「山崎さやか」(検索対象:タイトルのみ)の検索結果

検索結果:13件中 1件-13件



  表紙のはるかがたまらなくイイ!
  つーことで2巻目。なんとなく話の展開がさくさく進みすぎるんじゃないのー?とか思わないでもないが、 しかしまあ、こんなもんだろうな。あまりちまちまやっててもしょうがない気がするし。

  はるかはステージの司会、ローカルCMと着実にステップアップ。 一方事務所の先輩タレントの美奈は、まわりがはるかばかりをチヤホヤするのを嫌って事務所を飛び出してしまう。 社長の福原と大手ファインの怨恨なんかも絡みつつ、徐々に脂っこいところに入ってきている感じだ。
  といいつつ、なんとなくこの人のマンガの割にはあっさりしてる感があるんだよなあ。 いや、こんなもんなのかなあ。 例えばはるかが北新三のステージの司会をやる回で、司会を降ろされた藤原の差し金で拉致されそうになったときの解決も、 なんとなく安易な感じがするんだよなあ。いや、実際あそこでレイプなんかされてしまうと娯楽マンガとしてはシャレにならなくなるのだが、 そうはいっても簡単すぎるというか。あと、カメラの前での開き直り方とかがね。 まあ、そこがこのマンガにおける主人公・はるかの天才性でありキモなんだろうけど、なんとなく違和感あるのも事実でね。

  そんな感じで、ちょっと厳しめに★★☆☆☆。いや、面白いんだけどね。 ただ残念ながら期待の上を行っていないっつーか。 この人のマンガはもっと面白いはず。なんとなく掲載誌があってないんじゃないかなーとか思ったりもするんだよな。 いや、期待してるんですよ。だからこそ。

(発行日:2004/05/21)

  就職難のさなか、企画・マネージャとして芸能プロダクションに就職したはずの宮前遥(22歳)だったが、 そこの社長にタレントになることを頼まれ引き受けてしまう。年齢を5歳もサバ読み、「はるか17歳」として、グラビア、CMなどで徐々に露出していく・・・という感じ。

  相変わらず女の子はカワイイし、オッサン書くのはうまいし、いいマンガだと思う。 が、なーんか足りない気がしちゃうな。 何が足りないのかはよくわからんのだが、カタルシスがないというか、 なんとなく淡々と進み過ぎちゃってる印象が強いのかなあ。 や、作品名から察するにあまり長く続けるつもりもないのかもしれない。 作中でもはるかは1年限りという約束で芸能活動をしているわけだし。 なので生き急いでいるってところがあるのかもしれない。 そのせいか、なんとなく話が軽い印象を受けちゃうんだよな。 それなりに脂っこいところも書いてはいるんだけど、 それもあまり重くないし。
  ということで、とりあえず★★★☆☆。ふたつにしようかと思ったけど、期待値込みで。

  ところでマイナス完全版買いました。例の「遭難クッキング」とその前話「そーなんですか!?」はちゃんと収録されてるんだけど、 なんかそれだけって感じがするなー。「完全版」というからにはせめてカラーページをカラーで収録して欲しかった。
  で、表紙とかは今の山崎さやかが書いた恩田さゆりだったりするのだが、こんなにも絵が変わったんだなー。 違和感ありすぎ。いやいやうまくなったってことだけどね。 今の山崎さやかが「マイナス」書くと、すごいことになりそうだな。それもまた読んでみたい気もする。

(発行日:2004/02/23)

 4巻目。
 安定はしてきてるんだけど、ちょっと物足りなさもあるかなあ。この巻だと最初2話は前巻の続きで、壮の姉がやってくるエピソード。なのだが、そのあとは例によって、子供一人一人を主役にしたショートエピソード。こういう形式は読みやすくていいんだけど、逆に軽いというか。少なくとも「読まなくちゃ」という気にはならないんだよなあ。引きが弱いというのかな。設定上しょうがないことなのかもしれないけど、数話引っ張れるエピソードの中で、子供らがそれぞれ持ち味を出して・・・という感じになると、引き込まれやすいんじゃないかなあ。
 ただ、一般誌だとこういう形式が望まれる、というのもあるかもしれない。読み切りで、一話二話とばしても問題ないってやつね。とくにアクションなんかは、ビッグコミック、オリジナルあたりとならんでそういう系統の作品が多い雑誌だし。
 でもまあ、マンガとしてはなかなか面白いですよ。★★★☆☆くらい。

 子供らの中では栄子がなかなかいい味出してると思う。1年以上もなにもせずにブラブラしてるっつーのもすごいが、言動がことごとく現代っ子ぽい。いや、しらんけど。そんな子が徐々に変わっていくみたいな感じはうまく書けてると思う。
 けど、力とか勇あたりはなあ。力なんかいい子過ぎだよなあ。19、20の男の子なんか、あんなに物わかりよくないだろう。んー、なんか全般に男の子はあまりリアリティがないような気がするのよね。対して壮さんとか吉村なんかはいいんだけどね。いや、吉村はおいしすぎ。ああいうの、いるよなあ。いかにもマンガチックではあるけどさ。

 NANASEでこれの宣伝をしていたように、こっちでは帯でNANASEの宣伝。ある意味すごい。別冊の連載がなくなっちゃったからなあ。こういう機会って減っちゃうのかな。だとすると残念。

(発行日:2003/06/06)

 山崎さやか版「七瀬ふたたび」もついに完結。
 んーと、実は小説未読なのですが、なんとなく最後の方は原作通りというか、原作を超えてないんじゃないかなーという感じがするです。小説版と結末が違ってでも、小説を超えるようなものを描いてもらいたいとか思っていたので、ちょっと残念かな。いや、読んでないくせにあれこれ言うのもなんですけどね。
 でも、終始緊迫感あったし、絵もよかったし、いいマンガだったんじゃないかなーと。この作品で一皮むけた感じするもんね。とか偉そうに言ってみる。もっと藤子とか恒夫が活躍するところを見てみたかった気もするけどね。あるいは小説には出てこない能力者を出しちゃうとか。もっとはっちゃけてほしかったかなあ。
 いやいや良作ですよ。★★★★☆。今後、彼女の代表作として真っ先にあげられる作品になると思うです。

 懸念していた週刊出張の特別編(家族八景)もちゃんと収録されてました。あと、本編は結構書き足しや書き直しがあるね。セリフやモノローグもわかりやすくなってるところが多いし、あーコマ自体も書き換えてるのがあったかも。いいんだけどさー、連載時の分、捨てられないじゃんかよう。いや、いいんだけど。

 ちなみに今日は「東京家族」も同時発売(未読)だったんだけど、この「NANASE」の帯でしっかり宣伝されてるの。出版社違うのになー。すごいな。出版社にアイされてるかしらね、さやかタンは。

 ───と、書いて更新しようとしたら、3巻のときに書いてなかったんだなー。うひー。うん、3巻後半から緊迫するところに突入するので未読な方はこの機会に是非。あー、NANASEは普通のヤンマガKCよりもいい紙使ってるのよね。やっぱり愛されてるのね(笑)。

(発行日:2003/05/06)

 3巻目。なんとなく安定してきた感じ。
 前半は前巻の続きで、城太の母親である成美がやってきて、家族バラバラーのエピソード。のぞむ&のぞみの母親、勇の母親まで居候するハメになって、、、って感じ。連載時は、どう収拾つけるんだろーとか思いつつ読んでたのだが、なんとなく強引っぽい締め方かなあ。あのまま成美がうまくやっていけるとは思えないのだが、どうなんだろうか。
 あとはショートエピソードいくつかと、壮の姉編の1話目まで。ショートエピソードでは、のぞむのエロ本の話が少しひっかかったかな。いや、悪い意味じゃなくて。なんていうか、エロ本隠したりしてることが親にばれた時の気恥ずかしさとか思い出したりしてね。それにしても3年生は早いよなあ。わしゃそういうのに興味持ち始めたのは、5年か6年くらいだったかなあ。あー、でも3〜4年生の頃も、川原とかに捨ててあったエロ本見たりはしてたか。さすがにアニキの部屋にはいって漁ったりするのは中学生になったくらいからだけど。

 それにしてもアクション、相変わらずわしの住んでるところではめったに見かけない。ので、とびとびでしか読んでないのよねえ。姉編の展開も全然知らないし。単行本が楽しみではあるんだけど、連載でもちゃんと読みたいよなあ。うむう。

 (01/16 10:11追記)
 星つけわすれてた。
 ★★★☆☆くらいで。

(発行日:2003/02/11)

 山崎さやかの描く新型家族物語2巻目。
 1巻目は読み切り形式で子供らにまつわるエピソードがいくつか続いて・・・って感じだったのだが、この巻中盤に来て物語が大きく動き出す。城太(3番目の子:現在高1)の母親・成美が壮を頼って押し掛けてきてしまう。しかし、成美が無理に母親になろうとすることで、母親の違うほかの子供らは不快感・違和感を感じてみんな母親の元に帰っていってしまう・・というような感じ。そもそも設定からして物凄い漫画ではあるのだが、ここまで来るとどう収拾つけるんだろうなーって感じだな。ちなみに現在の連載ではもっと凄いことになってるのだが、はてさて。なんというか、妙に心配になる漫画だ。
 しかしこれ、面白いか?と問われるとちょっと自信ないな。いや、わしは面白く読めてるのだが、それは山崎さやかのファンだからって気もしなくもない。とはいえ信者ってほどでもないのに妙に押しつけがましいのもなんだなーとか思わないでもないし。
 ということでやや弱気に★★☆☆☆。

 しかし山崎さやか。NANASEをはじめたばかりの頃は随分絵がうまくなったなーって印象を受けたのだが、この東京家族は作画が雑なことが結構多いね。というか、東京家族をはじめてから、NANASEの方も作画がいまいちなことが少し多くなった気がする。いや、先入観からなのかもしれないが、しかしこの人ってじっくり描いて緊迫感を出してこそって面が大きいと思うんだよなあ。あー、だから何が言いたいかっつーと、多少休載がちになってもいいからしっかり描いて欲しいなってのがファンとしての望でやんす。ってことね。
 ともあれ、次巻期待。

(発行日:2002/09/28)

 「マイナス」「フローズン」「NANASE」の山崎さやかの最新作。週刊漫画アクション連載中・・・なんだけど、なんだか不定期気味。カイジとかみたいな3勤1休とも違うし。

 で、内容。
 売れっ子の作家(38歳独身男性)に突然6人の子供が!!ってなお話。名前が売れてしまったために、若い頃に付き合ってた女性から次々に自分の蒔いたタネを押しつけられてしまい、イヤも応もなく父親になってしまうわけだ。最初は戸惑いつつも徐々に父親になっていく・・・というような話。
 ・・・でもないんだよな。なんかいきなりいい父親になってしまってる感じがある。いや、それでも多少の戸惑いはあるのだが、しかし子供達はいきなり環境に順応してるしなあ。その辺が近頃の子供・・・って表現でもあるんだろうけど、しかしそういう面でしっくり行かない部分もあるかな。
 とはいえ全般にエエ話だし、著者自身もこれを描くことで表現の幅が広がってるっぽい感じがする。「NANASE」だけだと、なんだか息が詰まりそうだしね。って偉そうだな>わし
 そんなこんなで。軽めのエエ話を読んでみたい方は、おためしで読んでみてはいかが。
 ★★★☆☆

 しかしなんだね。
 最近、ほかで結婚とはなんぞや?とか家族とは?とか考えることが多いんだけど、気付くとそういう「新しい家族のあり方」みたいな漫画ってのも、ひとつのジャンルになりつつある感じですな。この「東京家族」もそうなんだけど、柴門ふみの「非婚家族」とか。これもひとつの社会現象なんだろかね。

 それはそうと帯。裏表紙側にはアクション本誌の宣伝があるのだが、キャッチがなんとも。「漫画界のアウトローたちが送る豪華連載陣!!」アウトローなんだ。。。っていうか、この書き方だとアウトローなのは作家ではなく編集さん!?

(発行日:2002/06/28)

 山崎さやか、2冊目の短編集。これ探して本屋ハシゴしちゃったよ。4軒目でようやく入手。おかげで飲み会に遅刻したのはナイショだ。
 1冊目の短編集「ラブ・ゾンビ」が去年出たばかりで、そんなに短編あるんかいなあとか思ってたのだが、古いの新しいのとりまぜて全5編。デビュー当時とここ1〜2年のとじゃ絵柄が激しく違うので違和感があるなあ。

 「HOUSE」(2001年)
 なんだか執事がかの秋田先生とダブってしまった。しかし秋田先生には当然かなわない(別物だってば)ので、なんかイマイチという感じ。妹とやらもなんで出てきたのかよくわからんなあ。

 「リアル・サマー」(1994年)
 あとがきマンガによると、作者の体験を元にしているとか。青春じゃノウ。

 「間宮という女」(1994年)
 こういう女、いるねえ。あーアレだ。「春よ、来い」の亜美タンじゃないか。でもこの人が描くと、これまた雰囲気違うよな。それはともかく、この絵を見ると古谷実のアシスタントやってたっての頷けるね。っていうか、ソックリだよ、女の子が。今は全然絵柄ちがうけどさ。

 「しょぼテン」(2001年)
 麻雀マンガ・・・なのか!?近代麻雀掲載だったそうな。この人が麻雀雑誌なんて、信じられんなあ。しかもこれ描くまで麻雀ってものを知らなかったのだそうな。内容は、なんつーか面白いんだけどつまらん(なにそれ)。

 「妹よ」(2001年)
 今回一番この人っぽいと感じた作品。ちんこに興味を持った妹と兄の話。ありがちといえばありがちか。でもこの人ならではの視点が面白い。そういやルーシーに出てくる香奈を連想するね。

 そんなこんなで★★☆☆☆。
 なんつーか、良くも悪くもコレクターズアイテム的な一冊かな、と。ファンならとりあえず読んでおけ。ファンじゃないなら買ってまで読むほどのモンじゃないかなあ。ってさ、わしゃコレ、本屋ハシゴしてまで手に入れたってくらい、買う前は期待値高かったんだけどね。でも考えてみたら死ぬほどファンってわけでもないんだよな。なので、少々肩透かし喰らった感じ、というか、自分で勝手に盛り上がってたのかなあ。まあ、NANASEと東京家族はおもろいんだけどね。うーん。でも月末の東京家族も買う。

 あ、なんでイマイチかわかったよ。
 今回エロが1個もないのよ。「妹よ」もエロくなりそでならないし。ほかのも、「リアル・サマー」でちょっとチチを触るくらいか。いや、「NANASE」も「東京家族」も、エロがなくても面白いんだけどさ。でもこの人の描くエロを読みたいって欲求もあるわけでね。んー、たまにエロも描いてくんないかなあ。
 って、ナニモンだ、わしゃ(汗)。

(発行日:2002/05/30)

 筒井康隆のSF小説「七瀬ふたたび」の漫画化作品。待望の2巻目。

 前巻で幼いテレパス・ノリオと出会い、ふたりで生きていくことを決めた七瀬。水商売の世界に入るが、そこで新たな二人の能力者と出会う・・・って感じか。興味のある方はほぼご存知だと思うので書いてしまうと、ひとりは念動力、もうひとりは透視能力を使う。で、ひとりは七瀬の味方、もうひとりは敵対するわけだ。この能力者同士のバトルが緊張感と迫力があってなかなかいい。この味はほかの作家さんではなかなか出せないんじゃないかなーとか思います。
 で、もう1エピソード・・・なのだが、これが全3話中2話目までしか載ってないのだ。んぬー。1月発売号にこの話の完結編が出ていて、連載ではエピソードは完結していて切りもいいのでここまで収録されるものだと思っていたのでちょっと残念。というか、読んでて消化不良気味になりますな。まあその分1話1話のページ数が多めなので、本のボリウム自体はたっぷりなんだけどね。

 そんなこんなで目下別冊ヤンマガの顔。期待しているマンガのうちのひとつです。
 ★★★★☆

 ちなみにちょうど今、週刊のヤンマガ本誌に出張掲載中。前にヤンマガのトピックでも書いたけど、こっちでは「七瀬ふたたび」ではなくて、「家族八景」が原作。ご存知の方も多いと思うのだが、「家族八景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」は連作になっている。「家族八景」は「七瀬ふたたび」以前の話という感じ。それはともかく、週刊だとページ数も少ないせいかちょっと物足りない感じだなー。でもこの分と、1月号分、それと4月発売号からのエピソード分で3巻目になるだろうか。そうするとあるいは8月くらいに3巻が出るかも。うひ。(←気が早いね)

(発行日:2002/03/06)

 「NANASE」「マイナス」の山崎さやか。そもそも講談社出身らしいのだが、「ななコング」「マイナス」「マザー・ルーシー」とヤンサンで描いたのちにヤンマガで連載。と、同時に名前が「沖」から「山崎」に変わったんだよな。その辺いろいろ事情があるらしいのだがそれはさておき。
 もともとそのヤンサンの頃からファンだったし、この「フローズン」の途中からヤンマガを買うようになって読んでたりもして、以前から揃えようかどうしようか迷ってたのだ。先日ブックオフで全巻揃ってる(しかも超美品)のを見かけて購入。そう、こうやって全巻揃ってると買いやすいんだよな。ついつい買ってしまうって話もあるけど。

 帰国子女の桃花は感情が高ぶる(特に怒りで)と泣いてしまう。曖昧な日本人に苛立ちつつ、関わる人間に説教する・・・ってそんな漫画かぁっ!?なんか違うな。というか、最初の方と後半とでは明らかに感じが違う。分けるなら2巻までと3巻以降か。後半の方は説教もするのだが、うーん、なんかうまく説明できないな。
 スジをうまく説明できないのだが、なんつーかまわりと関わって徐々にうち解けていくとかって感じなのだろうか。とか書いていて、こばやしひよこ「PERIDOT」となんとなく雰囲気が似ているなって気がしてきた。ということは、桃花という人間を通して、いろいろなタイプの人間の性質みたいなところを掘り下げていくって感じかなあ。
 こういう書き方だとつまらなさそうなのだが、そこは山崎さやか。人間の内面、とりわけ腹黒い部分とかの描き方が巧い。上級生の理沙子とか、保健室のまさこのエピソードあたりはほんとうまいよな。まあいずれも収まるところにちゃんと収まってしまうってあたりがちとツマラナイといえばツマラナイのだが、それでもこういう雰囲気の出し方って、この人はほんとにうまいね。
 つーことで★★★★☆。なにが「つーこと」なんだかわからんが、まあ気になったら是非読んでみてもらいたい。はまる人は結構はまると思うぞ。

 ちなみにこの人の絵。この作品の連載中にすごく変わってるんだよな。今の「NANASE」なんかは物凄く上手くなったなって気がするのだが、この「フローズン」最初の頃はそれほどでもない。4〜5巻あたりでめきめき上手くなっていってるのが読んでて分かるんだよな。なんかあったんだろうか。4巻の表紙とか、格好いいよなー。
 個人的には最後の方のレオのエピソードがよかった。どういうところに着地するのか全然分からなかったし、レオの行動も突飛すぎて展開がまったく読めなかった。なにより緊張感が心地よい。対して、よく言われることだと思うのだし、以前も書いた気がするのだが、OL編はかなり蛇足。レオ編で終わってよかったと思う。

 今度はルーシーを揃えようかと思ってるのだが、これがなかなかないんだよなあ。

(発行日:1999/05〜2000/09)

 筒井康隆の「七瀬、ふたたび」の漫画化。別冊ヤンマガ連載中。
 山崎さやかは以前 YS あたりで描いてたころは「沖さやか」と名乗ってた人。まあマンガ読みで、どっちかの名前を知ってりゃもう一方も知ってるか。5〜6年前の YS 回収騒ぎの原因となった「マイナス」を描いてた人ね。

 で、このマンガ。
 原作をご存知の方もおられるかもしれないが、七瀬という「精神感応能力者(テレパス)」が主人公の、SF ってんじゃないよな、オカルトというか、まあそういうヤツです。テレパスってのは、人の心を読めちゃう人ね。日本語だと「サトリ」ですわ。「サトラレ」の逆。って、無論「サトラレ」の方が逆なんだけどね。人の心を読めちゃうってことは、いろんなことがわかっちゃうわけで、それでまあいろんな事件に巻き込まれたり、事件を解決(?)したりとかってな感じです。
 これね、面白いですよ。くろひょうは原作を読んでないから単純にストーリーを楽しめるってのもあるんだけど、多分小説では表現しきれてない「ビジュアルな想像」とかもマンガなら表現可能だ。いや、ビジュアルに限らずとも、人の心が「入ってくる」というような描写、文字だけの小説では表現しきれない部分があるのではないかと思うが、そういうのもマンガならではの表現が可能になる。小説の漫画化っての、案外たくさん例があるのだが、このくらいしっくり来るのも珍しいかもしれないな。っていうか、そもそも筒井康隆はマンガの原作向きな人なのかもシレン。・・・って、ほかにもいくつかマンガの原作(というか小説の漫画化か?)もやってるよね。

 で、この巻では、七瀬が中学時代にその能力で罪を暴いた元教師との接触とバトル(て言って良いのか?)の巻、それと二人目のテレパスであるノリオとの出会いの巻。どっちもネタを知っていてもかなり読める。
 なんつーか、ひとつは筒井氏の原作の力なのだろうが、もうひとつ絵の表現力によるところがかなり大きい。前作「フローズン」の頃とは比べモノにならないくらいに絵がうまくなっているし、技術的にかなりスキルアップしていることが伺える。なにせ決めるべきコマひとつひとつ、すべてに迫力がある。加えて登場人物(主に七瀬)の表情というか、視線がいい。突き刺すような、というか、文字通り人を射抜くような視線が、七瀬の性質に説得力を与えている。
 うむ、べた褒めだねどうにも(笑)。いや、それくらいマンガとしていいんですよ。

 ただ、前にも書いたけど、表情のパターンみたいなのがいまいちかなって気がする。そういうキャラクターだからってのもあるのだろうが、七瀬の表情が常に緊張しっぱなしなのだ。ゆるむことがない。見てるとこっちまで緊張しっぱなしになってしまうくらいだ。読んでて少々疲れる。まあ、それだけのめり込んで読めるって証でもあるんだろうけどね。また、山崎の気合いの証拠でもあるんだろうけどね。
 その点差し引いてもかなり面白いマンガですよ。オススメ。★★★★☆。

 惜しむらくはちと単行本が薄いってことか。本編180ページほど。
 まあ区切りとしてちょうどいいってのもあるし、月刊連載だからあまり待たされるのも、ね。なので、連載のボリュームをもちっと増やすに1票(←そんな勝手なことを・・・)

(発行日:2001/09/06)

 微妙にヨイ。
 や、「微妙」ってあたりなのだが、気になることもあるっつーことで。まあ恐らくは主人公のキャラクタなのだろうが、七瀬にほとんど表情がないのがちと気になる。この人の前作「フローズン」は、主人公の設定として「笑わない少女」であったのでわざとだと思っていたのだが、もしかしてこの人、女性をキレイに描こうとするあまり、表情の変化みたいなものが描けなくなってしまったのではなかろうか?とか邪推してしまうな。以前は「マザー・ルーシー」で天真爛漫な少女を描いてたり、あるいは「ななコング」みたいなモノも描いてたりしたので杞憂だろうとは思うのだが、まあ気になるといえば気になる。

 肝心の本編は新たな能力者の出現で新展開。ただ、「気になる人が二人いる」とか言っているところをみると、単にこの能力者と絡むだけではなさそうな感じで。ああ、そうそう、わしゃこれの原作(筒井康隆「七瀬、ふたたび」)は読んでおらんのですわ。読んでみようかなーって気もするのだが、漫画を完了したのちに小説を読むってのもアリかもとか思っているので、当面読む予定はナシ。なので、原作読んだ方はネタばらししないでね。

 待望の単行本は9月6日発売。Episode0