「マイナス」「フローズン」「NANASE」の山崎さやかの最新作。週刊漫画アクション連載中・・・なんだけど、なんだか不定期気味。カイジとかみたいな3勤1休とも違うし。

 で、内容。
 売れっ子の作家(38歳独身男性)に突然6人の子供が!!ってなお話。名前が売れてしまったために、若い頃に付き合ってた女性から次々に自分の蒔いたタネを押しつけられてしまい、イヤも応もなく父親になってしまうわけだ。最初は戸惑いつつも徐々に父親になっていく・・・というような話。
 ・・・でもないんだよな。なんかいきなりいい父親になってしまってる感じがある。いや、それでも多少の戸惑いはあるのだが、しかし子供達はいきなり環境に順応してるしなあ。その辺が近頃の子供・・・って表現でもあるんだろうけど、しかしそういう面でしっくり行かない部分もあるかな。
 とはいえ全般にエエ話だし、著者自身もこれを描くことで表現の幅が広がってるっぽい感じがする。「NANASE」だけだと、なんだか息が詰まりそうだしね。って偉そうだな>わし
 そんなこんなで。軽めのエエ話を読んでみたい方は、おためしで読んでみてはいかが。
 ★★★☆☆

 しかしなんだね。
 最近、ほかで結婚とはなんぞや?とか家族とは?とか考えることが多いんだけど、気付くとそういう「新しい家族のあり方」みたいな漫画ってのも、ひとつのジャンルになりつつある感じですな。この「東京家族」もそうなんだけど、柴門ふみの「非婚家族」とか。これもひとつの社会現象なんだろかね。

 それはそうと帯。裏表紙側にはアクション本誌の宣伝があるのだが、キャッチがなんとも。「漫画界のアウトローたちが送る豪華連載陣!!」アウトローなんだ。。。っていうか、この書き方だとアウトローなのは作家ではなく編集さん!?

(発行日:2002/06/28)

 表紙は島。そんだけ。

 幸村誠「プラネテス」
 ひさびさ登場。前回の内容+欄外で、今回もハチのインナースペースネタかと思いきや、なんとタナベの生い立ち。んー、あってもいい話だし、内容も悪くはないんだけど、なんとなくこう、あまりに神懸かり的というか、見ようによっては宗教色の濃いような内容だとちょっと引いちゃうかなあ。いや、なんつーか、ここまではかなり現実的な近未来SFというか人間味たっぷりな話だったのに、オカルトチックというか非現実的な話を持ってこられると、なんだかなあと思わざるを得ない。多分、タナベの存在を重くして、ハチにとっての帰るところとしての意味づけのための一話なんだろうけど、全面支持とはいかないかなあ。いや、面白いんですけどね。絵は相変わらず素晴らしいし。うん。
 次回は7/11発売号掲載予定。おおっ、早いぞ!

 くさか里樹「書きくけこ」
 型破りなアウトロー書家の人情物語って感じだろうか。4〜5回目の掲載じゃないかと思うのだが、くろひょうはこういうの結構好きだ。なんつーか、いかにもって感じではあるんだけどね。よくも悪くもモーニング的。ただ、毎回主人公が書いたことになっている書を読者に見せるワケなのだが、これがどうなのかなあって。や、シロートなのでイイも悪いもわからないんだけどさ。なんだかねえ。あと、主人公にいろいろしてくれてる幼なじみ的な女流書家がいて、そこでのラブコメ要素もあるのだが、これがなんとも。いや、悪いってんじゃなくて、30代の恋愛ってのと、設定がアナクロなのとで、なんだか尻がむず痒くなるような感じなのよね。うまく表現できないんだけど、悪くはないっすよ。

 レギュラー作品を語れないってのは辛いなあ。山田芳裕「ジャイアント」には期待しているのだが、もしかすると期待しすぎかもシレン、とか思ったり思わなかったり。いや、おもしろいんだけどね。なんつーか、全般にラインナップの刷新をしてもらいたいとか思ったり。言い過ぎか。

 限定版はイラストレーションカードブック付き。通常版とはなんと表紙の色つけが違うっ!わしは限定版を買ってしまったのだが、これってついつい両方買いたくなるよなあ。ううむ。

 で、内容。
 刑務所公演が話題になり、いよいよ昴も一般公演することに。お題はボレロ。ところが偶然にも同じ日にプリシラもボレロを公演することに。ということで対決態勢になるわけだが、この巻では両者の姿勢と、公演に向かって徐々に盛り上がっていく様子を対照的に描いている。少しずつ才能を解き放ち始めるスバルとプリシラの天才ならではの葛藤(とはちょっと違うか)、次巻の開演に向けてどんどんテンションが高くなっていってる。イイ!
 ってことで★★★★☆。

 しかしアレだなー。なんせ相手はバレエ界の女王。このまんまイッキにまとめにかかってもおかしくない展開だよなあ。ライバルのインフレを起こそうにもドラ●ンボールじゃないんだから別な世界から相手をひっぱってくるわけにいかないしねえ。そうはいってもタカコとか真奈とか、あとは和馬似の青年とか、未消化の登場人物も結構いるわけで。このまま終わるってのは考えにくいな。ううむ。
 次巻ではその真奈が登場。この物語での真奈の役割は、劣勢なスバルを一段高みにあげるためのいわば踏み台だ。っていうと聞こえは悪いが、真奈が側にいるときのスバルは実に強い。今回もそういう展開になりそうだがはてさて。
 いやはや次巻が楽しみじゃワイ。

(発行日:2002/07/01)

 表紙がこまねずみなのだが、なんだか強烈。そういえば最近青木雄二監修だかなんだかの雑誌ができたらしいが、あれがどうにもスペかモーニングかと思ってしまうんだよなあ。まあ狙ってやってるんだろうけど。

 大西祥平・高橋のぼる「警視正大門寺さくら子」
 「あら、まあ」のコマでなんとなくオチが見えてしまったが、勢いがあってよい。やはりこうでねーと。それにしても観てみたいぞ「海女特攻隊」(笑)。

 太田垣康男「MOONLIGHT MILE」
 ぬあー、SF!人類史上初の宇宙戦。なんかすげえなあ。これってそれほど未来の話じゃないんだけど、実際こんな風になったりするんじゃろかね。まあともかく、オモロイです。や、SFだけどただのSFじゃないってところがね。しかしこんな思いっきり中国とか書いてしまってだいじょぶなんじゃろか。

 星里もちる「本気のしるし」
 むむ。浮世はそこまで辻のことをちゃんと考えてたのか。一気に終結のヨカン。やはり5巻完結か。

 土田世紀「HOT MOON」
 読み切り。田舎から出てベンチャーを起こすが自己破産して、借金取りから逃げつつ崖から転落した男のお話。内容はアレなんだけども、描写がいいね。土田世紀全開って感じです。

 相変わらずカラーの定まらない雑誌だなー。
 いい加減落ち着いて欲しい。

 セクシーボイスアンドロボの広告キャッチ「漫画の一ジャンルに“黒田硫黄”がある。」っての。やられた。なんか納得してしまうひとことだ。

 林田球「ドロヘドロ」
 カイマンの中の男のナゾに、心の一行が迫る・・・って感じなのだが、いい味付けだなあ。この人形がいいよな。美味しそうだし。やあ、もはやイッキで一番楽しみな漫画かもしれない。

 日本橋ヨヲコ「G戦場ヘヴンズドア」
 徐々に青臭さと「イタさ」がにじみ出てきた感じ。いや、誉め言葉なんだけどね。そういうのがあってこその日本橋ヨヲコだろうと思う。しかし、都に続き直視まで出てくるのはどうなんかなあ。

 松本次郎「フリージア」
 イイ。暴力的に引き込まれる感じがする漫画だ。絵に圧倒的な迫力がある。

 小野塚カホリ「愛い奴」
 テーマも絵柄もセンスも青年誌にマッチしてない。のだが、そこが逆に目を引く。やあ、ほかの関係もあって、最近こういうテーマに注目しているってのもあるんだけどねえ。前作よりは入れそうな感じ。

 宇仁田ゆみ「スキマスキ」
 非常に微妙なセンスだなあと思うのだが、しかし引きつけるものがある。実はかなり楽しみにしてたりする。

 岩見吉朗・利志達「フィールド・オブ・ドリームス」
 以前「お疲れさまでした!」を描いてた人。例によって諸星風味のある絵柄と独特のセンスで世相を描いている。今回のテーマはW杯バカと野球バカ。最近普通の日記の方でそんな話を書いたばかりで、個人的にも非常にタイムリー。しかし結論がバブルってのはどうなのよ。いや、笑っちゃったけどね。

 ボツマン宣言は赤澤未希雄丈「悪夢突破」。ひさびさにヒット。金に細かいし。

 今回のゲストクイズは分かりやすいな。小田扉と安田弘之がゲストだそうな。安田弘之って、IKKIは初登場だっけ。描いてても違和感なさそうだよな。
 次号は7月31日発売。

 買うつもりじゃなかったのだが、「東京家族」を買いに入った本屋でふらふらとガンダムエースを立ち読みし、その足でコミックスコーナーにはいったら目に入ってしまったため買い。
まー、ガンダム、とりわけファーストガンダムはこれまでに何度となく漫画化されてきているのだが、本作品はなんというか、厚みが違う感じがする。ストーリーをざーっとなぞるだけってなありがちなパターンじゃなくって、人物描写とかがしっかりしてる。セリフなんかはアニメのまんまのが多かったりするのだが、なんというか漫画ならではの表現が効いてる感じ。
 とかいいつつもわしもガノタのはしくれなので楽しめてるのだろうが、ガンダムに興味のないひとがこれを読んで楽しめるかというと、多分NOだろう。ま、あたりまえなんだけどね。結局はこういうものはマニア向けってことだろうか。
 というわけで。ガンダムがお好きなら是非。★★★☆☆

 この勢いで安彦氏にΖ、ΖΖ、逆シャアまで描いてもらいたいな。無理だろうけど。問題は、これが完結するまでガンダムエースが残るかってとこか(←おい)。いや、最悪はエースとかに移籍するかな。

(発行日:2002/06/01)

 気がつけばもう17巻も出てるのね。長かった・・・。
 この巻では佐為編完結まで収録。前巻、伊角さんとの対局で自分の碁の中に佐為を見つけたヒカル。ようやく復帰して連戦連勝、ついに塔矢アキラとプロ初対決・・・というか、佐為の力を借りないでの対局は初めてか。塔矢はヒカルの中にsaiを見、お互いに生涯のライバルとなることを再確認する、という感じだろうか。なんかもう、これで最終回でいいんじゃないの?というくらいしっかりまとまった印象。15〜6巻あたり、佐為がいなくなってからのヒカルの迷走っぷりも、この巻とまとめて読むとしっくりくる。この辺、何度か読み返して、読むたびに胸が熱くなったよ。いやあ、いいね。
 つーことで★★★★★。

 この先どう展開していくのか、どのくらい続いていくのかわからないが、これ以上面白くなってくれることを期待する。けして数年後に「ヒカルの碁は17巻までだよな」とか言われないようになってもらいたい。むしろ「18巻から先が面白いんだよ!」とか言われるようになってホスィ。
 とりあえずここまでは名作。

(発行日:2002/06/09)