青年誌、一誌に一本、医者漫画。
これはオリジナル連載の医者漫画なのだが、「医龍」や「ブラックジャックによろしく」みたいな医療業界系ではなく、お医者様の成長+人情ドラマて感じ。開業医の息子の、内縁の妻の子、という立場だが、元気いっぱいの若い女医さんが主人公で。まあ、アレですよ、まわりの人と関係しながら、がんばっていくっていう感じっぽいです。この人のマンガだと、長いことやってた「おかみさん」に雰囲気近いと思います。口当たりがいいので読みやすい。ただ、心に残らなかったりするかもなあ。読みやすさと紙一重って感じだもんな。
で、それとは別の懸念がひとつあって。この巻の最終話が救急救命する話なのですが、普段は半人前の主人公・ちろるが、心停止した患者に対して火事場のバカ力を発揮して命を救っちゃうのね。で、彼女には以前からそういう性質があって・・・とかいう設定になっちゃったりするんですが。これがなんとなく後出しジャンケンくさくもあり、あるいは「め組の大吾」とか「ゴッドハンド輝」とかだよなあ、というのがね。
なんていうか、単純な成長モノ+人情モノにしたくない、ということでこっち方面に方向転換していくんだとしたら、どんどんつまらない方向というか既視感満載の漫画になってしまうんじゃないだろうか、とか心配です。
なんかうまい方向に進んでいくといいんだけどなあ。
そんな感じで、とりあえずは★★☆☆☆。
ごくごく個人的な好みで言えば、この手の漫画は人情モノだけでいいんじゃないかな、とか思うです。まあ、それだけで連載長続きさせるのは確かに難しいけど、そういうもんじゃないかなあとも思うし。
厳しいかなあ。
(初版発行日:2003/11/01)