さすがに,散歩してまわってもなかなか楽しめるところだった.旧市街はそれなりに複雑(ガイドがないと歩けないほどではない,というのもポイント)だし,地区ごとに雰囲気が変わるというのがすごい.普通の旧市街の4つ分楽しめるわけである(言いすぎ).しかも,ここではおみやげ売りとかのセールスをスルーするのが非常に楽である.観光客が多すぎるので,一人あたりの対応の必要が減るのだ.観光客があまり通らない通りでは,セールスもほとんどなくなるし.
一方西エルサレムの新市街では現代的な町並みを楽しむことができる.けっこう広いのだが,ちゃんと路面電車やバスもあちこち走ってて,外国人でも使いやすいのでご安心だ.停留所に「あと○○分で来ます」みたいな表示さえあって,もう完全に先進国の雰囲気である.レストランやカフェなんかも,先進国的に洗練されたものを出す店が多く,それなりにグッドだった.
さて先進国みたいということで予想できることだが,エルサレムは物価が周辺と比べて超絶に高い.あまりに高いので,さすがの俺もドミトリーに泊まらざるを得なかった.食事も,外食は一日一回までに制限して,ホステルのキッチンにはお世話になった.新しいホステルなので設備もわりと綺麗で快適だったし,ふつうの観光客より早寝早起きなのでシャワー等の時間が他人とかちあうことも少なかったけど,やはり部屋で一人になれないというのは落ちつかないな.
新市街の博物館を見ていたら,「一時期たくさん来たソ連系の移民とそれ以外の市民との軋轢」みたいのをテーマに,わりとえげつない画風の絵を描いてる人の展示がなかなか面白かった.「ユダヤ人」というアイデンティティをもってしても,それでも人は「あいつらは俺らと違う」とかいうようなことをやりたがるものなんだなあ.