失速するサスペンス!(笑)
  いやあ、冗談じゃなく最後の方はつまらなかったなあ。 っていうか読みづらい。 絵による説明をする=読者に対する種明かしになる、ってことで、後付けの文章による説明になるのはしゃあないといえばしゃあないのだが、それにしても。 いやでも例えば月が記憶をなくす前にリューク、レムとノートを隠すあたりの部分とかはそれなりだったと思うのだがなあ。 で最終的なオチとしてはページもしくはノートそのものをすり替えるとかって。

  ありえん。

  って、まあ死ぬほどつまらなかったかというとそんなことはなく、偏差値で言えば70くらいの面白さはあると思うんだよな。 ただ、最初の1、2巻の面白さから考えると、失速したと言わざるを得ない。 当初、「長くても10巻程度、できれば5〜6巻で終わってほしい」と書いていた。 まあこの長さなら妥当といえば妥当だろうが、しかしアレだ。 もうちょっと短く終わらせようとすれば、もっと面白かったんだろうなあ、って気がしちゃうのよね。 なんだ、その、Lと月が接触するまでのスピードがものすごく速かったのに対して、ニア、メロと月との間のやりとりはまだるっこしさばかりが目につくのね。 まだるっこしい上に方法にムチャがある。これで面白いわけがない。

  いやいや、つまらんものを批評するくらいつまらんこともないのでこのくらいにしておくが。 んでも先にも書いたとおり決してマンガとしてつまらんわけではないのよね。 でもなあ、っていう。やっぱそもそもは読切りネタなのかもなー。
  そんなわけで、全体としての評価ってことで★★★★☆。 ひとつとかふたつにすることも考えたんだけど、でもまあ通して読むと面白いしな。

  でもさあ。
  わし、読むのに時間がかかるマンガはあまり好きじゃないのね。 マンガをイッキ読みしてどかーっと満足するのが好きなので。 こうやって考えながら読む漫画って、イッキ読みできないのよ。 途中で頭がオーバーフローするというか。 思えばわしの好きな作品、作家って、イッキ読みしやすいんだよなあ。 曽田正人作品全般、「はじめの一歩」、「演歌の達」、「おお振り」、「医龍」。 イッキ読みせずにはいられないほど面白いのか、面白いからイッキ読みしてしまうのかわからんが、 「DEATH NOTE」にはやはり何かが足りないんだろうなあ。 いえね、この感想書くために L の死あたりから読み返してたんだけど、結局3日くらいかかったのよ。 ちょっと読んでは飽き、の繰り返しで。まあ性質上一回読むと面白さは減っちゃうわけだけど、とはいえ。

  ともあれ、小畑健の絵はいいよなあ。このひと、たまにエロFで一枚絵書いたりするじゃないですか。ああいうのもいいよねえ。 この人の絵ですげえエロいマンガとか読んでみたいが、まあ無理か。

  ちなみに13巻は買っちゃうと思うなあ。
  てことはやっぱ好きなのか。

(第12巻発行日:2006/07/09)

  狂犬と呼ばれ、彼女イナイ歴17年と2か月の高校二年生沢村正治の右手に、ある日女の子が生えてきた。 春日野美鳥と名乗る女の子は実は沢村に片思いしていたが、その思いが強すぎるあまりにこんなことになってしまった、、、のか? その辺の科学的な根拠っぽい話とかはいっさい抜きに、右手に女の子がいるという状況から起こる様々なハプニングと、 また、眠ったままになってしまっている美鳥の実体と美鳥の葛藤なんかも絡めつつ、 ときにハラハラ、ときにホロリとさせながら、比較的サクサク進むラブコメ。 やあ、絵柄も見やすいし話もサクサク進むし、適度に山あり谷あり、もちろんラブコメの基本である三角関係もあり。 王道でありながらそれほど古くさくもなく、設定ほどに奇をてらったものでもなく、むしろマンガチックな設定がかえって適度なスパイスになっている。 非常に読みやすくて面白いマンガだと思いますよ。

  そんなわけで★★★☆☆。
  いやあ、面白いんだけどね。突出してないっつーか。及第点ではあるが、無難である感じが否めないというか。 ひとによっては読後に物足りなさを感じることもあるかもなあ、とも思わないでもない。

  この人が今やってる方のマンガ「あいこら」もちょこっと味見してみたのだが、あっちはちょっとわしのセンスにあわなかった。 なんていうかなあ、無理に最近の流行りに乗ろうとし過ぎている感があるというか。 ああいうハーレムラブコメはこの人に向かないんじゃないかなあ。かといって王道ばかりでも3本くらいで飽きられそうだけどさ。 いやラブコメってジャンルも難しいよなあ。なんかしらんけど。

(第1巻発行日:2003/02/15)