海月玲二
2020-03-26(木)

無題

例の新型コロナウイルスの影響で,大学の新学期も開始を遅らせたりしている.一番多いパターンが「とりあえず2週間うしろにずらす」のようだが,「4月は可能なかぎり遠隔授業で実施」みたいのもそこそこ見かける.

たいていの大学では遠隔授業はうまくいかないと思う.そもそも遠隔ナントカというのは,真面目に参加する意志がある場合にのみ成立する.隙あらばサボる気の場合はちゃんと成立しようがないのだ(リモートワークの類は,少なくとも「金と出世」という強力なインセンティブが存在するわけだ).どういうわけか知らないが,大学でも文科省でも,「学生は勉強したいと思っている」という前提で方針を決めているらしい.「学生たちの学びを確保したい」じゃねえんだよ.学生は,勉強せずに単位が出るんならそれに越したことはないと思ってるんだよ.一部の超一流大学は知らんけど.

大学とは,「特に何もしたくない学生に,結果としてある程度の勉強をさせてしまうための装置」として重要なんだ.一部の優秀な学生のことなんかそもそも考えなくていい.そういう奴らは,邪魔さえしなければ自分でなんとかするだろう.50年前に比べればおよそ何でも手に入る時代なんだし.

あと普通に環境面でも無理だと思う.私立ではかなりの部分を非常勤講師に,すなわち外部の人間に頼ってることをお忘れではないですかね.