んむ、前巻発売時には、毎号掲載になってどうなんかなーとか不安だったのだが、この巻では随分こなれてきた感じ。隔週連載としてちょうどよさげなペース配分だし、エピソードにもやや幅が出てきたように見受けられる。
 内容的には、お父さんが失業して子供が心配してナッちゃんの手伝いをするってエピソードは、お涙頂戴としてはエエ話なんだけどしかし冷静に考えてどうなんかなコレ?って気がしちゃったな、なんとなく。あとは個人的にはエッちゃんをもう少しうまく使えんもんかなあとか思ったりもするですが、まあシロートの言うことですから。
 ということでこの巻は★★★☆☆くらいで。

 ナッちゃんのオパーイ、わしもうしろからむんずと掴んでみたいノウ(←バカモノ)。

(発行日:2002/06/09)

 安達哲の最新作。B6オールカラーで900円。なんか絵本みたいな単行本だよ。
 これが「さくらの唄」「お天気お姉さん」を描いていた、あの安達哲か!?というくらい、ほんわかのほほんとした作風。なのだが、それなりに毒も効いてたりする。ヤンマガで隔号連載中。
 町中から愛される、推定年齢3歳くらいの姉弟の日常を描いた・・・って感じなのだろうか。なんとも説明の難しい感じ。いや、読んでみてくれとしか言えないんだよな。かわいいのだが、かわいいだけでない、という感じ。これじゃわからんよなー。うーむ。どこぞのインタビューかなんかで、作者自身はこの「バカ姉弟」をして「ニューロマ」と言ったとか。ニューロマってのも大概ようわからんのだが、ま、いずれにせよ「さくらの唄」あたりとは全然違うのでそのつもりで。
 とにかく、★★★★☆(←おい)。

 ちなみに「最新作」って書いたけど、この連載はじめたあとに近代麻雀ゴールドで短期連載もやってたんだよな。あれはお蔵入りか。残念。いずれ短編集とか出して欲しいよな、この人も。

(発行日:2002/06/06)

 毎回毎回主人公達に非道い仕打ちの展開で、主人公に感情移入して読むと胃がキリキリと痛くなってしまう漫画。
 簡単に解説すると、主人公の少年は同級生の女の子と付き合いはじめるのだが、この女の子の父親が飲んだくれのひでえオヤジで、自分の娘(=その女の子)に売春させた金で食ってるのだ。
 女の子に対する父親の横暴さも非道いのだが、それをいつも側で見ている妹(小学生)がこれまた見ていていじらしいというか。んで主人公は当然そんなことは微塵も知らないわけだが、次号あたりいよいよ知られてしまうのではないかという展開。ううー、読みたいような読みたくないような。。。

 読んでいて目を覆いたくなってしまうのだが、しかし読まずにはいられない。そんな漫画だ。なにげに最近おすすめ。過去ログを調べてみると、No.027からの連載でたしか一度休載があるので今回が6話目か。なんでもこの人、キャリアは結構長いらしいのだが単行本化されてない作品が多いらしい。今回は是非とも単行本化して、ついでに未収録も入れてくれたりするといいかも。

 これにて最終巻。うむ、よかった。

 最後だし、なんかいろいろ書こうと思ってたんだけど書けないな。
 まー、あれだ。偏見を捨てて読んでみて良かったなと。いえね、わし自身、2巻が発売された頃はこの漫画のことをあまりよく知らなくて、しかし本屋さんではポップ付きで平積みされてたりして、「あー、なんかヲタ向けの漫画があるなー」とか思ってたんですけどね。全然ヲタ向けじゃないよな。大王に載ってたってのが不思議なくらい(←おい)。
 笑いとかギャグとかってのとはまたちょっと微妙に違うセンスのユーモアなのだが、その微妙に違うところがイイのだろう。で、繰り返し読むことで面白さが増すような気がするのだが、それは登場キャラの性格なんかを掴めば掴むほど言動に説得力が出てくる、というところに要因があるのではないかと思う。つまり、そのくらいしっかり作られてる漫画なのだ。いや、作者がそこまで考えて描いてたかどうかはわからないんだけど。むしろ描いているうちにキャラが勝手に動き出したってやつではなかろうか。

 で、この巻。
 前巻はそれまでに比べて随分毒が強くなった印象があったのだが、この巻は最終回を睨んだ展開が多いせいか、泣かせが結構ある。榊さんとマヤーの話とか、あと前にも書いたけど最終回の神楽の涙ボロボロとか、泣いちゃうよなー。もちろん泣かせだけでなくしっかり面白いんだけどね。なんとなく何度も読んでるうちに神楽のバカっぷりにハマり気味。基本的にいいヤツなのだがバカってあたりがいいよなあ。こんな子が自分の娘だったら、かわいくてしょうがないだろうな(笑)(←「娘」とかいうあたり、オヤヂ化が進んでるなー>わし)。
 ネタ的にツボに入ったのはいくつかあるのだが、逐一あげてもキリがないしなー。

 そんなこんなでベタ誉めになってしまうが、漫画としての完成度がかなり高いと思う。漫画好きなら偏見を捨てて一度は読んでもらいたい作品。
 この巻だけ読んでどうか?ってのはあるが、最後だし。★★★★★で。

 これが面白いと思えない人もいるだろうけどね。それはそれでまたアリかと。わからないのが良いとか悪いとかじゃない。単にセンスがあわなかっただけだろう。
 しかしなんだな。秋くらいにまた電撃大王で連載するらしいけど、ここまで完成度の高いモノ描いちゃうと、この人も次回作大変だろうな(←余計なお世話)。でも期待せずにはいられない。

(発行日:2002/06/25)

 大和プロレスの看板を取り戻そうと道場破りに行った先の帝日プロレスで、なぜか謎のマスクマンとしてリングに上がることになってしまったプロレスラー「アグネス仮面」のお話。前巻の続きで馬渕との一戦からはじまり、第2部アグネス仮面の弟分「マチルダ仮面」登場まで。
 いやあ、実に面白い。なんというか、某所でもまったく同じコト書いたんだけど、ヒラマツミノルという漫画家とプロレスというエンターテインメントはかくも相性が良かったか、と思わせる漫画。レジーにしろヨリにしろ、この人の描くスポーツというのはエンターテインメント性が非常に高い。バレーボールなんて、へたすりゃただのスポコンものにしかならないのに、この人が描いたからこそヨリのような面白い作品に仕上がっているわけだ。その、ヒラマツミノルの描くエンターテインメントとしてのスポーツの集大成とも言えるべきものがプロレスであり、この「アグネス仮面」なのではないかな、とか。そのくらいイイのだ。なんていうか、すごく「生きている」感じがする漫画。
 プロレスが題材ではあるが、プロレスを知っている必要はまったくないし、格闘技全般に興味がなくても問題なく読めるであろう作品。一見、汗くさい感じのする絵柄ではあるが、この絵柄だからこそ出せる味というのがある。未読の方は是非一度読んでみていただきたい。
 つーことでべた褒めなのだが★★★★☆。

 ところで最近スピリッツといえばときどき昴と20世紀少年を立ち読みする程度なので、このアグネス仮面あたりがどんなペースで掲載されてるのか全然わからんのだが、しかし単行本ペース遅いね。いや、遅くても中身がおもしろけりゃ満足なんだけどさ。

(発行日:2002/08/01)

 かれこれ5巻目。
 この巻ではいよいよ謎の美人・やえが登場、潮に絡んでくる。が、まだ絡み具合はそれほどでもないかな。どっちかっつーとメインは前巻の続きで特捜編ってことになるだろうか。なんとなくじんわりさせつつ、事件も必ずしもスッキリとは片づかない、なんてあたりに味が出てるのかなあ、などと思わないでもないのだが・・・。
 しかしなんだか「大人の漫画」過ぎる印象が否めないなあ。無理に熱さを抑えてる感じ。んー、なんつーか、言葉ではうまく言い表せないんだけど、主人公の潮に感情移入するのが難しいんだよなあ。前にも書いたけど、潮の年齢もあって前作の主人公・達ほど熱さを全面に出さないってのもわからなくはないし、それに熱けりゃいいかっつーとそういうもんでもないんだけどねえ。むしろ潮は現在の30歳くらいの男性と比較してかなり等身大な感じではあると思うんだけどねえ。どうにも何か物足りなさを感じてしまう。なんじゃろか。や、人間くさい主人公って意味じゃ、かなりイイ漫画であることにはかわりないんだけどね。うーん、難しい。

 そんなこんなで★★☆☆☆くらいで。
 面白いんだけどね。単行本でまとめてじっくり読むと事件の全容も掴みやすいし。

 しかしこの人の書く漫画って、トイレのシーンが多いやね(笑)。

(発行日:2002/08/01)