やや出遅れた感あり。知らんけど。

日付項目期待値ひとこと
05/07村枝賢一「仮面ライダーSPIRITS」(6)☆☆延期
05/08ジョージ朝倉「ピースオブケイク」(1)☆☆☆☆むうっ
05/17曽田正人「capeta」(4)☆☆☆☆いいペースだ
05/17コージィ城倉「おれはキャプテン」(3)☆☆☆なかなか
05/21山崎さやか「はるか17」(2)☆☆☆もうひとつ
05/25志村貴子「放浪息子」(2)☆☆☆☆延期されてた
05/28太田垣康男「MOONLIGHT MILE」(8)☆☆☆☆地味ながらも

  なんか発売延期が多いな。まあいいんだけど。
 ところで5月はまた海外出張があるかもシレン。またなんとかしなくちゃならんのかしら。

  新宿西口、ホームレスになりきれないホームレス・名越が、医大生・伊藤に、 70万円で頭蓋骨に穴を開ける「トレパネーション」を施術するアルバイトを持ちかけられる。 トレパネーションを施すことで第六感が芽生えるというのだが・・・というようなお話。 名越はトレパネーション後、左目だけでひとを見ると人がロボットに見えたり、化け物(ホムンクルス)に見えたりするようになる。 ホムンクルスは人間の本性を投影したものか何かなので、名越はそれを見ることで人の過去に触れたりする、というような感じになりつつある。

  山本英夫という人、「殺し屋1(イチ)」「のぞき屋」とセンセーショナルな作品を描いてきているのだが、 今回のこの作品もなかなか目が離せない。トレパネーションという行為そのものもショッキングだが、 その後の展開がまた興味深い。またこの人のことなので、安易にこの能力を使って事件解決、みたいな話にはならないだろう。 展開が予測できないのもまたこの作品への興味に繋がるわけで。
  そんなこんなで★★★★★。今スピリッツを買う理由のひとつになっている作品。長い間休載していたのだが、いやほんと戻ってきてよかった。

  2巻の感想を書こうとしたら1巻の感想を書いてなかったのな。
  えと、この人のマンガ、話もそうなのだが人物描写がなんとも面白い。 クセのある主人公名越の描写もそうだが、医大生伊藤なんかも、風貌だけでなく言動がいちいち怪しくてよい。 ホームレスの連中とか、ヤクザとかね。「マンガ」を描くのがうまい人だなあ、とか思うです。

(第1巻発行日:2003/09/01)

  ロリ・オタ・プーのダメ人間カズフサと、自称・恋愛成就率100%の愛の天使ラブやん、そしてそのほか周りのダメ人間たちが、 ダメっぷり全開でドタバタしたりするマンガ。くだらないがやはりこういうのが好きなあたり、自分もダメ人間なのだなあ、とか思ったり思わなかったり。
  内容の方は相変わらずで。萌ちゃんが中学生になったりとか、庵子と海にいったりとか、ラブ時空の通販番組でメイドロボを買ったりとか、 まあそんな感じ。しかしこの作品、しっかり作中で時間が流れてるんだよなあ。このままマターリと続いても良いのだが、 このまま5年は続けられないよなあ。それならそれでよかろうし、続いたとしても(かなりイタそうだが)まあいいか。 つまりどうでもいい、ということで。いや、いい意味でね。
  なんだがよーわからんが★★★★☆。アフタヌーンを買う理由の15%くらいがこれだな(微妙な)。

  このマンガ、細かいとこもあれだよなあ。わりと毎回楽しみなのがラブやんやカズフサの着るシュールなTシャツだ。 「よつばと!」の風花に匹敵するくらいシュールだ。あと、第21話でカズフサがオネイニーするときの音がナニゲに「ガッシュガッシュ」なのも。
  しかしジャモジさんはすげえなあ。

(発行日:2004/04/23)

  アフタヌーンを買う理由の10%くらいがコレ(しつこい)。 いやなんとも形容しがたいんだけど面白いね。 コメ要素の比重が高いラブコメではあるんだけど、なんつーか心洗われるような感じだよなあ。胸がすく、とでも言うんだろうか。 なんかこう、こんな汚いオッサンでごめんなさい、というか。 TRACK#8の日向さんが、星野の「俺は根岸さんといるだけでドキドキします」というセリフにじーんとなるシーンがあるんだけど、 まさにあんな感じだよな。日向さんってのはある意味読者の分身である、というかね。
  個人的にいいなーと思ったのがTRACK#9「笑顔になるホシノ」。何を隠そうこの回をアフタで読んで、このマンガにはまり始めたのだ。 どこがいい、って聞かれると答えにくいのだが、なんていうか雰囲気があると思う。 ライナーノーツ(おまけというかあとがきというか)で作者自身が「お気に入り」「かけて良かったな」と評しているのをみて嬉しくなったよ。
  や、その他のもいいんだけどね。細かいボケつっこみとか。いや、星野くんのボケは素晴らしいね。それに対して根岸さんの突っ込みはどんどん迫力というか、破壊力を増してるなー。 わしもこんな風に突っ込まれてみたいです(何を言うか)。
  そんなわけで。★★★★☆。

  ところで5月号あたりから絵柄が少し変わってきてる気がする。気のせいだろうか。 や、すでにTRACK#0以前とそれ以降で違ってたりもするけどそれはさておき。 まあ作家歴の短い漫画家さんだから絵柄は変わって当然なんだけどね。 んでもなんか違和感があってねえ。なんかね、この人の絵だと、夕方くらい〜夜の少し影が出てるくらいの時刻の絵がいいのよね。 TRACK#6の図書室の場面とか、TRACK#9の自転車の練習する場面とか。
  やあ、なんかノロケてるみたいな気がしてきた。唐突におしまい。

(発行日:2004/04/23)

  不思議な女の子よつばと、まわりの人たちがドタバタしたりするマンガ第二弾。
  いやー、面白いなー。★★★★★(早っ)。

  や、この人のマンガって、何度も読み返したくなる不思議な魅力があるよね。 前の巻も何度となく読み返したし、この巻も買ったその日に3度は読んだな。 「あずまんが大王」なんかは何度通して読んだかわからんよ。
  なぜ何度も読みたくなるか考えてみたのだが、なんていうか笑いの間とかテンポがすごく心地良いんだよな。 笑いの取り方が一発じゃなくてさ、前後踏まえてドカっと来たりするじゃないですか。 ってわかりにくいな。いや、ギャグって解説するモンじゃないからあえて書かないけど、 この人の書く笑いってのはそういう性質があると思うのね。 で、それを味わおうと思うと、通して読むしかないのよ。 そのコマだけ眺めるとか、思い出す、とかってんじゃダメなのね。 うむ、説明するとつまらなくなりそうなのでこの辺で。

  そんなこんなで。どんなかは聞くな。
  いいマンガだな。なんつーか、読むとしあわせなキモチになれるマンガだ。
  しかしお母さんはいい人だよなあ。

(発行日:2004/05/15)

  自主映画監督・真島の前に突如現れた女子高生・ミカ。貧乳の彼女は真島と繋がりのあった巨乳タレント中村ヒナを殺害してしまう。 偶然その場に遭遇した真島は死体とミカをフィルムに収めつつ、自首を勧めるが、ミカは「巨乳になってから自首する!」と自首を拒み、 ふたりの逃避行がはじまる───という感じか。つーか、これじゃ何がなんだかわからんな。 いや、そのわからなさ加減がこの人の持ち味のひとつではあるのだがそれにしても。
  いや、実際話もよくわからないです。ジェットコースターのように読者を振り回すのはこの人の手としても、 ミカが何を考えてるのかもよくわからないし、真島もなぜかどんどん姿を変えていくし。 なにより、どこにどう落ち着けようとしているのか全然見えない。それは悪いことではないんだけど、 読んでいて座りの悪い感じを生み出しているのも否めないかな、とか思うです。

  好きな作家なんだけど、この作品は正直読みにくい。
 つことで 、★★☆☆☆。
  いや、まだまだこれからだとは思うんだけどね。 んでもなあ。連載時点であやういなーとか思ってたんだけど、まとめて読んでもいまいちわからなかったもんな。 あとは最後までまとまってみてどうか、ってところだろうか。いや、最近の展開は少し面白くなってきてるんだけどね。 んでもわかりにくさは相変わらず、というか今まで以上にわかりにくくなってきてるもんなあ。 ヨシアシかな、と。
  何度か書いてるけど、フィールヤングの「ピースオブケイク」の方が楽しみかも。こっちは5月単行本発売だったか。

(発行日:2004/06/01)

  なんとなく表紙買いしてしまった一冊。というか、帯買いか。 帯のゆうきまさみのコメント「今、漫画化されたのがビックリなんですが、(中略)“時をかける名作”が、新鮮な作者の手によって、またよみがえりました!」てのを読んでなんとなく手に取ってしまいまして。 や、陳腐といえば陳腐なコメントではあるんだけどね。なんとなくひっかかったんですよ。 あとまあ、正直なところ、休日に電車に乗るにあたって手持ちぶさただったってのが大きいんですけどね。

  ともあれ。
  んむー、どうなんだろうか。
  ってのはつまらなかった、ってことじゃない。むしろ楽しく読めましたよ。 ただそれはわしが原作未読だからなのかも。あと、実は映画も一度も見てません。 なので、スジを知らないから楽しめてるのかもしれないなあ、とか思ったりもして、 なんとなく素直に「いいマンガだ」とは言いにくかったりして。
  や、同じことは山崎さやかの「NANASE」にも言えたんだけどね。 ただあれは画力に圧倒されたってのがあって、多分原作知ってたとしても楽しめたと思うのよね。 他方このマンガはどうだろう?とか思うとちょっと疑問。 表紙を見ればわかる通り絵はこんな感じだしねえ。いや、これがミスマッチだとかってんじゃなくてね。 原作を知ってる人はむしろこういう絵柄だと嫌うんじゃなかろうか、とか思えたりもするし。

  や、まあ肝心なのはわし自身が楽しめたかどうかってことだよな。 そういう意味だと、全然アリです。2巻が出たら多分また買いますよ。
  つーことで★★★☆☆。

  ただ、人に勧めるか?っつーと微妙かな。原作を読んだこと/見たことがないひと限定なら勧めてもいいかなあ。しかもこの手の萌え系の絵柄に拒否反応おこさないヒト。 となるとかなり数が限られそうに思うんだよなあ。どうじゃろか。

(発行日:2004/05/01)
【このトピックへのコメント】
  • くろひょうどうでもいいがその帯でゆうきまさみの代表作が『「究極超人あ〜る」「じゃじゃ馬グルーミン★UP!」「鉄腕バーディ」他、多数』に。なぜパトレイバーがないのだ。。(2004-05-05 01:07:49)

  中学時代にヒイキでエースをやっていた三橋は、越境入学した高校の1年ばかりのチームの中でエースに仕立て上げられてしまう。 中学時代のいじめのせいで卑屈になってしまっている三橋は辞退しようとするが、 謎の女監督・百枝とキャッチャーの阿部にひきとめられ入部することになるが・・・という感じ。
  いやもうもろ野球マンガなんだけど、非常に面白い。 野球そのものの部分というよりは、それぞれの心の動きみたいなものが実にいい。 とりわけ三橋と阿部のやりとりは目頭が熱くなるものがあるね。 阿部のセリフ「オレがお前をホントのエースにしてやる」があって、 三橋のモノローグ「オレはこのチームで、ホントのエースになれるかもしれない───!!」とか、 「だってお前、がんばってんだもん!!」とか。 極めつけは「勝ってエース手に入れるぞ!!」だよな。 いやいや。これ書くために今読み返してたんだけど、また半泣きですよ。どうしてくれよう。

  そんなこんなで。生まれて初めて野球マンガを読んで心底面白いと思った、そんなマンガです。
  文句なし★★★★★。

  連載の方では三橋の元いたチームの三星学園との練習試合に決着がついている。 この辺の展開がまた熱いなあ。2巻が出るのが待ちきれないっすよ。

(発行日:2004/03/17)

  霧隠主将(キリガクレカズマサ)はごく普通の中学校に通う中学2年の野球部員。 万年補欠で幽霊部員のような存在だったのだが、ひょんなことからチームのキャプテンに任命されてしまう。 それをキッカケにカズマサはわがままし放題で自分のチーム作りをはじめてしまうが・・・という感じ。

  いや、面白い。
  カズマサのわがままっぷりとか、壊れっぷりがなんとも面白い。 や、単純に野球マンガの部分も面白いのだが、なんせ人間だな。 この人はこういうひとくせふたくせある人間書かせるとうまいよなあ。 カズマサの作戦がすべりつつもチームはうまくいってしまい、 しかし自分の言うとおりにならないことでカズマサはいらついて・・・ というあたりの描写なんかはもう最高だな。
  あきらかに「キャプテン」「おれは鉄平」のパロディだ、ということなのだが、 しかしわし、これらを実は読んだことがないのよね。いや、表紙とかロゴとかから推測はできるけど、 内容的にどうなのかってのがね。多分細かくはいろいろ対比があったりするんだろうけど、 そういうの抜きでも十分面白いです。 また、野球がわからなくても楽しめるんじゃないかな。
  ということで★★★★☆。

  でも実はこれよりもスピリッツでやってた「ティーンズ・ブルース」の方が好きだったりする。 あっちはもう続き書かないのかしらね。

(発行日:2004/03/17)

  就職難のさなか、企画・マネージャとして芸能プロダクションに就職したはずの宮前遥(22歳)だったが、 そこの社長にタレントになることを頼まれ引き受けてしまう。年齢を5歳もサバ読み、「はるか17歳」として、グラビア、CMなどで徐々に露出していく・・・という感じ。

  相変わらず女の子はカワイイし、オッサン書くのはうまいし、いいマンガだと思う。 が、なーんか足りない気がしちゃうな。 何が足りないのかはよくわからんのだが、カタルシスがないというか、 なんとなく淡々と進み過ぎちゃってる印象が強いのかなあ。 や、作品名から察するにあまり長く続けるつもりもないのかもしれない。 作中でもはるかは1年限りという約束で芸能活動をしているわけだし。 なので生き急いでいるってところがあるのかもしれない。 そのせいか、なんとなく話が軽い印象を受けちゃうんだよな。 それなりに脂っこいところも書いてはいるんだけど、 それもあまり重くないし。
  ということで、とりあえず★★★☆☆。ふたつにしようかと思ったけど、期待値込みで。

  ところでマイナス完全版買いました。例の「遭難クッキング」とその前話「そーなんですか!?」はちゃんと収録されてるんだけど、 なんかそれだけって感じがするなー。「完全版」というからにはせめてカラーページをカラーで収録して欲しかった。
  で、表紙とかは今の山崎さやかが書いた恩田さゆりだったりするのだが、こんなにも絵が変わったんだなー。 違和感ありすぎ。いやいやうまくなったってことだけどね。 今の山崎さやかが「マイナス」書くと、すごいことになりそうだな。それもまた読んでみたい気もする。

(発行日:2004/02/23)

 「女30歳ってどうなのよ?」みたいなマンガ。
 いや、そんな重い話じゃなくって、いつもの伊藤理佐風なんだけど、まあテーマとしてはそんな感じっぽいです。

 アイコ30歳。彼氏は漫画家を目指すプー太郎。自分の行き場をもとめてうろうろして、ある日合コンで「運命の人」に出会って・・・というのがこの巻の流れ。や、実はこの先の方が面白いのだが、まあとりあえずね。この先読むならここまで読んでおかないとって感じか。
 30歳ってどうなんでしょうか。男は・・・というか、少なくともわしは30って年にはあまり深いこと考えなかったな。さすがにこの歳になるとこのままでいいんかな?みたいのあるけど、女性の30歳ってのはこんな感じなんだろうか。いやわしもね?最近手相とか占いとか見かけると、ふらふら〜っと入りそうになっちゃうもんなあ。なのでなんとなくわかるというか。や、まあ男と女だと違うのかもしんないけどさ。

 そんな感じで(?)。マンガとしてはどうかなあ。★★☆☆☆くらいにしておく。面白いけど、特に勧めません。この人のマンガとしては平均点ってとこでしょうし。しかも掲載誌がフィールヤングと、思いっきり女性誌なのでそれなりだし。でもまあ、好きな人は好きだろうなあ、こういうの(わし含む)。

 ところで伊藤理佐のマンガの感想書くのは初めてだったのね。単行本としてはそんなに数はこなしてないけど、ちょこちょこ読んでるよなあ。イブニングでやってるのもオモロイやね。なんつーか、仕事師っぽいイメージがあるです。

(発行日:2004/01/30)

 帯であらすじ紹介。

 カゴから抜け出て窓を開けて───
 待ち受けていたのは、ドタバタ雑居ライフ!

 年上の彼に依存してきた7年間
 毎日を「なんとなく」過ごしてきたミキ───
 飼ったり飼われたりの恋って、どうなの??

 ま、そんな感じです。
 キミドリ頭の鎌谷がこの話の王子様になるわけだが、鎌谷も主人公のミキと同じく飼われていた過去があるらしく。この巻の最後でミキと鎌谷はくっつくのだが、そこで終わらないからにはこの先何かあるってことで。そうすると鎌谷の過去とかも関係してくるのかしらね。
 しかしまあ、この人のマンガの楽しみ方としては、そういう話の筋はちょっとおいといて、女の子の可愛らしさかなあとか思うわけです。とか言うと話を作ってる作者に失礼かもシレンが、まあ、あれですよ、話の筋をちょっと置いておきたくなるくらい女の子がカワイイってことね。絵が、ってんじゃなくて、なんつーか描写がいいやね。ドジというかマヌケっぽいところとかね。
 あと、サブキャラがいちいち良い味出してるよなあ。トミコとケンちゃんもそうだが、ダイキとかいいよなあ。わしもマンガを古紙回収に出すときは半泣きですよ(嘘)。

 しかしまあ、勧めるかっつーとちょっとなあ。面白いんだけど、「これ、読んでみてよ!面白いから!!」とは人に言いにくい感じ。どこがどうってんじゃないんだけど、なんていうか「ココが面白い!」と言えるポイントがないところとかかなあ。
 なので、★★☆☆☆。んー、女性誌作品だから勧めにくいってのもあるかもしんないな。ってのは、女性誌の何が面白いか?ってとこからはじめなくちゃならないような気がして。そもそも何がいいのかよくわからんし。いや、面白いんだけどね。

 かなりどうでも良いことではあるんだけど、絵がちょっとなーとか思うシーンがいくつかあった。例えば200ページ2コマ目。畳に対する人物の大きさがなんか変。ページめくって202ページ上のコマと見比べるとよくわかる。縮尺に関してはそのあとの208ページもちょっと。細かいところではあるんだけどさ、比較的シンプルな絵柄なだけに、こういうのが気になっちゃうのかしらね。
 や、まあ、まだこれからうまくなる作家さんですし。気にしませんけどね。

(発行日:2004/04/15)

 一度寝た男がいるバイト先を辞め、自分を思い通りの女にしようとする彼氏に振られ、挙げ句部屋の「幸福の木」まで枯れてしまい、いろいろやり直すために叔父が経営する築30年超のアパートに引っ越した志乃。そこで脳天気な笑顔の男・京四郎に出会うが、彼は友人に紹介されたバイト先の店長で・・・という感じ。

 この人のマンガっつーと、どこかぶっ壊れたところがある感じなのだが、このマンガは比較的普通だなー。ごく普通の恋愛マンガ。「少年少女ロマンス」や「平凡ポンチ」のようなジェットコースター感はないな。今のところ。
 じゃあつまらないかというとそうではない。恋愛マンガとしてかなり偏差値高いよ。いや、正直女性誌掲載の女性向け恋愛マンガとしてはどうなのか、と言われるとわからんが、マンガとしてかなり面白いと思う。なんていうのかな、本筋とそうでない部分、遊びの部分のバランスが非常によい。あと、やはりセンスかなー。とりわけ何気ない会話のセンスというかテンポというか、が非常によい。
 以前ほかの作品の感想で書いたかもシレンが、マンガにおいて「テンポ」とか「リズム」って非常に大事だと思うのね。いや、そもそも速度なんか読む人任せのマンガというメディアにおいて、「テンポ」「リズム」とか「間」ってものを感じさせることが出来る、という時点ですごいと思う。というか、それを感じさせるということはすなわち「テンポ」がよい、ということに他ならない。
 で、この作品。例えば第3話冒頭の京四郎と志乃の会話とかね。あと、48〜49ページの志乃と友人のナナコのやりとりとかもいいよなあ。ナナコが志乃を撫でるときの絶妙な間とかね。ほかにもいろいろあるんだけど、とりわけこの巻最後で、志乃が京四郎に思いをぶちまけるあたり。この辺はいかにもこの人のセンスって感じだよなー。

 そんなこんなで、少女漫画ながら男性にも読んで頂きたい感じ。
 ★★★☆☆。

 しかしなー。
 「男(ナン)センス」はないだろー。ねー。

(発行日:2004/05/15)