海月玲二
2018-03-23(金)

紅蜘蛛

古い知り合いが個人的にノベルゲームを作っていて,このあいだ会った際,ついにフルボイス化までこぎつけた話をいろいろと聞いたので,いいかげん俺もやってみることにした.

このようなクオリティの作品を,ほぼ個人で製作して世に出せるようになったことに,俺は感銘を覚える.たぶん,ほんの7〜8年前でも,このサイズのダウンロードは躊躇したんじゃないかな.もう少し戻ればBGMだってmp3使うか悩んだだろうし,いろんな環境で動かすのももっと大変だっただろう.製作に使えるツールだって全然違う.

このゲームは「ハードボイルドテイストで,登場人物がお説教してくる乙女ゲー」という,わりに特殊な趣向の内容である.しかし,何か作って公開するということは,極論すれば,それが誰か一人にでもヒットすれば,十分意味があることなのだ.趣味だからこそ,売上げを気にせず作りたいものを作っていいし,そういう人にとってもものを作る道が開けた時代だと思うのだ.むしろ,これからは「趣味ではなく商売として文化的な創作をする人こそが,確固たる理由と技術が必要」という気がする.

さらに言えば,公開「し続ける」ことのコストも昔よりものすごく下がっている.ノベルゲームは30年後に見てもノベルゲームだと思うんだよね.俺は20年前のゲームをいまさらはじめて楽しんだりすることがあるし,ほかにもそういう人はいると思う.

人間社会はまことにクソであり,それは何千年もの間何も変わっていないのだが,俺のように趣味に生きる者にとっては現代ほどいい時代はない.そして将来はさらに明るいと思っている.きっとフル3Dのオープンワールドものとかが個人で作れる日だって来るだろう.俺は可能な限り元気に長生きしたいと思っている.

ところで個人的には鬼ルート推しです.