海月玲二
2017-11-04(土)

無題

「少女終末旅行」なるアニメを見ていたところ,別に何も特別な回ではないのに,わざわざ専用の歌を作った特殊エンディングが入って仰天した.確かに内容から自然に入ったよいエンディングになっていたけど,ふつうそんなことするかね.

以前から,このアニメは「他のアニメと比べてコストや手間がかからないから,そのぶんクオリティを確保しやすい」ということではないかと疑っている.なにしろキャストはほぼ二人だけ(稀に三人),二人の人間以外に動くものもあまり出てこない.原作者の絵自体がシンプルな画風なので,おそらく作画の時間もそこまでかからないだろう.その結果,(今回に限らず)音響や構成に凝ってみたり,ちょっとしたシーンでもちゃんときれいに動くアニメーションを実現したり,といったことをする余裕が生まれるんじゃないだろうか.原作の再現度も非常に高いし.

昔,「蟲師」というアニメがあったけど,あれも原作がもともと絵面が地味で動きの少ない作品だったせいか,アニメとしてけっこうよくできていたな.

まあそんなこと言い出したら,連載漫画にしたってそうなんだろう.なんでも作るコストにはいろいろ差があって,無理をすればするほど作画崩壊とか設定破綻とか起きだすのは事実だよね.さらに言えば,「全体としてはアニメ漫画業界はジリ貧だけど,すでに多数の人が関わってしまっているので,規模を縮小できないチキンレースになってる」という問題と考えれば,かなりいろんな業界に見られるかんじ.