「高田靖彦」(検索対象:タイトルのみ)の検索結果

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  これから、っていう感じのところで完結。
  うーん、人気なかったかなあ。

  意外な矢畑のファルコンズ、武智への思い入れ、他方門前はグレイツの監督・郷にトレーニングコーチになることを持ちかけられる。 もろもろうまく回るのか?と思わせておきつつ、郷の失脚。 失意の門前に、矢畑流の叱咤激励で、門前は本当に自分がすべきことを思い出す。

  うーん。面白いんだけどねえ。なんていうか、じっくり読ませるべきところが4巻直前くらいからやや駆け足になっちゃった感じだよなあ。 本来作者が書きたかったことはちゃんと書けてるんだろうか、という気になってしまう。
  この作品のもうひとつの不幸は、現実の球界の大騒ぎだよな。いや、不幸かどうかわからん。 このマンガをヘタに続けてると、マンガよりも現実の方がドラスティックに動いてたりして、 マンガ本来の面白さがまったく失われたって危険性もあったかもしんないしなあ。
  なんつーか、面白いんだけど、不遇のマンガだなあ、という気がする。★★★☆☆。

  この人、このあと「いま、会いにゆきます」の漫画版を書いてるのね。 こっちもまあなかなかいいんだけど、やっぱこの人本来の持ち味じゃないって気がしちゃうんだよなあ。 ぼちぼち年明けくらいからまたスペで書くらしいけど、次はあたって欲しいなあ。 で、「ユニゾン」と「塩浜電工バレーボール部」、その他短編、読み切りを単行本化する、と。
  あ、そういえば最終巻に本作のプロローグ的な位置づけの「ドライチ」が入るかと思ってたんだけど、入らなかったなー。 読み切りいくつかと、この間のヤンサンで書いてたやつなんかあわせれば、単行本一冊分くらいにはなろうに。 むー。

(発行日:2004/10/01)

  チームリーダーであった望月が、2軍に落とされたショックで女性に暴行。その裏で「ミスターファルコンズ」武智が石根監督を引きずりおろすために画策し、 ついには矢畑までがファルコンズを見放す発言を・・・という具合にかなりきな臭い感じになってまいりました。 ただのお涙頂戴で終わるマンガじゃあないよなーと思ってみていたのだが、脂っこいところにきた感じですな。 影の薄い主人公・門前も石根監督に現役復帰を持ちかけられてからいろいろと揺れてるようで。 この辺は最近の連載でなんとなく方向性が見えてきた感じだが、ほかの関係とどう絡んでいくのかしらね。
  とまあ、相変わらず地味は地味なんだけど、読ませるよなあ。この人のマンガ、読むのに時間かかっちゃうんだよな。 いや、悪い意味じゃなくね。じっくり読みたくなる感じ。
  ともあれ推しておきますよ。★★★★☆。

  しかしやはり展開が遅い気がしちゃうんだよなあ。スペはまた最近誌面改造をしてるっぽいので、あおりを食わなければいいけど。

(発行日:2004/04/01)

  相変わらずじんわり熱いという感じで。
  やあ、連載追ってると展開が静かでわかりにくいんだけど、 こうやってまとめて読むとあらためてこの人漫画書くのうまいなあ、とか思うですよ。 この作品の本筋というか、終着点がどこにあるのかはまだ見えないんだけど、 矢畑と門前、それぞれの性格がうまく使われてるというか、 いわゆる「キャラが立ってる」とか「キャラが動き出す」とかそんな雰囲気じゃないかなあ、とか思うのね。 4番のカオルのエピソードにしろ、須藤のエピソードにしろ、タグローのエピソードにしろ、 要所要所での矢畑の行動ってのがキーになってるし。連載当初はどうなのかなーとか思ってたんだけど、 こうやってまとめて読んでみると、作者も楽しんで書けてるんじゃないかなという気もしてくるな。

  なんとなく地味な印象は拭えないけど、この先楽しみな漫画だ。
  ということで★★★★☆。

  読み出すと最初から読みたくなる漫画ってのがあるんだけど、これもそうだな。 ついつい1巻から読み返しちゃったよ。それでふと気づいたんだけど、門前ってサウスポーなのね。 ペンを持つ手がいつも左手だし、電話の受話器は右手で持ってるし。 まあどうでもいいか。
  3巻は2月末発売予定。

(発行日:2003/11/01)

 「演歌の達」「ざこ検マルチョウ」の高田靖彦の新作。ドラフト1位で人気球団に入団しながらも、実力を発揮できずに失意のうちに球界を去った門前と、その門前のために日陰だったがアメリカに渡りメジャーリーグで大活躍する矢畑。そして弱小仙台ファルコンズを買い取り、チームの再興と野球場の「ボールパーク」化を夢見る女傑オーナー鳥塚。ファルコンズ再興の目玉として鳥塚が掲げたのは、門前の球界復帰と矢畑の獲得であったが・・・という感じ。あらすじ長すぎ?

 何度か書いてるけど、連載追ってるとかなりダレ気味なのよ。なんかこう、じっくりしすぎててまだるっこしいというかね。けど、こうやって単行本でまとめて読むと、すごく面白い。それぞれの考えてることがしっかり伝わってくるし、毎回毎回じんわり熱いし。「マルチョウ」のときにもやはり連載で追うよりも単行本でまとめて読んだ方が面白いなと感じたんだけど、これも同じだね。というか、こっちはマルチョウにはなかった熱さがある感じ。なんていうかね、内に秘めたる闘志みたいな。じんわりというか、じんじん熱い感じ。なかなかいいですよ。
 そんなわけで★★★★☆。

 ただなー。やはり連載追ってていまいちのめり込めないってのは、週刊誌、隔週刊誌くらいだと結構致命的なんじゃないかなと思うのね。幸い掲載誌が落ち着きがあって、じっくり読ませるタイプの作品もちゃんと載せられる雑誌なので、いきなり切られちゃうってことはなさそうだけど、この調子だと人気落としちゃいそうだよなあ。かなり心配。大好きな作家なので、がんばってほしいです。

 あとこの作品、スペ増刊掲載の「ドライチ」って読み切りがプロローグ的な位置づけになるんだけど、これが載ってなかったのがちょっと残念。最終巻あたりに収録されるといいんだけど、ムリかなあ。

(発行日:2003/06/01)

 最終巻。なんか今回、最終巻ってのが多いな。
 んーと、全体的な感想になっちゃうんだけど、ちょっとあっさりしてたかなあ、と。あー、いや、複数のエピソード、いろいろな人間模様が複雑に入り組んでて、話としてあっさりってわけじゃないんだけど、なんとなく淡々としているというか。これだけ引っ張っておいて、こんな結末かよ!とか思ったりすることもあったかなあ。最後もちょっと淡々としてるかなあ、とか。一度検事を辞めることを考えた潮が、そこからさらに成長する、なんて姿を読みたかったりもするわけで、これで終わられちゃうのはなんとなく尻切れトンボ的な感じがあるんだよなあ。
 あと、八重子とか堀部とかとの関係も中途半端なままってのも・・・まあ、あれはあれでいいのかもしれないけど、読んでる側としてはなんとなくすっきりしない感じだよなあ。一発くらいやっとけよ!みたいな(←やめなさい)。
 とはいえ、全体に面白かったですよ。何度か書いてるけど、隔週誌連載ではちょっと内容を追いづらかったとこはあるけど、単行本でまとめて読むと読み応えもあったしね。けど、これも何度も書いてるとおり、少なくともわしが高田靖彦という漫画家に望む雰囲気ではないかなあ、とか思わないでもない(←すげええらそう)(ファンなんてそんな勝手なもんなんです)。
 つーことで、★★★☆☆くらいかなあ。

 で、もうすぐ新しい連載がやはりスペで始まるらしいのだが、今度は野球モノらしい。この間増刊でやってた読みきりがプロローグになるらしいのだが、また、こう、なんつーか落ち着き払った作風になりそうな予感が。はてさて。

(発行日:2003/01/01)

 最終回。
 ちょっとあっさり目だったかな、って印象。結局やえたんと堀部との関係はなにも変わらずだし。単行本トピックで何度か書いてるけど、全般にあえておとなし目にしてるって感じがあって、「演歌の達」ほどはのめり込めなかったかなあ。浪花節っぽい部分も、ただのお涙頂戴で終わらせないよう工夫してるらしいところがかえって話をわかりにくくしてるようなとこもあったし。
 や、全般に面白かったですよ。普通の漫画として見れば十分面白い。ただ、やーっぱりこの人の持ち味じゃないんじゃないかなーって思いが拭いきれなかった。
 ともあれ、単行本待ちだなあ。9月予定にはないから、10月頃になるかな。でも単行本一冊分もページ数あるかなあ。読み切りが入ってると嬉しいかも。「ユニゾン」や「塩浜電工バレーボール部」はもちろん無理だろうけど、いつぞや増刊で描いたヤツとか、次回増刊(9/13発売)で描くヤツとか。

 で、次の連載は年末開始予定ですって。次回作も期待しましょ。

 かれこれ5巻目。
 この巻ではいよいよ謎の美人・やえが登場、潮に絡んでくる。が、まだ絡み具合はそれほどでもないかな。どっちかっつーとメインは前巻の続きで特捜編ってことになるだろうか。なんとなくじんわりさせつつ、事件も必ずしもスッキリとは片づかない、なんてあたりに味が出てるのかなあ、などと思わないでもないのだが・・・。
 しかしなんだか「大人の漫画」過ぎる印象が否めないなあ。無理に熱さを抑えてる感じ。んー、なんつーか、言葉ではうまく言い表せないんだけど、主人公の潮に感情移入するのが難しいんだよなあ。前にも書いたけど、潮の年齢もあって前作の主人公・達ほど熱さを全面に出さないってのもわからなくはないし、それに熱けりゃいいかっつーとそういうもんでもないんだけどねえ。むしろ潮は現在の30歳くらいの男性と比較してかなり等身大な感じではあると思うんだけどねえ。どうにも何か物足りなさを感じてしまう。なんじゃろか。や、人間くさい主人公って意味じゃ、かなりイイ漫画であることにはかわりないんだけどね。うーん、難しい。

 そんなこんなで★★☆☆☆くらいで。
 面白いんだけどね。単行本でまとめてじっくり読むと事件の全容も掴みやすいし。

 しかしこの人の書く漫画って、トイレのシーンが多いやね(笑)。

(発行日:2002/08/01)

 ううむ。

 いや、面白いんですよ。今リアルタイムで読んでるマンガの中ではかなり高い点数つけてる方。ただね、説明が難しい。主人公の潮は検事であるため、常に犯罪者(というか被疑者か)と向き合っているのだが、ここで安易に更正させてめでたしめでたし、とはならない。このあたりが読んでる方にするとストレスにもなるのだが、ただ、そこに物凄い人間くささがある。
 うん、最近になってようやく気付いてきたんだけど、この漫画ってありがちなエピソード1個1個片づけていくって形式じゃないんだよな。ひとつの人生として、ずっと繋がった時間の中で潮はその中で考え、生きているわけで、そこにほかの検事や弁護士、あるいは被疑者や安斎、堀部なんかの人生が交差するわけだよな。なんつーか、うまく書けないんだけど、つまりは事件とその解決を書こうというんじゃなくって、人間を描こうとしているんだな、って気がしてきました。そういう目で読むと、登場人物がそれぞれにいろいろなことを考えていて、その考えが交わったりすれ違ったりしてて、面白いです。
 って、この文章もたいがいわけわからんすな(汗)。

 で、この巻に関して言えば、特捜の助っ人として駆り出された潮が旧友・神林の取り調べをするあたりが山になるだろうか。ただ、それだけじゃなくて、例えば立ち会いの堀部の、父親に対する感情の変化みたいなあたりとか、その辺の描写が実に巧妙。この漫画の正しい読み方をこの巻でようやく知れた気がする。
 ★★★☆☆

 隔週連載は単行本発刊ペースも遅くてイヤンな感じ。次巻はまた9月頃になっちゃうのかなあ。

(発行日:2002/04/01)

 スペリオール連載の新米熱血検事の事件簿.3巻目.
 いや,「熱血」って書いたけど,もうこの3巻目あたりはそれほど熱血でもないんだよなー.1巻目のころはこの作者の前作「演歌の達」の越川達を彷彿するようなキャラクタで描かれていたのだが,2巻,3巻と話が進むにつれて,まあ主人公・潮貞志(うしおただし)が成長してるってのもあるだろうし,そもそも主人公自身30歳(だよな?)ってことで,それなりの落ち着きもあるんだろうし,という感じで,なんつーか無駄なテンションの高さみたいのがどんどん削ぎ落とされていってるんだよな.とはいえそれなりに内に秘めた闘志みたいなものは見え隠れはするのだが,しかしなんつーか,どんどん被疑者と周辺の人間ドラマみたいな雰囲気を呈してきていて,ちょっとなーって感じがしている.
 作者側の事情なんてもちろん知らないが,本作を読む限りで見て取れることとしては,「演歌の達」から離脱することがひとつの目標なのだろうな,ということ.1巻最初の潮の上司として登場したのが寺岡というこれまた熱いおっさんで,これが「演歌の達」での富沢本部長とダブってしまうのだ.その辺をはじめとして,最初の方ではどうにも「演歌の達」のカラーを脱却できていないなというのは伺い知れる.で,その辺が主人公・潮の成長とともに徐々に「演歌の達」離れが進んできているのかな,というような見方ができるわけだ.
 「演歌の達」が好きだったくろひょうとしては,寂しい気持ちもあるのだが,しかし好きな漫画家さんが自分の筆の幅をひろげてくれるのは嬉しいことだ.
 でもなー・・・てのがやっぱりあるんだよな.単なる人間ドラマを描くのならもっとうまい人はほかにたくさん居るわけで.そうでなくて,そういうものを描くのであっても,誰かのマネをするんじゃなくて,高田靖彦にしか描けない,熱くて人情味のある人間ドラマにしてほしいな,とか思うわけですわ.
 そんなこんなで,作者自身,迷いもあるんじゃないかなとか勝手に思ってたりします.

 前置きが随分長くなったが,この巻では新潟地検に配属となって・・・ってなお話.先輩検事である桑原の応援をする話なんかがメインになるわけだが,んむこのエピソードもどうにも潮がカッコよすぎるというか,アタリを出しすぎるきらいがあるんだよな.うまく行き過ぎちゃうのね.その辺がどうもなーって気がする.のだが,この巻の最後のエピソードでは事件の関係者が自殺をしてしまったりとか,まあそれなりに波乱はある.けしてつまらんマンガになっているわけではない.
 ただねー.全体としてツクリがテレビドラマぽい感じになってるんだよな.なんかさ,穿った見方ではあるけど,あたかもテレビドラマ化されることを狙って描いているかのようにもとれちゃう.柴門ふみのマンガなんかにそういうのは多いよな.ヒキとかタメとか,あとある一定期間毎のまとめというか落ち着かせ方みたいな.どうなんだろ?深読みしすぎかな.
 あるいは潮の妙なクールさみたいな部分とか,逆にテレビドラマに影響を受けた部分も大きいのかもね.ほれ,最近あったよね.いい男が検事やるドラマ.ねえ.あー,影響されてるだろうなー少なからず.まあそれが悪い方に働いているとは一概にはいえないけどね.
 ま,あとは「最初は敵対もしくは嫌っていたが徐々に主人公に魅せられていくキャラクタ」として登場するのが立ち会い事務官の堀部.なんつーかもう,ものすごく典型的な描かれ方ではあるのだが,彼女の視点ってのがこのマンガのキーになっていることもたしかで.
 ただね,堀部のセリフにもあるんだけど,潮のやり方で失敗したことがないってのはどんなもんなのかなーってのがね.絶対に人が死なない「め組の大吾」にも共通する気味の悪さみたいなものもある(大吾はそうだから面白いってのもあるんだけど)よな.その辺もきっと,「テレビドラマみたい」とか思っちゃう一因なんだろうな.

 まあいろいろ書いたけど,スペでは注目のマンガであることにはかわりないわけで.
 ただこの巻に関してはちょっと厳しめに★★☆☆☆.
 ま,この続きからまた面白くなるんだけどね.

(発行日:2001/10/01)

 最終巻.
 前巻のゼンジのエピソードの続きもあるのだが,ともあれラストエピソード.
 タツの勤めるテイトウレコードは世間の波には逆らえず事実上演歌部門を廃止することを決定する.が,それでは収まらないのが演歌に携わる男達で,演歌の大御所・稲城壮一はテイトウレコードの演歌部門の人間とアーティストを引き抜いて,演歌専門の新会社を設立することになる.そして稲城は歌に関してただならぬ情熱を持ったタツにも声をかける.しかし一方で稲城門下でタツのあこがれでもある演歌の女王・香坂美春は,稲城の新会社には移らずテイトウに残ったままでなんとタツが担当するという話が持ち上がる.
 ・・・という感じでタツの思いも揺れるのだが,その背後で稲城やタツの上司である遠藤,さらにその上司である富山など,それぞれの思惑がいろいろ複雑に絡み合ったり,さらには美春自身の気持ちなどもあったりして,ひっじょーに分かりにくい話になっている.わしはこれ,ラストエピソードだけ3回くらい読み直して,ようやくそれぞれの想いがわかるようになった.連載当時はなにやらバタバタしているうちに終わっちゃったなーって感じだったし.ん,前エピソードのところでも書いたが,このラストエピソードのドタバタ感ってのも,この作品の印象を悪くしている原因になってそうだ.まあその辺を考えから抜いても,憧れの美春と仕事ができる,というエピソードでもあるわりにはほんとにバタバタしているうちに終わっちゃって,やや消化不良気味.この辺,泥臭い話も交えつつもうちょっとじっくり描いて貰いたかったなーって気がするな.

 

 作中,タツのセリフで香坂美春の声と才能を絶賛した後で「あんなに素晴らしい声の持ち主なのにさ,演歌歌手ってだけで,耳を遠ざける人がたくさんおるなんて・・・なんか変だよ・・・どっかおかしいよ・・・」てのがある.んむ,同じようなセリフを1巻でロックシンガー(となる)水原紬(ミズハラツムギ)も口にするのだが,この辺が作品全体に流れているメッセージのひとつなのだろう.いや,演歌がってことじゃなくって,なんにせよ恰好や見た目だけでヘンケンを持つのはイカンよなっつーか.そうだよな.例えばこの「くろマン」でもいつも書いている「エリートヤンキー三郎」.「ヤンキー」ってタイトルに入っているだけで敬遠してしまう人は多いと思うのだ.が,いつも書いているようにこの漫画は凡百のヤンキーマンガとは明らかに一線を画している,バカヤンキーマンガなのだ.このバカの破壊力は読んでみないことには絶対に分からない.
 いや,まあこの例えもどうかとは思うのだが,そういうのはもちろんマンガだけに限らず,たとえば「近頃の若いモンは!」とかね.そういう感じで,ヘンケンはよくねーよな.ということを考えましたわ.

 ま,もちろんその部分だけじゃナシにこのマンガは面白いです.タツのまっすぐさとか,人の心までを動かしてしまう歌への情熱とか,熱くてホロりとくる浪花節.あいやもうなんせくろひょうのど真ん中ストレートですわコレ.
 つーことで★★★★☆.1個足りない理由は先述の通り.

 

 ちなみに単行本を揃えてみてはじめて気付いたのだが,このマンガの各話のサブタイトル,全部曲の名前なんだな.
 全84話で84曲.キミはいくつわかるかな??(←誰だオマエ)

(発行日:2000/07/01)

 物語は終盤へ.
 といってもそういう匂いはこの辺ではまだ全然してこないんだけどね.

 7巻最初のエピソードは前巻最後の山根福美との出会いのエピソードと絡みつつ,タツが担当する演歌歌手・天野史郎(アマノシロウ)の「幻の名曲」にまつわる話.この辺も人が亡くなるのではないのだが,分っていながらホロりと来てしまう話だ.

 そして7巻後半からはいわゆる「仕掛け人」的に多方面に才能を発揮するサンゾーこと梅原燦蔵(ウメハラサンゾウ)と絡むエピソード.サンゾーはその才能と話題性を買われ,タツの勤めるテイトーレコードの第3制作部とプロデューサーとして契約することになる.
 そしてサンゾーがプロデュースするアーティストとして目をつけたのが,前巻までに登場してきたさのせつこの所属するバンド「CLUNK」.タツ,サンゾー,せつこだけでなく,CLUNKのメンバーやせつこに力を貸す森治道らの間で, 義理と本音と建て前が交錯する.
 ネタバレしてしまうと,結局タツはせつこがサンゾーのプロデュースでデビューすることを認めるのだが,そこでめでたしめでたしとはならずにさらにもう一波乱起こってしまう.

 で,まあちょいといろいろあった後,サンゾーは自分が目をつけていたアーティストのひとり・ゼンジをタツに紹介する.が,ゼンジはプロミュージシャンになることにはまったく興味がない.彼の歌を聴くことすらできないタツはあの手この手でゼンジに近づこうとするが・・・ってなエピソード.
 正直なところ,ここまでの話の盛り上がりを考えると,なんでここまできてこのエピソードを挟むのかなーって気がしてしまう.いや,このエピソード自体が悪いってわけではないのだが,しかしこの件の締めくくりがいまいちスッキリしたものではないってこともあるし,これの前のサンゾーが絡むエピソードが強烈だっただけに物足りなさを感じてしまう.加えて人が財産な越川達,のわりにはこのエピソードではこれまでの登場人物が水原紬以外に登場しないってのも,おそらくは物足りなさを感じさせる理由のひとつだろう.
 ラストエピソードの直前のエピソードなだけにどうも惜しい気がしちゃうんだよな.ちと話はそれるが,s-book.com 経由で注文した(5)(7)(9).届いたのを見るといずれもなんと初版であった.初版の売れ残りが小学館の在庫として残っているわけだ.つまり,この漫画は売れなかったと,こういうことだ.言っちゃあなんだが,このエピソードがこの漫画全体のイメージを落としているところもあるんじゃないかな,という気がしている.

 それにしてもそんなに売れてないか・・・.
 はたして何部刷って何部戻ったのやら(←余計なお世話だ).

(発行日:1999/11/01〜2000/03/01)

 ここで書いたとおりようやく全巻揃ったのだが,はてどうやって紹介しようかなーと.過去には(1)〜(3)(4)という形で紹介してしまっているのであらためて全部ってのもなんだなーって気もするし.ま,あと好きな漫画で語りたいこともありそうなので,これまでにならってステージごとに何回かに分けて紹介しようかな.そんな具合ですわ.

 で,5〜6巻.
 アイドル歌手出身の女優・八島むつみ(ヤシマムツミ)の芸能生活30周年記念アルバムを手がけることになったタツだが・・・ってエピソードにはじまる.人が亡くなるエピソードってのは,泣かせとしてはある意味反則ではあるのだが,しかし八島とその弟が互いを思いやる気持ちが読んでて痛いほど伝わってきて,「くそう,こんなベタな話書きやがって」とか思いながらも涙を流すことを禁じ得ないのだ.

 それから物語後半の中心となってくるさのせつことの出会い.さのせつこは作中での演歌の大御所・稲城壮一(イナギソウイチ:北島三郎あたりがモデルか)の弟子として演歌の修行をしていたのだが・・・というあたりで,やはり最後まで絡んでくる稲城壮一とタツとの接触もあり,タツが歌い手として恋して止まない香坂美春(コウサカミハル:作中では30歳前後だが,イメージ的には石川さゆりあたりが近いか)も話に絡んできたり,これまでのエピソードでも登場している森治道(モリハルミチ)ももちろん登場し,それぞれの情熱が複雑に絡み合って,さのせつこは自分の道を模索する.
 んむ,ここまではなんとなく結果オーライ的な話が多かったのだが,このエピソードではタツが手をかけた歌い手がタツから離れていく(ちょっとニュアンス的に違うかも)というような話で,まー仕事なんだからそんなこともあるさって気もしなくはないが,しかしこのエピソードを通してタツも大きく成長することが伺える.

 で,あとはタツのパートナーとなる山根福美(ヤマネフクミ)との出会い.彼女の存在が今後タツが迷ったときにヒントになる・・・とかそういうありがちなモノになるわけではないのだが,でもまあ次巻以降のエピソードにも絡んできたりするし,次巻冒頭で,声優の江夏祥子(エナツショウコ:タツと山根が出会うキッカケともなった)と話すシーンなんかが顕著なのだが,読者に「越川達」という男を理解させるという面では重要な役割を担う存在となる.って感じか.
 まあなんつーか純粋に,公私の部分でお互いを認めあえるパートナーとなるのだが,その辺がなんとも暖かくていい感じだ.んむ,如何にも世の男性の理想っぽい感じだし(笑).

 評価はあとで全部まとめてってことで.

(発行日:1998/12/01〜1999/06/01)

 まだ在庫あるんだなあ

 県内、しかも簡単に車で行けるブックオフでしか探してないけど、探しはじめてかれこれ半年。まあまだ放出期に達していないせいもあるのだろうが、いっそ注文しちまったほうがいいかもシレンなぁ。残りたった3冊だし。

 ・・・って、さっき買い控えるとか言ってたばかりじゃんか(笑)

 ひさびさに入手.これて揃ったのが(1)(2)(3)(4)(6)(8).たしか全9巻なのであと3冊か.ええと相変わらず目撃した方は確保しておいていただきたくよろしくお願いします.
 で,この巻は3巻の続きで(あたりまえだ)アニメ声優アイドル・江夏祥子編からはじまって,ショートエピソード1件をはさみ,ジョイライド解散のあたり.ジョイライドってのは作中に出てくる人気ロックグループで,ボーカルの森治道がイメージ的に奥田民雄とダブったりするせいもあってか,ジョイライド=ユニコーンってなイメージで読めるのだが,まあそんな感じだ.森は主人公であるディレクター越川達の仲介(?)で演歌歌手・天野史郎に曲を提供したことにはじまって,これまでも,今後も達と深く関わっていくだけに,この辺は作中でも結構大きめのイベント.で,達は相変わらず熱血で・・・って感じだ.この辺からぼちぼち脂っこくなってくるかなーといった感じ.
 まあこれだけじゃあ評価のしようがないのだが,とりあえず★★☆☆☆.辛すぎかな・・・

(発行日:1998/08/01)

 んむ?1巻を買ったときになんか書いたかと思っていたのだが,grepしてみたところ見つからず.揃えるのを皆様にお手伝いしていただく都合なんかもある(←あるんか)ので,ちょっと紹介してみましょうか.

 若いのに演歌好きというちょっと変わったレコード会社社員・越川達(コシカワ タツ)は入社2年目にして念願の制作部へ異動に.しかし異動先は彼の希望する演歌の第一制作部ではなくロックの第二制作部.「歌にはジャンルはない!」を胸に奮闘するが・・・というようなお話.
 なんつっても主人公・達のまっすぐさが読んでいて気持ちいいマンガ.歌い手やミュージシャン,あるいは会社の人間とぶつかりながらもホンネでぶつかっていき,まわりをどんどんアツくしていく,ってのは如何にもくろひょうが好みそうな主人公だ(笑).まあちょっと間違えると「サラ金」になっちゃうのだが,そこはそれ,大成功でないケースなんかもあったりして,わりと現実感もアリ.でもまあ,全体としてサラリーマンってそんないい商売じゃねえよなーって気はするのだが,まあいいでしょ(←偉そうだなオイ).
 やっぱ今連載中の「マルチョウ」よっかこっちのほうがいいなってことで★★★★☆.

(発行日:1997/07/01〜1998/05/01)

 お.こっちも主人公がうしおだな.んあ,でもこっちは名字か.まあいいや.
 新米検事の苦悩の日々(←それだけかよ).やー,青春ってのとも違うんだけど,ちょっと暑苦しいくらいの人情ドラマ.苦手な人はまるでダメだろうねえ,こゆマンガ.
 んでまあ2巻なんすけど,1巻の頃のインパクトと比べるとちょっと停滞気味かなって印象.とはいえ同期の丹羽ちゃんの告白とか,潮の奥さんや子供のこととか,物語のバックボーンになっている部分が見えたり,新任期間を終えて新天地に異動したりと,物語がこれから展開していくことを匂わせるような巻.完結後にあとでまとめて読んでみるとまた違うかもね.
 でもまあ好きずきでってことで,無理には勧めませんぜ★★☆☆☆