なんだろう。ラブコメではないのね。ラブもコメもあるんだけど、それだけじゃない。「ちあき」という名の緑色の頭の少年を中心とした、少年少女らのうだうだとした日常を描いてる、って感じかなあ。これを一言でいうと「青春群像」とかになりそうだけど、そんなお堅いモノではなくて。なんかこう、だらだらとした作品です。ただそのだらだら加減が心地いいのね。
 ビーム連載。なので、途中アスペクトからエンターブレインになってます。

 「だらだら」とか書いてるけど、話がすすまない訳じゃないし、登場人物それぞれ胸のうちにいろいろ抱えるものがあったりするし。それぞれ前に進もうとして、いちいち躊躇して、ほかの人を巻き込んでーみたいな雰囲気だろうか。なんだか非常に抽象的だがだいたいそんな感じ。というか、日常生活ってのは得てしてそんなもんじゃないかなーとか思うわけで。そういう意味じゃ、「ありがち」な感じで、そこに共感できたり、感情移入できるってのもあるかなあ。ただ、物語に没入するってタイプのお話ではないね。なんとなく第三者的にちあきの弄られっぷりを眺めてくすくす笑うのが正しい読み方なんじゃないかなーとか思うです。
 そんなこんなで、なんとなくぱらぱらーっと気楽に読んで気楽に楽しめる漫画だね。突出した部分はないかもしれないけど、こういう気楽さってのは大事だと思う。
 つーことで★★★☆☆くらいで。おひまがあれば。

 志村貴子という漫画家、これが最初の長期連載ってことになるのかな。今はエロティクスFで「どうにかなる日々」を連載してるけど、読みきりタイプだしなあ。なんとなく淡々と、飄々としているようで、視点をはずさないって感じで面白い漫画を描く人だと思う。できればほかの続き物も読んでみたいね。ただ、こういう作風って、続き物書くとみんな同じ雰囲気になっちゃうんじゃない?っていう不安もあるな。まあその辺の怖いもの見たさ、みたいなものも含めて。
 ちなみに「無限の住人」と時々間違えるのだが、全然別の作品ですけん(間違えないって)。

(発行日:1998〜2002)

 そろそろ月刊マガジンの発売日だよなーとか思いつつコンビニで。ふと見ると曽田氏の絵が表紙じゃないかッ!しかもなんかテルをどーかしたような顔の少年が、赤いツナギ着てますがなッ!!
 こんなもん見ちゃったらもう買わずにはいられないッスよ。月マガは普段はBECKを立ち読みするくらいなんだけどね。これから毎月買っちゃうかも。

 ってことで曽田氏の新作はレース漫画になる模様。父ひとり子ひとりの家庭で「いいこ」に育っている勝平太は小学3年生。車が大好きで「いいこ」だが、ナニゴトにも本気になれないらしい性格。ある日父親が仕事先でカートを見かけてすっかり惚れ込み、廃品パーツを持って帰って・・・ってところで続く。当然このあとは父親が手作りでカートを作って、勝平太が大喜びでそれにのって・・・ってな展開になるんだろうが、そうトントン拍子に行くものではあるまいて。どんな漫画になるのか、ひじょーに楽しみだ。
 ユタや甘粕、あるいは真奈のポジションになると思われるライバルっぽい子も登場しているのだが、この子がなんかスバルに出てくるアレクサンダーみたいなんだよな。おぱっかだし。この子が勝平太にライバル心剥き出しなので、やはりカートに乗ることになるんだろうな。うむう。
 なんつーか、スバルはすごく苦しそうというか、ひねり出してるっていうような印象があるんだけど、この漫画は楽しそうに描いてる感じがするな。まあはじまったばかりだからかもしれないけど、今のところ主人公が男の子で、元気はつらつでいい感じだあね。うん、こりゃ楽しみな漫画だ。はやく単行本出ないかな(←気早すぎ)。

 で・・・スバルの続きはいつ描くんじゃろか・・・(汗)

 アッパーズの方の、明るいノリのほうの新井英樹。どんどん面白くなってるね。
 初スパーで世界ランカーをダウンさせたリン。しかし世界ランカーの本気にあえなく撃沈。本格的にボクシングに目覚め、一方クビになった料亭からも就業の許しが出て・・・という感じでようやくリンの東京での生活がはじまる。のだが、食えないのがジムの会長であり元世界チャンピオン「天才」中尾。リンの天才っぷりにいちいちつっかかり、それにリンも反応する。まとまる話もまとまらなくなるわけだが、しかしリンとこの中尾のやりとりは非常に面白い。テンポもセンスもよく、スピード感がある。いやそもそも新井英樹ってひとは、セリフのセンスというか、言葉の選び方が秀逸だと思う。このセンスとリンの性格とが非常にうまく噛み合っている感じ。これまでも面白い漫画だなと思っていたけど、この巻にきて一気に爆発した感じ。
 ということで★★★★★。読み出すと止まらないし。

 ただ、心配はあるよなあ。どっちも隔週ではあるけど、スペで「キーチ!!」もやってるので息切れしないかとか、なにより掲載誌であるアッパーズが、カラー不安定な雑誌で、いつ雑誌がわから打ち切られるかっていう不安もある。今のこの雑誌で、この作品を切っちゃうと、ますます少年マガジンになっちゃうのでそれだけはやめてもらいたいよなあ。
 あとは前回も書いたけど、展開の遅さが・・・んーでもこんなもんかなあ。連載だともうプロテストとか言ってるしね。

 ともあれ、今後も期待。

(発行日:2003/02/07)

 ひさびさにお蔵出し。二宮ひかるのラブストーリー。過熱気味だったのが少し落ち着いたのでぼちぼち書いてみます。

 夏川実(みのり)、斉藤遥子(ようこ)、斉藤一花(いちか)の三人は、なりゆきで一緒に2DKで生活することになる。実と遥子は中学時代に付き合っていたことがあるが、一方実はなりゆきで一花とも関係をもつ。三角関係といえばそうなのだが、それほど単純ではない、不思議な三人の関係を描いている。
 この話のポイントはその不思議な関係にあるわけで。単純な三角関係なら、いずれかの二人がくっついて、一人は泣いておしまい、みたいになりがちだが、この作品ではそういう結末にはならない。作中で何度か登場するセリフ「本当のことはひとつじゃない」というのがキーワードになると思う。が、ここがポイントなだけに、普通のラブストーリーと思って読むとまさにその点が煩わしいというか、もやもやしたモノを残してしまうことは間違いがない。「ナイーヴ」と比較して、あっちの方が読みやすいと感じたり、「こういう恋愛をしたい」と思わせたりする原因もここにあると思う。だからといって駄作だというのではなく、この点こそがこの作品を面白くしているポイントでもある。
 なんだか非常に微妙ないいまわしだが、まあそういうことで。

 そんなわけで面白いのだが、先ほども触れたように「ナイーヴ」をどっちが好きか?という点で考えると、こっちではないんだよなあ。決して劣っているというわけではない。恋愛マンガを読むにあたってのひとつの視点で、「ナイーヴ」の方が読みやすい、入り込みやすい、というだけ。
 そんなわけで★★★★☆。でも読んでみてもらいたい作品。

 この作品、作者も余裕が出てきたのか、オマケっぽいところがなかなか面白い。単行本表紙と中表紙が組みになってたりとかね。あと、オマケ漫画のネタであった「一番古い記憶」っての、考えちゃうなあ。わしはなんだろう。3歳のときに、おそらく多くの人は体験できないだろうとんでもないことを体験していて、その記憶があまりに鮮烈なため、ほかの細かい記憶って飛んでるんだよなあ。うーん。
 みなさんも考えてみれ。

(発行日:2000〜2002)

 今朝はスピリッツが売ってなかった。キオスクで店員さんに「あれ?スピリッツは?」と聞くと、「今日は入ってないのよー」とか言われたので、売り切れたとかではにゃい。おかしーなーとスピスレを覗くと、今週号に関する書き込みもある模様。スピネットを見てもちゃんと今週号の内容に更新されている。むー。職場付近のコンビニを覗いても見当たらなかったな。なにごとじゃろか。誰かがわしを陥れようとしてる?