海月玲二

仮にもバックパッカーのはしくれとしては,バンコクに一度も行ったことがないというのはちょっとアレな気がするので,今回はじめてちゃんと滞在してみた.

この町は,外国から来るものが前提であることはよくわかる.外人観光客向けの店の数々は言うまでもなく,駐在員向けやビジネス客向けの店やサービスもたくさんある.さらに言えば,外国の商品とか,外国文化を意識したパッケージや店頭ディスプレイなんかもやたらにある.よくいえばコスモポリタンな町だ.日本人としては,日本語が多すぎて変な感じがするほどだ.へたすると台北より日本語を目にする機会が多いのではないか.

まあアレだ,外国からの投資その他によって,周辺地域に比べると明らかに突出して力があるのもわかる.巨大ビルの数も全然違うし,それに何度かこの日記でも書いてるとおり,まがりなりにも高架鉄道や地下鉄といった市内交通機関を維持できている,というのはそうでない所と全然違うのだ.さらに言えば,大学もでかくて,設備もそこそこちゃんとしてそうだった.つまりエリート層が自給できるということだよな.

もともとのタイ文化的にどういう気分なのかはわからん.まあ,もともとのバンコクの都市化にしたって近世の中国系移民の影響が大きいのだろうし,そういうものなのかもしれない.少なくとも,周辺諸国と違って植民地化はされずにすんできてるわけだし.

ところで,バンコクではsimフリー携帯がよく売ってていいとか聞いたので,わざわざ電気街を長時間探してみたけど,そんなにいいのはない感じ.というか,要するに安く売ってるのはエントリースペックのやつなのである.よく考えたらそりゃ高級品を安くは売れないよなあ.日本と違って「店頭で気軽に買えていい」という話なんかね.通販で買えば日本でもいいような気がする.
あと電気街はPCパーツ関係の店がけっこう多かった.しかも中古とか修理サービスとかが多い.PCのパーツなんか,中開けてハンダ付けとかで直せるもんなんだろうか?


今回の旅行はバンコクからはじめて東へ向かい,ラオスを通ってベトナムまで行く.国境を通過できるポイントは,何箇所もあって選び放題だ.まずラオス入国はナコンパノム〜タケク間の国境にしてみた.観光客がよく使うノンカイ〜ビエンチャンは,前来たときに通ってみたので.

さてバンコクからナコンパノムまでは10時間以上かかるような距離だ.飛行機を選択してもいいレベルである.最近はLCCも増えたしね.でもまあ,今回は寝てる間に効率よく移動ということで,寝台列車にしてみた.中年になってからは,夜行バスはよほど他に手段がないときしか使わなくなったなあ.

乗ったのは二等寝台だ.個室でもコンパートメントでもなく,車両の左右に二段ベッドが並ぶタイプである.当然ながら貴重品管理的には多少アレだ.一等だと個室らしいからマシだろうけど,そこまで行くと飛行機のほうが安いかも.今回は819バーツだったので,さすがに飛行機よりは安い.一泊分の宿泊も入ってると思えばお得だ.

タイ国鉄は乗車した人の記録も多いし,さらにあえて俺のところでも書いておくべきこととしては「冷房は本気で寒いので,長袖の服は絶対用意したほうがいい」かな.たまたま検索で来た人は,これだけは気をつけたほうがいいよ.

あとちょっと驚いたのは,飛行機の機内モニターよろしく現在位置をマップで表示するモニターがあったことだ.よく知らない路線の早朝とかでも降りる駅を間違えずにすむし,降りる用意するのにあとどれくらい余裕があるかもわかる.外国人にとってはかなり便利なもので,けっこうありがたかった.


バンコクの近くにある「ナコンパトム」という町とは全然関係ないので注意.

インドシナ半島は東西の交通網が整備されつつあるので,いちおうこの町は国境の交易拠点ということになっている.たぶん,昔に比べれば商売が増えた,という程度の意味だろう.そんなに商店でいっぱいということはない.

国境で川沿いの町なので,夕方には川沿いに店が並んで外人がビールを飲みながら川を眺めたりしてるのかと思えば,別にそんなことはぜんぜんなかった.というかそもそも,川沿いは確かに遊歩道だが,別に店は出ないのだ.ちょっと川から離れたところにはナイトマーケットがあるけど,そっちはビールとか飲んでだらだらするというより,お惣菜を買って帰るための屋台が多い雰囲気だった.ていうかつまるところ外人観光客があんまりいないんだよ.ちょっときれいそうな食堂なんかでも英語は全然通じなかったり,レストランが8時ぐらいでどんどん閉まっていったり,なかなかのローカル感.

さて地方都市というのは,観光客向けではない店や町並みなどを訪れる絶好の機会でもある.町の西のはじっこに二つほど,1フロア形式の簡易的なモールのようなものがあり,本屋で数学の参考書を買ってみたり,フードコートで昼食やおやつを食べてみたりして楽しんだ.フードコートで食べたチキンライス(タイだからカオマンガイと言うべきなのかな)は,実際安いし悪くない味だった.ただ,フードコート用プリペイドカードに,さしたる考えなく100バーツ入れたら,思い切り余ってしまったけど.タイのフードコートって,現金が使えずプリペイドカード専用のところが多いような気がする.

なお,べつにそういうところにばかりいたわけではなく,川沿いを歩いたりとか観光もしている.仏塔を見たりとか.メインストリートが川にぶつかるところにでかい多頭竜の像があったけど,あれはこのへんの仏教ではよくあるモチーフなんかね.むかしラオスの寺とかで見た覚えがある.バンコクでは全然寺とか行かなかったからよくわかんないけど.


バスで川を渡ってラオスに入国後,せっかくなので観光をしようということで,「コンロー洞窟」なる名所に行ってみることにした.しかしこれがまたどうも山奥にあって行くのがめんどうくさいのである.

某地球のナントカによれば,ラオスに入ってすぐのタケクという町から,洞窟のある村まで行くバスがあるとか書いてある.しかしながら,このバスは一日一本,朝にあるだけらしい.らしい,というのは実際に見たわけじゃないからよくわからないのだ.

一方,ネットで情報を集めると(日本語だとあまり出ないので英語のほうがいい),

  • まずタケクからビエンカムまで,北行きの適当な交通手段で行く(首都に向かう街道なので,バス等はいろいろある)
  • ビエンカムから東行きのトラックに乗ってナヒンまで行く
  • ナヒンから南行きのトラックに乗ってコンロー村到着

という3ステップの情報ばかり出てくる.結局のところ,ツアーでなければ一般的にはこっちになるんだと思う.俺はバス乗り場で「コンロー村に行きたい」と言ったところ,トラックの荷台に乗せられて二時間半,ビエンカムで下ろされ,別のトラックを紹介された.この時点でやっと,3ステップ式の移動になっていたことがわかったのである.

というかね,某書ではタケク→コンロー村のバスがバスターミナルじゃなくて「ペッマニー市場横のバス乗り場」から出ると書いてあるのだが,このペッマニー市場なるものがどこなのかよくわかんないんだよね.地図は簡単なのしか載ってないし,市場はひとつじゃないし.俺の場合,タケクのバスターミナルについたのが10時ごろで,それから行ったり来たりしてペッマニー市場らしきところについたのはもう12時だった.いわゆるトゥクトゥクは大嫌いだから可能なかぎり乗りたくないけど,こういうときは素直に乗っておくべきだった.さらに,結果から言えば,直通バスにはどうせ乗れなかったのだから,タケクのバスターミナルからそのままビエンチャン行きにでも乗って,まずビエンカムに行くべきだったのだ.

そもそも,タケクのバスターミナルとか市場とかは市街から離れすぎだと思う.どうせ人の少ない町で,土地なんか余ってるだろうに.あんな不便なところにわざわざ作るってのは,トゥクトゥク業界の圧力でもあるんじゃないかと邪推してしまう.


わりと苦労しただけあって,洞窟そのものはわりと面白いものだった.鍾乳洞なんだけど基本的には川が流れていて,小舟に乗って進むのだ.一部徒歩で進む部分があって,そこでは鍾乳石とか見たりもできる.というか,鍾乳石とかが多いエリアを観光用に歩くルートに設定した,というほうが正しいのだろう.別にそこをスルーして全行程船でも行くこともできるのだ.実際,移動に使ってる地元の人は普通に船で行くし,観光客も帰路は全行程船である.

いちおう救命胴衣は貸してもらえるけど,いらないことをするとけっこう危険だと思う.さらに,いちおうヘッドライトは貸してもらえるし,徒歩で移動する部分は最低限の照明があるけど,基本的には真っ暗である.

なお,鍾乳石エリアから船に戻るとき,浅瀬を渡って船に乗らねばならない.つまり,長ズボンだと普通に裾が水につかるし,足元はサンダルじゃないとつらいかもしれない.外に出ればどうせすぐ乾くので,諦めて進もう.さらに言えば,ときどき浅瀬があってそのたびに船頭の人が船から降りて押したりしてるのだが,一番の難所だと観光客も手伝って船を押すことになる場合がある.もちろん,ズボンはけっこう濡れるしわりと大変だ.

というわけで,なかなか先進国ではお目にかかれないワイルドなシステムなので,ちょっとした冒険をお好みの観光客の間で最近人気が出ているらしい.もうちょっと人気出て,コンロー村から直接山を超えて西の街道に出る道とか整備されたらいいのに.

タケクから来るにしろビエンチャンから来るにしろ,日帰りで来るのはかなりつらい辺境なので,まあ村で一泊したほうがいいと思う.コンロー村にも数件ゲストハウスがあり,数人ぐらいだったら飛び込みでもなんとかなるはず.たぶん.ちなみに村には街灯とかないので夜は真っ暗だ.夜はヘタに動かず,泊まったところで食事もしたほうが安全である.だから全てのゲストハウスにレストランがあるんだろう.


2017-03-05(日)

タケク

タイのナコンパノムと,メコン川を狭んだ反対側にあるラオスの町だ.ナコンパノムと比べると建物が明らかに少なく,圧倒的に田舎である.タイとラオスの差がそのまま出てるな.むしろコンロー村と雰囲気は同じで,ちょっと規模が大きい程度な気がする.

でも外人観光客はこっちのほうがはるかにたくさんいる.どうもタケクを拠点としてバイクを借りて田舎を回る,という観光が西洋人の間では人気らしい.また,タケク付近の山地は切り立った岩山が多いため,クライミングが好きな奴も来るようだ.おかげでゲストハウスやレストランは妙に多く,川沿いにもレストランとかバーとかいろいろある.町の規模と観光客の数が逆なので,なんか変な感じである.

タケクの町自体には,いわゆる観光名所はない.しいて言えば,中心の市街はフランス植民地時代に作られたので,若干洋風な要素が混じっていておもしろい,というぐらいか.でもまあ観光客が続々来るようなもんではない.なので,観光客はけっこう来るんだけど,別にこの町に長々と滞在するというわけでもない.まあ,俺も一晩泊まっただけだけども.コンロー村を11時に出て,ここまで来たら16時であり,そこからさらに次の町まで行くのはきついと判断した次第.

それでも,地元の人向けっぽい居酒屋に間違って入ってみたり,広場の屋台で麺をすすってみたり,朝にはホテルのレストランで川を見ながらお粥を食べてみたり,それなりに滞在の楽しみというのはあるものだ.食べる話ばかりか.


タケクからもうちょっと南に来るとこの町だ.タケクとおおむね同じポジションの町だが,こっちのほうが険しい山地から若干離れており,こっちのほうが大きな街道が通っている.そのせいだろうが,タケクよりはだいぶ大きな町だ.「大きな町」というのはまあラオス的な意味でだが.ただ,滞在したのが主に日曜日の午後だったので,非常に人が少ない静かな雰囲気だった.観光客もほとんどいないし,道の真ん中に立って写真とか撮ってられるレベル.平日はもうちょっとにぎやかになるんだろうか.

Lin's Cafeなる観光客向けの店があって,ちょっとした展示とかおみやげとかも置いてるそうなので期待していたところ,日曜日は休みであった.例によって地球のナントカに書かれてる情報は間違っているので注意.場所は移転しているし,休日は水曜日ではなく日曜日である.しょうがないので,川沿いの建物にあったオサレなカフェでおやつを頼んで休んだのだった.ところで,ハニートーストって「トーストに後から蜂蜜をかけて食べる」というものだったっけ?

バスターミナルの近くに「ショッピングセンター然としているのに空っぽの建物」というものがあって,わりとびっくりした.6階建てぐらいのけっこうでかいビルで,わりときれいだし,"CINEMA BOWLING SHOPPING MALL"とか書いてあるんだけど,中はほぼ何も入っていない.正直ちょっと怖い.別棟の一階だけほんのちょっと営業していて,「スーパー」と称する店がある.商品のほとんどはタイ製だし,生鮮食品とかパンとか扱ってなくて,我々が想像するスーパーとはだいぶかけ離れてるけど.あとこのスーパーの横にフードコートらしきエリアがあるんだけど,誰もいないし暗くてやっぱりちょっと怖い.

この町でラオス滞在も終わりなので,(現金を使い切るために)ちょっと豪華に食事をしようと,川沿いのレストランまではるばる20分ほど歩いて行ってみた.食事はなかなかおいしくてそれは良かったのだが,帰り道は緊張した.日が落ちたあとは,町のそこらじゅうにいる野良犬が活発になるのである.縄張り争いしてたりして,横を通るのにも刺激しないよう慎重に歩く羽目になった.縄張りがあるだけあって,どの犬も一定距離離れると元の場所に帰っていくんだけど.


サバナケットからフエへは国際バスが平日朝8時に出て,17時半ごろ到着する.むかし乗った,ポーンサワン〜ヴィンのバスに比べれば多少マシだ.朝食を食べる余裕もあるし暗くなる前に到着する.フエの南バスターミナルに着くので,ちょっとだけ中心部まで遠くてわかりにくいのが難点である.まあ,最近はGPS付き地図があるからそうたいしたことではないね.降りてから地図を確認してみて,「ターミナルに着く手前で降りたらけっこう時間を節約できたはず」ということに気付いたけど!

昼ごろ国境手前の集落で一旦休憩して(昼食を食べたければ食べれる),それから国境である.国境審査では,ラオス出国手続きのカウンターとベトナム入国手続きのカウンターが「横に」並んでいた.これはちょっと珍しい形式ではなかろうか.ふつう,最初の国の出国手続きがあって,その先に進むと次の国の入国手続きがある,という配置が多いと思うんだけど.

あまり外国人は通らない国境らしく,日本のパスポートを見ると係官が同僚に何ごとか確認に行ったりしていた.しかも,ラオス出国手続きで,いまさらラオスの入国カードを書かされた.ラオス入国のときはそんなこと全然言われなかったんだけど.

まあ以上のようなことは別にどうでもいいのだ.俺が気になったのは,「ラオス出国手続きのとき,パスポートに現金を狭んでいた人がけっこういたのは何故なのか」である.もしかして何かの手数料が必要で,現金がないとマズいのかとかなり焦った.結局俺のときは別に何も言われなかったので,外国人観光客には関係ないようなことらしい.ラオスやベトナムの人にもそれぞれの苦労がありそうだ.


2017-03-08(水)

フエ

ベトナム中部の町だ.観光名所に多い旧首都ジャンルの町である.まあこの町が都として整備されたのは19世紀はじめになったころではあるし,町並み自体も当時からそのままというものでもないけれども.そのせいか,旧市街と新市街はさほど雰囲気や町並みに違いがあるわけではない.中国文化圏の都なので,旧市街は京都みたいな四角い区割りであること,あと旧市街のほうが歩行者サイズの通りが多いので散策しやすいことぐらいか.高層ビルなんかは全部新市街にある.というか,もっと旧市街と新市街は違うのかと思っていたよ.

Mandarin Cafeなる観光客向けの店で,散歩ガイドマップを置いていたのでひとつもらってきて,それなりに観光客らしく観光もしてみた.このガイドマップ,散歩モデルルートとして「王城内に入らないで周囲を散歩するだけ」という潔いコースを設定していたので,俺もそうしたのだった.まあその,王城内部の建物はあまり元のものは残ってないという話だし,要するに中国式の宮殿だしな……外からでも門とかは見れるし.

あとここに来る観光客としては歴代王の墓所というのもあるらしいが,徒歩圏外なので完全にスルーした.結局,あちこちの通りを無意味に行ったり来たりして,麺料理を食べたりコーヒーを飲んだり本屋だのスーパーだの大学だのを見物したり,てきとうに過ごしてるうちに,なんか二日間経ってしまった.いごごちのいい町,ということになるのかもしれない.気軽なカフェが多くてのんびりしやすいんだよねえ.

あるとき旧市街の喫茶店でのんびりしていたら,周囲の客がトランプに興じている男の子グループばっかりだったことがある.その上後からさらに一組増えて,この連中は俺の座ってるすぐ隣でトランプを始めた.マジかよウゼエなと思っていたら,その中の一人が茶をつぐついでに俺にもついでくれて,なんか反感が減ってしまったのだった(ベトナムの喫茶店は,日本の店でお冷やが無料で出るような感じで,お茶のポットが無料で出てくることが多い).


完全にテーマパーク型,ザ・観光地という感じの町だ.むかしは貿易港だったそうだが,今ではおよそ観光ぐらいしか産業がない.旧市街は黄色い壁で統一されており,一階が広く開いたいわゆるショップハウス的な建物が並んでいる.マラッカと似てると思う.でもマラッカは貿易港としてもある程度現役なところが違うか.

見たところ,この町の観光は夜がメインのような感じだった.旧市街や川沿いは提灯の灯が並び,観光客がレストランやらカフェに集まり,露店でおやつやお土産を買ったりしている.お祭りか何かのような雰囲気だが,特に何の日でもない.目隠しして風船を割るとか,ランダムに引かれる札の柄や文字を当てるビンゴっぽいゲームとか,そういうアトラクションもやっている.

自転車で2〜30分ぐらい行くとビーチにも行ける.観光客的にはいろいろ集まっていて便利なことである.いや,もちろん別に自転車漕がなくても,タクシーとかで行ってもいいんですよ.

この日記では常々ぼっち充生活を推奨しているわけだが,今回は「ひとりビーチリゾート」を敢行してみた.ひとりでわざわざビーチに行って,ひとりでレストランなど入ってアイスコーヒーとかフルーツ盛合せとか頼み,特に何をするでもなく海を見ながらのんびりしたのだ.マイルドヤンキー型の俺の弟などに話したら正気を疑われそうだが,なかなか楽しいものだと思う.じっさい,南国だからフルーツも普通にうまいしな.

ところで,ホイアンの近くのビーチは二箇所ある.南側のクアダイビーチのほうが昔から観光開発してるらしく,メジャーだし大型リゾートホテルなんかもいくつもあるのだが,最近はこっちのほうが侵食がかなりひどいようだ.正直,土嚢が積んであったり近くに作業船がいたり水が土色だったり,とても「ビーチリゾート」という雰囲気ではない.それでも白人観光客はがんばってビーチしてたけど.いま行く人は北側のアンバンビーチのほうがおすすめ.


2017-03-12(日)

ダナン

現代,かつてホイアンが担っていた貿易港の役割を引き受けてるのはこの町だ.観光客にとっては,ホイアンとかミーソン遺跡とか行くための空港がある町である.実際,空港にはかなりの外国人観光客がいるにもかかわらず,市内ではほとんど目にしない.空港では国際線出発より国内線出発のほうが圧倒的に混雑してるのだ(観光客は普通ホーチミンシティやハノイから入出国するからね).

さらに,市内ではあんまり観光客を目にしないのに,ホテルだとかスーパーだとかには妙に観光客がいたりする.ひとつだけ,先進国基準でもショッピングモールと呼べるレベルの施設があって,ここのスーパーでは日本人観光客などもよくお土産を買っているのを見た.俺が宿泊したホテルも日本人がやたらたくさん泊まっていて,朝食時など係の人がテレビをNHKに変えたレベルである.

でかい町なので,わりかた滞在はしやすい.観光客がそんなにいないので,食事やコーヒーなんかで無茶な値段を言ってこられることも少ないし.うまい食べものはここでもいろいろと食べれるので,観光客的にも,ひと休みしても悪くはないと思う.バインセオ(お好み焼き的なもの)やミークアン(きしめん的なもの)等の名物料理の有名店なんかもいろいろある.

夕食に,バインセオの有名店に行ってみたところ,「お好み焼き状のものをさらにライスペーパーで巻いて食べる」という発想にちょっとびっくりした.「バインセオ」で検索するとレタスに巻いて食べるスタイルがよく出てくるのだが,ライスペーパー式はこのあたりの流儀なんだろうか.いずれにせよ,味はうまかった.ゴマダレがたいへんよく合っている.細い路地の行き止まりにあって,調べてからじゃないととても行けない感じなのも,英語がほぼ通じないのも,「地元の名店に行った俺」感を演出できてよい.実際にはそれなりに観光客も来てるようだけど.


2017-03-12(日)

無題

ベトナムはコーヒーの産地なので,あちこちで安く飲めるし味もうまい.かなり濃く出してコンデンスミルクを入れて飲むのが一般的のようである.最初からよく混ぜて,細長いコップに入れて出してくるのはサイゴン風らしい.中部では,少量のコーヒーとミルクと氷が別々に出てきて,飲むときに混ぜるスタイルだ.

実際このコーヒーにコンデンスミルクを入れて飲むという方法は,東南アジアではわりと一般的なのだろうか.マレーシアでもわりとよく出てきたような覚えがある.ちょっと調べてみたら,もともと牛乳が常温保存できなかったからコンデンスミルクを使うようになったとかいう話のようだな.かなり苦いコーヒーに甘味をたくさん足して飲むという,エスプレッソめいた飲みかたになったのは,結果的なものなのかもしれない.

ところで,ベトナムにはあちこちに喫茶店があり,コーヒーを飲んで休んでる奴とかみんなでカードに興じてる奴とかがよくいるわけだが,客がだいたい男性なのはなにか理由があるんだろうか.そして店員は女性のほうが多い気がする.気のせいかね.

あとラオスのコーヒーをあまり試せなかったのはちょっと惜しかったな.ベトナムとくらべて喫茶店が少ないんだもん.


2017-03-12(日)

無題

今回も機内映画のコーナー.

  • Shin Godzilla: あー,これは,ちょっとでもオタク的センスを持ちあわせていれば楽しめると思う.つまり,日本人の多くは楽しめると思う.芝居ががった台詞っていいよねえ.東京破壊映像もなかなかで,列車爆弾とかロマンあるし.あと,幼生ゴジラがなんか悲しげなデザインでよかった.
  • KEANU: かわいい猫映画かと思ったら全然違ったよ! 基本的には「いつ大嘘がバレるかどきどきする」系の映画だったけど,簡単に人とか死ぬし,登場人物は頭がアレな人ばっかりだし,元凶はゾンビみたいでよくわかんないし,かなりふざけた映画だった.いや,猫はかわいいんだけど.あとスラングが多すぎて台詞の聞き取りが超難しい.英語の字幕付けたけどそれでも大苦戦.
  • Suicide Squad: やっぱひとつはこういう気楽な映画見ないとね.破壊映像はなかなか派手でよかったので,もっと徹底的にやったらいいと思った.この映画,デッドショットが主人公ということでいいんだろうか.悪党のくせに善人すぎねえかこいつ.あと,ハーレイとブーメランの特殊能力は結局何だったんだ?

ていうか香港乗り換えは時間が短くてせわしない.ひとつ見るのがやっとだな.