いいなあ。最高。★★★★★。(はやっ)
えーと前巻の続きで、三橋の元チームメイト達の学校・三星学園との練習試合に決着。
そもそもは「勝ってエースを手に入れるぞ!」っていう試合で、これに負けちゃうと物語としてどうなのよ?
ってのはあるんだけど、ただ勝ち負けはわりとどうでもいいよなあ。
それよりは登場人物それぞれの心理が非常にヨイ。
三橋は自分が抜けたことによって「チーム」になっている三星の面々に未練を感じつつ、
そんな三橋を見て阿部は、三橋に西浦(というか自分)を選ばせるために勝ちを急ぐ。
対する三星の投手・叶は、自分が投手として三橋に劣っていることにコンプレックスを持つが、
中学時代に三橋とバッテリーを組んでいたキャッチャーの畠は三橋のことを認めない。
越境入学してきた4番・織田も、三橋の特殊なストレートと阿部のリードに翻弄されるが・・・。という感じ。
や、まあこれだけ書いてもわからんのだけどね。
なんていうかさ、それぞれの想いっつーのがちゃんと描かれていて、それが逐一胸に突き刺さる感じ。
三橋、阿部、叶の三人の想いはもちろんなのだが、今回いい味を出しているのが西浦の5番・花井と、
三星の4番・織田だな。
花井は自分ももと4番であったにもかかわらず、田島の圧倒的なセンスの前に4番を譲っている。
自分のプライドと、田島を認めようとする気持ちとの交錯の具合がなかなか。
ワンナウト一塁で田島が敬遠されての打席、
「・・・だけど頭くる必要はない、田島はそんだけの打者だぜ!落ち込む必要も、ない!」
ってあたりがね。
まあ正直高校1年生にしちゃ人間できすぎだろって感じもあるんだけど、でもまあいいキャラだよな。
たしかにキャプテン向きだこりゃ。
織田もなかなか名セリフが多い。が、一番は逆転された直後の叶とのやりとりのあとの
「お山(マウンド)の大将はそれでエエんや。オレはそういう投手がスキなんや。ふんばれ、叶!」
だな。関東大会とかにでもならん限りは三星と試合をすることはないだろう。
ってことはこの織田なんか、もう二度と登場しないかもしれないってキャラなのに、
それでもこのくらい入れ込めるってのは、書き方がうまいんだろうなあ、って思うのよね。
回を重ねる毎によくなっていく感じだな。と思う反面、やっぱり最初のインパクトはちょっと薄れてきたかも。
それでも十分面白いし、ていうかインパクトが薄れてきた分、細かいところでの面白さがよく伝わってくるようになってきた気もするね。
いやわし、このマンガ、野球マンガの面白さを感じ取ってるわけじゃなくてね。こういうの、青春群像とか呼んじゃっていいだろうか。
こういうのに弱いんだなー。
今月号のもなかなかよかった。いやー、3巻はいつになんのかな。3月8月ときたから、1月頃か。なげー。
(発行日:2004/08/23)
(2004-08-30 23:15:06)