今回カリーニングラード地方に入国するのには,ここでも7月から始まった電子ビザ制度を使ってみた.極東でも去年からやってたやつである.本来ロシアに観光に行くにはビザの取得が超めんどいのだが,この制度を使うとwebで申請して数日後にはビザが取れ,印刷したものを持ってくだけですむので大変楽である.
ただし,
- 8日までしか滞在できない
- 別の地方に移動することはできない
という二大制限がある.今回はバルト海沿岸旅行の途中でカリーニングラード地方に立ち寄るだけだったので,まさにぴったりだった.というかこの制度を使ってみることを軸として旅程を決めた感すらある.
ところで,ネットで情報を探してると,「ロシアの電子ビザは入国と出国が同じポイントじゃないと駄目」という記述を見ることがあるが,これは正確ではない.正確には「同じ地方じゃないと駄目」であり,国境は別でも問題ないのだ.今回俺はポーランドからグロノヴォ−マモノヴォ国境を通ってカリーニングラード地方に入り,モルスコエ−ニダ国境を通ってリトアニアに出ている.国境審査では何も問題は起きなかった.
この誤解が生じやすいのは,おそらくウラジオストクとハバロフスクが別の地方に属するからではないかと思う.なんとなく極東ロシアでくくると同じ地方のような気がするので,ウラジオストク入国ハバロフスク出国というのができそうな気がするが,これは駄目なのだ.ただ,国内を移動する際に電子ビザをチェックすることはないようなので,もしかするとウラジオストク入国→ハバロフスクに移動→ウラジオストクに戻って出国,みたいなのは脱法行為だが可能なのかもしれない.やめたほうがいいと思うけど.
あとネットでは「申請ページに写真を何度アップロードしてもはじかれる」という声もよく目にするが,これはよくわからない.俺がやったときは一発で通った.申請ページのどこだったかをクリックしないと写真の詳細な条件が出ないからだろうか?
「入国と出国が同じポイント」でないと駄目なのかどうか、という点ですが、
法律上は「出入国は同一検問所を通ること」と記載されており、厳密には同一地点から入出国しなければなりません。
詳細は出入国管理法25.17 http://www.consultant.ru/document/cons_doc_LAW_11376/9ec3d7c82e988f2b57aca3f17081844e3121c7d8/ の6段落目に記載があります。
しかし、【現在のところは】運用上、同一地方内であれば入出国地点が別でも許可されています。
いつ運用が変更され、弾かれるようになるかはわかりませんので、一応コメントさせていただきます。
ちなみに、写真については、一部のブラウザでやるとうまくいかないようです。(2019-10-08 13:43:47)
これの英訳はhttps://evisa.kdmid.ru/の8項めにある"Foreign citizens should leave the territory of the Russian Federation only through checkpoints of the constituent entity of the Russian Federation which they entered."だと思いますが,これを読んでも「同一のチェックポイント」とは読めないように思います.(2019-10-08 19:45:44)
でも,ロシア語のほうは関係代名詞が"который"なので,これが"пункты"にかかっているというのはありえないと思います(そうだったら"которые"になるはず).だからこれは"территории субъекта Российской Федерации"にかかることになります.
むしろ,「別のチェックポイントが通れなかった」という事例のほうが,運用上の問題が発生してるんじゃないかという気もします.いずれにせよロシア政府と役人のやることなので,そんなきっちりしてるわけではないのかもしれませんが…….
ちなみに俺のときは,いちおうマモノヴォの審査官に「この電子ビザでモルスコエからニダに出国できるのか」と確認したところ,「そのままロシア領に戻らないなら問題ない」と言われました.(2019-10-09 23:01:06)