かれこれ12巻目。
 突然全米ツアーのオファーを受けるBECK。全米ツアーといっても超ハードなスケジュールでしかも竜介は未だ合流せず。まさに「BECK最大の試練」という感じでアメリカに乗り込む4人・・・って感じで、BECKの演奏そのものは相変わらず不完全燃焼気味だが、そんな中でのコユキの成長ぶりはなかなかカッコイイ。
 けど、正直な感想として、この辺こんなにひっぱらなくてもいいんじゃないかなー、とか思ってしまう。グレイトフルサウンド以降、前巻とこの巻とフルメンバーでのBECKの演奏がない。この巻のあとも先月分、今月分ともにまだ100%のBECKじゃないんだよな。なんていうか、爽快感がない感じ。読んでいて物足りなさを感じる。1話1話が60ページとボリュームがあるだけに、余計そう感じるんだよなあ。うーん。まあ、来月分でいよいよ竜介が合流してすごいことになりそうなので、たまってたウップンをイッキに晴らせるといいのだが、どんなもんかねえ。
 とはいえ面白い。講談社漫画賞は伊達じゃない。★★★★☆。

 ところで11月発売見込みの次巻はなんと、トリビュートアルバムセットが発売になるらしい。限定20000部ってことなのだが、これは予約してでも買うしか!・・・とか思ったのだが、「全部書き下ろし新曲」とかいうところにちょっと不安を感じる。「SISTER」「HUMAN FLY」とか「OUT OF HOLE」なんかの作中のBECKオリジナルの楽曲を現実に作られちゃうと、萎えちゃうかもなあ。

(発行日:2002/08/16)

 雑誌トピックはひさびさですな。たまには、ってことで。
 でもなんか書き方忘れちゃったよ。前とフォーマットが違うかも。許して。

 柳沢きみお「THE 大市民」
 柳沢センセの分身である物書きの山形某がウンチクを語ってビール飲んで「美味し(うまし)!」とか言う、コラム的な漫画。いろんな雑誌で連載してきてるシリーズなので知る人ぞ知るて感じ。ただこれがなぜアッパーズに載ってるのか。

 んでまあ、いつもの通りどうでもよさげなウンチクを語ってるのだがツッコミどころが一箇所。例の女性専用車両に関して述べているところ。以下山形のセリフ引用。

考えてみろ、逆に俺ら男が電車に乗るとすぐアッチコッチからオバサンの手がのびてきて触りまくられたとしたら・・・ケツとか。ゾッとするだろ。

 これねえ、違うよな。いや、わかんないけど。っていうか、わからないんですよ。女性の痴漢やレイプに対する恐怖っての、普通の男としての精神を持つ男には絶対にわからない。男がオバサンに触られるのと、女性が男性に触られるのとじゃ恐怖が全然違うだろ。あと、レイプの恐怖の喩えとして、「屈強なホモに無理矢理犯されることを想像しろ」とか言う人もいるけど、それも全然違う。多分。わかんないんですよ、男性には。いや、わかんないかどうかもよくわかんないというか。なのに、わかんないくせに、わかった風を装うんだよな、男は。だからこういう書き方になるんでしょう。
 女性専用車両については是非あるらしいですけど、わしゃ賛成派。男には理由なんぞわからなくてもいい。変にわかった風なこと書きたくないしね。って言うこと自体「わかった風」なんだけど。

 それにしても柳沢センセ。こんなにフォントいじり好きでしたっけ?なーんかさあ、フォントいじり嫌いそうな雰囲気あるのにね。今回のは特にフォントいじりまくり。どうしたんでしょ。いや、どうでもいいけどね。

 新井英樹「SUGAR」
 面白くなってキター!!

 咲香里「春よ、来い」
 亜美タン、かわいいなあ。81ページ左上の目がトロンとしちゃってるコマとか、82ページ右下とか。たまらん。しかし、そういうオチはねえだろー。でもここでヤらなかったってのはなんか伏線ぽいね。先が楽しみ。え?

 すぎむらしんいち「クローン5」
 相変わらず。タケシビジョンの濃すぎる世界がすばらしすぎ。
 ところで「ドトウの加筆&修正!KC(1)(2)巻凄い勢いで発売中!!」ううー、加筆修正個所なんか全然気付きませんでしたー。いや、トビラ絵周辺に違和感があった話はいくつかあったんだけどね。こんなもんかなーとか。

 18号山本康人「杉作」、19号佐々木飛朗斗・桑原真也「R-16」、20号藤沢とおる「Rose Hip Rose」が新連載。「杉作」「Rose〜」は例のガンアクションシリーズから。杉作は読み切り数話はおもしろかったけど、連載するほどネタが続くんかなーって気が。「Rose〜」は・・・うーん。どうなんだろ。正直あの読み切りは面白いとは思えなかった。ただ、エンターテインメント描かせりゃそれなりに力ある人だと思う。んでもって佐々木飛朗斗+桑原真也か。なんかすごく意外な組み合わせ。「新たな横浜“族”伝説が始まる・・・!」族ですか。しかも予告でいきなり“族”ですよ?なんか困っちゃう。
 それにしてもターゲットのわからん雑誌だ。この新連載ラインナップは少年マガジンのお兄さんって感じだけど、その一方で大市民だし(笑)。

 次号は9/3(火)発売。

 丸太埋め込み禁止っすか(笑)。っていうかさあ、近所の人目撃してるだろ。で、仮にも日本チャンピオンだし地元なんだし、誰がやってるか気付く人だっているだろうに。それとも「幕之内って、あんなヤバいヤツだったのか・・・関わらないでおこう」とか思われてるのかしら。
 次号あたりからようやく試合モードかな。と思ったら鷹村の家出の話はまだひっぱるんか。猫田が出てくると面白いんだけど、今はなあ。鷹村の試合あるわけじゃないし。それよりは久美ちゃんもっと出してやれよ。板垣じゃないけど、ほんとに扱いの低いヒロインだよなあ。

 で、森川ジョージ氏インタビュー(スポーツ報知)。
 「最終回は頭にある」とのことだが、その最終回、いったいいつ書いてくれるんだよう。恐らくは次の試合をやったらその次は世界(OPBF?)ってことになるのだろうが、それだって単行本にして3巻分くらいは先の話だろう。板垣の東日本新人王戦も挟まなくちゃいけないしね。んでそこからすぐに宮田に挑戦ってわけにはいかず、当然1〜2戦は挟まなくちゃいけないだろうし。なんてな具合で、リカルド戦やって世界チャンプになるところを終着点だとすると、軽くあと20巻分くらいはかかるだろうなあ。もしかしたら100巻超になるかもですよ?
 なんだかなあ。いや、好きな漫画には違いないんですけどね。

 最終回。
 ちょっとあっさり目だったかな、って印象。結局やえたんと堀部との関係はなにも変わらずだし。単行本トピックで何度か書いてるけど、全般にあえておとなし目にしてるって感じがあって、「演歌の達」ほどはのめり込めなかったかなあ。浪花節っぽい部分も、ただのお涙頂戴で終わらせないよう工夫してるらしいところがかえって話をわかりにくくしてるようなとこもあったし。
 や、全般に面白かったですよ。普通の漫画として見れば十分面白い。ただ、やーっぱりこの人の持ち味じゃないんじゃないかなーって思いが拭いきれなかった。
 ともあれ、単行本待ちだなあ。9月予定にはないから、10月頃になるかな。でも単行本一冊分もページ数あるかなあ。読み切りが入ってると嬉しいかも。「ユニゾン」や「塩浜電工バレーボール部」はもちろん無理だろうけど、いつぞや増刊で描いたヤツとか、次回増刊(9/13発売)で描くヤツとか。

 で、次の連載は年末開始予定ですって。次回作も期待しましょ。

 またしても雑誌トピック。そのかわり単行本トピック少な目。これ。

 山崎さやか「NANASE」
 ヘニーデ姫編終了。そんな結末だったか。がくーん。
 次回から最終章。んー。ハラハラドキドキ。でも次号はお休み、と。

 天田草田「ワルサー606号室」
 新人さん、デビュー作だそうな。
 バイトに行った彼氏の部屋に拳銃を持ったチンピラが闖入してきて、しかし彼氏はバイト休みで帰ってきたら「間男!?」とか勘違いして・・・っていうような話。って書くとなんだかコメディみたいだが、どっちかっつーとシリアス寄り。マターリな雰囲気かと思いきや、いきなりバイオレンスで締めは青春やのうって感じで。
 絵はやや荒いんだけど、話も構成もコマ割りとかもいい。そして表情ね。楽しめました。ところでトコロドコロ古谷実を思わせるコマがあるんだけど、もしかしてアシスタントかな。って思ったらタッチもちょっと似てるかも。や、とにかくよかった。次回作大期待。

 松本剛「甘い水」
 ついに眞千子の秘密を知ってしまった夏生。くうーっ、切ないねえ。もうラスト5ページ、涙止まらねえよコンチクショウ!
 そろそろ締めっぽいが、次号最終回ってアナウンスがないところを見るとあと2〜3回続くのかな。バッドエンドでもいいから、解り合えてほしい。いやほんとに。

 藤寿男「サイキックソルジャー正義」
 自称サイキックソルジャーである正義(まさよし)。そのパートナー(?)であるホンモノの超能力者・あい、生理で超能力が使えないの巻。あいかわらずおもしれえなあ。保健室の先生の「割れ物いる?」ってセリフ、最初意味がわからなかったんだけど、読み返して意味がわかったところで大爆笑してしまいました。
 が、次号最終回。んー残念だなあ。まだネタは尽きなさそうなのに。今回第5話なので全6話。ページ数があまり多くない漫画なので単行本化はびみょー。「オワライダー」とかくっつけてでも出してほしいね。

 山本マサユキ「六本木リサイクルショップ シーサー」
 アジロー、ファントムで飛ぶの巻。トト子たんは自作ヲタなのにMac派なのね。しかし最後のコマの落とし方、すげえなあ。なんかこの人ぽくないけど面白かった。
 それはそうと先日発売のGT増刊は山本マサユキ二本立てだったよ。GT増刊はわし的にあまり読みどころがないのだが、買って良かった。

 次号は9/20(金)発売。

 山崎さやかの描く新型家族物語2巻目。
 1巻目は読み切り形式で子供らにまつわるエピソードがいくつか続いて・・・って感じだったのだが、この巻中盤に来て物語が大きく動き出す。城太(3番目の子:現在高1)の母親・成美が壮を頼って押し掛けてきてしまう。しかし、成美が無理に母親になろうとすることで、母親の違うほかの子供らは不快感・違和感を感じてみんな母親の元に帰っていってしまう・・というような感じ。そもそも設定からして物凄い漫画ではあるのだが、ここまで来るとどう収拾つけるんだろうなーって感じだな。ちなみに現在の連載ではもっと凄いことになってるのだが、はてさて。なんというか、妙に心配になる漫画だ。
 しかしこれ、面白いか?と問われるとちょっと自信ないな。いや、わしは面白く読めてるのだが、それは山崎さやかのファンだからって気もしなくもない。とはいえ信者ってほどでもないのに妙に押しつけがましいのもなんだなーとか思わないでもないし。
 ということでやや弱気に★★☆☆☆。

 しかし山崎さやか。NANASEをはじめたばかりの頃は随分絵がうまくなったなーって印象を受けたのだが、この東京家族は作画が雑なことが結構多いね。というか、東京家族をはじめてから、NANASEの方も作画がいまいちなことが少し多くなった気がする。いや、先入観からなのかもしれないが、しかしこの人ってじっくり描いて緊迫感を出してこそって面が大きいと思うんだよなあ。あー、だから何が言いたいかっつーと、多少休載がちになってもいいからしっかり描いて欲しいなってのがファンとしての望でやんす。ってことね。
 ともあれ、次巻期待。

(発行日:2002/09/28)