また随分空いちゃったな。
 やあ、ここ書きにくい理由のひとつとして、なんとなく短いトピックひとつだけとかで更新するのは、見に来てくれる人に悪いんじゃないかとか思える、ってのがあったんだけど。んでも短かろうがトピックひとつだけだろうが、マンガに直接関係のないネタだろうが、古本ネタだろうが、書かないよりはマシかなという気がしてきた。なので、これからは短くても、1トピックだけでもこまめに更新しようかなと。

 そんだけ。

 この巻はなんと!奈瀬たんが表紙だ!!・・・って騒ぐほどじゃないな。んで内容としては第1部と第2部(?)の間にやってた番外編。表紙の奈瀬のほか、塔矢、加賀、三谷、倉田、佐為にスポットをあてた読み切りのみの収録。
 で、企画としてはいいし、実際本誌で読んでるときはふんふんという感じで読めてたんだけど、こうやって改めて単行本になるとすごく物足りない感じね。特に塔矢と三谷の話は、それぞれがヒカルと接触する直前の話なんだけど、それだけにその一話だけで話は完結していない。これ読んだ後に単行本で該当話を読めば繋がるんだけど、これだけじゃなあ、って気がしちゃうな。
 奈瀬、加賀、倉田の話にしてもどうにも尻切れトンボの印象があるんだよな。結局いずれも行間(?)にこの話があって本編があるんですよ、的なスタンスで書かれているため、それぞれ一話だけでは成立しないってことなんだよな。
 唯一の例外が佐為の話。というか、この話は佐為が普通にいるときのヒカルと佐為の1エピソードって感じ。せっかく佐為の読み切りを書くなら、秀策と佐為が出会う話とか、佐為が生きていたときの話とか、読者としてはそういうのを読みたいって人が多いんじゃないかと思うんだよな。だって、この話だと、結局ゴキソを負かす話となんら変わらないもんね。ただ佐為を出したかっただけじゃないか?とか勘ぐってしまう。

 そんなこんなでこの巻に限っては★☆☆☆☆。なんせこの巻だけ読んでわかる話ってのがないし。加えて、この巻だけすっぽりなくても前後何も問題なく読めてしまう。結局、三谷や加賀、奈瀬なんていう普段スポットがあたらないが人気のある脇役を書くだけの、単なるファンサービスでしかなかったのかな、とね。

 次巻からの第2部に期待ってことでひとつ。

(発行日:2002/08/07)

 安彦ガンダム2巻目。いや、いいよこれ。
 アニメとマンガって、根本的にモノが違うので単純比較はナンセンスなのだが、このマンガはアニメーションというメディアでは表現し切れない部分をうまく表現していると思う。とりわけコマ割りというマンガ独特の手法をこの漫画では巧く使っている。これによってアニメーションの尺では表現しきれなかったキャラクタの感情の深い部分や微妙な表情なんてのも表現できてるんじゃないかな。
 ただ、ロボット(というかこの場合はモビルスーツね)の戦闘シーンに限っては、やはりどうしてもアニメーションでごりごり動く方がいいかなという気がしてしまう。先日OHPのオツアン7月テーマの総括としてしばたさんも書いてたことだけど、ロボットってのは動いてナンボってことがあるんじゃないかな、ということね。マンガだけでも動きを表現することは可能なんだろうけど、なんていうのか、「これが実際どう動くのか見たい」というのがあるのかな。マンガの中での動きってのは、結局のところ読者の脳内補完による動作であって、人間や動物の動きなんかは経験から想像できるんだけど、ロボットの動きというのは未知のものであって想像による補完に限界がある、というのがロボットはアニメーションで見たくなるということの理屈なんじゃなかろうか。

 しかしこれ、長いね。やあ、本誌は隔月で毎回ページ数も多いからいいんだけど、それにしても2巻でテレビの話数換算で5話分。単純計算すると43話分だと17〜8巻になるだろうか。年3冊単行本が出たとしても6年くらいかかる計算だ。いやあ、ほんとに完結するのかどうか不安になってきた。

(発行日:2002/07/26)

 最近の雑誌連載からピックアップ。

 すぎむらしんいち「クローン5」(アッパーズ)
 面白いんだけどねえ。もしかして忠治に飽きたのかな?

 中野純子「ちさxポン」(ヤングジャンプ)
 なんかもう、とんでもねえなあ。作者はほんとに女性なんだろかとかオモタ。

 福本伸行「賭博破戒録カイジ」(ヤングマガジン)
 いたそー。おかげでちゃんと読めませんでした。

 的場 健・亜樹 直「サイコドクター」(モーニング)
 遅ればせながら祝再開。相変わらず面白いねえ。黒の使い方も相変わらずイイ。

 山田芳裕「ジャイアント」(モーニング)
 面白いんだけど、人気ないんじゃないかって気がする。「絶頂は近い」「まだまだ」って、なんだろなあ。でもそのわりには欄外でアシスタント募集してるから、だいじょぶなんかなあ。

 林田球「ドロヘドロ」(ビッグコミックスピリッツ増刊 IKKI)
 ひさびさにマターリな雰囲気。いや、やばげではあるんだけどね。ニカイドウのハァハァぶりとか、チチねじれとか、もう最高です。わしもギョーザ食いてえ。

 寺沢大介「喰いタン」(イブニング)
 今イブニングで一番おもろいマンガかもしんない。

 イブニングとIKKIは別トピックにしようかと思ってたんだけど、ダメだなあ。
 未処理単行本がまた何冊かあるのだが、お盆休みにでも。

 かれこれ7巻目。んー、わりといいペースですやね。
 この巻で小説版のちょうど第2部終了までくらいで、全体としては6〜7割ってところ。連載開始が2000年の・・・正確には知らないのだが、話数と単行本発売時期とを併せ考えると春くらいだろうか。連載期間は大雑把には2年ちょっとくらいだろう。最後の方は大ゴマも増えるだろうし若干進行が遅くなるかもしれないってことを考えても、連載は来年末くらいまでで、あと5〜6巻分くらいで終わるんじゃないかなというところか。うーん、早く最後の方を読みたいような、ずっと続いて欲しいような。いや、なんつーか、原作読んでてもこれだけ楽しめますからね。話もいいし、田口氏の絵もいい。いいマンガですね。うむ。

 んでこの巻は全編通してサードマン三村信史の結末。この話を知ってる方ならご存知だと思うので書いてしまうと、三村は桐山に殺されてしまう。この辺の話の転がり方は、小説の方がハラハラ感がおおきいかもしれないが、しかしマンガ版の強みはなんといっても絵の濃さ。三村が飯島を射殺してしまう場面とか、三村が腸をはみ出しながら桐山と戦って破れる場面など、マンガならではだなあって感じだ。
 とはいえ南や清水が死ぬあたりの狂気的な表現とかはちょっと押さえられてる感じかな。正直、この巻だけに関して言えばやや物足りなさがある。ま、物語はこれから佳境なので、ここからもっとテンション上がっていくと思われるので心配はないけどね。灯台バトルとかは、田口氏がどんな描き方をするのか非常に楽しみだ。
 ということでとりあえずこの巻は★★★☆☆。

 ここ最近、番外編が載ってなくて残念なのだが、かわりにこの巻ではキャラ人気投票の結果がオマケで載っている。なんつーか、わりとどうでもいいんだけど(←おい)、月岡が10位に入ってたのはちょっと笑った。

(発行日:2002/09/10)

 アッパーズ連載中のドタバタアクション。いとうせいこうが「相談」という立場で参加(連載開始時は原案だった)。
 毛はえ薬メーカーの研究員が20年前にひそかに作り出した4人のクローン人間。バカの忠次、元CMタレントのアキ、ひきこもりのタケシ、(この巻では語られてないけど)ニューハーフのゴウ(イク)、彼らの少しづつ欠けた遺伝子を互いに補うことで完全な5人目を作る・・・というようなことが行動の目的になっているらしいのだが、まあなんていうか、実にすぎむら氏らしいハッタリバリバリの娯楽作になっている。
 作中で、「2ちゃんねる」がモデルと思われる「ゴミ箱ジャパン」というサイトが登場したり、ひきこもりデブヲタの会話とか、時代ともうまく絡ませてるなあという印象もある。ただ、その辺は見ようによっては寒くもあるし、この作品を数年後に読み返したときにどうだろうな、って気もするのだが、いとうせいこう+すぎむらしんいちなら出来上がるものはナマモノであって然るべきかな、という気もする。

 2巻まででようやく4人が揃ったところで、これからどういう風に話が進んでいくのかというところなのだが、もうココまででも十分面白い。この先が非常に楽しみなマンガ。
 ということで★★★★☆。

 非常に面白いマンガなのだが、ちょっと心配なのが連載雑誌がアッパーズだということ。あの雑誌って、なんとなく容赦なく切っちゃう印象があるんだよなあ。今のテンションをずっと保ち続けられればいいんだろうけど、少しテンションが下がっちゃったらいきなり終わっちゃいそうで怖い。
 とりあえず、今注目してるマンガのうちのひとつです。オススメ。

(発行日:2002/08/09)

 うーん。
 あまり非生産的なことを書いてもしょうがないかなって気もするんだけど、あえて書く。すっかりつまんなくなっちゃったなあ。どのくらいつまんないかというと、新刊で買うのがもったいないなと思うくらい。まあねえ、よく言えば安定なんだろうけど、裏を返せばマンネリ。なんていうか、この設定ではもうこれ以上面白くできないんじゃないか、って気がするんだよな。川上の話にしても、近藤の話にしても、ネタ的には以前使ってるのと同じだと思えちゃうんだよな。せっかく新キャラ出してもうまく動いてないというか。後藤田あたりはいい例じゃないかな。岩田あたりは河井にうまいこと使われてやや味があるけど、あとはなんだかなあって感じ。これであと1年半も続けるのかなあ。うーん。。。

 という感じで★☆☆☆☆。
 いや、けしてマンガとして面白くないってわけじゃあないんだよな。少なくとも今のヤンマガの中じゃ面白い方だと思うし。でも最初の頃が面白すぎただけになー。そこに負けちゃってるってのは、やっぱりマズイよなあ。
 ってな感じで次巻から買わなくなっちゃうかも。あうー。

 それにしても三郎は春菜のどこがいいんだか(笑)。

(発行日:2002/08/05)

 宇仁田ゆみの短編集。
 ……といっても、宇仁田ゆみなんて、知ってる人あまりいないのかも。なんせわしもよく知りません。最近IKKIで「スキマスキ」ってのを描いてて、それで認識しました。「スキマスキ」のセンスがなんとなくツボだったところ、ブックオフでたまたま短編集をみかけたので買ってみた、というワケ。

 内容は、なんつーか比較的軽いノリの恋愛マンガかな。作者が女性なので(だよな?)女性視点の話が多くて、普段男性視点の漫画しか読まないわしにとってはちょっと新鮮だった。「アンバランス」(恋した年上の女性が男性恐怖症だったって話)とか、「KNOCK!KNOCK!KNOCK!」(女の子が男の子をハメてハメさせちゃう話←我ながらオヤジくさい表現だなあw)とか、なんとなく都合良すぎーって気もしなくはないのだが、作品の雰囲気とか、あといわゆる「ドジ」というものの表現とかがいい感じ。なかなかよかったです。
 ということで★★★☆☆。この分だと「スキマスキ」も単行本が出たら買っちゃいそうだな。あ、でもあれはIKKIコミックスなのでちょっと高くなるかも(汗)。そうなるとちょっと微妙。

 書き下ろし数ページを除けば初出は全部ヤングアニマル。ヤングアニマルって普段立ち読みでもあまり読まないからなあ。最近レギュラーで読んでるヤンマガ、モーニング、ヤンジャンあたりにかなり飽きてきたので、アニマルも少し読んでみようかな。

(発行日:2000/11/05)

 業務連絡。
 はてなのチェック範囲、「■〜記」になってたのを変更させていただきました。先日書いたとおり、はてなのチェッカー巡回には本文を見せないように修正した関係で、全文をチェックするようにしておかないと更新にひっかからないんですよ(はてなチェッカー巡回に見せてる文書には「■」も「記」も入らないため、更新範囲なし→更新ナシという解釈になる)(←一般ユーザが普通のブラウザではてなからリンクして文書を見る際は、これまでと変更はありません)。
 これで万事うまくいくハズですので、問題なければこの設定でご使用ください。

 ウェンディがよかったのでこっちも一気買い。期待以上のマンガでした。
 帯には「異界からの難民が隠れ暮らす町・三月町。ふとしたことでこの町に紛れ込んだカメラマン志望の青年・双真(ソーマ)は、町の支配権を巡る争いに巻き込まれたあげく、町の巫女である魔女の予言の実行者に祭り上げられる。双真は予言を成就し三月町に平和な日々を取り戻すことができるのか!?サイケデリック!ファンタジック!エロティック!」とあるのだが、なんか微妙に雰囲気が違うような気がするな。支配権ってのもなんか違うし、平和な日々ってのもちょっと違う気がする。しかしまあ、この通り主人公の青年があれよあれよと「勇者」にされてしまい、「伝説の武器」を探し当てて「悪の大王」を倒す、というような冒険活劇的な大筋であることは間違いない。ただ、そこに流れる空気とか描写とか、散りばめられたキーワードやアイテムがことごとくファンタジーじゃなく、それこそサイケでエロティックで、かつバイオレンスな感じ。このアンマッチが松本次郎の持ち味のひとつなのかも。

 そんなわけで内容は読んでくださいとしか言えないのだが、しかしなんつーか、やはり万人にお勧めできる作家でないことは確か。こう言っちゃなんだけど、目の肥えたマンガヲタク向きの作家だなあって感じはするね。とりあえずぱっと見て絵柄に抵抗がなければ行けるかもしれないけど、間口の狭い作家だよなあ。
 でも個人的には押し。★★★☆☆くらいかな。

 松本次郎は今のところ、これと先日の「ウェンディ」しか単行本がないらしい。キャリアもそんなに短いわけではないし、「ウェンディ」のあとがきにもあるようにデビュー以来マンガで食えてるらしいことから、読み切りや短編も相当数あるものと思われる。太田出版から作品集出ないかねえ。ほかの作品も読んでみたいよ。
 現在の連載作品はFで「未開の惑星」、IKKIで「フリージア」。どっちもまだ5〜6話ってところでいずれも隔月刊誌。IKKIは6話分くらいあれば単行本になりそう(ドロヘドロ1巻は本編150ページくらい)なので、年内には出そうだね。「未開の惑星」の方は早くて来春くらいかなあ。待ち遠しや。

(発行日:2001)