北海道北見市から東京に転校してきたスケート少年の物語。
  残念ながら半年ほどで打ち切り。

  うーん。
  当初は「ヒカルの碁」のほったゆみが原作だっつーんで期待してたんだけど、残念。 この感想書くためにあらためて最初から読み返してみたんだけど、やっぱちょっときついかなあ。 いや、わしに関して言えばまだまだガマンできたというか、いつ来るかなーって感じで読んでたんだけど、 こう、あらためて読み返すと、これは小中学生にはつらいだろうなあ、って気がしたのね。
  やっぱねえ、こういう漫画は主人公に感情移入できないとダメだと思う。 この漫画は残念ながら主人公に感情移入できない。

  いくつか明かな理由がある。
  ひとつは主人公の表情。いつも困った顔してるのな。 もうひとつ、ワクワクというかドキドキというか、読んでてぞわっとするような、毛穴の開くような瞬間が残念ながらなかった。 同じほったゆみのヒカルの碁で言えば、塔矢名人との一局でヒカルがはじめて自分で石を置いたときのアレとか。 ほかの作家でも、「BECK」ならコユキがはじめて歌をうたったときとか、 「capeta」ならカペタが父ちゃんの作りかけのカートを見つけた瞬間とか、 「おおきく振りかぶって」なら阿部の「オレがお前をホントのエースにしてやる」いや「勝ってエース手に入れるぞ!」か。 まあともあれ、そういう「瞬間」でぞわっと来てうるうるして、はじめてその漫画に引き込まれるワケだが。 残念なことにその瞬間がこの作品でここまでになかった。 ここまでに、というか、そういう瞬間はやっぱはじまって数話のうちにないとダメなんだろうなあ。 特に週刊少年ジャンプという雑誌はその敷居が非常に高い。 この作品がたとえばスーパージャンプに載っていたとしたら、まだまだ続いていたかもしれない。 そうするとその「瞬間」を迎えられたのかもしれない。 それがあればこの作品も、続きが待ち遠しくてしょうがない作品になってたかもしれない。 そう思うとかなり残念。
  作者の思惑としては、第5話の高月「ホントの勝負はスラップだ」あたりだったのかもしれない。 が、ここ、あまりこないんだよなあ。 その理由のひとつには初回からこの辺までの構成にありそうだ。 ここ、回想シーンなんだよな。はじまって数話で、まだ感情移入できていない主人公の回想シーンとしては長すぎる気がする。 あと、ここら辺の表現というか演出もはっきり言って効いていない。 や、高月というライバルキャラが立ってないせいもあるのかなあ。

  ともあれ、そんな感じ。
  ぶっちゃけ、きつめだが★☆☆☆☆で。非常に期待していただけに残念。

  しかし劇中の北海道弁って、やっぱむずかゆくなるなあ。 とか思ったんだけど、これの北海道のシーンを全部ほんとの北海道弁にしちゃうと、わけわからんかもな。

(第3巻発行日:2005/11/09)

  昭和の末期に生きる小学生の視点で、小学校という社会の縮図を風刺するというかなんというか、そんな向きのある漫画。
  や、実際そんな堅い漫画じゃない。 どちらかというとノスタルジックであったり、おふざけであったり、ほろりとさせたりじんわりきたり、そういうタイプの漫画だ。 登場する小学生が妙に大人びていたり、必要以上にガキだったりするのだが、そういうところから社会を見る、というようなあたりがわりと斬新な感じかなあ、とね。
  まあ、なんだ、子供は子供で意外といろんなこと考えてたり、子供社会の中で苦悩してたりするんだよなあ、とかってわかったような気になったりするわけですが、 しかしはて自分の小学生時代……と振り返ってみると(時代は10年くらいずれているが)、こんなにいろんなことは考えてなかったかもなあ。 そういう意味じゃやっぱりこの作品に登場する小学生って、リアルじゃない気がするんだよな。そうでもないのかなあ。
  んでもまあ、リアルであるか否か、というのは漫画においてさして重要なことではない。時代考証が若干アレでもいいんです。 小学生も大変だよなあ、とかってわかったような気分にさせることができているだけで、この漫画にはそれなりの価値があるんじゃないかな。 というあたりもまたわかった風なことを言っているわけで。

  そんなこんなで、★★★☆☆くらい。
  どういうのかなあ。くろひょうにとっては新マグナム増刊時代からの作品なだけに、本来イブ二ングにはこういう作品が載っているべき、という作品なのだが、 作品カテゴリとしては、さそうあきらあたりにわりと近いかも。いやー、分類が難しいな。

  それはそうとこの人、一時期犬の漫画を描いてたような気も。あれは単行本になったりしないのかなあ。しないよな。 あまり筆の速いタイプじゃなさそうだけど、また別の作品も読んでみたい人ではあるやね。

(第4巻発行日:2005/08/23)

  美人になるためグラビアアイドルとしてデビューを果たしたモモは、矢鴨社長の手腕もあってトップアイドルに登りつめてしまう。 そんなモモと自分とのギャップに悩み、自ら身を引いてしまう友和だったが……という感じ。

  うーん。全編通しての評価ってことで、★☆☆☆☆。
  やっぱねえ、この人の描く漫画じゃないと思うんだよなあ。 DEIの印象が強すぎるのかなあ。 ていうか、それを差し引いても面白いシナリオだとも思えないな。 や、この人が描いてたからこそここまでできたのかもシレンなあ。 ほかの作家ならここまで描けなかったかも。 そこまでシナリオがダメってことでもないんだけど、なんていうかなあ、ぐいっと引きつけられる話でもないもんな。 どうにもどっちつかずな感じで。

  やっぱこの人には、DEIみたいなバカな話を描いて欲しいなあ。

(第3巻発行日:2005/07/06)

  L対ライトの闘いについに決着の着く7巻、そしてLを継ぐ者達との闘い8巻ですよ。

  正直、なんだかもうなあ、って感じ。 いや、つまらないってんじゃないけどね。 んでもやはりもはやサスペンスではないよなー。 漫画性強すぎ。 まあ、漫画として面白いことには違いないんだけど、なんかねえ。 そもそも「二人の選ばれし者の壮絶な戦い」はどうしたんだよう。 や、これで二人の選ばれし者が実はLとライトじゃなくってニアとメロとかってんならそれはそれでまたアリだが。 ここまではまだ序章の序章でしたっていう。 んでもそうじゃないよなあ、きっと。
  いまいちだなー、ってのはLの死後のライトがぬるすぎってのがひとつかな。 やー、まあねえ。ミサイルでノート運ぶとか、普通あり得ないけどさあ。 んでも本部機能持ち出すあたりとか、LAにひょいひょいと行っちゃうとことか、かなりぬるい感じだよなあ。 あと、あれだ。器用すぎ(大笑)。 「僕は器用だからね」でなんでも通っちゃいそうだよなあ。

  とかいいつつやっぱ読んじゃうのは、前回も書いたけど作家としての技量だよな。 やー、正直ほんとここ数週はセリフが多すぎて読むの大変で、もうやめようかと思わないでもないんだけどさ。 しかし page.53 の最後2ページみたいなの見ちゃうとなあ。 コレ見るためだけでも読んじゃいそうだよな。
  て感じで、まあ正直テンションは下がってるので★★★☆☆。 なによりジャンプにおける掲載順がすべてを物語ってるかもなー。 第二部以降、明らかに人気下がってるんだろうなあ。 つか、これもう小中学生じゃついていけないんじゃないの?

  ところでミサはレムが死んだことについてはなんとも思ってないのかねえ。 レムはことごとくミサを守っていたわけで、それなりにレムにも思い入れがあって然るべきだと思うのだが。 あと一番笑ったのは「一応髪も切っていくよ」。特徴ある髪型だっつー意識はあったんだ。

(第8巻発行日:2005/09/07)

  前巻、「朝の贈り物」によってプロレスラーを撃退した黒沢、 騒ぎを聞きつけた警官によって取り押さえられ、逮捕されてしまう。 このことに尾ひれがつきまくって、黒沢の歩く凶器としての呼び声はますます高くなる。 そしてついに黒沢は町の不良連中の的となり、日々襲撃を受けるようになってしまう。

  さすがにやりすぎだろ、って気もしなくもない。 転がり落ちる様子とかが面白いのは相変わらずなんだけどなあ。 それにしても。 まあ、相変わらずセリフとかアイテムのセンスがいいのでヨシとしよう。
  という感じでこの巻は★★★☆☆くらいで。

  次の巻の頭は変装する回かな。どこへ向かっていくのやら。

(発行日:2005/12/01)