突然だが「月刊ヤングマガジン」じゃダメなんだろうか?いや、「別冊」とか「増刊」とか言うから売れない(というか書店やコンビニに数が並ばない)んじゃないかなとか思ってさ。でもそうなると別雑誌だから、いろいろと面倒があんのかね。ってことは、「別冊」のメリットってなんかあるわけ?
 ・・・まあどうでもいいことだな。

 記伊孝「犯罪交渉人 峰岸英太郎」
 第二部開始ですって。別冊読み始めたのはごくごく最近なのですいません読んでませんでした。なんだかもう世界ができあがってる感じがして非常に入りにくいのだが、最初の方を読むと面白くなったりするんだろうか?単行本が出るそうなので気が向いたら買ってみよっと。

 山本マサユキ「六本木リサイクルショップ シーサー」
 新連載。本誌「ガタピシ車で行こう!!」の人。なにげにカワユイ女の子(やや宮崎駿夫の入った)を描く人なのだが、本作品でもこれがなかなか。セーラー服を脱いでキャミソールでビーチクぽっつんなんてオイ、どーするよ!?(←落ち着け)
 しかし女の子もさることながら、作品の舞台となるリサイクルショップの雑然とした感じ(スマン、ボキャブラリが足りてない)の描き込みはいい感じですな。なんつーか、メカと女の子をこよなく愛する人なんだろうな。

 山崎さやか「NANASE」
 七瀬ら一行は北海道に向かうが、道中フェリーでまたしても事件。いきなり人が死んでしまったようなのだが、はてサブタイトルからするともしかしてこの人は助かってしまうのだろうか?そしてまた能力者が登場するんかいな。次号に期待。このエピソードがクローズしたあたりで2巻が出るのかな。って3ヶ月は先になるだろうけど。

 原田重光「立つんだ!幸子」
 本誌で連載してたが、不人気だったのか2ヶ月ほどで終わってしまったアレ。今回のは幸子、シノギでAV出演!?ってな話なのだが、いやいや本誌連載してたときよりは面白いですよ。

 藤本青心「クラーマン」
 孤独でやや屈折したヒーローを描いた作品で、注目してたのだが最終回。決して人気がなかったとは思えないのだが、残念だなあ。第5話なので単行本になるか非常に微妙。ほかの読み切りとかがあるならそれとあわせ技ででも単行本にしてもらいたい。

 次号は12/26(水)発売。
 とかって書くと、ああ年末なんだなあって感じですな。

 表紙が唐沢でアオリが「男なら!やっぱ仕事だろ!!」。もーカンベンしてくれよー。来週からちゃんと仕事するからさー。

 富樫ヨーコ・戸田尚伸「カルロス・ゴーン物語」
 読み切りかと思ってたら新連載ですって。とはいえまあ何ヶ月も続くものじゃないんだろうけど。内容は・・・ねえ。「はぁ、そうですかぁ」としかいいようがないっつーか。スペリオールの読者のうちでカルロス・ゴーンの半生について知りたい!と思ってる人ははたしてどれくらいの割合いるんじゃろうか。

 大西祥平・高橋のぼる「警視正 大門寺さくら子」
 相変わらずぶっ飛ばしてますな。今回は大門風な刑事登場。さくら子曰く「なかなかの器よ」(笑)。最後のページの「スキあり!」で大笑いしてしまった。

 柴門ふみ「非婚家族」
 次号最終回ですか。久木田の関係でもう一波乱くらいあるかなーとか思ってたのだが・・・。しかしなんだか結末が気になっちゃうね。

 太田垣康男「MOONLIGHT MILE」
 熱血漢・澤村再登場。NASA でビルディングスペシャリストとしての訓練を受けているとのことだが・・・しかし澤村はそもそもは設計技術者で現場のブルーカラーではなかろうに。なんか違う気がしちゃうな。それはさておき、大事件。どうするどうなる。ほんでゴローちゃんはどう絡んで来るのやら。

 新井英樹「キーチ!!」
 こっちの悟郎ちゃんは息子になるキーチに男を見せる、と。なんかさ、こういうあたりの心理描写みたいなの、この人はほんとうまいよね。なんていうか、かっこ悪いことしてかっこいい人間みたいなの。
 で、最終ページのアオリ「だが、キーチが愛に包まれ生きられたのはこれが最後だった───」うへえ、どうなるのやら。これから面白くなってくれるんかね。

 花村萬月・さそうあきら「犬犬犬(ドッグ・ドッグ・ドッグ)」
 衝撃の最終回。というか、半分くらいは大方の予想通りだったかな。あんまり書くとネタバレになっちゃうので詳しく書かない。けど、もうちょっとなんかまとめ方なかったのかなーって気がしちゃうな。んー、単行本出たらどっかで通して読んでみて、それで再評価かな。

 次号、松田洋子新連載「御愁職様(ごしゅーしょくさま)」。「サラリーマンの苦悩をリアルに描く」って・・・いいよう、そんなの改めて書いてくれなくてもー。
 次号は11月30日(金)発売。

 グレイトフル・サウンドを目前にして,様々な緊張の走る様子なんかを.そして開演当日,竜介の漏らした一言で BECK は解散の危機を迎え,雨の中コユキはアコギを持ってひとりステージに立つ───ってここまで書いていいんだろうか.いや,実際読むと緊張感の伝わり方が全然違うだろうから多分OKだろ.
 なんつーかもう,「とにかく読め」としか言えない作品だな.★★★★★

 はて,本編はおそらくあと1〜2巻くらいで終わってしまうだろう.どういう結末になるか分からないが,ここまで描いちゃえばよほどのことがない限り変な終わり方にはならないだろう.・・・いや,ここから無理に引き延ばすと一気に駄作になる可能性はあるが,もともと作者自身は終わりを見据えた上で描き始めたらしいし,多分大丈夫だろう.漫画史上に残る名作になるかもシレン.
 で,この作品,他メディアにすると絶対面白いだろうなーと思っていたのだが,尺の問題だけなんとかなれば実写映画にするのが一番だろうなー,とか思っている.なんか日本人がやるとつまらなくなりそうなので,あちらさんで作ってもいいかも.で,その際なにせコユキが歌う場面がキモになると思うのだが,コユキが歌うシーンだけサイレントにするっての,案外想像力をかき立てられていいのではないかとかちょっと思っている.んで,例えばこのグレイトフルサウンドでコユキが「I’ve gotta feelin’」を歌う場面がクライマックスであるなら,そこではじめてコユキの歌をかぶせる,とかってな手法だとくるかもしんない.とか,さっきフロに浸かりながら考えてました.や,手法はともかく,映画にすべきだなー,これ.どうです?

(発行日:2001/11/16)

 スポーツマンガの巨匠・塀内夏子が描く駅伝漫画.

 南から如月にタスキが渡って,この巻は如月が主役.この如月晃太って,塀内氏の好きそうな主人公向きのキャラだよな.古くは「フィフティーン・ラブ」のヒロ,主役じゃなかったけど「オフサイド」の薬丸,最近だと「Jドリーム」の鷹とか,元気が有り余ってるやんちゃ坊主って感じの子.
 そんなわけで(?)これまでの三人に比べて思い入れたっぷりで描かれてるっぽいのだが,しかしエピソードが弱いというか,いや,話としては重いのだが,「走る理由付け」としては弱いかな,って気がしてしまった.いや,話もちょっと青臭いがいいし,登場する女の子二人もそれぞれに魅力的なのだが,なんとなく晃太に感情移入しきれない感じがしちゃうな.んーむ,もしかしてわしが年を取ったせいだろうか・・・(汗).
 加えて晃太はまるで飛ぶようなフォームで最下位からぐいぐいと順位を上げてゆくのだが,ここでもなんというか,その強さの理由みたいなのが見えなくてちょっと萎え.いや,回想なんかを読むに,天性の速さなんだろうけど,だとしてもそれがなんか見えてこないというか.
 まだ晃太の走る場面も完了してないのでなんとも言えないんだけど,1巻が凄かっただけにちょっと肩すかし喰らった感じ.いや,決して面白くないわけじゃないすよ.それだけ期待が大きかったってことです.
 んなわけで★★☆☆☆.いや,この先次第でなんとでもって感じだけどね.

 ところでカバーの折り返しの「KC塀内夏子作品」ってところ,この「ROAD」のほかはこの間発売になった短編集と,「Boy Meets Girl」(←これ読んでないんだよなー)しか載ってないのね.オフサイドはともかくとしても,「Jドリーム」も絶版になっちゃったのか.最近講談社と小学館って絶版にするの早すぎだよなー.せめて5年は出しておいて欲しい.ほんでもってワイド版は絶版にしてからにして欲しいよな.いや,そういう商売だってのはわかるんだけどさー.今はワイド版を売るために絶版にしてる感じだもんな.もちっと漫画読みを大事にして欲しいです.
 ということでよろしくー>出版社の方(←いや,見てるかどうかしらんけど)

(発行日:2001/11/16)

 んむー。
 表紙に島を持ってこざるを得ないあたりがまだなんともはやって感じかなあ。読みドコロがありそうでない、そんな感じだ。早く方向を見定めてもらいたい。なんてな。

 佐藤マコト「サトラレ」
 創刊号の続きで西山・小松組のお話。誰もが想像したとおり、産まれてくる子どもはサトラレの可能性が高く、では西山と子どもの両方がサトラレであることをお互いに分からないようにするにはどうすればいい?というところで切なげな展開になりつつあるところをやや救い気味に。や、これじゃあなんだかわかんないな。まあ読め、と。
 しかし子どもがある程度大きくなって、サトラレじゃなかった場合にはどうすんのかね?いや、この漫画的にはサトラレが生まれちゃうんだろうけどさ。小松もお腹が大きくなってきたら仕事どころじゃないだろうなー。大変だ。

 幸村誠「プラネテス」
 EXTRA PHASE ということでハチの父親・ゴローさんの若かりし頃のお話。舞台はもちろん火星。ハチ命名の秘密(?)も明かされる(のか?)。
 とりあえずカラーの表紙に圧倒される。赤茶色に煙った空気の感じがよく伝わってくる。これの印象がものすごく強くて、そのあとのモノクロページにも色が付いているかのように見えてしまうのだ。イイ。
 火星で野球。ってなんだかとってもゴローさんっぽい感じね。

 木葉功一「クリオの男」
 静寂さがすごくいい。動を描けなきゃ漫画家は務まらないと思うのだが、静を描ける漫画家ってのはそうそういない。尊敬するね。

 吉田基已「恋風」
 いやー。ねー。(←なんだよ)
 これを毛嫌いする人の気持ちもわからんでもない。けど、分かんないんだろうな。てのは、わしには女兄弟がいなかったから、少なからず姉や妹に対する幻想みたいなものがあるのだろうと推測する。とはいえわし自身決して妹属性があるわけではないのだが、しかしこの漫画は非常にやばい。妹属性のないと思っていながら潜在的に可能性を秘めた人間から妹属性を発掘してしまう可能性がありそうだ。クマ持って「ごめんなさい」とか、反則だよなぁ。あー、気をつけよっと(←何が?)。

 次号(12月19日(水)発売)は新年特大号っつーことで、創刊号と同じように2冊パックで360円だそうな。モーニングからはヤング島、播磨灘外伝、オーダーメイド。その他「ハードボイルドパパ」「BOiNG」の山口譲司とあの小林じんこが読み切りで登場。小林じんこは「復活!!なるか?」って書いてあるところを見ると落ちもアリなのか(笑)。「制作快調!」ってわざわざ書いてあるあたりがますますあやしいな。
 しかしヤング島があると売れ行きが違うんかねー。

 なんかこう、ヤンマガ関係はもちっと分かりやすい表紙にしてくれんかねえ。モーニング関係みたいに誤買するのも困るが、買い逃しそうになるのはもっと困るよ。個々の雑誌でちゃんと分かるようにしておくれ。

 はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」
 これがなんか新展開のきっかけになりそうな感じではあるが、しかしここからまた進まないんだろうなー。まあそれがこの漫画のいいところでもあるんだけどね。それにしても毎回毎回、百やんには笑わせてもらってるよ。首へんな方に曲がってるし(笑)。
 しかしいきなり声優ってなんじゃいな。

 咲香里「春よ、来い」
 単行本を衝動的に揃えてしまいそうな漫画ナンバーワン(笑)。いやあ、なんかこう、ドキドキさせられますな。それにしても上手すぎ(←何が?)

 堂高しげる「全日本妹選手権!!」
 「オタク心理と業界の認識のズレ」か・・・。書いてることはなるほどって感じではあるな(←そうか!?)。しかし今回のコレについていけないってことは、わしもまだまだヲタクの域には到達してないってことでよろしいか?

 風間やんわり「たもっさんの時間(ページ)」
 こっちでも王様ゲームネタか。しかしまたしても笑かしてモラタヨ。

 あ、そうか。今号はシュガーがお休みだったのね。
 次号は12月4日(火)発売。忘れるな。

 今日は水曜なのだが何故かモーニングが売ってた。金曜がお休みの関係かしらね。でもヤンジャン、ヤンサン、チャンピョンは売ってなかったっぽいよ。ついでに書くと、マガジンは一歩が休載だったよ。じゃむねんだー。

 今週はヤンマガのトピックを書いてなかったのだが読んでないわけではない。なんか特筆すべき事がないなーと思ってね。あー、「エリートヤンキー三郎」河井がどんな秘策を用意しているのかと、Xの正体も含めてちょっと期待してたのだがなんだかストレートな感じで。あれでほかの連中は納得するのだろうか。とりあえずトーナメント表とか。もっとこう、読者をガンガン裏切って欲しかった。ヤンマガはそんなもんかなー。

 明日発売、山田芳裕「いよっおみっちゃん」は買おうかどうしようか考え中。でも今月はモーニング系ではほかに買いそうなマンガがないので多分買っちゃうだろうな。あとクロ高(3)(発売中)も買うかも。

 寒いので、気持ちがあったかくなって、何度も読み返したくなるようなマンガが読みたい気分。なんかないすかね。

 

 どうでもいいけどここ(←なんで「1999」なんだよ・・・)によると、IKKIコミックスって高いのね。「G戦場〜」が819円、黒田硫黄なんかは933円ですって。ひゃー。A5とかだったりするんだろうか?これのために今週末は買い控えておいたほうがいいかなあ。

 あー、全然知らなかった。「羊のうた」って映画になったんですねえ。マンガの映画化ってんじゃなく楽しめそうな雰囲気だ。
 映画といえば、「殺し屋1(イチ)」の映画版公式サイトなんてのがいつのマニやらできてたり。ちょっと重いけどフラッシュがいい感じですな。なんかコレみると主役は垣原?って感じがしちゃうけど、まあそうなんだろうな。コレは絶対見る。つーか、今までわりとどうでもよかったんだけど、このサイト見てものすごい勢いで見たくなってきた。漫画とは結末も違うらしいので楽しみ。

 何故か水曜発売。
 また誤買狙いの増刊号かと思ったよ。

 西村ミツル・かわすみひろし「大使閣下の料理人」
 これ、どんなもんだろか・・・。取りようによってはアメリカマンセーと言ってるように取れちゃわないかな?対アジア諸国よりはアメリカを重視すべし!と言ってるように取っちゃう人・・・というか、そう読めることを取り沙汰してガタガタ言うヤツ、いないかなあ(←オマエか?)。沖縄に基地を置くことおっけーとか、安保万歳とか、そんな風に取れちゃうかも。だいじょぶかなあ。考えすぎ?

 国友やすゆき「コッコちゃん」
 温泉レポートですって(笑)。もうそれだけでおっけーな感じだが、しかしいくらなんでも素っ裸で猿追っかけるなんて、どうかしてるぞまったく。それに一泊だからといって替えの下着を1枚しか持ってないとは・・・なんておいしいんだこの子は(笑)。

 KOZO・末松正博「THE BIG BOSS」
 新連載。「右曲がりのダンディー」の末松氏がひさびさにモーニングに。変わんないねえ、この絵柄。いや、嫌いじゃないっすよ。とりわけ女の子。
 度胸と抜群の記憶力を武器に、若くしてヤクザの若頭補佐に登りつめた尾上兵庫は、突如として脳細胞が急激に縮んで激しい記憶障害を引き起こすという病気に冒されてしまう。記憶の無くし方が半端じゃなく、いろいろな騒動を巻き起こす・・・って感じだろうか。
 なんつーか、絵柄も無意味に美女が出てくるあたりもいまどきにはマッチしない感じではあるのだが、しかし話としては面白くなりそうな雰囲気。モーニングの起爆剤としてもこういうタイプが欲しかったところかもしんない。ちょっと期待して様子を見てみましょ。

 比嘉慂「フシムゥヌガタイ」
 ほのぼのした絵柄で淡々と戦時の悲惨な出来事を語るシリーズ第二弾。前回は好き勝手やっていたアメリカ兵を自分たちで裁く、というような話だったと思うが、今回は日本兵の戦時の罪を戦後裁くというような話。
 うーん、話はわかるし、こういうことを伝えたいってのも分かるんだけど、しかしこれが漫画である必要はあるのか?と考えると疑問。ドキュメンタリーか否かという部分を排除して、単純に漫画としてのデキだけを考えると、決して高い評価はつけられないと思う。逆に漫画であるからこそうまく伝えられないことがあるのではないかな、という気すらしてくる。本当に「こういうことがあったんだ」ということを伝えたいのなら、もっと別な表現手段の方がいいのではないかと思うがどうだろうか?

 榎本俊二「えの素」
 えの素としてはありがちな展開だけどワラタ。最後、郷介だけが焼き付けたんじゃなくって、森本センパイや亮子たん、あまつさえ通りすがりの男までってのが・・・(笑)。

 次号、ちば賞大賞作が掲載ですって。楽しみだね。

 今年の春くらいから何度かにわけてモーニングに掲載されてた、「度胸星」以来の山田氏の短編。全6話。ボリュームたっぷり260ページ。結局買っちゃったよ。装丁がよくって、つい、ね。

 時は大江戸、文化・文政。腐りかけてるが根っこまで腐ってはいない梅ヶ原にふらりとやってきた女浪人・みつ(おみっちゃん)が、梅ヶ原の腐りかけたヤクザ豆七一家と、隣町である大竹町を仕切っている、「汗水垂らして働かないやつは生きている資格がねえ」がモットーの左文字一家との抗争に巻き込まれる・・・といったお話か。ヤクザの抗争とはいえ血なまぐさい感じではなく(といってもそれなりにちょっとアレな描写もある)、どっちかっつーと痛快な娯楽モノ。

 正直なところ、モーニング掲載時はイマイチかなあ〜という感じで読んでいたのだが、こうやってまとめて読むとなかなかどうして。面白い漫画になっていると思う。全体のすっきりした筋道もそうなのだが、おみっちゃんに絡む男達がそれぞれに個性があって、それぞれの生き様を見せてくれる。なによりおみっちゃんのキャラクターが魅力的である。
 しかしながら、それはあくまでただの漫画としての評価であって、決して「山田芳裕の漫画」としての評価ではない。というのは、これまでの山田作品で書いたとおり、山田氏の漫画の面白さのヒケツは「静から動へのダイナミズム」にあるのではないかと思うのだ。この「おみっちゃん」の中にも殺陣はあるのだが、どうも山田氏の本来の持ち味で描かれていないように感じるのだ。あるいは山田氏への過大評価なのかもシレンが、しかしわしが求める山田氏の漫画の面白さはこんなものではない。山田氏はもっと面白い漫画を描ける漫画家なのだ。
 そういう目で読んでしまうとどうしても気になってしまうのだが、んーしかし最近ヤンマガやモーニングに載ってるマンガと比較すりゃあ、かなり水準高くはあるよな。でもあえて。山田氏の漫画としてはやはりイマイチだ、と言っておく。山田氏を知らない人がこれを読んで、これが山田氏の漫画のカラーであり持ち味であると誤解してしまうと問題あるかなーという気がするしね。
 なのであえて評価は★★☆☆☆くらいにしておく。

 山田芳裕ならまず「大正野郎」可能なら「しわあせ」、そして「度胸星」を読むべし。
 新連載は年明けになるそうな。期待しましょう。

(発行日:2001/11/22)

 ええと、説明は多分いるまいが、星里もちるの・・・代表作と言ってしまっていいのかな?多分一番巻数の多い連載。東京の住宅事情と「住む」ということ、そして10歳もの年齢差を超えた恋愛、なんてのを題材にしている、まあいわゆるラブコメでしょうな。
 ほんわかしてるし、それなりにハラハラするし、「コメ」な部分も適当に面白く、絵柄は劇画とかいわゆるリアル系なのがお好きな方にはアレかもしれないが、わしはこういうスッキリした絵を描く人は読みやすくて好きです。
 とりたててどうしても読みたい!ってわけではなかったんだけど、ブックオフで10巻セット500円だったので衝動的に購入。うむ、いい買い物だったよ。

 内容に関して今さらあれこれ言うのもなんなんだけど、実はまとめて読んだのって今回がはじめてなんすよ。ずーっと連載追ってたんですけどね。まとめて読むとなかなかいいすね。いや、連載追ってたときもよかったんだけどさ。
 話が適度な大きさごとにちゃんとまとまってるし、登場人物も全部うまく消化できてるし、なんつーか、漫画としての完成度はかなり高いですよね、これ。ただ、最後の方がちとばたばたしてるかなーって感じはするよな。んー、あと建築家の杉田とか、浪人生の名取とか、もっと出番が長かったような気がしてたけどそうでもないのね。いや、杉田は結構長いけど、わしの持ってたイメージだとかなり最初の方からいたような気がしてたんだけどね。多分、最後の方のそのばたばたしてるあたり、ほんとにばたばたしてるし、いろんな登場人物のいろんな感情が入り乱れてるから長く感じたんだろうな。うん。
 しかし10年経った今読んでもちゃんと楽しめるってのは、ほんとにイイ漫画だってことだろうな。ちょっと甘いけど★★★★☆くらいの価値はあると思いまっす。この手のがまったくもってダメってんじゃなくって、まだちゃんと読んだことがないって方は、一度くらいちゃんと読んでみてくださいな。

 ときに。
 わし、今まさに引っ越し先探し中なんですわ。まあ会社が千葉で住むところも会社にわりと近いところで探してるので、都内ほど住宅事情は悪くないんだけど、しかし住処を探すってのは大変だよなあ。更新までいようと思うとまあ2年は住むワケじゃない?へたすりゃ4年とか、あるいはそれ以上住む可能性も十分あるわけで。いや、いい加減結婚してまともなところに移らなくちゃいけないんだろうけどそれはさておき。杉田に聞かれると怒られちゃいそうだけど、住居ってのは結局どっかで妥協しなくちゃいけないんだよね。どこに落とすかっての、今まさに迷い中ですわ。はああ〜。
 しかし引っ越しってなあ金かかるよねえ。ところで連載開始当初の不破が25歳、ほんでもって第一話で引っ越したところが2DKで9万ですって。おいおい、おまえ一体いくら給料貰ってんだよ!って感じですやね。しかもいずみちゃん連れて最終的に入ったマンションなんか、新しそうだし大きいし、12〜3万くらいはしそうだよなあ。わしゃ出せるギリギリが多分駐車場代込みで8万くらいですよ。まあ漫画だからといえばそれまでなんだけど、それにしてもなあ。
 切ねえでやんすな。

 わたしだけがしあわせになあれ。

(発行日:1991〜1993)

 イブニングで「恋風」という、妹萌え全開なハートウォーム系とでもいうような漫画を描いている吉田基已(もとい)のデビュー作ってことになるのかな。98年末あたりからモーニングにたまに載っていたマンガ。

 自由気ままに生きる美大生・亜藤森(♂)はある晴れた日に黄色いレインコートを着た少女に出会う。そのあとで偶然町で見かけた彼女(桐生星)に声をかけて、二人はお付き合いをはじめるわけだが、星は高校一年生で年齢差9歳。なんだかへんてこなカップルなのだが、この二人を中心に、切ないような甘酸っぱいようなほんわかな感じな物語が展開する・・・ってこんなんでわかるんだろうか。わかんねえよな。まあいいか。
 まあそんな感じでちょっとロリはいってる雰囲気はあるのだが、トーンを多用しないでかわりに手書きの線で陰をつけたりする独特のタッチのせいもあって、全般にあったかくてやわらかい感じの漫画になっている。二人の構図としては、「恋風」の二人にも似てはいるのだが、性格とかはまるで別物だし、また「恋風」のような「あざとさ」みたいなものは皆無。読みやすいマンガだと思う。
 森と星のふたりの関係もいいのだが、まわりの人間(森の友人・青木と森の元彼女・華海とか)の話もなかなかよく、短編集的な単行本になっている。
 評価はなんだか難しいのだが、とりあえず★★★☆☆。わしは好きだけどね。この手のを毛嫌いする人もいるだろうし、こういうタッチが苦手って人もいるだろうし。手にとってみてあいそうだったら読んでみてくださいな。

 ちなみにこの作品、「1巻」とはなっているのだが、2巻以降が出るかは非常に微妙。4話収録なのだが、このほかに未収録があったかなあ。ちと記憶にナシ。未収録がなければこれでオシマイって可能性が高いねえ。また読みたいところだけど。
 あと、大判なのはいいけど、できればカラーページはカラーのまま収録してもらいたかった。その分もうちょっと高くなってもOKだろ。この人のカラーがまたいいんですよ。プラネテスなんかはカラーページ全収録なのにねえ。

(発行日:2000/07/21)