「なぜ街歩きをするのか」というのは,確かにたまに考える.
でも,「ネットとか地図とか書籍とか映像とかで調べまくるのではなく,なぜ実際に町に行くのか」という問題であれば,それはもう自明で,情報量が全然違うからだ.画像ではうしろから見たりできないし,視点も移動できないし,物をどけて見たりもできない.あとストリートビューには店の中とかは滅多に写ってないし,そもそもストリートビューの来てない町もたくさんあった.
視覚情報以外にも,通りががった人の話し声とか遠くで聞こえる宣伝の音とかわかんないし,飲み喰いすることもできない.それに,町というのはいつもどこかしら変わっていくもんだから,その時しか得られないこともあるしな.
ただ,「自分自身で実際に見るかどうか」というのはわりとどうでもいい.「マトリックス」みたいな完璧なバーチャルリアリティが本当に実現できるのなら,俺は別にそれでもいいと思う.そこまでいくには,まだちょっと時間がかかるんじゃなかろうか.というかね,実際に行くのは金がかかってしょうがないから,バーチャルリアリティ関係の人はもっとがんばってほしい.
それはそれとして,個人的には街歩きの楽しさというのはまず「知ってる町になること」そのものだと思う.メトロイドヴァニア型ゲームでオートマップを埋めてくような感じ.それと,広い意味で「自分の予想してなかったような物を見つけること」もそうだな.俺の想像力なんて実に乏しいので,看板の形とかバスの乗り方とかその程度のことでも「予想してなかったような物」はいくらでも見つかる.歩いてて退屈な町などというものはないのだ.
旅行の楽しさということになると,これに加えて「予想してなかった事態をアドリブでそれなりに解決すること」も含まれるかもしれない.