完結。
  つってもたった2巻ですが。

  うーん、どうかなあ。
  面白くなくはないけど、正直物足りなかった。★★☆☆☆(はやっ)。
  ネタバレしてしまうが、アイコは結局、学の押しつけがましい(?)愛(?)についていけずにいて、 プロポーズされて戸惑っているところへ前カレの勇次があらわれて、自分の本心に気づく、みたいな。 なんていうか、フォーマットがごく普通の女性誌〜少女誌作品としてのステレオタイプな気がする。 まあ、描写とかアイテムとかがいかにも伊藤理佐らしくて楽しめるのは楽しめるんだけどねえ。
  また、帯の「独身30代女性の本音が全て描かれている!」も言い過ぎだろ、とか思っちゃうわけで。 なんだかわからんけど、読後すっきりしない感じのマンガだなー。 それはもしかするとわしが男性だからかもシレンが。 ていう意味では女性の感想も聞いてみたい気がするね。

  や、この人のマンガ、基本的に好きなんですけどね。 フィールヤングあたりだと載っててほしい作家のひとり。 はやく帰ってきてくれないかなー。

(発行日:2005/04/15)

  サダキチ(田辺定吉)とみっちゃん(中山道之)は幼なじみで同じ勝丸自動車に勤める営業マン。 要領はいいが短気な中山は、まじめでお人好しな田辺を疎ましく思っているが、田辺は中山を心配していつもつきまとっている。 ある日彼らはスポーツ新聞のゴシップ記者である長嶋の家に営業にでかけるが、長嶋宅には強盗が押し入っていた。 彼らは期せずして長嶋を強盗から救ってしまい、ヒーローとして祭り上げられる。 そこから坂道を転がる石のごとく事態が展開し、なぜか彼らはウォッシャー液を製造・販売する会社を設立してしまう。 しかし彼らの会社「ヒーローズ」の前途は多難で……という感じ。

  実は本作品、すでに連載は終了していて、来月発売予定の2巻で完結する見込み。
  三宅乱丈の原作付きというのははじめて読んだような気がするが、どうなんだろうか。 この話に三宅乱丈でいいんだろうか?という気がするなあ。 これだけの長さで終わってしまったわけで、おそらく人気はなかったろう。 漫画として決してつまらないわけではないのだが、突出して面白い、という部分がないのも事実。 なんていうのかなあ。三宅乱丈の面白さって、ある種の奇抜さにあると思うんだけど、まずはそれがなかったように思う。 や、それっぽいポイントもなくはないんだけどね。でもなんとなく全体に「らしくない」かなあ、という印象。
  とはいえつまらないってワケじゃなくって。普通に面白い。 二人がゴロゴロと坂道を転がっていく様とかね。田辺と中山の対比も面白いし。 ただ、この人の絵柄って、一見取っつきにくいので読み飛ばされちゃうのかなあ。 バカみたいに面白い漫画ではないけど、こんなにあっさり終わっちゃうとも思わなかった。残念。
  そんなわけで、★★☆☆☆くらいかなあ。でも機会があれば是非読んでみて欲しい作品だなー。 や、この人のマンガって、絵柄以上に内容も取っつきにくいケースもあるけど、このマンガは中にはぱっと入りやすいと思うんだよな。 これで三宅乱丈って人をまるまる判断されるとちょっとアレだけど、でもある種間口を広げる作品かもしれないな。

  で、今はエロFの新撰組のやつだけか。やー、あれはあれで面白いよ? っていうか、ああいう漫画こそこの人の真骨頂だと思う。 あっちは単行本いつ頃になるかなあ。楽しみだ。

(発行日:2004/12/21)

  ボロボロのフレーム、ボロボロの体で挑んだ全日本選手権ICAクラス第3戦。 予選ヒートではノブとモナミのサポートもむなしく、カペタのマシンはうまく曲がらずに周回遅れ、そしてコースアウト。 カペタは勝つために予選を捨て、最後尾スタートの本戦に賭けることを決める。 そして翌日、本戦は雨が降りそうで降らないままはじまってしまう。

  んー。熱いなあ。
  とりわけカペタのモノローグ:

  もしオレにこの先
  レースを続けられるだけの“何か”が
  オレに“何か”があるんなら
  絶対このままでは終わらないはずだ
 
  このレース きっと何かが起こるはず
  もし何も起きなかったら オレはそれまでのヤツだったってことだ
 
  信じろ
  信じて 今は耐えろ!!!

  くぅーっ、たまらん!!
  ★★★★☆。

  あー、1個欠けてるのはねえ。ちょっとペースが遅いんだよなあ。じれったいにもほどがあるっつーか。 いや、いいんだけどね。引き合いに出してなんだが、「はじめの一歩」とかに比べりゃあなあ。 今週なんか11ページしかなかったし(ぉぃ)。 でももちっとくらい、さくっと進んでもいいような気もするんだよなあ。 や、そうでもないかなあ。なんかね、読んでて辛すぎるのさ。 あー、なんだろ、同じ雑誌に載ってるBECKもそうだけど、爽快感がないっつーかね。 ただあっちはそれなりに間とかリズムとかあるし、あとギャグ成分が適度に緊張感をやわらげてくれたりするんだけど、こっちは読んでる間中緊張しっぱなし毛穴開きっぱなしだからなあ。 やっぱ疲れるよ。 まとめて読むのしんどいしね。 まあ、そこがこの人のマンガの素晴らしいところでもあるんだけどもさ。

  これ、一応雑誌でもさらっと追ってはいるんだけど、このレースがこの後どうなったのかまるで覚えてない。 まあいいや。ともあれ、今後楽しみだなあ。
  次巻は7月発売予定。

(発行日:2005/03/17)

  むう。
  3巻感想時に、 「このあとの展開、あまり面白くないんだよなあ。」 とか書いちゃったのだが、なかなかどうして。 最凶の中学生・仲根とのバトルもこうやってまとめて読むとなかなか面白い。 や、何が面白いって観衆だよなあ。 対決モノって、その当事者だけを見ててもあまり面白くないのだが (黒沢の場合は思考がすでに面白いってのはあるので例外だが)、 読者に対して解説してくれる観衆・解説者の存在ってのは非常に重要だ。 というのはこの黒沢を読んでて気づいたことではあるのだが、 例えば「将太の寿司」とか「ミスター味っ子」におけるヨダレをたらしまくる観衆。 あれがなければこれらの漫画の面白さは半分以下だろう。 あるいは「はじめの一歩」ではレギュラーのうちの誰か、 例えば一歩試合なら鷹村や青木村、あるいは宮田、宮田の試合なら一歩、という感じで必ず解説をしてくれる。 この解説がなければ試合の臨場感みたいのは伝わらないよなあ。 で、とりわけこの黒沢では、黒沢を見守るオヤジ連中が非常に良い味を出している。 双眼鏡のオヤジ、最高。
  で、仲根とのケンカに勝った黒沢は、いつしか「中学生殺し」の異名で呼ばれるようになる。 この辺のエピソードの情けなさがまたたまらんなあ。

  つーわけで★★★★☆。
  しかしこの漫画を笑ってていいものかという一抹の不安も。

  この巻のあとの、仲根に連れられてハッスルする黒沢も見逃せないぜ。

(発行日:2005/01/01)

  完結。
  って、もう半年以上も前に読んでたんだけど。 なんていうかねえ。 ちと消化不良なところがあって感想書けずにいたんだけど、放っておくのもさすがに気持ち悪くなってきたので決別するために。

  イントナルモーリを利用した民衆の奴隷化計画を壊滅するため、評議会を裏切ることになった市松はじめ初期型サムライガンの面々。 市松は昔なじみで頼りになる代門に接触を図るが、代門は市松を拒んでしまう。 他方、牧らはイントナルモーリによって操られている五号丸露台と戦闘。 その戦闘の中で、牧は露台の放った弾丸によって命を落とす……。
  この巻全体に渡ってかなり混沌としていて、何がなにやらわからないところもあるのだが、いくつかの伏線は消化されつつ、事態は収束する。 結末やそこに至る過程については賛否両論あるようだが、市松に焦点をあてるなら、一応ちゃんとクローズできてるかなあ、という感じ。 ラスボスっぽい裂界の正体、姉の殺害についても知り、その裂界を倒すこともできた、という点においてはだけど。

  でもなあ。
  ここまでこの作品についてきた者としては、ちょっとなあ、ってのはあるんじゃないかな。 市松以外の主人公、とりわけ捨吉や牧に思い入れがあると、納得いかない部分はあるよなあ、きっと。 わしも牧の最期はあんまりだー、とか思ってしまうのだが、しかしまあこんなもんかな、という気もするし。
  という具合でスッキリしないんだよなー。なので★★☆☆☆くらいで。

  雑誌掲載時から比べて随分変更されている。というか、書き足しがかなりある。 とりわけ、楓、佐吉らの消息、話頭と重サムライガンを討ったあとの市松とか描かれているのは、このラストって考えるとちょっと救われた気持ちになるのでよかったかなと思う。
  で、スッキリしないもうひとつの理由は、雑誌掲載での最終回が2003年9月。 単行本発売は1年以上も待たされたんだよね。 雑誌掲載時の最終回もかなりアレだったので、単行本での書き直しにはかなり期待があったのよね。 で、牧がお亡くなりにならないラストなんてのも一部では望まれてたっぽいが、さすがにそこまではなあ。 ま、雑誌のママだと市松までお亡くなりになっちゃったっぽいが、とりあえず生存が確認できてよかった、って感じかな。

  ちなみにこのラスト、先般 UJ に載っていた読み切り「ロッテルダム・バーニング」に続くわけで。 これが月光に繋がっていくのか、という期待もあったのだが、あれきりだなあ。 ま、わしゃサムライガンにはこだわらないので、今後もっといろんな作品書いてもらえるといいな。 あ、あのタツノコプロの「鴉」とかってあるじゃない? ああいうのをこの人がコミカライズするとすげえカッコイイものになりそうに思うんだけど、どうですか?(何が)

(発行日:2004/10/24)

  こっちも完結。
  で、まあ、こっちもちょっと消化不良気味な感じで1年以上もずーっと感想書けずにいたわけですが。

  なんとかあらずじをまとめようとしたのだが断念。 いやー、正直難しすぎる。 誰と誰が何のために戦っているのかとか、ヴォルゴとはいったい何なのか、月光は何者なのかとか、最後まではっきりとは示されない。 まあ、ハッキリ書くのがいいかというと必ずしもそうではないのだが、ちょっとモヤモヤしたままだよなあ。 まあ同時期に無印も終了して、あっちもあんなだったので相乗効果でモヤモヤしまくってるというのもあるのだが、それにしても。
  ただ、月光と絹の関係だけに焦点を当ててみると、まあアリかな、という気がする。 ラストも、悲しいながらも希望が少しだけあって、なんていうか絹の健気さもね。 わしゃ基本的にこういうのに弱いんじゃよー。
  ということで★★☆☆☆。南無ー。

  それにしてもエロいなー。いや、ホントこの人にはさ、一度でいいからちゃんとしたエロ漫画を描いてもらいたいなあとか思うのですが、どうでしょうか。 エロFあたりに読み切り書いてほしいなあ。

(発行日:2004/02/24)

  モーニングへの移籍とあわせて、現在モーニングKCとして6巻まで新装発売中。中身はアッパーズKCだったときとまったく一緒らしいが、わし、なんせアッパーズ時代はあまり読んでいなかった。や、最後の方は読んでたんだけどね。カイが大きくなってからの。なので実は初見だったりするのだが、すげえ面白いよコレ。あとでまとめてレビュー書こうとは思ってるのだが、いやはや。
  で、今日4〜6巻発売だったんだけど、6巻の終わりがちょうど(アッパーズ版をお読みの方はご存じだとは思うが、一応伏せておく)。どうすんだよ、これ。この状態であと1ヶ月おあずけ食らうのかよー。続き、すぐ出せよー。明日出せ(ムチャいうな)。

  しかしま、モーニングではちゃんと完結させてほしいな。

  三流大学に通う友和の彼女・モモエは性格もスタイルもバツグンなのだが顔だけが微妙。 顔が微妙な彼女と付き合いながら、寄ってくる美人との間で揺れ動く友和……という感じのラブコメ、かな。
  面白いんだけどね。どうにも前作のイメージが強すぎてなあ。 この人のマンガとしてはあのくらいはっちゃけてくれないと満足できない、ってのが正直なところ。 加えてモモエ、「ややBUSU」って設定と顔がイマイチ合致しないような。 なんつーか、漫画なので致し方なしってところなのだが、いやなんつーか漫画ってこういう顔を表現するのが難しいよなあ。

  そんなわけで★★☆☆☆。この先に期待したいところだが、この設定でどれほど伸びシロがあるかと考えると、それこそ微妙。 やあ、この人のマンガ、好きなんだけどねー。でもまあ、この先も買いですけどね。

(第1巻発行日:2004/12/27)

  資格取んべぇ。

  どんな資格もオマカセの熊田塾。塾長の熊田てつんどが迷える若人の道を拓く! みたいな漫画になるのかと思いきや(そのあらすじもどうかとは思うが)、もう滅茶苦茶。 や、最初の数回は確かにそういう雰囲気ではあるのだが、1巻終盤で成り上がったてつんどが、自分の生徒になるためのプラチナチケット争奪戦を開催。 話は一気に混乱しはじめる。 そして2巻ラストではてつんどの乗ったヘリがクラッシュ。 てつんどは走馬燈の中で16歳の頃の自分を見るが、その後ナニゴトもなかったかのように復活。
  なんかもうねえ、ヤバすぎ。 人間の欲望にひたすら忠実なてつんどもなんだが、こんな漫画を描ける高橋のぼるは、非常にクレイジーだと思う。 いや、これ、「KANAE」という人がシナリオを書いているらしいのだが、普通の「原作/画」とかってのじゃないのな。 なんなんだろうか。いや、なんでもいいや。なんでもいいと思えるくらいとんでもない漫画だった。

  そんなわけで★☆☆☆☆。
  この漫画を人に薦めちゃいけないような気がする。

  怖い物見たさで一度読んでみるのも悪くないかもシレン。 が、これは本気で気分悪くする人いるだろうなあ。 それがこの人の持ち味でもあるが、小学館のメジャー週刊誌でここまでできるってのもある意味すごい。 ラストシーンがまた衝撃的。いやはや。

(第1巻発行日:2004/06/05)