表紙の島は、なぜそんな困った顔をしているのか。
 もちろんどうでもいいのだが。

 幸村誠「プラネテス」
 ひさびさの登場。思えばイブニングのヤングゴローさん編以来か。本編となると、・・・いつだっけ?10月頃だったかな?もう忘れちゃったよ。とにかく、そのくらい昔の話だ。
 で、今回はと言うと、ハチマキ、闇と対峙するという感じか。ん、微妙に違うかな。以前の「病気」とはまた違った心の病にやられてしまった感じ。んー、フォン・ブラウン搭乗が決まっちゃって、その先どうドラマを展開させていくのかと期待してたのだが、またハチマキの内側へ入り込んでしまうのかな。でもまあ、なんていうか人間くささを追求してるっぽいところがあるんだよな、この漫画。許しちゃうっていうのはちょっと表現として違うんだけど、でもこういうのもいいかな、と思える。なにより、トビラというか、タイトルページがいい。深い闇。
 で、この話はもう数回続くらしいのだが次回掲載は未定。また2ヶ月はあとになるんだろうな。なんかさ、前回本誌掲載の頃に、年明けからは隔月掲載になる、って話なかったっけ。気のせいかな。

 西村ミツル・かわすみひろし「大使閣下の料理人」
 ベトナム編終了。んむう、ホアたんはいいなあ。ホアたん、この先はもう登場しないのかね。残念。

 須賀原洋行「よしえサンち」
 あれ?いつの間にタイトル変わったの?まあいいや。
 というくらい最近全然読んでなかったのだが、今回たまたま目に止まったらしっこトレーニングの話。しっこトレーニングだから目に止まったという話も。
 それはともかく、しっこトレーニングって、普通こうやって父親が見せるモンなのかな?以前「ボヤけ!くろひょうくん!!」でそんな話を書いたよなあ、と思って探してみたら1999年6月10日分でそんな話を書いていた。うむ、この父親が伝授するかどうかってとこ自体、すでに家によって差があると思うのだ。どうなんじゃろな。
 ちなみにわし、引っ越して以来便所を汚すのがイヤで「邪道」な流派になってしまいましたわ(笑)。でもあれですってね。これのせいで小便器でしっこできない子供も増えてるとかなんとか。まあどうでもいいけど。

 上野顕太郎「ひまあり」
 相変わらずウエケンの人物造形は怖い。わざとこう描いてるのか、それとも単に下手なだけなのか。最終ページの娘の顔なんか、こわくて正視できねっすよ。

 次号いよいよっ!山田芳裕の新連載「ジャイアント」開始!!メジャーリーグものだそうで、どんな漫画になるのかいまから楽しみ。

 「総力新企画大攻勢」・・・って、例のサラリーマンなんとかってのはもうオシマイなのかしら?あれは正直困った企画だったので、終わってくれたなら万々歳だけどね。で、登場ラインナップが柴門ふみ、土田世紀、さそうあきら、いわしげ孝、村枝賢一、細野不二彦など。土田世紀はこの間のモーニングのやつがちょっと重すぎたのだが、今回はどんな話でくるのか。今回のIKKIで描いてたのが、気楽っぽくもあり、ほろ苦くもありでいい感じだった。あんなのを期待したい。柴門ふみも前回の「非婚家族」がわりとよかったからなあ。期待。ほかの執筆陣は言わずもがな。むふん。
 んでもって「トルシエ物語」。どうでもいいよ。加えて「医龍」という大学病院を舞台にした医者漫画がはじまるらしい。・・・それって、もしかして(汗)。しかも広告の絵、なにげにアレに似てる感じだし。いいんかいな。つーか、スペのターゲットって、モーニングか?ちょっと違うよなあ。
 そんな感じで。相変わらず迷走してるのか、スペリオール。

 小山ゆう「あずみ」
 前号のヒキからして、もしやハァハァな展開に!?とか思ったのだが、残念ながら。いや残念なのかよかったのか。
 それはともかく、爺と幼い頃のあずみたちを彷彿させる向坂郡司ら一行、かなり腕が立つ感じで描かれていたにもかかわらず、あずみには手も足も出ないのか。なんかもうあずみの強さって、とんでもないよなあ。これで話が成り立っちゃってるのがこれまた。いや、キライじゃないんですよ。むしろ大好きです。

 井浦秀夫「強欲弁護士 銭高守」
 このシリーズ、あまり好きじゃないんだけど読んじゃうんだよなあ。で、今回のテーマはDV。随分微妙な問題だと思うのだが、さらっと描くよなあ。だからといって簡単かというと、結構シビアなところも突いてきてる気がする。「母子がお互いに相手のためにガマン」「もしかしたら怒らせた自分にも非があるんじゃないか」そうだなあ、そういうの、あるんだろうなあ。というか、実は思い当たることもあるしな。いや、もちろん自分自身のことじゃないけどね。うむう。考えさせられました。

 星里もちる「本気のしるし」
 突然修羅場に。ううむ、目が離せん。

 聖日出夫「社長 大原笑介」
 簡単解決サラリーマン漫画の決定版。第一部完ですか。やっぱり今のスペのカラーにはあわなかったということなのか、それとも予定通りなのか。次は増刊掲載らしいけど、どうなるんかねえ。

 次号は4/12発売。んでもって増刊が5/10発売。

 「妖艶なムラへ迷い込んだ少年の旅行記!」(帯より引用)第三集。
 たまたま帰省中の埼玉で先生をやっている幸枝とのやりとりで、坂道を転がる石のごとく転落する相浦クン。このくだりはもう、彼が可哀想になってしまうよなあ。なんていうか、もちろんあんな経験はないのだが、しかし気持ちが手に取るようにわかる。怒りや悲しさや情けなさとか、そのやり場のない感情を持て余して肉欲に溺れる相浦クン。うぬう、この辺の描写がなんともいいね。
 そして後半では救世主となるはずの春子が登場。これで帰れるのか?と思いきや、村の男衆も戻ってきたりと事態はさらにややこしい方向へ。ますます目が離せん。

 澄子の刺すような視線がイイ。★★★★☆。

 ところで帯、「柏木ハルコ作品絶賛発売中!」と銘打ってヤンサン時代の三作品を挙げているのだが、これら書店に置いてないですよ?前作のブラブラバンバンですら最終巻手に入れるのにブックオフえれえまわりましたよ。ほんと。注文すれば手に入るのかねえ?(追記:調べてみると「いぬ」の3巻を除いて全部在庫ありですなー(4/2現在)。)
 そういやさっき寄ったブックオフでは「よいこの星」の2〜6巻を発見。かなり迷ったのだが、あの作品にかぎってはあまり好きじゃないんだよなあ。・・・もしや、エロがないからかっ!?(笑)

 で、これ。本巻最終ページを見ると、次巻くらいで終わりそうな雰囲気ですな。んむう、どんな結末になるのやら。

(発行日:2002/05/01)

 買ってまで読むほどじゃなかったかもとか思うようになってきた。限界か?

 阿部秀司「エリートヤンキー三郎」
 100回記念巻頭カラー。この元担任が相変わらずオイシイ。

 桜場コハル「今日の5の2」
 イニDが激しくページ数不足で代原。個人的には「ガタピシ車」の方がいいのだが、こっちもなかなか。ネタとして爆発的に面白いわけではないのだが、じんわりと味がある。別冊で連載とのことなので期待したい。

 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」
 なにげにここ数週の飛ばしっぷりには目を見張るモノがある。今回はレギュラーメンバーの中では一番まともそうなハルちゃん(といいつつ保母とソープ嬢をかけもちする変な人なのだが)が必殺技をあみ出す。この壊れっぷりが素晴らしい。そしてこういうときのゲンさんもすてき。

 次号はバカ姉弟の載る号か。

 ビッグコミックスペリオールで連載していた作品。順序的には「結婚しようよ」のあと、スペ移籍の一作目ってことになるのかな。ちなみにこのあとが「オムライス」で「本気のしるし」か。

 この「夢かもしんない」はこれまでのスピリッツでやってた星里ラブコメとは一風変わった感じ。もちろんラブコメの要素はあるのだが、主人公がカップルになるというものではない。
 主人公・加勢は妻子あるデキるサラリーマン。で、会社の部下である佐藤と恋愛関係にはなるのだが、それはどっちかというとオマケ的な要素。本当のヒロインは人気絶頂時に若くして死んでしまったアイドル・星野すみれの幽霊だ。ある日星野すみれの幽霊が加勢の前に現れて、加勢を「ハッピーにしてあげる」と言い出す・・・というツカミ。で、すみれの存在が加勢と佐藤を近づけて、結果としてキューピッドになるのだがそこで終わらないのがこの漫画。そこまでは佐藤がヒロインっぽい展開なのだが、後半では加勢のすみれへの思いがクローズアップされてくる。
 まあもちろん人間と幽霊、最終的に結ばれるはずはない。そんなわけでラストは少々ほろ苦い感じになっている。

 んー、正直なところ正統派ラブコメではないし、すみれの元マネージャーが登場するあたりから最後の方では無理矢理っぽいところも多くある。ラストはいいとは思うんだけど、全体の印象としては正直イマイチかなあ。
 や、こういうラストにするつもりだったのなら、むしろ前半で加勢と佐藤が結ばれちゃうあたりのくだりが余計なんじゃないかなとか思ってしまう。あの展開があって、この後半、っていうあたりがどうも読んでると納得いかないっつーか、違和感あるんだよな。
 そんなわけで★★☆☆☆。いや、面白いんですよ。ただ、好きな作家だからこそ辛口でね。

 これを購入したブックオフで、オムライスも全巻揃ったのだがこっちはちと買う気になれず。「結婚しようよ」からこの「夢かもしんない」で作者自身が新しい領域に踏み込もうとしてるのがなんとなく伝わるんだよな。そこへ来てスピ以前のドタバタに逆行するかのような「オムライス」は、その周辺の作品と比べるとどうしても見劣りする・・・というか、ほんとに作者の意志で描いてるのかな、とか邪推しちゃうんだよな。
 目下連載中の「本気のしるし」もぼちぼち佳境の模様。たまには10巻分くらいのも描いて欲しいやね。

(発行日:1996〜1997)

 随分経っちゃったけどちょっとだけ。

 咲香里「春よ、来い」
 あまりにひどい仕打ち。いやあ、みさほさん、ファンだったんだけどなあ。じゃむねん。んでもって次号なしくずし的に亜美タンとねんごろになっちまうんか。それでいいんか曽根。

 桑原真也「TO-mA」
 あああああっ!藍沢さんがあああっ!!しかも触手なんてそんな・・・・ハァハァ。しかしこっちも容赦ないっすなあ。

 すぎむらしんいち「クローン5」
 忠次覚醒!?「DNAの鍵をかけ忘れたまま滅びた種族のクローン」だそうです。ううむ、ドタバタかと思いきや、わりとまともなアクションになっていくんだろうか・・・そうは思えんけどな。相変わらずチンコ立ってるし(笑)。

 次号は4/16(火)。

 前フリはナシで。

 山田芳裕「ジャイアント」
 待ちに待ってた新連載。体がでかくて真面目な巨峰貢(通称・ジャイ)は指名されるはずだったドラフトに蹴られ、内定先の会社にも取り消しを喰らい、挙げ句彼女にまで逃げられる始末。メジャーのトライアウトを受けるために、単身アメリカに乗り込むが、置き引きにあいすべてがパアに。しかし縁があって1Aの試合に出ることができ・・・という感じ。
 スポーツもののツカミとしてはよくあるパターンではあるのだが、しかし随所に山田氏らしさが出ている。ベンチを壊すときの叫びっぷりとかは、かつての「大正野郎」を思いださせるし、ピッチャーの投球、そして巨峰がそれを打ち返す見開きなんかは、「デカスロン」や「度胸星」を思い出させる。デフォルメや表現だけじゃなくて、キャラ作りも山田氏らしい味が出てるように思う。
 と、思えば「おみっちゃん」がどうも「らしく」ないなあ、と感じたのはこのあたりなのではないだろうか。異常なほどのデフォルメとか、絵そのものの持つ迫力が「おみっちゃん」では少し足りなかった気がする。巨峰が3球目を打ち返す場面、7ページほど人物のセリフが一切ないのだが、こういう緊張感があってこその山田芳裕だろう。
 ページ数も多かったせいもあるが、第一回としては申し分なさそう。期待。

 高原泉・やぶうちゆうき「警察署長」
 以前住んでた人の子供が合い鍵で勝手に入って来るって・・・そりゃあ相当にまずくないかい?普通鍵は入居のたびに変えるもんだと思うのじゃがノウ。子供だから「いつでも見においで」って、そりゃあなんかおかしいよなあ。これで相手が大人の男ならとんでもないことになるわけだし。なんか納得イカン。

 末田雄一郎・高橋のぼる「絶叫教師エディー」
 最終回。なんだか無理矢理まとめた感があるなあ。というか、北御門が出てきてこれから新たな展開が!?とか思ってた矢先だものな。たしかにここまでは、濃さもそれほどでもなく、正直あまり高い点数はつけてなかったのだが、面白くなる要素が十分あっただけに、ちょっとがっかり。
 高橋氏の次回作に期待したい。・・・って、あるのか?マウスの続きでも可(笑)。

 うえやまとち「クッキング・パパ」
 うーん。ビートルズですかあ。いや、わしもキライじゃないが、しかしなんだね。4〜50代の青春=ビートルズってのはあまりにステレオタイプだよなあ。たまにはオジーとかディープパープルとかやっちゃうようなオヤヂがいてもいいと思う(笑)。
 しかしこの漫画に出てくる人は、ほんと善人ばかりだねえ。

 次号は「オーダーメイド」掲載。

 宇宙の働くおじさん(←そんな漫画じゃねえだろ)。
 3巻目で随分安定した感あり。ショートエピソードで繋ぎつつ、しっかり話は進んでいってる。なんていうか、大人のSFコミックって感じがするね。
 で、この巻はパパラッチ、オーパ、そして熱血耕介とルーシー・ウー。たびたび都合が良すぎるような展開が多いのだが、しかしそれだけじゃないってあたりがパパラッチと耕介の回かな。特に耕介のエピソードは、単に耕介を成長させるだけでなくて、読者に「宇宙に行くってのは、大変なことなんだよ」ってのを改めて知らしめる意味もあったのかもしれない。うむ、この巻収録エピソードは、いずれも円満解決ではないんだよな。ほろ苦い(どころじゃないのもあるけど)部分もちゃんとあるってのが、この漫画の良心であるように思う。
 しかしチカたんの出番はもうちょっと欲しかったね(笑)。

 気が付けばスペの柱のひとつになってるね。今後も期待したい。
 ★★★★☆

(発行日:2002/05/01)

 表紙はブラックジャックによろしく。
 島、カバチ、バガボンド、ジパング以外だと買い逃しそうになる。

 佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく」
 巻頭カラー。この人はどうしてこう、主人公にこんなに辛い目にあわせるかね。「海猿」のときはまだそれなりにゴホウビがあったのに、この漫画はまだゴホウビないよね。なんだか見てて悲しくなるばかり。はやく安心させて欲しい。

 山田芳裕「ジャイアント」
 新連載第二回。さっそく1Aのチームの目に止まり、契約を結んだジャイ。日本と決別するために一時帰郷して、てお話。日本のプロに進むことが決まっている大学の同級生と対決するのだが・・・これがまたすげえ迫力。3球目の投球からのコマ割、すごすぎ。そして超デフォルメ。いやあ、いいよ。作中のジャイのセリフを借りよう。「・・・欲しい!!この辺りがもっと欲しいいいいい(はぁと)」監督、高取、神宮寺、そして三島と、登場人物も個性的でいい。ますます期待。はやく単行本出ねえかなあ〜(←まだ2週目だっつの)

 高梨みどり「オーダーメイド」
 商店街の危機!?ってところを例によってスーツ一着でうまいこといっちゃうのだが・・・正直これはあまりに都合よすぎだよなあ。ネタがあまりに現実的なために、そのご都合主義な部分が際だっちゃってる印象がある。うーん、なんだかなあ。

 汐崎隼「トサカのある天使」
 第11回MANGAOPEN受賞作品。鳥好きな獣医さんが、捨てられたオウムを介抱して・・・ってな感じ。助手の女の子を「拾った」エピソードとオウムとを重ね合わせて、とかの手法。絵はいいしキャラクターも・・・まあありがちだけど悪くはない。ただ、話が盛り上がりに欠ける感じがするんだよなあ。なんだか知らないうちにオウムはなついて、助手の子とも心通じあってた、みたいな。うーん、ページ数足らないんじゃないかなあ。ひとやま作って30ページくらいあると、それなりに読み応えありそう。いや、テキトーに言ってるんですけどね。なんかね、このままだと長々と単発エピソード形式で連載している漫画の、ほんの一話って感じなんですよ。なんかふた味くらい足りない感じ。

 ん、アンケート書いて出そうかな。

 映画の方のブームが過ぎ去って随分落ち着いてきたが、漫画の方はいよいよ佳境。この巻では七原一行と杉村が対面〜七原負傷のあたりと、三村チームがいよいよ爆弾を・・・ってあたり。
 七原と杉村の出会いのエピソードも交えたりして、こっちの方はなかなかいい感じ。他方三村チームは結末を知ってても読んでてどきどきするような緊張感。三村が焦りと冷静さの間で揺れる感じが良く出ている。
 で、この巻の最後では三村チームがいよいよ飯島と接触。ここからがいよいよ読み応えのあるところになってくる。いや、ここまでも十分読み応えあったんだけどね。ここからはさらに。
 七原チームは桐山の襲撃で分離、内海らと合流することになる。となると、いよいよあの灯台の狂気が漫画で読めるのか。楽しみ。

 てな具合にストーリーを知っていてもこれだけ楽しめる漫画。つくづくこの作品は田口氏にマッチしてるよなあとか思います。
 そんなわけで★★★★☆

 ところで、小説もそうだったのだが、このいくつかのエピソードを細切れにっていう手法。例えば、浦沢直樹の「20世紀少年」も手法としてはこれと同じなのだが、しかしこの「バトル・ロワイアル」に限っては「20世紀少年」のような読み難さはない。んー、小説を読んでるからかもしれないのだが、なんだろう、中途半端なところで切ってないからかもしれない。そうさね、切れるところはだいたい読者を安心させたところなんだよな。そこが読みやすさのポイントかも。

(発行日:2002/05/05)