3日空けることないよう、と自分なりに決意したのですがこの体たらく。や、先週はちょっとばかり忙し目だったので、しゃあないんですけどね。といいつつなぜかΖガンダムなんか見まくってたりするんですけど。

 木葉功一「マリオガン」(ビッグコミックスピリッツ)
 新連載。ずばり、2年位前にモーニングでやりかけてた「ルビー・ザ・キッド」の仕切りなおしっぽい作品。主人公はじめ、主要登場人物の名前とキャラクター、風貌までほぼいっしょ。ただひとつ違うのは、奥様は魔女だったのです主人公マリオが小学6年生で、舞台が小学校ってところ。
 「ルビー」は連載開始当時にはひじょーに期待してたのだがあんなことになってかなり残念。で、イブニング「クリオの男」で持ち直したっぽいのでどーかなーって感じなのだが、しかしこの人、もしかして週刊連載できないん人なんじゃないかなあ。「キリコ」は週刊連載だったけど。なんつーか、時間をかけてもいいからじっくり描いて欲しいタイプの作家ですな。今回はどうなることやら。いや、期待してますよ。

 佐藤マコト「箱入り娘」(モーニング)
 「サトラレ」の佐藤マコト氏の古い作品。あらすじ省略。サトラレにも通じる世界観で非常に面白い作品。ですが、ほかの何人かの方もおっしゃってるように、詰め込みすぎな印象。もっとコマを大きくして、30ページ程度×3〜4回くらいの短期連載みたいな感じにすると、読みやすくなる気がする。あと、ラストがわし的には少々不満。こういう話ならほろ苦いくらいのエンディングの方が好みだな。まあ、この辺はほんとに好みの問題だけどね。

 中野純子「ちさ×ポン」(週刊ヤングジャンプ)
 あの展開からしばらく静観してたのですが、どうやら落ち着くところに落ち着きそうな雰囲気。あと1回で終わらせてもいいかもしんないな。ちょっと安っぽい印象はあるけど、まあいいんじゃないでしょうか。ただ、なんか思考が男性的というか、処女崇拝的なんだよな。いや、テーマがテーマなので、こんなもんかもシレンけど。

 尾玉なみえ「昆虫大作戦インセクトS」(週刊ヤングジャンプ)
 相変わらずすげえ漫画描くよな、この人は。インパクトありすぎ。ヤンジャン読んで大笑いしたのって、何年ぶりだろうか。

 森川ジョージ「はじめの一歩」(週刊少年マガジン)
 個人的に、板垣の試合はどれも興味がない。というか、彼らの試合がクローズアップされればされるほど、一歩のリカルドや宮田への挑戦が遠のく気がしてならないのよね。彼ら、なんで一歩と同じ階級なんだろ。ひとつ下なら構わないんだけどね。

 今日はBECK14巻発売日。なんかもう、すげえ楽しみ!

 ★★★★★。んもう、かっこよすぎ。しっこちびっちゃう。

 全米ツアー最後になるかもしれないライブに竜介が到着、ようやく全員が揃ったBECKはどんどん客を集める。BECKにとっては嬉しいハプニングもあったりして、なんとかクビを免れる。その後、BECKは快調にツアーを続け、テレビやラジオの出演などもあり、全米ツアー後半を大成功させる。というような流れ。
 グレイトフルサウンド以来、もやもやしたような状態がずーっと続いていたのだが、その鬱憤を晴らすかのような展開。ここ3〜4巻はすべてこのときのための「タメ」だったのか!とか思えるくらい、爆発力がある。なんといってもコユキの歌うシーン。ページをめくった瞬間に全身の毛穴が開くような感覚。昼飯を食いながら読んでいたのだが、あやうく涙が出そうになったよ。そのくらいカッコイイ。
 なんつーか、この漫画を読んでない人は、不幸だと思う。まあ趣味嗜好があってこの作品を好きになれないという人もいるとは思うのだが、この感覚を味わうことができないなんて、もったいないな。もし読んだことがない人がいるなら、とりあえず読んでみるべき。

 ただ、前にも書いたけど、この先の展開はちょっと不安があるな。これ以上どーすんの?っていう。ちょっと引っ張りすぎなんじゃないか、っていう気もしている。どんなに面白い漫画も引き際誤ると駄作になっちゃうからね。この作品だけはそうならないことを願う。

(発行日:2003/02/17)

 3日空けないが目標なので、なんか書いてみます。
 いつも行く本屋さんで「職人フェア」とかいうのやってました。主人公がなんらかの職人である漫画を平積みしたりしてピックアップしてるわけです。ラインアップとしては「オーダーメイド」「ナッちゃん」「焼きたて!じゃパン」とか。いずれも「如何にも」って感じですやね。「美咲の器」とかも仲間に入れて欲しいところです。や、あれはゲージツかもしれないけど。
 で、そこに混じって「ドリーム職人」も積んでありました(笑)。

 す、すいません、それだけです。

 最終巻。で、読みきりが2編収録されてます。
 本編の方は、どうなんかなーって言う幕切れだなあ。この手のパニックモノとでもいうべきジャンルは、難しいとは思うんですよね。ヒーローが出てきて悪人蹴散らして解決・・・っていうんじゃ萎えちゃうし、かといってカタストロフィに持ってくのも安易な気がするし。そういう意味じゃ妥当な落としどころなのかもしれないけど、「期待はずれな作品だった」といわざるを得ない、というのが正直な感想かな。この人の絵柄、迫力だからこそ読めたけど、これがほかの人だったら駄作扱いしてたかも。
 そんなこんなで★☆☆☆☆。お勧めしません。

 あ、ただねえ、読み切りの方はそれなりに面白かった。5年位前の作品(ってことは「ALIVE」「鉄腕ガール」より前?)で絵柄は今ほどの迫力がないけど、その分見やすいかもしれない。2編とも「69」というタイトル(片方は「ルート69」だけど)で、主人公も同じ名前らしい。が、話の内容はぜんぜん違うのね。片方は男をそそのかして殺人犯にしちゃおうって話、片方はえーと、バイオレンスではない話、とだけ書いておこうかな。なんとなく高橋ツトムっぽくないんだけど、納得できちゃう話。うん。
 こういうの読むと、この人は長編描くよりもこういう短編の方が向いてるんじゃないかな、とか思えるね。「地雷震」は長いけど、基本的には1巻読みきりで、短編ぽいつくりになってるし、「ALIVE」なんかも出来がいいと思うのね。どうでしょ。

(発行日:2003/02/17)

 本誌は不調でも勢いのある別冊。
 一時の新マグナム増刊みたいだよなー。

 山崎さやか「NANASE」
 最終回。正直、ちょっと物足りなかったかなー。ヘニーデ姫編あたりからこっち、いまいち緊迫感に欠ける感じが否めなかったというか、最初の頃のインパクトはなかったかなーと。あと、一気にばたばたと死にすぎというか。まるでトミノ作品(←その喩えもどうかと)。でも十分面白かったすよ。さやかたんはこれでまた一皮剥けたかなって感じで(←偉そうだな)。最終巻は5月発売予定。

 松本剛「甘い水」
 はひー。
 眞千子が電話して泣き崩れる場面がどうしようもなく切ない。そして夏生がついに!次号クライマックスだそうな。あああああもうどんな結末になるのやら。

 前川かずお「闘破蛇烈伝DEI48」
 ついにオナリキヨ復活。いやもうナニからナニまで濃いな。こちらも次号最終回。どうまとめてくるのか。

 森繁拓真「学園恋獄ゾンビメイト」
 謎のクッキーを食べてクラスメイトがゾンビ化、元彼女もゾンビ化して主人公の脳みそを食べようとする!みたいなかなり危うげな設定のマンガ。ゾンビ化したクラスメイトが淡々と脳みそを欲する様がややいい感じ。以前「6月(ジューン)ドライブ」を短期掲載してた人なのだが、絵柄が若干変わったかな。線がすっきりしたけど、なんとなく前の絵のほうが魅力あった気がする。でもまあ期待。

 水野トビオ「まいど御愁SHOW様!!」
 葬儀屋を舞台にした、ちょっとエエ話。いつぞやのスペでの松田洋子のマンガとか、先日のモーニングの若林健次とか。葬儀屋ってのはドラマの舞台としていい目の付け所なのかもね。で、絵柄も内容もそこそこいいんだけど、ちょーっと華がないカンジかなあ。そこが味といえばそうなんだけど。

 押見修造「スーパーフライ」
 主人公は夜中になると魂がハエ(のようなもの)になって出てくるという性質の持ち主。夜な夜な憧れの女の子の家に忍び込んで、小さくなったままであんなことやこんなことをしていたのだが、ある日、その憧れの女の子に告白され、付き合うことに。しかし、小さくならないと興奮できなくなってしまっていて・・・という感じ。設定とか、流れはいいんだけど、主人公が目覚めるきっかけが弱い気がするな。ここでもひとつドラマが欲しい気がした。でも絵柄はいいし、女の子も可愛いし、期待が持てそな作家ですな。

 しかし別冊、柱が三本抜けるときついなー。

 んー。なんだかなあ。
 話も進んでるし、ヴォルゴの謎にも近づきつつあるみたいなんだけど、なんともダルい感じがしちゃうよなあ。ってのは、やっぱり「サムライガン」そのものが登場しないからなんだろうな。無印サムライガンに惹かれたのって、なんつっても「バキバキバキッ!───サムライガン、推参!」みたいな場面のかっこよさだもんな。それがない月光は、「サムライガン」とは呼びにくいわけですよ。
 そこへ来て今回は月光がサムライガン装束を身にまとう場面があって、少しよかったかな。でも欲を言えば毎回サムライガンであってほしいものだ。やあ、この人の描くエロいシーンとかもいいんだけどさあ。ていうか、是非エロマンガも描いてもらいたいなあとか思うんだけどさ。エロマンガやるならサムライガンとは別にやってもらいたいな、とかね。無印の茜タンとかはいいんだけどさあ。本編がかっこよくてこそのエロというか。
 そんなこんなで、お勧めできるマンガではなくなってしまいました。★☆☆☆☆。

 このひともたまにはサムライガンでない読みきりも描いてくれんかねえ。

(発行日:2003/02/24)

 二宮ひかるの最新の短編集。といってもでたのは去年の秋なのですが。収録は「二番目の男」(1997 フィールヤング)、「乱れる」(1999 ヤングアニマル)、「ラブレター」(1999 ヤングアニマル)、「寄生MIND」(1999 ヤングアニマル)、「のら」(1999 ヤングアニマル)、「Beige −べーじゅ−」(未発表)、「あしたの女王」(1998 ヤングアニマル楽園増刊)、「復讐のように」(2002 ヤングキングアワーズ)、「みじかいお別れ」(2002 フィールヤング)全9編。うち、「ラブレター」はオムニバス形式、「あしたの女王」は4コマ。あ、JETS COMIS だけど A5 版なので注意。
 比較的新しい作品が多いので、絵はすっきりしてて見やすい。が、反面、男には理解しがたい部分というのも増えてきてる気がするな。とりわけ「二番目の男」とか「復讐のように」のような心理ってのは、女性特有の心理じゃないかなーとか思えるんだよな。あと、「のら」の男の子の方が、自分が汚いことに気を遣って、相手にちゃんと触れられない、という心理もどっちかというと女性的な気がする。けど、そういう理解しがたさってのも居心地の悪いものではないんだよな。その辺の匙加減が実にうまいな、とか思えるわけです。
 あと、少年誌青年誌での暗黙のお約束のようになっているものとして、「男の浮気は最終的に許されるが、女性の浮気は許されない(もしくは寸止めになる)」というものがあると思う。もちろん全部が全部それに従っているわけではないのだが、多くはこれに当てはまる。のだが、二宮ひかる作品では、女性が浮気をする(または二股をかける)が、それが許される、というケースが多いんだよな。「女性は浮気しない」ルールってのは恐らく男性の持つ処女崇拝に起因する「都合のよさ」であり、これこそがラブストーリーを非現実的にしている原因のひとつだと思う。が、これに縛られていない分、二宮ひかるの作品というのはリアルに思えて、それが読後の恋愛欲に繋がるのではないかなー、などと考えたりしました。
 そんなこんなで★★★☆☆。帯の「読むと、したくなる」には偽りナシってことで。

 ところで風のうわさによると「ベイビーリーフ」は4月頃単行本化されるらしいですな。少し時間が空いたのでダメかと思っていたんだけど、一安心。楽しみですな。

(発行日:2003/09/03)

 エロティクスFでやっている、読みきりモノを中心とした短編集。「どうにかなる日々」4編、「無毛信仰」、「ハッピーなエンド」、「先生のくせに」収録。
 なんというか、いかにもこの人っぽく、かつ程よくエロティックな作品。冒頭1話目なんかは、なんとなく居酒屋でいっしょに飲んでた男の住む一軒家に、旦那に捨てられた元人妻が転がり込んで、だらだらするって感じ。一軒家がもと連れ込み旅館だと聞いて妄想するってのもあるんだけど、そういう部分も本筋もあまり重要でないんだよな。つくづく雰囲気で読む作家だなあ。なかにはマンガらしい展開のある話もあるのだが、この人の場合はそういうものの方が違和感あるかもなあ。
 初出が「麗人」の「ハッピーなエンド」と「先生のくせに」は片方がホモな双子の兄弟の話。だからといって兄弟でアレなわけではないし、やおい表現もそんなに脂っこくはないので、この手のが相当苦手な人でなければ読めるんじゃないかと。あ、やおいっぽい話はもうひとつあったな。や、こっちも軽めではあるんだけど。

 そんなこんなで、気楽に読めていいんだけど、ただ「……で?」的な感想ってのもなくはないわけで。暇つぶしにはいいかもしれないけど、あえて読みたいと思うマンガではないかもしれないなあ。んー、絵とか表情とかにはものすごく魅力があるし、そのどうでもよさげなあたりも魅力だったりするんだけど、こういうよさって人には伝え難いんだよなあ。
 ということで★★☆☆☆くらい。おためしで読んでみるのがいいかなあ。

 この手の作風って、どんどん記号化してしまいそうなのがちょっと怖いね。

(発行日:2003/01/08)

 待ちに待った月刊化第1号!!……なのだが、なんともはや微妙な雑誌になってしまった感アリ。
 総ページ数が減っちゃうのはやむなしなんだろうけど、ということは作品ごとのページ数も若干減ってるっぽい感じ(ちゃんと比べたわけじゃないけど)。林田球「ドロヘドロ」なんかは30ページなかったんじゃないかな。松本次郎「フリージア」も少し少なかったっぽく、いずれもちょっと読み足りない感じ。あと、作品数もなにげに減ってるような気が・・・黒田硫黄が休載だったせいかな。
 新連載はどれも微妙。というか、月刊化と同時に連載ってことで雑誌の柱になることを期待する面もあるんじゃないかと思うんだけど、いずれもちょっと弱いんじゃないかなって気がする。IKKI読者は目が肥えてるだろうしね。
 今号で目を引いたのは、日本橋ヨヲコ「G戦場ヘヴンズドア」かな。さらに脂っこいところに突入してきた模様。町蔵がひとつの答えにたどり着いたってとこであと2〜3回で終わっちゃいそうな雰囲気もあるけど、まだかな。まだ「戦友」って感じにはなってないしね。それにしても鉄男の鬼気迫る様子は迫力があってなかなかイイ。

 おまけCD-ROM。全部は見てないんだけど、どうなんじゃろね。実写版「鉄子の旅」のためと思えば、ゲストもアレなのでしょうがないかなって感じだけど、大洋信者でないわしは鉄コンのドーガなんてみてもあまり感激しないしなあ。亀雄センセの作品がひさびさに読めたのはよかったけど、これも紙のほうがよかったんじゃないかなあ。あー、いや、保存すること考えたらデジタル化されててよかったのかな?でもとりあえず音声はいらなかった。

 いずれにせよこれからって感じかなあ。期待しすぎない程度に期待しておきます。