「三宅乱丈」(検索対象:タイトルのみ)の検索結果

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  サダキチ(田辺定吉)とみっちゃん(中山道之)は幼なじみで同じ勝丸自動車に勤める営業マン。 要領はいいが短気な中山は、まじめでお人好しな田辺を疎ましく思っているが、田辺は中山を心配していつもつきまとっている。 ある日彼らはスポーツ新聞のゴシップ記者である長嶋の家に営業にでかけるが、長嶋宅には強盗が押し入っていた。 彼らは期せずして長嶋を強盗から救ってしまい、ヒーローとして祭り上げられる。 そこから坂道を転がる石のごとく事態が展開し、なぜか彼らはウォッシャー液を製造・販売する会社を設立してしまう。 しかし彼らの会社「ヒーローズ」の前途は多難で……という感じ。

  実は本作品、すでに連載は終了していて、来月発売予定の2巻で完結する見込み。
  三宅乱丈の原作付きというのははじめて読んだような気がするが、どうなんだろうか。 この話に三宅乱丈でいいんだろうか?という気がするなあ。 これだけの長さで終わってしまったわけで、おそらく人気はなかったろう。 漫画として決してつまらないわけではないのだが、突出して面白い、という部分がないのも事実。 なんていうのかなあ。三宅乱丈の面白さって、ある種の奇抜さにあると思うんだけど、まずはそれがなかったように思う。 や、それっぽいポイントもなくはないんだけどね。でもなんとなく全体に「らしくない」かなあ、という印象。
  とはいえつまらないってワケじゃなくって。普通に面白い。 二人がゴロゴロと坂道を転がっていく様とかね。田辺と中山の対比も面白いし。 ただ、この人の絵柄って、一見取っつきにくいので読み飛ばされちゃうのかなあ。 バカみたいに面白い漫画ではないけど、こんなにあっさり終わっちゃうとも思わなかった。残念。
  そんなわけで、★★☆☆☆くらいかなあ。でも機会があれば是非読んでみて欲しい作品だなー。 や、この人のマンガって、絵柄以上に内容も取っつきにくいケースもあるけど、このマンガは中にはぱっと入りやすいと思うんだよな。 これで三宅乱丈って人をまるまる判断されるとちょっとアレだけど、でもある種間口を広げる作品かもしれないな。

  で、今はエロFの新撰組のやつだけか。やー、あれはあれで面白いよ? っていうか、ああいう漫画こそこの人の真骨頂だと思う。 あっちは単行本いつ頃になるかなあ。楽しみだ。

(発行日:2004/12/21)

  職業「まぐろの餌」のまちこと、まちこに恋する脱サラ漁師の小川、そしてまちこを操りまぐろ漁を生業とする中村の繰り広げる大スペクタクル。スペクタクル?
  女の子がまぐろの餌で、セーラー服やらテニスウェアやらを来て海に飛び込んだりして、マグロに食われてまたマグロの腹から出てきて、という感じで設定やらなにやらかなりイカレてる感じなのだがさすが三宅乱丈って感じだ。豪快で面白い。 あと、マグロを割いて出てくるまちこがエロすぎ。これを描きたかっただけなんじゃないかと思うほどに。 いや、あと鼻毛も描きたかったんだろうな、きっと。
  まちこがタマゴを生んだりするくだりは、人によっては気持ち悪いとか感じる場合もあるかもシレンが、その変さもひっくるめてこの人のマンガだなあ、って感じがする。 ただ、万人に勧められる漫画かなあ、と考えるとちょっと疑問。「ヒーローズ」あたり見ててもそうだが、結構人を選ぶ作家だよなあ。 そんなわけで★★★☆☆。わしは好きですよ。

  書き下ろし「その名はますこ」収録。ますこ、すじこ、イクラに偽イクラ。

(発行日:2004/11/22)

  三宅乱丈初の短編集。スピリッツ短期連載の「王様ランチ」(2001年)、IKKIでの読み切り「ある日突然超能力者」(2001年)、 マンガ・エロティクスF掲載「マイママ」(2002年)、スペリオール増刊「格闘着」(2002年)、モーニング「言霊師」(1998年)、 同じくモーニング「ヘビースモーカーの息子」(1998年)、新マグナム増刊「肛門売ります」(2001年)、 モーニング「ウーさん」(2003年)を収録。いろんなとこで書いてるなあ。 IKKIの読み切りとか、新マグナムのやつとか、二度と読めないかもしれない、とか思ってただけにうれしいねコリャ。
  表題作「王様ランチ」は、顔面に食べ物を塗りたくることで性的興奮を覚えるという変な性癖を持った少年・享也と、 その少年のその変な性癖の元となった従兄弟・アキトの話。この人こういう変な性癖とか書くのうまいよなあ。 なんつーか、ちょっとアレっぽい話ではあるのだが、いかにも三宅乱丈って感じ。イイ。
  これは読まん手はないだろ。★★★★☆。

  三宅乱丈、今3本連載やってるね。この人が同時に3本も連載持つなんて、今までなかったなあ。 エロFの新撰組のヤツはバカバカしくて良い感じだ。まちこはエロいし。
  今気づいたのだが装幀がメチクロ氏だね。ってあまりよくしらんのだけど、今「ドロヘドロ」のフィギュア作ったりしてるよね。 わし、林田球とメチクロのコラボTシャツ買うためだけにメチクロ氏の個展に行ったことありますよ。 そこで本人らしき人にも声かけられた。なんつーか、いかにもな兄ちゃんだった。どうでもいいか。

(発行日:2004/08/03)

  終幕。
  んー。すごく面白かったんだけどなあ。最後の方はばたばたと無理矢理終わらせたかのような印象。 しかし、司、悟、ヒロキで潰しあいになるのかと思いきや、意外かつお涙頂戴気味で、比較的悪くない終わり方だとは思う。 もっと引き延ばせただろうなあ、とは思うけど、この辺でスッキリ終わるってのもひとつの選択かも。
  ということで、あまり評判のよろしくなかった終わり方だけど、あえて★★★★☆。

  テーマもアイデアもアイテムもよかった。話の展開も悪くない。1巻の健治のエピソードで「ペット」「会社」「イメージ」「ヤマ」「タニ」とかの概念を導入して、 2巻の司が林を潰すところから歯車が狂っていく様子とか、まとめて読むと非常によく繋がっていると思う。 打ち切りじゃないか?という憶測もあるかもシレンが、こうまとめてみると、最初からこの展開、この長さを想定してたんじゃないかと思えるのね。 そのくらいよくまとまってる。ただ、非常に残念なのは、全体の完成度に反して、断片から全体を見渡すのが非常に難しい作りになってた、ということ。 途中からだと話の展開がわかりにくいし、最初から読んでたとしても、最後まで通して読まないとそれぞれが何を考えていて、何が真実なのか、というのがまったくわからない。 読者にはある程度の正解か、ヒントを出しながら進めた方が、わかりやすかったんじゃないかな、と思えるんだよな。 「反して」という言葉を使ったけど、もしかすると全体の完成度が高すぎるあまりに、断片に含まれる情報が細かすぎたのかもしれない。 想像するにあまり人気なかったと思うんだよな。それがなんとなく残念な気がする。
  あと、個人的にはずっーっとイヤなヤツだった桂木が、実は・・・というのがすごくよかった。 桂木の過去のエピソードを読んだときには、なんとなく救われた気になれた。

  それにしてもいい漫画家だよなあ、この人は。次回作も期待してます。あと、短編集とか出して欲しいよなあ。 先日過去ログ読み返して、IKKIで読み切り描いてたことを思い出してね。探すとほかにもあるんじゃないかなあ、とね。

(第5巻発行日:2004/02/01)

 おもしろいおもしろい。
 おもしろいんだけど、説明が難しいなあ。
 林を潰して自分も壊れかけていながら、ヒロキの助けでなんとか自我を取り戻した司。この司の真意が読者にはまだ見えないのだが、ヒロキに対しては対等であるように見せかけつつ利用しているようでもあり。他方、悟の方は中国人の「社員」ジンと接触、会社に深く関わり始めて、という感じ。
 動きはあるのだが、ひとつひとつ説明するのもなんだなあ。それと、今物語のキーを握っていると思われる司の考えがいまいち見えないので、わかりにくいところも多いし、どう繋がっていくのやらって感じだよなあ。なんつーか、まだ伏線を張ってるような状態だろうか。
 そんな感じで、この巻に関しては★★☆☆☆くらい。面白くないわけじゃないけど、ちと停滞気味なのと、この巻だけでは何もわからないってことで。それでも漂う緊張感と、この表現力はすごいね。目ははなせねえですよ。

(発行日:2003/07/01)