「演歌の達」「ざこ検マルチョウ」の高田靖彦の新作。ドラフト1位で人気球団に入団しながらも、実力を発揮できずに失意のうちに球界を去った門前と、その門前のために日陰だったがアメリカに渡りメジャーリーグで大活躍する矢畑。そして弱小仙台ファルコンズを買い取り、チームの再興と野球場の「ボールパーク」化を夢見る女傑オーナー鳥塚。ファルコンズ再興の目玉として鳥塚が掲げたのは、門前の球界復帰と矢畑の獲得であったが・・・という感じ。あらすじ長すぎ?

 何度か書いてるけど、連載追ってるとかなりダレ気味なのよ。なんかこう、じっくりしすぎててまだるっこしいというかね。けど、こうやって単行本でまとめて読むと、すごく面白い。それぞれの考えてることがしっかり伝わってくるし、毎回毎回じんわり熱いし。「マルチョウ」のときにもやはり連載で追うよりも単行本でまとめて読んだ方が面白いなと感じたんだけど、これも同じだね。というか、こっちはマルチョウにはなかった熱さがある感じ。なんていうかね、内に秘めたる闘志みたいな。じんわりというか、じんじん熱い感じ。なかなかいいですよ。
 そんなわけで★★★★☆。

 ただなー。やはり連載追ってていまいちのめり込めないってのは、週刊誌、隔週刊誌くらいだと結構致命的なんじゃないかなと思うのね。幸い掲載誌が落ち着きがあって、じっくり読ませるタイプの作品もちゃんと載せられる雑誌なので、いきなり切られちゃうってことはなさそうだけど、この調子だと人気落としちゃいそうだよなあ。かなり心配。大好きな作家なので、がんばってほしいです。

 あとこの作品、スペ増刊掲載の「ドライチ」って読み切りがプロローグ的な位置づけになるんだけど、これが載ってなかったのがちょっと残念。最終巻あたりに収録されるといいんだけど、ムリかなあ。

(発行日:2003/06/01)

 もしかすると、今一番発売を心待ちにしている雑誌かもしれない。なかなかバランスが取れててイイ雑誌です。いや、バランスはそうでもないかな。まあいいや。
 今回は表紙を見て「吉田戦車」の字に心躍る。いや、吉田戦車の描く女性って、なにげにエロいじゃないですか。吉田戦車の描くエロ描写ってのも、けっこうツボなんですよ。これは!って感じだったんだけど、、、正直ちょっと拍子抜けかなあ。吉田漫画としてふつーに面白かったですけどね。

 志村貴子「どうにかなる日々」
 マイペースオムニバス連載。以前の出ちゃう部屋に住む、見えちゃう女の子とそこに住まう幽霊のお話。続きと言うよりはあれの前って感じ。相変わらずの雰囲気で。今回、オチとかなかったので「で?」って感じはぬぐえないけど、まあいいんです。

 松本次郎「未開の惑星」
 そろそろまとめにかかってるっぽい。相変わらずというか、ますます妄想と現実の境界があやふやになってきてる感じだがそこがまたいい。いい加減単行本にしてほしい。

 駕籠真太郎「はらきり」
 相変わらず。読んでるとうっかりわしも腹を切ってしまいそうになる。

 安田弘之「紺野さんと遊ぼう」
 最終回。残念。

 小田扉「お母さん対古野さん」
 古野さんのけなげさがよい。

 羽央「クロニクル」
 ありがちな設定だなーとか思ったけど、それなりによかった。

 あー、そうか、この雑誌、捨てるところがないんだよ。だから面白い。ところで、今日ふと思ったんだけど、これだけ裸率の高い雑誌を隠しもせずに電車の中で読むのって、もしかしてセクハラつーか、いやらしいオヤヂって感じですか?少し自重しようかな。
 次号は6月末発売。

 山崎さやか版「七瀬ふたたび」もついに完結。
 んーと、実は小説未読なのですが、なんとなく最後の方は原作通りというか、原作を超えてないんじゃないかなーという感じがするです。小説版と結末が違ってでも、小説を超えるようなものを描いてもらいたいとか思っていたので、ちょっと残念かな。いや、読んでないくせにあれこれ言うのもなんですけどね。
 でも、終始緊迫感あったし、絵もよかったし、いいマンガだったんじゃないかなーと。この作品で一皮むけた感じするもんね。とか偉そうに言ってみる。もっと藤子とか恒夫が活躍するところを見てみたかった気もするけどね。あるいは小説には出てこない能力者を出しちゃうとか。もっとはっちゃけてほしかったかなあ。
 いやいや良作ですよ。★★★★☆。今後、彼女の代表作として真っ先にあげられる作品になると思うです。

 懸念していた週刊出張の特別編(家族八景)もちゃんと収録されてました。あと、本編は結構書き足しや書き直しがあるね。セリフやモノローグもわかりやすくなってるところが多いし、あーコマ自体も書き換えてるのがあったかも。いいんだけどさー、連載時の分、捨てられないじゃんかよう。いや、いいんだけど。

 ちなみに今日は「東京家族」も同時発売(未読)だったんだけど、この「NANASE」の帯でしっかり宣伝されてるの。出版社違うのになー。すごいな。出版社にアイされてるかしらね、さやかタンは。

 ───と、書いて更新しようとしたら、3巻のときに書いてなかったんだなー。うひー。うん、3巻後半から緊迫するところに突入するので未読な方はこの機会に是非。あー、NANASEは普通のヤンマガKCよりもいい紙使ってるのよね。やっぱり愛されてるのね(笑)。

(発行日:2003/05/06)

 4巻目。
 安定はしてきてるんだけど、ちょっと物足りなさもあるかなあ。この巻だと最初2話は前巻の続きで、壮の姉がやってくるエピソード。なのだが、そのあとは例によって、子供一人一人を主役にしたショートエピソード。こういう形式は読みやすくていいんだけど、逆に軽いというか。少なくとも「読まなくちゃ」という気にはならないんだよなあ。引きが弱いというのかな。設定上しょうがないことなのかもしれないけど、数話引っ張れるエピソードの中で、子供らがそれぞれ持ち味を出して・・・という感じになると、引き込まれやすいんじゃないかなあ。
 ただ、一般誌だとこういう形式が望まれる、というのもあるかもしれない。読み切りで、一話二話とばしても問題ないってやつね。とくにアクションなんかは、ビッグコミック、オリジナルあたりとならんでそういう系統の作品が多い雑誌だし。
 でもまあ、マンガとしてはなかなか面白いですよ。★★★☆☆くらい。

 子供らの中では栄子がなかなかいい味出してると思う。1年以上もなにもせずにブラブラしてるっつーのもすごいが、言動がことごとく現代っ子ぽい。いや、しらんけど。そんな子が徐々に変わっていくみたいな感じはうまく書けてると思う。
 けど、力とか勇あたりはなあ。力なんかいい子過ぎだよなあ。19、20の男の子なんか、あんなに物わかりよくないだろう。んー、なんか全般に男の子はあまりリアリティがないような気がするのよね。対して壮さんとか吉村なんかはいいんだけどね。いや、吉村はおいしすぎ。ああいうの、いるよなあ。いかにもマンガチックではあるけどさ。

 NANASEでこれの宣伝をしていたように、こっちでは帯でNANASEの宣伝。ある意味すごい。別冊の連載がなくなっちゃったからなあ。こういう機会って減っちゃうのかな。だとすると残念。

(発行日:2003/06/06)

 最終巻。
 ついに48手を極めた破武男。復活したオナリキヨは人類を滅ぼそうとする邪神だった!というような、アレですよ、神とか悪魔とかいうとこういう方向になりがちな感じですが、それでもこのマンガはバカバカしさと迫力を失うことなく、最後まで突っ走ってくれました。48人の繋ぎ女(つなぎめ)集結とか、勃立坂、アマミキヨなんかも設定を覆すことなくうまく結末に結びつけ、正しいエンディングに持って行けてるんじゃないかと思います。
 いやいや、この手のマンガ、途中で大義名分が変わったりとか、話途中で終わったり、あるいは途中端折ったりとか、100%でない状態で終わってしまうのが常なのですが、この作品に関しては、途中ダレは多少あったけど、書き切れてると思います。
 そんなこんなで。かなりバカバカしいマンガではありますが★★★★☆で。

 しかしこの人、今後はどうするのかなあ。
 劇画調の作品を描くことはできるだろうけど、何を描いてもこれのイメージがつきまとっちゃいそうだよなあ。それくらいインパクトがある作品ってことなんだけど、こういうのは諸刃の剣よね。でもまあ、次回作に期待っつーことで。

(発行日:2003/05/06)

 二宮ひかる最新作。去年だっけか?ヤングキングアワーズに短期連載(といっても月刊誌なので半年くらい続いてた)されていたもの。全6話+読み切り1編。

 内容は、「ハネムーンサラダ」を読んだ方ならお分かりになると思うが、あの二人の子供の頃のお話。登場人物に名前はついていないのだが、まあそういうことだ。ラブストーリーって感じではなく、中学生の、中学生なりの恋愛みたいのを切り取ったって感じかなあ。各話がひとつひとつ読み切りっぽい話になっているので、淡々としている印象がある。あと、あれだなあ。間違いなく「ハネムーンサラダ」のあの二人なんだけど、なんとなくキャラが違う感じがする。いや、まあ同じである必要は全然ないんだけどさ。
 読み切りの方は、残りのひとりのお話。今年の春くらいにやはりアワーズに掲載されてたやつ。こっちも、なんとなく違和感があるんだよなあ。こんなに「お姉さん」な感じじゃないよなあ、みたいな。

 なんて書いてるけど面白くないワケじゃなく。相変わらずイイ気持ちにさせてくれるマンガ家さんですねえ。
 つーことで★★★★☆。甘いかな?

 そろそろ長い連載も読んでみたいキブン。次は何に載るのかなあ。

(発行日:2003/07/01)

 おなじみ宇宙の働くおじさん。安定して面白い。
 前半は吾郎の母親が亡くなるエピソード、後半は米軍の秘密兵器「ガーディアン」と耕介のエピソード。これさあ、外で昼飯食べながら読んだんだけど、前半のはほんと泣けるんだよなあ。淡々としていながら、最後に父親が送ってきたビデオデータを見て号泣する吾郎タン。もうね、この辺読んでてメシどころじゃなくなりましたよ。ほんとに。
 掲載誌がアレなのでイマイチ評価が低い気がするのだが、良作。★★★☆☆くらいで。や、考えてみればこの人もちょっと不憫っつーか、掲載誌に恵まれてない感があるなあ。モーニングで連載してたことはあるけど、「一平」はアクションだしねえ。まあ、ヤンジャンだのスピリッツだので描くような作家でもないんだけどさ。でももうちょっと評価されてもいいんでないかなーと。

 あと、あれだ。この作品、吾郎パートとロストマンパートがあるんだけど、その辺が適度に絡みつつ進んでるのがいい感じだよなあ。最近はそこに耕介なんかも絡んできてて。で、各エピソードって基本的には独立してるから、後腐れなく読めるってのもいいところなのかなあ。どっちかっつーと、ターゲット年齢層の高い雑誌向けの作品ってことかなあ。いや、いいんだけどね。

(発行日:2003/07/01)

 サボりまくってしまったな。いや、実際今月はあまりマンガ読んでないかも。単行本はタニだったしね。それにしてもなあ。基本的に読むヒマがないからってのが大きいかも。むう、もう少し余裕を持って生活したいなあ。
 この週末は少し買い込んできたので、明日はまた更新するかも。

 雑誌。
 ガンダムエースとIKKI。ともに最近月刊化されたわけだが、ともに危惧したとおり内容が薄くなってる気がする。IKKIの読みどころの減りっぷりはすごい。次号で日本橋ヨヲコが終わってしまったら、もはやドロとフリージアくらいしか雑誌を買うための原動力がなくなってしまう。こうなったら買わないかもなあ。

 フィールヤングが面白いらしい。宇仁田ゆみとか。あと誰だっけ?買ってみようか。でもちょっとはずかしい。エロ本は買えるのだが。