なんかに制限もあるので、サーバをハングアップさせるようなことはないとは思いますが、アクセスログを眺めてあまり気持ちのいいモノではありませんし、他のユーザへの影響もないとは言い切れません。

 個人的にはブロードバンド使用ならキャッシュする必要なんかないと思います。ついでにいうと、あなたのそういうアクセス方法は少なくとも、あなたと同じ回線で接続している他のユーザの迷惑になっている可能性が高いです。もっと言えば、ほかのサイトに対してもこのようなアクセス方法をとっているのだろうと推測しますが、ほかのサイトオーナの方々の中には私と同じように考えている方が多くおられると思います。さらに、低速度常時接続の小規模サーバなどにこのようなアクセスを行った場合は、相手の回線をパンクさせてしまうこともあるかもしれません。相手が SOHO 等であれば死活問題にもなりかねませんよね。
 どうか御一考くださいますようよろしくお願いします。

 

 この件、件のユーザだけでなく、ほかのみなさまにもお願いしたいと思います。ブロードバンドが標準化されてきたとはいえ、通信回線やサーバに対して無駄な負荷をかけないようにすることは大切なことです。どうかお願いします。

 言わずと知れた「デカスロン」「度胸星」の山田芳裕のデビュー作。
 もともとはモーニングとオープン増刊掲載で、講談社からモーニングKC全2巻で出ていたのだが、山田氏がヤングサンデーあたりに描くようになった関係で小学館から文庫版発売となったという具合だ。出版社関係ではいろいろあると思うのだが、わしもあまり詳しい話は知らないので割愛。

 本編は、大正時代と芥川龍之介をこよなく愛する文学青年・平徹(たいらてつ)が主人公の、んーなんだろうな。「粋なコメディ」とでも言えばいいだろうか。うん、粋なんだよな。主人公・平も粋を追求する男なのだが、それがほかの登場人物とずれてたり、また行動がちょっと抜けてたりとかのあたりが笑えたりするわけだ。「笑える」=「ギャグ」かというとそういうものでもない。爆笑を誘うようなものではないのだが、んむーやっぱなんかホームコメディとかに近いのかなあ。
 ただ、ホームコメディとかと明らかに一線を画するのが、平の「叫び」というか「憤り」というかの部分だ。こういうシーンがおおむね一話に一回挿入されており、しかも毎回一筆入魂の迫力で描かれており、そのときの平の台詞と絵、シチュエーションと相まって笑わせてくれるのだ。例としては第4話、粋を極めた感じの入れ墨の男が湯上がり際に冷水を浴びるのを見て「げ〜〜〜 仕上げに冷水(みず)を!!」と叫ぶシーンとか、あるいは第7話、竹久夢二の「見返り美人」同級生の五十嵐に切手の交換を迫るが、応挙の「とら」などを求められ、迷った挙げ句「如何!」と叫び、ピンセットをぐんにゃり曲げつつ切手を差出す場面、はたまた花屋敷のジェットコースターに乗って、民家が目前にせまったところで「伏せろー!!」と叫ぶ場面。・・・あー、こうやって文章で書いてもこの迫力は伝わらないんだよな。いやね、こういう場面がことごとく迫力があり、なおかつ大笑いできるんですよ。これは読んでみないとわからないと思う。

 で、まあ、その迫力のカットもさることながら、山田氏の描くマンガの魅力のひとつは、以前も書いた気がするが「静から動へのダイナミズム」にあるのではないかと思っている。この「大正野郎」に関して言えば先述の「決めのコマ」にそれが集約されてはいるのだが、そのほかにも平の行動の節々でこのダイナミズムが見られる。また、動きのコマでの擬音や平の台詞が旧仮名遣いや古語だったりとか、そういう細かいところも笑える。
 たびたび「笑える」と書いてはいるが、先にも書いたとおりギャグマンガではないのだ。あくまで「粋」とか「浪漫」の追求であり、そして温かみのあるコメディなのだ。さらにそらへの絶妙な味付けとして、山田氏の描く独特の描線と筆書きの枠線と擬音。あるいはフリーハンドの集中線やスピード線なんかもイイ味付けとなっている。これら全部がひとつになって「粋」をうまく表現できていると思う。

 なんかもうべた褒めするのは気持ち悪いのだが、でもいい。
 ってのはね、このマンガ、わしはリアルタイムで読んでいて、当時から単行本も揃えるくらい面白いと思っていたのだ。一般にギャグマンガなんかだと時間が経つとギャグが風化してしまい、10年も経ってから読み返して当時何が面白くて読んでいたのかわからん!なんてなことが多いわけだ。この「大正野郎」を今回改めて読み返すにあたっても、「今読むとあまり楽しめないかもしれないなー」という気がしていたのだが、それがどうだいおまいさん。もうはじめて読んだときと同じように楽しめてしまったのだ。むしろ今読むからこそ面白いのではないかとか思えるくらい、新鮮で面白い。

 そんなこんなで★★★★★。つべこべ言わずに読め。
 といいつつも、このセンスが分からない人はまったく面白くないかもしれない。加えて、そもそも絵があまり上手くない山田氏の初期作品だけあって、絵のきれいさとかはまったく期待できない(いや、味があってわしは好きなのだがね)。だから読んでみて「騙された」とか思う人もいるかもしれないが、まーその辺は所詮マンガ、たかだかマンガと思ってあきらめていただきたい。残念ながらそういう人には山田芳裕はあわないってことだろう。

 ちなみに先日モーニングKC版の2巻も入手してしまってたのだ。実は今回はモーニングKCの1巻を探しに行ったのだが見つからなくて、かわりにこの文庫本を見つけてしまって買ってしまった次第。せっかくだからモーニングKCも揃えたいけどなー。
 山田氏は年内にモーニングで新連載開始予定。度胸星の続きも描いてもらいたいが、山田氏の新しい世界にも触れてみたい。新連載、期待してますぜ(くわっ)。
 長文スマソ。

(発行日:2000/02/10)

 このくろマントップページには、くろひょうの漫画購入スケジュールを載せているのだが、その中に「WANTED」というカテゴリを追加してみた。
 この印のついているマンガは揃えたいのだがなかなか手に入らないマンガにつけるのだが、おおむねは(多分)絶版で手に入りにくいマンガなのだ。くろマンをお読みになっている皆様の手を借りてでも揃えたいと思っているモノなので、見かけた方はご一報くださったり、あるいは場合によっては確保しておいてくださったりするとありがたい。
 よろしくお願いします。

 先日、村枝賢一の仮面ライダーSPIRITSについて書いたときに、村枝との対比として島本和彦を出したのだが、たまたまブックオフで島本ライダーを発見したので購入。今気付いたんだけどこれ、雑誌扱いだよ。まあどうでもいいか。
 「仮面ライダーZO」というとテレビシリーズではなくて、Black・Black RX 終了から5年ほど後に作られた、映画一本のみの作品だ。「作品だ」とか偉そうに言ってるがくろひょうは実は観たことがない。ただ、モノの本なんかを見ると V3 を彷彿させるマスクに緑の体で、正統派ライダーという感じがする。
 あ、Black と ZO の間には V シネ(←「Vシネ」じゃねえって)の「真・仮面ライダー」があるな。こっちもまた作品は見たことがないのだが、Black以後のライダーはいずれも「リアル」な感じがするな。

 んで内容だが・・・まあストーリーはいいやね。あーただポイントとしては仮面ライダーZO・麻生勝は作中「不完全体」であるとされる。このことにマサル自身がコンプレックスを抱き葛藤するのだが、逆にそのコンプレックスが彼を強くする、というか、不完全体であるがゆえに強くなれる、というような具合だ。結果としては修行して必殺のライダーパンチを身につけて敵に勝つわけだ。
 なんつーか、このあらすじだけでなんとなく熱さが伝わってくる感じなのだが、しかしアレですな。この間あんなこと書いておいてなんだけど、島本ライダーも決して熱いだけではないですな。石ノ森の「子ども」の一人として、主人公の持つ孤独もしっかり描いている。ただ、作画がなんとも力強いので、熱さばかりに目が行ってしまうのだろうか。

 いやでもね、やっぱ熱いだけでない。すごく人間くさい感じのするライダーなんだよな。石ノ森章太郎の描くヒーローってのは、たしかに孤独で人間くさくもあるのだが、同時に無機質さも持っている、という印象がある。キカイダーやロボット刑事はもちろん、仮面ライダーや009にさえそういう無機質さを感じることがある。無機質さというか、あるいは記号化されたヒーロー像かもしれない。
 ところが島本和彦の描くこの ZO は、もう必要以上に人間くさい感じなんだよな。戦いの最中にツバは吐くし、叫ぶし、汗はかくしびびるし、なんつーかこう、表情があるんだよな。その辺が島本ライダーの最大の特徴ではないかなと。記号化されていない、等身大のヒーロー。考えてみれば島本和彦の描くヒーローってのは、みんなそんな感じですやね。うん。

 まー、そんなこんなで。正直なところマンガとしてはすごく面白いってモノでもないのだが、ライダーもしくは島本和彦のマンガのどちらかに興味があれば買い。ただ、発行部数が少なそうなので入手は難しいかもシレン。知らんけど。
 つーことで★★☆☆☆

 Blackの番外編みたいなヤツも同時収録。
 ちなみに作者名としてはあげなかったけど原作・石ノ森章太郎。いわずもがなだよな。このころはまだ健在だったんだよね・・・。
 コレ読んで、ZO 観たくなってしまった。しかしビデオは壊れたまんま(泣)。

(発行日:1993/09/20)