うああ、随分空いちゃったな。
 最近平日は帰宅後 PC を触る時間がすっかり減ってしまいまして。かといって普通の日記ならともかく、漫画レビューはなかなか会社では書けませんからねえ。今後しばらくの間は、主に週末のみ、しかも単行本のみのレビューになっちゃうかも。雑誌も読んじゃあいるんですけどねえ。やれやれ。
 ちなみに来月中に引っ越しをして、再来月くらいには 8M 引く予定です。そうなるともうちょっと気楽に書けるようになると思いますので今しばらくのご辛抱を。ってどれくらいの人がコレを楽しみにしてくれてるのか知らんけど。

 ところで InternetNinja ご使用のあなた。相変わらず嬉しくないアクセス方法してらっしゃるようですので、このトピックを読んだと思われるあとでリンク片っ端から辿るような操作された場合には、AGENT ではじきます。アクセス方法の変更、お願いしますね。

 忘れた頃にやってくる。
 グラビアにちょっとくらくら。

 阿部秀司「エリートヤンキー三郎」
 徳丸高校最強決定ボクシング大会編完結。途中で展開がミエミエだったが、それでも見開きのページで大笑いさせてもらった。河井は頭蓋骨が相変わらず・・・(笑)。

 木内一雅・八坂孝訓「青龍(ブルー・ドラゴン)」(ヤングマガジンNo.52)
 表紙には「驚愕と感動の第一部完!」ってあるんだけど・・・うーん、驚愕はしたけど感動はしなかったなあ。果たして第二部は描かれるんだろうか。

 蓮古田二郎「しあわせ団地」(ヤングマガジンNo.52)
 驚愕と感動の二本立て!・・・いや、嘘です。いやいや二本立てはほんとなんだけどさ。一本目の働くはじめのきらきらした目が印象的だ。

 次号は新年号か。年末ですねえ。

 スピリッツ増刊IKKI連載中の、高校生漫画描きタッグを主人公とした、例によって青臭さ(バシズムっというのか?←ちょっと書いててはじかちー)全開の青春モノ。「漫画を描くこと」を題材にはしているが、それは単なる題材であって、例えば「まんが道」なんかとは一線を画しているかなと。

 大御所漫画家・坂井大蔵を父に持つ、漫画嫌いな境田町蔵が、転入先の高校で坂井の漫画に感銘を受けて再びペンを取った長谷川鉄男と出会い、二人はお互いの作品に惹かれあって合作で漫画を描くことになる・・・って感じではじまるのだが、町蔵は当然父親にコンプレックスを抱いていたりとか、鉄男の父は敏腕編集長だったりとか、鉄男のガールフレンド久美子にもいろいろあったりとか、「極東〜」や「プラスティック〜」に通じる世界観でそれぞれの青春を描く・・・いや、それもなんか微妙に違うな。まあまだ完結してないのでここからどんな漫画になるかは分からないが、ただ「戦場」であって、町蔵と鉄男は「友人」ではなく「戦友」である、ってあたりが今後のミソになってきそうな雰囲気。個人的にはIKKIの中でかなり期待している作品のウチのひとつ。

 しかしまあ、言わせてもらうと「〜に通じる世界観」なんて書いておいてなんだけど、なんていうか、同じなんだよな。コンプレックスを持った連中が青春しやがる、みたいな。そういう見方しちゃうとこの人の漫画は全部同じになっちゃうわけで、そうなるともはやつまんない漫画になっちゃうんだろうけど、ただ、そういう青臭い部分が心地よくはあるな。それになにせ絵にぐいっと引き込ませる力があると思う。
 「極東〜」は後半はつまんない、なんてな声を聞くことがあるのだが、たしかに前半の力強さみたいなのがないような気もする。この漫画はそういうことのないよう、今のテンションのまま突っ走って欲しい。これで3巻分くらいでガシっと終わると、「プラスティック〜」を超える代表作になるのではなかろか。
 と、そのくらい期待してますよってことで★★★★☆。甘いかな。

 連載の方は、今号からぐいっと展開しそう。楽しみだ。
 でも隔月なのよねー。次巻は来年の今頃になるんだろうか。はうー。

(発行日:2002/01/01)

 表紙がネクタイを巻いた伊橋。そういう雑誌ですよって意味なの?なんだかなー。

 小山ゆう「あずみ」
 はつねがなんとも痛々しい感じでグー。それにしても武蔵の小汚さとあずみら一行のスッキリ加減、同じコマに収まっているとなんだか変な感じだ。わざとこういう描写にしているんだろうか。

 太田垣康男「MOONLIGHT MILE」
 まさかそうくるとは、って展開だったのだが、しかしなるほど澤村を男にするならこう来た方が面白いのかもシレン。いや、このあとどうなるのかって、全然想像つかないけどね。

 松田洋子「御愁職様」
 新連載。あ、今見たら「集中連載」ってなってるね。うん、このネタでまともな連載はどーなんだろ?とか思ってたし。父親の遺言もあって、スーツを着てする仕事に無理矢理ついたら、そこは家族経営で、仕事は冠婚葬祭のビデオ撮影なんかをやる会社・・・って感じで、これからどうなるのやら。ちょっと無理矢理っぽい感じがするけど、とりあえず期待。

 柴門ふみ「非婚家族」
 なんだかうまく丸く収めたって感じか。うーん、やっぱもう一波乱くらい欲しかったねえ。でも籍を入れないいわゆる「事実婚」ってのが解だとしたら、ちょっと萎え萎えだね。いや、それだけじゃないってのは、ちゃんとこの漫画読めば分かるんだけどさ。

 次号から新連載「社長大原笑介」ですって。いやーん。
 「読めば会社が楽になる!!」ってキャッチもなんだかなー。

 七瀬あゆむの、もしかすると代表作ってことになるだろうか。映画監督を目指す青年と、彼が撮った映画がきっかけで世に認められ女優になった少女とを中心に描いた、こういうのは青春ラブストーリーって感じの漫画。
 特に思い入れがあるわけではないのだが、これを読んでいた当時ってのが、ちょうどヤングジャンプを一番よく読んでいたころだったので、自分の中でのヤンジャンの象徴的な漫画になっているのかもしれない。そんな感じで6巻セット¥300ってのを見かけて購入。読んでみてもう1巻あることに気づき、慌てて300円でもう購入(←馬鹿すぎ)。

 話は映画監督を目指す青年・香取志郎を中心に、彼の映画監督としての成長っぷりと、新人女優・江上空美(エガミ・クミ)や大学の先輩である椎名杏子との恋愛なんかが絡みつつ、適度に押し引き交えつつ進んで行く。
 なんつーか、話の筋としてはあとで読み返してみるとあまり深くもないし、正直な感想としては薄っぺらい。加えて書くなら、絵自体下手ではない(むしろ上手い方ではある)のだが、表情による心理描写なんかにちょっとケチをつけたくなってしまう感じ。
 ストーリー的なところでは、空美は香取に見てもらうために女優になることを選ぶのだが、香取は自分の手の届かないところに行ってしまった空美を追い続けることよりも、身近な存在である杏子を選ぶ。そのことは全体の中ではものすごく大きな出来事であるはずなのに、全体を通して読んでみるとそれほどの重さが感じられない。もちろん、香取にも空美にも杏子にもそれぞれに葛藤なりはあるのだが、ここがあまりしつこく描かれない。あえてそういう方法を採っているのかもしれないが、読み手としては肝心なところが軽いんじゃないかなーとか思えるわけだ。

 ヤンジャンではこの手の青春ラブストーリーを描く人としては、高見まこの正当な継承者になるのかなーって感じだったのだが、高見まこの持つ毒というか、負の感情みたいなものはあまり得意じゃないみたいね。その辺が「もうひとつ」である理由なんじゃないかって気がします。いや、もちろんもともとはもっとサワヤカ全開な漫画描いてた人だし、それに同じ方向でも高見まこになる必要はまったくないんだけど、読者はそういう目で読んじゃうだろうしね。超えることはできてないんじゃなかろうかと。
 そんなわけでちと厳しいですが★★☆☆☆。

 誤解されそうなので書いておきますけど、嫌いじゃないんですよ。むしろ好きな漫画家のうちのひとりです。だからこそ、もうちょっと頑張って欲しいなとか思いますしね。わしも杏子さんみたいな彼女欲しいし(←おい)

(発行日:1996〜1997)

 最近なんだか塀内夏子づいてるのですが、例によってスポーツ短編。タイトルからわかるとおりバレーボールをテーマにしてます。読んだ記憶はあったんだけど、月刊掲載だったかなーとか思ってたのだが週刊本誌での二号連続掲載の読み切りだったそうな。92年ってことは、時期的に「オフサイド」と「Jドリーム」の間ってことになるのかな。まあそれはともかく。

 オリンピック出場が危ぶまれる女子バレー全日本の救世主として白羽の矢が刺さったのは、ほとんど無名の女子高生選手・江崎望。望は賭けバレーなんかをやっている「スベ公」(←作中より引用ね)で、チームともソリがあわないが実力だけはあって・・・って感じか。
 そう、望は何度か書いてる塀内氏の描くお得意なタイプの女の子で、背が高くて魅力的なんですよ。で、作中のもうひとりの主人公・児玉アキトシの視点でこの作品は描かれてるのだが、このアキトシがまたありがちな感じで背が低くて、望に対してコンプレックスと憧れを同時に抱いてるみたいな・・・まあつまり、塀内氏のお得意なパターンということだろうか。
 でもそれがただの「お決まり」という具合じゃなく、物語としてしっかり読ませてくれるところはさすが。チームのキャプテンであるセッター・仲田留美(←言うまでもなく稀代の名セッター中田久美がモデル←性格とかはどうか知らんけど)とはバレーへの姿勢とか私生活の乱れとかで折り合わないのだが、仲田がゲーム中に望を育てて、望がどんどん高くジャンプして、ってあたりはもうこの人ならではって感じの、ゾクゾクするような、それでいて爽やかな感動・・・いや、感動ってのともちょっと違うんだけど、まあとにかくそういうアレがあります(←それじゃわからんて)。ええい、この人の漫画好きな方なら分かりますよね?逆に、それが分からない人ってのは、この人の漫画はいずれも読めないんじゃないかな。というか、80年代以降のマガジンってこれが王道だよなあ。「はじめの一歩」あたりもこれと同じ雰囲気あるし、「風のシルフィード」とかもそうだよな。スポーツマンガじゃないけど、「将太の寿司」なんかも根底にあるのはスポコンだし、結局流れている血の色は同じというか。

 とまあ、能書きが長くなっちゃったけど、良質な短編です。見かけたら是非読んでみてくださいな。
 ってことで★★★☆☆。もう少し評価上げてもいいんだけど、あまりに甘すぎるのも、ねえ。

(発行日:1992/10/17)

 刑務所慰問公演が思わぬ結末に。
 単なる大盛況ではなく、そうしちゃうあたりがすごいよな。そしてその辺がスバルの非凡ブリなわけなんだけど・・・ちょっと非凡すぎないかな?ってのが率直な感想。というのは、それがどの程度すごいことなのか、読んでる人には伝わらないんじゃないかなーってのがね。
 いや、すごいってのはなんとなく分かるんだけど、そもそも読者の大半はバレエなんて知らないはずで、そこへ来て、バレエで「ああいうリアクションをとられる」ということのすごさ、みたいなものって、作中ではバレエの女王・プリシラには十分すぎるほど伝わっているようではあるが、読者にはそれが正しく(というか、作者の意図通りに)伝わってないんじゃないかなーっていう不安がある。わし自身も、作者の意図を汲めているか、かなり不安。
 あと、加えるならお金の関係のくだりは蛇足な気がする。その「凄さ」と、「プロとしてお金を貰うこと」ってのはむしろ対極にあるような気がするもの。ああいう反応であったなら、むしろお金は貰えない方がしっくり来ないかなあ。読んでて6巻でのスバルのセリフを忘れてたわけじゃないけど、でもそんなことはもうどうでもいいよな、って気になってたし。なので、お金を貰う場面に関してはかなり拍子抜けって感じかなあ。

 とはいえ、全体的には5〜6巻に比べてテンションが上がってきてる感じがする。その分、相変わらず絵が(というか線が)ますます乱雑になってきている気はするけど、でもこの絵だからこそこの迫力がある、って気もするしね。
 でもやっぱこの巻の内容に関しては★★☆☆☆。ってことで。

 この先プリシラとスバルが絡むことで物語は大きく展開していきそうな雰囲気なのだが、最終的にどの辺に着地するのかまだ全然見えてこないね。それに、多香子とか真奈とか、未消化のライバルも多いしねえ。先日のスピリッツのオマケのミニ本では、真奈は曽田氏自身の分身とのことなので、真奈は最後までスバルを側で見ている、ってことになるんだろうけど、それが果たしてどういう形になるのか。
 いずれにしても今後がますます楽しみですな。

(発行日:2002/01/01)

 グラビアが相変わらずろりーな感じでええ。しかしこのおねいちゃん、こんなにオパーイがでかくて大丈夫なんか!?(←知るかっ)おいおいおい、バスト94ですってよ。どうするよ!?(←どうもしねえって)

 すぎむらしんいち「クローン5」
 いよいよクローンの秘密と、謎の女・アキらの目的が明かされる。ふむう、なんかハッタリ全開だが、どうなんかね。しかし忠次とアキの想像する「完全」ってのがなんか笑えるな。いずれにせよここから面白くなってくれることに期待。

 はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」
 いきなり秘密解明か!?それにしても家の中だからってパンツ一丁でビール飲むなよユーキたん・・・いや、嬉しいけど(笑)

 堂高しげる「全日本妹選手権!!」
 今回もアニヲタネタ。つーか濃すぎ(笑)。巻末のコメント「オタクネタを集めるために昔のアニメとか調べてると、帰って来れなくなりそうです」何言ってやがんでえホンモノのくせに(笑)って感じですな。いやはやわしもここまで来るとよーついていけんです・・・ってわしはアニヲタじゃないんだってば。

 次号からきうちかずひろ原作の新連載ですって。うへー。仮にも「ヤンマガ」兄弟誌だからしょうがないっちゃーしょうがないのかもしんないけど、ああいうのはカンベンして欲しいなあ。
 次号は12月18日(火)発売。

 星里もちる名作ラブコメその1(←また勝手なネーミングを・・・)
 や、この間「りびんぐゲーム」読んだらなんだかほかのも読み返したくなっちゃってさ。で、ブックオフの100円コーナーで発見したのでさくっと。なんつって、実はほかの漫画のついでで買ったんだけどね。まーそれはさておき。

 売れない役者・御前岳実(オマエダケミノル)はクサイ台詞を言おうとすると吹き出してしまう体質。一方駆け出しの字幕翻訳者・音裏由羽(オトウラユウ)は感情移入が激しく、自分で感情のスイッチの切り替えができない体質。そんなふたりがそれぞれの親友の結婚式で出会って・・・って感じではじまるラブコメなのだが、しかし後半になるとこの設定ってほとんどどうでもよくなっちゃってるよなあ。まあでもただのラブコメとしてもおもろいですよ。短いけど、適当な長さかなって感じで。気楽に読めるのがいいかな。うん。

 この単行本、上巻下巻ともに読み切りが同時収録されてまして。ファンの方にとってはその辺がおいしいところなんじゃないかなーって気がしますな。そもそもこの人って、連載でも長いのよりは短めの方が良作が多い気がする(というか、長いのってりびんぐゲームくらいだよな)し、短編向きなんじゃないかなって気がするね。なんていうか、シチュエーションとか設定で話作るタイプってのかな。そんな具合でこれに収められている読み切り合計4本、いずれも良作ですな。

 ただやっぱ今さら買って読むほどかっつーと・・・うーんこの手のが嫌いじゃなくて、読んだことがなければ読んでみてソンはないかなというくらいか。
 てな感じでやや厳しめだけど★★☆☆☆くらいで。

 最近はまりつつあるなあ。「結婚しようよ」とか「夢かもしんない」とかも揃えてしまいそうな雰囲気。あっ、それよりも「本気のしるし」が・・・(笑)

(発行日:1991)

 おなじみ(?)貞本エヴァ7巻目。
 話はいよいよ脂っこいところに来て、ゼルエル(だよね?)との戦闘〜シンジがエヴァに取り込まれてしまうあたり。途中、アニメではなかった加持の過去についての話なんかがあったりするし、ゼルエルとの戦闘中のシンジの描写とか、相変わらずアニメとは一風違った雰囲気を醸し出している。ほんでもってこの巻の最後にはいよいよ渚カヲルことタブリスが登場。この辺からTV版、あるいは映画版とは違った展開になってくるんだろうか、とかって感じか。まあ大きく変わっちゃうことはないんだろうけど、そこはそれ(何?)。

 しかし実は内容はもうわりとどうでもいいんだよなー。とかいいつつほとんど惰性で買ってる感じ。いや、面白くないわけじゃないんだけどね。あえて読む必要もないよなーとか最近思ってます。
 そんな感じで厳しめに★☆☆☆☆。

 ちなみにフィギュア付きは14日発売ですって。わしゃ別に買わんけど。

(発行日:2001/12/01)

 朝ちょろっと立ち読みしただけなので号数その他はかなりテキトー。

 塀内夏子「ROAD〜輝ける道〜」
 単行本トピックでどうなるんかなーとか書いてたのですが、ゴールインですぱっと「完」。結局オムニバスの短編集みたいな感じになっちゃったね。この分だと1月に出る3巻で完結ってことになるんだろうか。なんかちょっとだけ足りない(ページ超過になる)ような気がするなあ。全4巻にして、未収録の読み切りとか突っ込んで欲しいよね。
 しかしなんかもう1話くらい余韻が欲しかったような気も・・・。ちなみに続編がありそうなこと書いてましたね。ちょっと期待。

 森川ジョージ「はじめの一歩」
 「王者=一歩」って図式は面白いんだけど、そうなると漫画的にはますます鷹村は王者を倒しにくくなっちゃうよなあ。やっぱ鷹村は負けて引退ってことになっちゃうんだろうか。先が読めん・・・。
 それはそうと一歩と宮田の会話で、危なくなったらリングに行って試合を止めるとかそんな相談。それでいいのか?あんたらボクサーだろ。宮田なんか、自分では何度もボクサー生命賭けるような試合してきてるくせに。仮に鷹村が網膜剥離で試合に臨んでいるとしても、その気持ち宮田なら分かるだろうに。ほんとに止めたら鷹村に殴り殺されるぞ。いやマジで。この漫画、最近こうやって解せないことがあるよなあ。ううむ。はやく一歩vs宮田やっちまえ。

 相変わらずほかに読みどころがないなー。
 そういえば寺沢大介のやつも終わっちゃったんだっけ。マガジンも随分雰囲気変わったよなー。マガジンが売れてたころって、ジャンプとのはっきりとした方向性の違いがあったからこそ売れてたんだと思ってたんだけど、違うのかね?今みたいにいずれもジャンプ漫画の二番煎じって感じじゃあ、どうあがいたってジャンプを抜き返せないよな。森川ジョージと塀内夏子はマガジンの最後の良心だと思っているのだが、そういう考え方自体、もしかして時代錯誤なのかなあ。
 なんか悲しい。

 IKKI連載、奇才(?)黒田硫黄の最新作。
 といいつつアフタでもやってるんだよな、今。まあそれはさておき。

 林二湖(ニコ)は占い師かスパイになることを夢見る14歳、コードネームは「セクシーボイス」。声色と手下のロボ(須藤威一郎)を操り難事件を解決!・・・って感じでいいのだろうか(汗)。んと、難事件ってのが如何にも黒田硫黄っぽい難事件で、そこらへんにらしさがにじみ出てる作品。スピード感もあり、ビックリ感もありって感じで、個人的には「茄子」よりも好み。
 途中から「セクシーボイス」も「ロボ」も、内容にはあまり関係なくなってしまうのだが、そんなことはわりとどうでもよくなるくらい面白い。連載ものではあるが、隔月誌連載ってこともあって一編ごとにひとつの話になっている。

 この作品を誉めようと思うと黒田硫黄マンセーにしかならないのだが、しかしまあそういうモンだよな。
 つーことで説明は難しいが★★★★☆。

 ちなみにこの本、A5判です。
 天狗党とか、茄子とかもこの判で出して欲しいよなー。特に天狗。

(発行日:2002/01/01)

 おなじみ隔月発行の増刊。内容も充実、コミックスも発行になってすっかり定着した感あり。

 宇仁田ゆみ「スキマスキ」
 新連載。スキマに魅せられた男の話・・・って感じになるのかな。キャッチーな絵とテンポよい話運び、読みやすくってしかもテーマも面白くていい感じです。でもさー、IKKIのこのラインナップの中じゃあ、埋もれちゃいそうだよなあ。本誌連載もしくはヤンサンあたりの方がしっくりくる漫画だと思うんだけど、どうだろか?

 菊池直恵「鉄子の旅」
 新連載。えーと鉄なライターさんと漫画家さんが鉄道の旅をしてそれを漫画にするという、史上初(?)の鉄による鉄のための漫画(大笑)。いやはや、わしは鉄ではないのだが、この漫画読んでると毒されそうな感じがする。それくらい漫画力はあると思うよ。

 三宅乱丈「ある日突然超能力者」
 読み切り。なんの変哲もない女子高生がある日突然超能力者になって・・・という妄想をする漫画。って書いちゃうとネタバレになっちゃうのか?んでもそれを知った上で読んでも十分面白いですよ。なんか「ぶっせん」終了以来、この人の漫画っていい感じになってきてるよな。いや、「ぶっせん」もめちゃくちゃおもしろかったですけどね。

 福島聡「UFO」
 読み切り。1年くらい前にモーニングで「DAY DREAM BLIEVERS」(違ってたらゴメンな)っていう短期連載漫画を描いてた人。結婚してまもなく妻を中学生に殺害されてしまった男の復讐劇・・・とか書くとものすごくチンプなのだが、むしろそういう内容ではないです(←なんだそりゃ)。タイトルの「UFO」なのだが、その妻はUFOを信じていて、妻は殺されたのではなくUFOに連れて行かれたのか?とか思わせるような、うーんなんて表現していいのかわからないけど、そういうアヤシゲな雰囲気のある作品です。この人の漫画、こういう雰囲気がこの人ならではって感じがしていいです。つい最近ビームでも読み切り描いてましたね。短編集とか出さないかなあ。

 さそうあきら「富士山」
 こちらは最終回。「犬・犬・犬」の最終回もそうだったけど、読んでてウツになるくらいの人の心の闇みたいな部分の描写がうまいですよね。次回作、どこでどんなの描くか知りませんけど、楽しみにしてます。

 日本橋ヨヲコ「G戦場ヘヴンズドア」
 鉄男と町蔵の合作が佳作に選ばれ、授賞式で町蔵は父親と対面・・・!?って感じで、後半息が詰まるような感じです。ああっ、早く続きが読みたいッ!でも続きは2ヶ月も先!くそう。

 比古地朔弥「まひるの海」
 歩とまひるが少しずつ近づきつつある感じ。なんだか目が離せない漫画。それにしても五十嵐の破壊力には脱帽。

 ふう。この雑誌、読むのも大変だし、感想書くのも大変だよなあ。でもイイ雑誌になったね。ここに挙げてない作品もいずれもいい感じです。林田球「ドロヘドロ」は遅ればせながら1月末に単行本発売。松永豊和「エンゼルマーク」最終回マターリ。今までで一番よかったです。ただ、今回ボツマンだけがイマイチだったかなあ。なんか普通に面白くない漫画で、激しくボツって感じじゃなかった。亀雄カムバック!(笑)
 次号は1月31日発売。小野塚カホリが新連載。

 「ファンキーモンキーティーチャー」「天上天下唯我独尊」のもりやまつる(守山鶴)の最新作。スペリオールで連載してた「親父」がものすごい迫力で、かなり株を上げたようなので、ファンの期待値も大きそうな連載。

 池田屋を襲撃せんとする新撰組の近藤、土方、沖田、原田の4人が、落雷のショックで現代にタイムスリップしてしまう。それと同時に爆弾テロが発生し、近藤らはテロ犯人を打ち首にしたところ、テロ犯人だと勘違いされ指名手配されてしまう・・・という感じか。
 こうやってまとめちゃうとすごく簡単だし、それほど面白いプロットでもなさそうなのだが、しかしそこはもりやま氏の絵の迫力。これだけで圧倒され、この世界に引きずり込まれてしまうのだ。
 この先どう展開していくのかまるで想像もつかんのだが、今注目の漫画のうちのひとつ。
 期待も込めて★★★★☆。

(発行日:2002/01/01)

 おなじみ爆笑格闘セクース漫画(←そんなジャンルじゃねえって)8巻目。
 別冊ヤングマガジン連載中。

 少々マンネリ化してきた、というか、この馬鹿馬鹿しい世界に慣れてきたせいか、最初に読んだ頃の衝撃がなくなってきている。それに加えて、ギャグ(?)の描写がちと痛くなりつつある感じかなあ。矢球一族との対決で無勁牙(ムケイチーバ)が折られてしまったときのハブオの表情とか、おなじく鏃空(ゾクウ)の対決でやはり無勁牙をねじ曲げられたときの表情とか、以前はもっと深刻なものとして描かれていたためにそれが面白かったのだが、そういう部分が欠落してきている気がする。
 それの最たるモノが本巻収録一話目のハブマンの回だと思うのだ。いや、これはこれで確かに面白いのだが、本来DEIに期待される面白さはこういうものではないような気がする。
 とはいえ、ほかのマンガでは味わえないくだらなさは健在。加えて繋ぎ女(つなぎめ)もみんな相変わらず・・・いや、ひとりを除いて(笑)魅力的だし、いい感じ。話の方は亜鬼一族が是空(ゼクウ)の復活と秋月が正気に戻ったことで一段落といったところか。連載の方では新たな強敵の予感なんぞもあったりして、これからクライマックスに向かっていこうかというところ。こういう漫画をどう締めるかってのは相当に難しそうだが、期待しておこう。
 という感じで★★★☆☆。

 しかし「ピンクとハブマンが合体したー!」は何度見ても笑うな。

(発行日:2001/12/06)

 うへえ、もう合併号のシーズンですかあ。

 森遊作「BANKERS」
 先週から始まったカジノマンガ。「賭博で絶対に負けない方法は胴元になること」ってことで、ダメ男が二人揃ってカジノを経営するマンガになるらしい。なんとなく絵柄も内容も少年マガジンチックで、わりと熱めのマンガになりそうな雰囲気。案外今のヤンマガに必要なテイストかもしれないな。今後にちょっと期待。

 安野モヨコ「花とみつばち」
 こっちのダメ男は香水。もうね、アフォかと(笑)。

 松本光司「クーデタークラブ」
 もうどうしようもないくらいにブッ壊れてしまったのだが、今号含めて残り8話だそうな。どんな結末になるのやら。

 山下ゆたか「ガガガガ」
 10週目。とりあえずは次号も載るらしいです。けど、やっぱり何を描いてるのか、わしにはわかりません。

 次号は12/22(土)発売。気をつけろ。

 アッパーズにて連載中の、ラブコメというか軽めのラブストーリーというか、しかも軽くエロもありっつーか、まあそんな感じの、わりとどうでもよさげな漫画です(←ひどいいいようだな)。いや、そう言いつつもこういうのって気楽に読めて適度に発情したりして、わりと嫌いじゃないです。つーかすんません、むしろ好きです。

 大学生・曽根高史(♂)は妹・まふゆと同居することになるが、実はその妹(当然♀)は地元の高校で同級生の女の子・白井沙恵(♀)と恋人同士であり、レズっていたところを教師に見つかったために無理矢理転校させられたのだ。二人が同居をはじめたところに渦中の沙恵が家でして転がり込んできて・・・という感じ。
 高史にはほかに恋人ができるのだが、まふゆに裏切られた沙恵の心が徐々に高史に傾いていき、結果、高史はフタマタをかけてしまうのだ。読んでて意味もなくむかつくところも多くある(←人はそれをヒガミというかもしれない)のだが、しかしなかなか飽きが来ない展開。ちゃんと読んでみると意外と面白かったりするのだ。ただこの手の恋愛漫画って、読まない人にとってはさっぱりなんだろうなあ。
 という感じで無難に★★★☆☆。

 実は6巻最後まででこのぐちゃぐちゃな関係は一旦終了する。どんな結末になるかは読んでのお楽しみということにしておくが、この漫画、ここで終わらずに今の連載では第二部的な話になっている。この展開にちと納得が行かない部分もあるのだが、はてこの先どうなるのやら。
 なんてな感じで案外目が離せなかったり。

(発行日:1999〜2001)

 「地雷震」でおなじみの高橋ツトム氏。ヤンジャンで月イチ連載中。

 不慮の事故や殺された人間が訪れる怨みの門で、死んだ人間が「死を受け入れ天国にいく」「受け入れず霊となって現世をさまよう」「現世の人間を一人呪い殺して地獄に堕ちる」の3つの選択を迫られる、というお話。ストーリーテラー的に門番のイズコは毎回登場するが、話は毎回別物で、オムニバスというか、シリーズ読み切り的な感じ。YJだとハッピーピープルとか、Y氏の隣人とか、あのタイプかな。
 高橋ツトム氏の絵だけに迫力はあるし、なにせ怨みとか呪うとか、そういう表情とか表現とかは迫力があっていいのだが、しかしストーリー的にはありがちというか、それほど珍しいものでもないし、正直なところあまりおもしろくもない。ただ、YJのラインナップの中で高橋氏の絵があるとものすごく異端な感じがして雰囲気あるし、また話の重さもほかのYJ漫画とは一線を画している感じ。YJに載っているからこそ意味がある漫画なのかもしれないな、とか思ってます。これが講談社系の青年誌に載ってたり、あるいはIKKIみたいな重厚感のある雑誌に載ってるんじゃ、多分全然意味がないんだろうな。

 という感じで、漫画そのものとして考えると、残念ながらあまり高い評価つけられません。つーことで★☆☆☆☆。
 いや、決してクソ漫画だとかって意味じゃなくって、高橋氏の漫画にしては・・・って意味で。「地雷震」とか、以前やはりYJで集中連載してた「ALIVE」みたいな迫力を期待して読むと思いっきり肩すかしくらいます。ただ、ファンなら読んでソンはないかな、というか読んでおくべきって気はしますね。
 とか書きつつ、2巻が出たとして買うかどうか微妙。

(発行日:2001/12/15)

 おなじみ塀内夏子のスポーツ青春マンガ。あ、いや、違うな。舞台がリトルリーグで主人公は小学6年生なので、「青春」というにはちと幼いか。まーなんつーか、汗と涙と初恋、そんな感じです。マガジンスペシャル掲載。

 絵に描いたような(絵なんだけど)やんちゃ小僧・森田文武はリトルリーグのショートストップ。チームメイトのピッチャー・神崎しおりに秘かに恋する。一方しおりは、対戦相手のチームの4番・キャッチャー古荘に淡い恋心を抱き・・・って感じだろうか。
 んむ、「恋」とか書いているが、なんつっても小学生、そこまではっきりした気持ちではなく、マンガの中でもそのはっきりした気持ちでない部分がうまく描かれている。スポーツをテーマにしているが、このマンガ、どっちかというとその辺の幼い恋の方がメインになっているかな。なんていうか、さわやかで甘酸っぱいような、切ないような、そして悲しい、初恋を描いているというか。うわー、書いててはずかしくなってキタヨ。

 そんなわけでほかの塀内作品のように、スポーツの感動みたいなものはあまりなくて、ちょっと異色な作品ではあるが、しかしこれも塀内氏にしか描けない漫画ではないかなと。いや、そうそう。こうやって替えのきかない漫画家って、そうそういないよなー。
 そんなわけで★★★☆☆。どんなわけか知らんけど。

 なんとなく古い作品も読み返したくなってきたね。
 「フィフティーンラブ」は実家に帰るとあるのだが、「オフサイド」は虫食いなんだよなあ。マガジンKCだと全部で27か28巻なんだよね。正月にでも探してみようかな。あと、「涙のバレーボール」と、「おれたちの頂」あたりも。うーん、ほんとか、わし。

(発行日:2000〜2001)

 私事ですが、って私事じゃないことは書かないんだけど。
 今月下旬に引っ越しの予定があって、それに向けてぼちぼちと部屋の荷物の整理なんかもはじめてましてね。とりわけマンガ関係はいい加減箱詰めしたりしないとにっちもさっちも行かないってな状態です。そんなわけで引っ越し完了までしばし新刊の購入も控えることにしますので、基本的に落ち着くまで「くろマン」もお休みすることにします。
 早ければ25日頃に復活するかもしれませんが、あるいは年明けになってしまうかもしれません。いずれにせよ復活の折には猿人の更新報告もしますし、アンテナでも捕捉されると思います。まー、こんなもん、本気で楽しみにしてる人がいるとはちと思えませんが、そういう事情ですのでしばしのお別れです。

 ・・・みなさん、忘れないでね(汗)

 いやはや。
 結局大みそかになってしまいましたな。
 引っ越し関係はおおむね落ち着いたのだが、真面目にレビューを書いたりする時間がなかなかとれませんでの。そんなこんなで読了済み物件がちとたまってしまってるな。ううむ。この辺は年明けにぼちぼちとつーことで。

 はて、昨年の漫画を振り返ってみると・・・新雑誌の創刊がいくつかあったなか、注目はやはり春のコミックバンチ創刊、秋のイブニング創刊だろうか。
 バンチは数号で挫折して読まなくなってしまったが、それなりに売れてコミックスも創刊されたりして。ほんとのところどうなのかなーって気はしてるのだが、来年は勝負の年になるんじゃなかろかね。なんつったりして。
 イブニングはオマケ付きビニ本商法で快調のようで。ただ、看板マンガがヤング島とか播磨灘外伝とかで、新マグナムの頃よりもはるかにモーニング色が濃くなってるのがねえ。来年は柱になる漫画が欲しいよな。つーかそれがなくていつまでもモーニング番外編ばかりじゃ飽きられちゃうよ。
 レギュラーの雑誌に目を向けると、WIM、イチが終了してすっかりトーンダウンしたヤンサン、三郎あたりの息切れで読み応え低下気味のヤンマガ、バガボンドの長期休載とほかの連載陣のマンネリ化でいまいち気味のモーニング・・・つー感じでなんとなく元気のある雑誌が少ない感じで。そんな中毎回必ず楽しめたのがビッグコミックスピリッツ増刊 IKKIだろうか。連載陣がいずれもテンションが高く、読み切りもいつも読み応えアリで、回を重ねるごとにイイ雑誌になってる感がある。秋にはコミックスも創刊されてこれからますます面白くなりそう。2002年も期待したい雑誌だな。いっそ月刊にならんかねえ(←無茶言うな)。

 今年読んだ面白かった漫画となると・・・難しいな。というか、突出して面白かった漫画ってそうないなあ。去年の後半の曽田正人みたいにバカみたいにはまったって作家もないしなあ。
 ようやくコンプリートできた高田靖彦「演歌の達」あたりとか、アッパーズを購読するキッカケとなったはっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」あたりもよかったのだが、しかしやはり、塔矢名人 vs sai 以降の展開がちとアレではあるが、ほったゆみ・小畑健「ヒカルの碁」あたりが面白かったかな。最新刊15巻(未処理)ではついにナニがアレしてしまってヒカル迷走って感じだが、連載の方ではいよいよアキラとのプロ初対決がはじまったりして、また熱い展開が期待できそうだしね。

 作家としては、「リーマンギャンブラーマウス」「キラリが捕るッ」「絶叫教師エディー」「警視正大門寺さくら子」とコンスタントに濃ゆさ爆発な漫画を提供してくれた高橋のぼるも考えたのだが、「茄子」「セクシーボイスアンドロボ」ほか、待望の短編集第二弾「黒船」も出た黒田硫黄あたりかな。サイン会で実物も見ちゃったしね。サインは貰えなかったけど(笑)。

 そんな感じで2002年も素晴らしい漫画に出会えますように、と。
 変な締め(笑)。