魔法使いによって顔をトカゲに変えられたカイマンが、友人のニカイドウ(♀)とともに魔法使い狩りをしたり、魔法使いがカイマンらの住む世界(ホール)にやってきたりとか、そんな感じの話。
 いや、これだけだとなんか足りないよなあ。バイオレンスっちゃあバイオレンスだし、血や肉や脳みそとか出まくりなので、あるいはグロいと感じる方もおられるかもシレンが、これまたそれだけでないんだよなあ。バイオレンスでファンタジーで、なおかつコミカル。そんな感じの漫画だ。うん、登場人物がことごとくお茶目な感じで、会話も読んでいて小気味いい。世界観も独特だし、いろいろと不思議なところもあったりして、ひとことで言うと非常にセンスの良い漫画だ。
 ぱっと見絵が荒いし、あまり上手いというタイプの絵ではないのだが、しかしこのタッチが独特なのもまたいいんだよな。加えてニカイドウや能井など、女性も結構魅力的。とりわけニカイドウのエプロン姿はオススメだ・・・ハァハァ(←おい)。
 つーことで★★★★☆。

 この本、なんせ装丁が素晴らしい。表紙カバーがカイマンにあわせては虫類の皮のような手触りになっているのだ。紙もいいし、パートカラー(4色刷り)もあり。もちろん大判だ。IKKIコミックスはこういうところが素晴らしいよな。高いのはアレだけど、このくらいなら納得。

(発行日:2002/03/01)

 どうでもいいけどこの最近いろんな雑誌で見かけるラガーのコマーシャル。目が飛び出てるヤツ、すげえ怖いんですけど。

 大西祥平・高橋のぼる「警視正大門寺さくら子」
 巻頭カラーでバスジャックの巻。というか、さくら子バスジャックをジャックしてしまうの巻か?面白すぎ。まさかそんなオチにするとは。あと、なにげにクロちゃんがいいキャラだよなあ。彼が登場するようになって話が分かりやすくなってきた気がする。
 ちなみに1月末に待望の単行本第一巻が発売。買ったけどまだ読んでないのよ。近いうちに。

 太田垣康男「MOONLIGHT MILE」
 吾郎を含む第一次月遠征隊がいよいよ出発。月旅行って片道1週間くらいだっけ。月にいってからまたいろいろあるのかね。ロストマンのいる秘密っぽい軍事ステーションってのも気になるな。しかしこうやって登場人物がわらわら出てくると「最終回!?」とか思ってしまうなあ。

 藤波俊彦「リーマンスープレックス」
 バカバカしくていいなあ。この人は永遠にこの調子で突き進んで欲しい。

 次号は須賀原洋行と一色登希彦登場。

 新井英樹の最新作その1。スペリオール連載中の、ちょっと変わった幼稚園児が主人公のドラマ。

 ・・・で、なんとか感想を書こうと頑張ったのだが、ちと書けないなあ。ということで、今回はもろもろ保留。えーと、面白くないってわけじゃなくって、相変わらず迫力あるし、構成もいいし、いいんだけど。ただ、話の大筋がつかめない。この「キーチ!!」という物語がこれからどこへ向かっていくのか、この1巻の話が全体の中でどういう位置を占めるのか、というあたりがまったくわからない。なにせ、「幼稚園児が主人公」と書いたけど、ずーっと幼稚園児のままなのかどうかもよくわからないし、この先、主人公キーチが善になるのか悪になるのかすら想像もできない。
 そんな感じなので、評価保留。面白くなりそうだなって雰囲気はものすごくあるんだけどね。

 どのくらい続くのか分からないけど、この分だとあと2〜3巻は目的不明のままなんじゃないかって気がする。こういう漫画は完結したらイッキ読みって方がいいのかも。

 ちなみにもうひとつの最新作の方は比較的分かりやすい展開だすな。わかりやすすぎてどうなのかなーって気もするけど。あっちはまだ単行本出せないのだろうか。

(発行日:2002/03/01)

 物事をすべて器の美しさ・大きさで測る26歳の美人警察署長・大門寺さくら子のハチャメチャ事件簿。うわっ、我ながらなんてセンスのなさ。すいません、この文章から想像されるよりもはるかに面白い漫画なんですーほんとなんですー。スペリオール連載中。

 スペリオールの雑誌トピックでたびたび書いてるので、わしがいかに惚れ込んでるかはお分かりになろうかと思う。大西氏の原作も素晴らしいし、濃ゆさ大爆発の高橋のぼる氏の絵も話にマッチ。登場人物もことごとく脂っこくていい感じだ。
 内容は、まあ下らないといってしまえばそれまでの話だし、無茶苦茶すぎるところも多々あるのだが、高橋のぼる氏の絵にはそういうところで有無を言わせない力があると思う。あ、そうか。話の無茶苦茶の度合いがマウスやキラリあたりよりもスゴイ分、面白さが際だってるのかもしれない。対してモーニングで今やってる「エディー」は、話にきちっとしたスジがあるし、あまり無茶苦茶なことをやっていない。わりと普通のドラマなのだ。そこへ来て高橋のぼる氏の絵だと、他の作品から見て見劣りしてしまうのは必定かもしれない。

 ともあれ、そんなこんなで高橋のぼる氏の魅力炸裂といった感じ。
 ★★★★☆

 小さい小さい。ほっとけ(←!?)

(発行日:2002/03/01)

 んむ、モーニングはひさびさかな。や、もちろんずっと読んではいたんだけどね。流し読みしかしてなかったもので、ええ。ま、そゆことにしときましょ。へえ。

 佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」
 新連載。ヤンサンで「海猿」描いてた人ですな。熱くて泣ける人間ドラマ描く人でして、今回は大学出たての研修医が主人公。と来たらこれはもう期待せずにはおられんでしょう。
 とか書いておきながら、わしゃ実は海猿は途中でギブアップしちゃったんだよなあ。いろいろなところでちと読みにくいところが出てきたってのが理由だったのだが、今回はその辺どうなってるのやら。とりあえず第一回のツカミとしてはいい感じではありますな。期待。

 弘兼憲史「部長島耕作」
 なんだか波乱らしい波乱もなく社長交代。なんかさー、ここしばらくトントン拍子すぎませんか?社長交代なんか、なんでこんな僅差だったのかもよーわからんし。まあとにもかくにも次号で部長編終了。次は「会社役員島耕作」とかになるのだろうか。

 高橋ツトム「鉄腕ガール」
 最終回。なんだかなあ、って感じでした。最初の方はかなり面白かったんだけどなあ。まあただのサワヤカ野球漫画になられても困ったんだけどね。でももうちょっと爽快さが欲しかった気がする。というか、読者がこうなのに対して、主人公・加納トメはさっぱりしてるのがどうにも腑に落ちないんだよなあ。ううむ。
 次回作に期待、と。

 次号はオーダーメイド登場。つーか、次号の予告、これ多分表紙になるんだろうけど、ヤな表紙だよなあ(笑)。こういうの、ダレが考えるんじゃろか。

 音楽のセンスは素晴らしいのだが、演奏に夢中になってしまうと服を脱いだり、演奏者に襲いかかったりしてしまうという変な性癖を持った女子高生・芹生百合子とその仲間達が、「その先にあるもの」を目指してブラバンに情熱を燃やす、って感じだろうか。なんか違うな。まあいいや。ヤンサン連載。

 そんなわけで音楽モノ。音楽ってのは漫画にする場合非常に難しいテーマだろうと思っている。実際成功例も少ない。今ぱっと思いつく限りでは、ハロルド作石「BECK」くらいしか出てこない。それくらい「音」を漫画にするのは難しいのだ。
 ところがこの「ブラブラバンバン」は、これまでにも何度か触れているが、「音」が「見えてくる」のだ。うむ、「聞えてくる」のとはちょっと違う、なんというか演奏者達の熱みたいなモノがよく伝わってくる。特に、白波瀬や八田、助川ら芹生以外のメンバーは作品後半でぐんぐんうまくなっていくのだが、その上手くなりバンドが一体感を増してくる感じというのが絵からきっちり伝わってくるのだ。最後の方なんかはもう、まさに音がぐわーっと迫ってくる感じ。うむ。
 で、話の方は彼らのバンドがただうまくなるってだけではなく、むしろ芹生の暴走っぷりと、それをどう解決していくか?というあたりを中心に、かなり馬鹿馬鹿しく、ときにエロく進んでいく。なにせ暴走を止める手段が「乳を揉む」ことだったりするあたり、かなり馬鹿馬鹿しい感じもある漫画だ。ただ、その馬鹿馬鹿しさとエロさと、そして熱さのバランスが非常にいい漫画だと思う。最後の方はかなり強引に終わっちゃった感じなので、あるいは例の誌面改革のアオリでうち切られたクチかもしれない。いや、後半かなり面白くなってたので終わったときは非常に残念だった。
 知名度は低いがなにげにイイ漫画です。人を選ばずオススメ。★★★★☆

 この人の漫画は案外はずれがない。今やってる「花園メリーゴーランド」もかなり面白いし、これ以前にヤンサンでやってた「よいこの星」はかなり評価も高い。実は「いぬ」を今探しているのだが、最終巻がどうにも見つからん。むう。見つかり次第こちらも書く予定。

(発行日:1999〜2000)

 月曜休日につき、土曜発売。

 たーし「アーサーGARAGE」
 3週連続集中連載。熱血中古車屋ストーリーだそうです。腕っぷしもイケるヤンキーの入ったようなあやしい中古車屋のオーナーが、ライバル中古車屋とケンカするってな話らしいです。なんかねえ、車だし、ヤンキーだし、ケンカだしって、「これがヤンマガです」って感じだよな。この絵はちと見覚えがある感じだが、正直面白いかと聞かれると・・・って感じ。むう。

 森遊作「バンカーズ」
 相変わらずここだけ少年マガジンな雰囲気の漫画。イカサマのタネもなんだかなあって感じで。ここから盛り上がって来るんだろうか。かなり不安。

 阿部秀司「エリートヤンキー三郎」
 いずれそういうことになるのではなかろうかとか思っていたのだが、案の定三郎と河井に留年の危機がっ!とりあえずは河井に危機がせまっているらしいです。ここ数週、少し面白くなってきてるなあ。

 松本光司「クーデタークラブ」
 最終回。もっと衝撃的な展開を期待していたのだが、ちと肩透かし気味。通して読んでないのでなんとも言えないのだが、連載当初からは想像もつかない漫画になったよなあ。ううむ。次回作に期待。

 安達哲「バカ姉弟」
 今さら正月ネタを持ってくるあたりがなんとも(笑)

 山本マサユキ「ガタピシ車でいこう」が載ってなくてちょっとガッカリ。

 遅ればせながら。や、ボリウムありすぎて隅から隅まで読むのに時間かかっちゃうんだよなあ。いつも思うけどこれで550円は安すぎ。980円くらいでも買うぞわしゃ。

 小野塚カホリ「愛い奴」
 新連載。「あいど」と読むらしい。前回は姉弟の近親姦だったが(ってもちろんそれだけの漫画ではないんだけど)、今回はどうやらレズビアン(というかバイセクシュアルか?)をモチーフにしているっぽいです。この人の絵はいつもすごくエロティックですね。

 林田球「ドロヘドロ」
 ついに心・能井とカイマン・ニカイドウが激突。金槌は痛そうだ。ニカイドウの過去なんかも垣間見えたりして、この辺から物語はずずずいっと核心に入っていきそうな気配。それにしても恵比寿と藤田のコンビはなごむなあ(笑)。

 日本橋ヨヲコ「G戦場ヘヴンズドア」
 急展開。町蔵も漫画を描かなくちゃならなくなってしまった。痛々しい展開になりそうな雰囲気だが、目が離せない。

 宇仁田ゆみ「スキマスキ」
 前回とはちょっと雰囲気が違うなあ。ラブコメというか、軽いタッチの青春群像あるいは恋愛モノになっていくのか。でも読みやすくてヒキもよくていい感じです。

 永福一成「魔弓射手」
 読み切り120ページ。「前後編」ってなってるのだが、なにか意味があるのだろうか。内容は戦国モノで、弓(というかクロスボウ)の名手が武田春信を討つってな感じ。ああ、こう書くともう書くことがないなあ。でも内容が薄いわけではなくて、読み応えも迫力も申し分なし。ただ、ここまでページ数割く必要があったのかなあ、って気はしちゃうな。戦国ものだし、永福氏そもそもの絵柄のせいもあるし、長いせいもあって、ちゃんと読もうという気になかなかなれなかった。モタイナイ。

 山本直樹が休載だったのが残念。
 次号は3/30発売。

 星里もちる名作ラブコメシリーズその3(←いつの間にそんなシリーズにw)。
 結婚したい男と、結婚に魅力を感じない女を中心に、くっついたり離れたり、またくっついたりするラブコメです。ご存知の方も多いでしょうからあまり多くは説明しません。ブックオフの100円コーナーに全巻揃ってて、わりときれいなのもあったので一気買い。

 この作品、時期的には既出の「りびんぐゲーム」のあと、スペリオールに移籍する前ってことになるだろうか。星里もちるというと、コアなファンだとスピ以前のキャプテンとかで描いてた頃がよかった、なんてなことをいう方がおられるようなのだが、くろひょう的にはこの「結婚しようよ」が星里ラブコメ作品のベストのように思っている。なんつーかラブな部分とコメの部分のバランスがいいのね。で、絵柄もちょうど話とマッチしてる感じ。「りびんぐゲーム」もいいのだが、後半はちと蛇足っぽいところもあったりするが、この「結婚しようよ」はちょうどイイ長さでおさまってるかなって感じだ。

 ただねえ。ケチつけたくなるところは結構あったりして。ひとつはなんつーか男性誌向けな都合の良さなのだろうが、主人公の雅寿はあっさり浮気してしまうのだが、ヒロインの早苗は浮気相手の柿枝とは結局最後まではしないんだよな。その辺になんとなく「女は汚れるもの」的な思想が見え隠れしてならないのだ。ま、考えスギかもシレンけど。んでもって、早苗は結局雅寿の浮気を許してしまう格好になる、これもなんだか都合よすぎじゃないのー?とか思っちゃうんだよな。まあこれで元のサヤにおさまらなかったらそれはそれで座りの悪い話にはなるんだろうけどさ。
 あと、もひとつケチをつけると、途中で雅寿も早苗もいきなり考えが大人になっちゃうんだよなあ。いや、いきなりってほどいきなりではなくて、それなりにいろいろあった結果としてではあるんだけど、ただ成長しきってしまうために、途中で結末が見えちゃうんだよな。「この二人、いったいどうなっちゃうの!?」的なハラハラ感みたいなものが途中からなくなっちゃう。恋愛漫画としてはちと致命的かなあって気もするのだが、しかしそれでも最後までしっかり読ませてしまうあたりがこの人の力量なんだろうな、という気もするし。
 ま、でもなんだかんだ言ってやっぱ面白いですよ。★★★☆☆。通して読んだことのない方はこの機会に(←どの機会だよ)。

 星里氏はこのあとスペに移るんだっけ。「夢かもしんない」→「オムライス」→「本気のしるし」の順だっけ?うーん、「夢かもしんない」は全5巻500円でスパッと手に入る機会があったら買うかもしんないけど、「オムライス」はどうだろうなあ。「本気のしるし」は新刊で揃えようか考え中。

(発行日:1994〜1995)

 なんなんだこの勝負。
 はっきり言って萎えた。というか、途中からかなりテンション下がっちゃったけど。網膜剥離は何処いったんだ?あの思わせぶりな前フリはなんだったんだ?チャンプを一歩と重ねておきながら、鷹村の最後の切り札が練習の積み重ねって・・・ああ、もうなんだか全然納得いかない。好きな漫画なだけに、好きなキャラだけにこの展開はなんだか許せないなあ。今回ばかりは鷹村が負けても納得だった(というか負けて然るべきという気がしていた)のになあ。はぁ・・・。

 ちなみに今号、555回記念と言うことで森川センセのインタビュー記事なんかがついてますな。流し読みしかしてないけど。

 で、次こそ一歩vs宮田なんだろうか。

 付録でポスター付き。どうでもいい。

 山花典之「妹あかね*」
 なんかもう、どうしたものやら・・・。「シュワッチ」でなんで体操着に着替えますか!・・・ハァハァ。しっ、しかもなんでビーチクぽっつんなんですかっ!!・・・ハァハァ。この漫画、どうなってるんだまったく。・・・ハァハァ。

 おおひなたごう「犬のジュース屋さん」
 増刊連載なのだが、今号から3週連続で本誌掲載。3代目立体くんが厳しくてなかなかヨイ。今月は単行本も出るんだよな。楽しみ。
 しかし同じ増刊連載なら、サムライガンもたまには本誌掲載しておくれよ・・・。

 高橋ツトム「スカイハイ」
 まだやってたのね。相変わらずヤンジャンに載ってるとやや異色。今回はゆずとか風なフォークデュオみたいなやつのひとりが事故死して・・・って話。ええと度々書いてるように音楽を漫画にするのは非常に難しい。で、この話で死んだ方が冥界で一曲披露するって場面があるのだが・・・これがよくわからんのだよなあ。さわやかなんだか、呪いだの怨みだのなんだか。渾身の見開きなのだが、残念ながらわしにはどっちかわからなかった。やはり音楽を漫画にするのは難しいよな。

 実は先日、武富智「キャラメラ」の1巻を買った。これまたヤンジャンぽくなくてやや気になる漫画なのだが、読み始めたのが最近なのでちと掴めてない。ので、保留中。2〜3ヶ月内には2巻が出ると思われるので、そのときにでもまとめて。
 次号はこばやしひよこ「おくさまは女子高生」掲載。・・・ハァハァ。