なんだろう。ラブコメではないのね。ラブもコメもあるんだけど、それだけじゃない。「ちあき」という名の緑色の頭の少年を中心とした、少年少女らのうだうだとした日常を描いてる、って感じかなあ。これを一言でいうと「青春群像」とかになりそうだけど、そんなお堅いモノではなくて。なんかこう、だらだらとした作品です。ただそのだらだら加減が心地いいのね。
ビーム連載。なので、途中アスペクトからエンターブレインになってます。
「だらだら」とか書いてるけど、話がすすまない訳じゃないし、登場人物それぞれ胸のうちにいろいろ抱えるものがあったりするし。それぞれ前に進もうとして、いちいち躊躇して、ほかの人を巻き込んでーみたいな雰囲気だろうか。なんだか非常に抽象的だがだいたいそんな感じ。というか、日常生活ってのは得てしてそんなもんじゃないかなーとか思うわけで。そういう意味じゃ、「ありがち」な感じで、そこに共感できたり、感情移入できるってのもあるかなあ。ただ、物語に没入するってタイプのお話ではないね。なんとなく第三者的にちあきの弄られっぷりを眺めてくすくす笑うのが正しい読み方なんじゃないかなーとか思うです。
そんなこんなで、なんとなくぱらぱらーっと気楽に読んで気楽に楽しめる漫画だね。突出した部分はないかもしれないけど、こういう気楽さってのは大事だと思う。
つーことで★★★☆☆くらいで。おひまがあれば。
志村貴子という漫画家、これが最初の長期連載ってことになるのかな。今はエロティクスFで「どうにかなる日々」を連載してるけど、読みきりタイプだしなあ。なんとなく淡々と、飄々としているようで、視点をはずさないって感じで面白い漫画を描く人だと思う。できればほかの続き物も読んでみたいね。ただ、こういう作風って、続き物書くとみんな同じ雰囲気になっちゃうんじゃない?っていう不安もあるな。まあその辺の怖いもの見たさ、みたいなものも含めて。
ちなみに「無限の住人」と時々間違えるのだが、全然別の作品ですけん(間違えないって)。