お疲れ様。
  全編通しての評価っつーことで★★★★☆。

  やっぱ長すぎるのがなー。
  や、例えば「はじめの一歩」。 30巻で日本チャンプになるんだけど、1巻からそこまではイッキ読みできちゃうんだよな。 それとほぼ同じ長さであるにもかかわらず「長い」と感じちゃうのは、やはり途中ダレちゃってるんだろうなあ。 毎度書いてるけど最初のグレートフルサウンドが最初の「終わり」だったはず。 あれにどうオチつけるかってのもあろうけど、13巻で終わらせることもできたはず。 だったら超名作になってたかもな。 いや、これが駄作だとは言わないけど、なんつーかタメ過ぎだろ、って感じかなあ。 終わりの2〜3巻くらいは感じいいんだけど、あきらかに収束に向かって行ってるって感じもちょっと萎えを誘うよね。
  ラスト2話に渡る最終回の描き方も悪くない。全米ツアーに出てこてんぱんになりながらも成長するくだりも悪くない。 アヴァロンフェスに出るくだりとかも全然悪くない。 ひとつひとつのパーツはちゃんと作り込まれていていい出来なんだけど、とにかく長い。 最初のグレートフルサウンドでアレなら、あそこから7〜8巻くらいで巻き返して終わらせるって方法もあったはず。 それならイッキ読みしよう、って長さの巻数で終われたんじゃないかなあ。 言っちゃなんだけど、なんかもう読み返す気がしないんだよな。長すぎて。 ならいっそ売っぱらっちゃおうか?とか思っちゃいそうな感じ。けっしてキライなマンガじゃない。 マンガとしての完成度は非常に高いと思う。ただ、長い。それだけ。

  まあ、作者は非常に満足してるっぽいね。描ききった、って感じだろうな。 それだけに読者は置いてかれてるって感じを持っちゃってるんじゃないかな、って気もする。 「マンガは誰のモノか?」みたいな議論にもなりかねない話だけど、 多分作者も読者も100%満足する作品なんてありえなくって、 読者を満足させようとすると作者はどこかで自分の理想と違ったものを描かなくちゃならなくなったりするのかなあ、とか。 そんなことを考えさせられましたよ。

  これまた他のマンガとの対比でなんなんだけど、「シャカリキ!」はちょうどイイ長さなんだよな。 なんとなく作者にしても「描くところまで描いた!」って感じがあるんじゃないかなあ、とか勝手に思っている。 そういうマンガって、割と希有なのかもな。

  久々に書いてこんな辛口ですんません。
  まあでも好きな漫画だからこそ、ってことで。

(第34巻発行日:2008/10/17)