俺の旅行では毎度、大学に入れそうなところがあったら入ってみる感じである。今回は香港大学を見に行ってみた。建物的には「ちょっとかっこつけたスタイルの本館と、それ以外はコンクリートのビル」という基本的なスタイルだ。ただ、やはりこの地形のおかげで、普通に作っても立体感のあるちょっとおもしろい構造のキャンパスになっている。建築コストは高そうだなあ。
最近、いくつかの大学で「今日はどの教室で何の授業をやってるか表示するモニタ」というのを見かけたけど、ここでは各教室の入口の小さいモニタにその日の授業予定が表示されるようになっていた。あれはいいと思う。たいしてコストもかからないし、日本の大学でも導入してはどうだろうか。作れはしても責任を持ってメンテナンスを続ける余裕がないので無理かな。
あと、香港大学では授業時間がいろいろなようで、1コマ1時間のものから2時間、3時間のものまであるようだった。とくに実習でもなさそうなのに3時間はなかなかキツそうだ。学生はちゃんと耐えられるのだろうか。まあ、普通に遅刻してきて教室の後ろから入ってる奴もそれなりに見たけども。
ところで香港島に来るのは今回がほとんど初めてだ。とりあえず、坂が多いな。九龍半島と違って山と海の距離が近いので、町になっているエリアでもすでに勾配がきつい。神戸より上、長崎レベルだと思う。香港大学〜西営盤から上環あたりまでは普通に人が生活している下町のようだけど、住んでると足が丈夫になりそうだ。ちょっと移動するだけでもアップダウンがたくさんあって大変。
あと夕方にビクトリアピークにもいちおう行ってみた。ここだけはたぶん20年前ぐらいに来たことがあるはずなんだがさっぱり覚えてない。景色を眺めたあとは徒歩で降りてみたところ、これまた相当な急坂で、降りるだけでも大変だった。徒歩で登ってくる人を思ったよりたくさん見かけたけど、なかなかつらそうである。
思い返してみると今回観光したのは中環より西のエリアが多い感じだけど、宿泊したのは銅鑼湾である。香港島の宿泊施設は普通のホテルがほとんどで、安いドミトリーの類は銅鑼湾に少しあるだけなんだよな。予算を限定すると、滞在場所の選択肢はあまりないのだった。
行き来するとき、中環はまだしも金鐘のあたりを俺のような者が通ると場違い感甚しい。湾仔まで来るとなんかほっとする。
以前香港に来たときは、おおむねネイザンロード周辺しか見て回らなかった気がするので、今回はそれ以外のところも歩きまわってみた。
まず獅子山から半島市街を眺めてみようかと思い、朝から登りに行った。同じ道を往復するのもつまんねえかなと思って、ちょっと西側のBeacon Hillとかいうあたりから登ってみたら、道を間違えたらしく無駄に苦労した。あと最後の獅子頭までのアプローチ部分の勾配が急にきつくなってて大変だった。
さて上から市街を眺めてみると、なんか妙に建物の背が低いエリアがあったので気になって見にいってみたら、えらい高級住宅街だった。なるほど香港では建物が低いほうが値段が高いわけか。そりゃそうだな。
あと九龍城エリアにも行ってみた。なんか最近は新しい飲食店が進出してて良いみたいな話を見たが、別にそんなでもなくない? 要するにタイ料理屋がけっこう増えてきたという話? タイ料理をわざわざここで食べるのもなんなので、結局、普通の食堂みたいなところに入ってニラ餃子を食べたりした。
九龍塞城の跡地に作られた公園では、中央の古い建物は昔のものそのままらしい。もう何も残ってないのかと思っていたのでちょっと意外だった。まあ、あとで近くのショッピングモールでやっていた Twilight of the warriors という映画の関連展示を見たんだけど、こっちのほうが九龍塞城の往時の姿をイメージできる感じではある。内部の様子なんかを実物大模型で展示してあって、わりとよくできていておもしろかった。
香港の町は、以前と変わらず活発で、それなりに人の生活も続いているようである。やっぱり観光客が数日見たぐらいでは何が変わったのかわからないね。
一般的なウォーキングに対して、なんか荷物を背負ったまんま歩くのをラッキングとか呼ぶそうですね。それなりに負荷がかかるのでけっこういいとか。
つまり、今回結果的にそうなったという話だ。最近ギリシア国境付近とかマレーシア国境付近とかでもそうなってて、どうもわりとなんとかなるようなので、可能なときには旅程に積極的に入れてみようかなあと思った。
深?から戻ってきて、後半の宿泊先は香港島(銅鑼湾)なのであるが、せっかく来たので新界の町も少しぐらい散歩してみたかったのだ。そこで、とりあえず香港中心部まで一気に戻らずに大埔で一旦降りて、特に何をするでもなく散歩してみた。ついでに、大埔から沙田までは海沿いのサイクリングコースとして整備されてる道を歩いてみることにした。まだ次の宿泊先についていないので、この間はずっと荷物を持ったままだったわけである。
ただこのついでがけっこう大変で、すでにしばらく散歩した後さらに10kmというのは多少無理があったようだ。日が暮れてきてしまったので普通に挫折して、中間点の駅から電車に乗ったのだった。まあ景色はそれなりに楽しんだけども。
実は最初に大埔の町についたときにgoogleマップでてきとうに検索すると「ロッカー」と称するものがいくつかひっかかったので、なるほど町を散歩する間はそこに預けておいてもいいかな、と思っていた。でも実際にはあちこち見てもそれらしきものが見当たらなくて、どうやらこれは通販受けとり用のロッカーではないかという結論に達するまでにけっこう疲れてしまった。あらためて調べてみると、そもそも最近の香港では全体的に荷物預かりサービス自体がほとんどないという話である。最初にこっちの情報を見ておけばよかった。
でもこのサイクリングコースと称する道はそこそこ整備されてて歩きやすかった。じっさい自転車でなくて歩いてたりランニングしたりの人もそれなりにいたのだ。
あと大埔の町はごく一般的な香港の住宅街だ。市場の二階で食事をしたりして住民ごっこが捗る。
香港の隣の町である。何か用事があるわけではなくて、来れるから来てみたというかんじ。
とりあえず、中国の短期滞在で日本国籍の人に対するビザ免除が復活したというのはマジで、ごく簡単に入出国できた。まあ行き来してる人の大半は香港人か在住者だったようである。外国人レーンにいたのは数人だけだった。
どうでもいいが、指紋採取機の案内音声の言語が自動で変わるので、日本人がいると丸わかりだ。
香港と明らかに違う点は、
・なんかそこら中にスローガンの類が貼ってある
・やたらに警官が多い
とかである。いちおうフォローしておくと、警官は別に高圧的とかではなくて、一見したところ真面目で親切である。
あと物価はかなり安い。そりゃ香港人が買い物に来るね。特に外食が安いと感じるので、要するに人件費が安いのだろう。
せっかく深?に来たので、電気街に行ってみた。キーボードの部品でも安く売ってないかと思ったけど、残念ながら見つからず。
というか、ドローン・カメラ・PCパーツあたりが多くて、そんなに変わったものが売ってるわけでもないようだった。まあ、2020年以降通販に移行した業者は、わざわざもう一度実店舗に戻すかというと確かに微妙なところだ。
製品でなくて電子部品や基板で賑わっているエリアもあったけど、ホビー的電子工作はそれほど対象ではないような雰囲気だった。
ところで深?の滞在記とか調べるとキャッシュレス決済が極まった未来都市みたいな話がよく出てくるので、アリペイとか使えないと何もできなかったりするのではないか、とちょっと心配していた。でも、どこでも現金を普通に受けとってくれて、お釣りもくれたので一安心。
まあ確かに、住民はほとんどスマートフォンで決済していたようだった。
ちょっと香港まで来てみた。
というわけで、これは香港でも悪名高い雑居ビルだ。まあ最近はだいぶ治安改善が進んだそうで、凶悪犯罪は減ったらしい。
というか、香港で安く個室に泊まろうとすると、ここにあるゲストハウスぐらいしか選択肢がないのだ。ほかは旺角のあたりにも多少あるかな、ぐらいだ。
どのゲストハウスもbooking.comで評価を見るとだいたい底辺で、よく見ると人によってかなりばらつきがある。
これは「当たり外れが激しい」ということなのか、それとも「ふつうのホテルを期待して来たやつがある程度いた」ということなのだろうか。
とりあえず俺が今日泊まったところは、(安い船室みたいな狭さだけど)ちゃんとバスルームつき個室だったし、虫が出るようなこともなかったし、シャワーの湯も短時間だがちゃんと出た。チェックイン・アウトの処理も特に問題はなかった。
ちょっと疑っているのは、「単一の経営者が複数の名義で複数のゲストハウスを経営していることが多く、予約したのと違う名前のゲストハウスに入れられて、騙されたと感じた」とか「デポジット制度を知らず、よくわからないまま100HKD取られたと感じた」というケースである。まあ確かに前者の件はどこかに明記したほうがいいと思う。
あと重慶大厦名物のなかなか乗れないエレベーターだが、ちゃんと交通整理の人がいて、数分待ってれば特に問題なく上階に行けた。昔はもっと無秩序だったんだろうか。
今年も終わりですね。
今年作ったもの
・DumbGalleryをアップデートして、いちおう最近の端末でも違和感ない感じになった。表示画面でもファイル情報が出せたらいいかな、という気がしないでもない。
・SKKはいつものようにコードを整理して、さらに多少なりともバグとか直せてよかった。あと英単語の候補表示が思ったより便利だ。
・散歩するとき、最終的に行くところは決めてあっても道順はそのときの気分で決めたいことが多いので、「設定した目的地までの距離と方向だけを表示するアプリ」というのを作った。見当はずれの方向にどんどん進んだりする心配がなくなったし、距離から休憩を入れるタイミングも考えやすいので、個人的にはなかなかいい。でもまあ普通要らないだろうと思うから公開はしてない。
今年の旅行
・インドネシアはのんびりできてけっこうよかった。観光名所らしい名所は少ないけど、そもそも俺は名所めぐりをしに旅行に行くわけではないのだった。
・夏の旅行ではアンカラの町が過ごしやすくてよかった。テッサロニキも楽しげでメシもうまくてよかったけど、こっちはユーロ圏だから物価が高いのが難点である。
・北マケドニア−ギリシャの国境はわりと面倒だった。でも一日使えばなんとかなる程度なので、むしろイベントとしておいしいとも言える。
今年おもしろかったもの
・「ざくざくアクターズ」 いまさらやってみた。定評のあるゲームはさすがによくできていておもしろい。このゲーム、登場人物のやりとりなんかで、なんというかやる夫スレに似た雰囲気を感じる。昔懐かしい。
・「終末トレインどこへいく?」 なかなか想像力豊かでよかったと思う。お話のスジとかわりとどうでもいい系だ。
・「横浜駅SF」 今年見たもので一番俺の好みだった。梅田地下オデッセイを現代風にしてちゃんとオチまでつけたような感じ。あと駅の増殖っぷりが生成AIを連想させるのだが、2016年の作品なのですごい。
・「光る君へ」 思ったよりかなりよかった。大河ドラマとは思えぬ陰キャですぐ目が泳ぐ主人公を出してきたところなど、とてもよい。合戦シーンがほとんどないせいか、衣装や舞台装置に手がかけられていて、映像としてもおもしろかった。
今年の猫
・猫一号が他界してしまい、とても悲しかった。
・秋ごろ、保護組織の人と話をして、新しく猫四号がやってきた。しかしこいつがすぐに体調を崩し、医者に見てもらったところ猫FIPとかいう難病にかかっていることが判明。
・最近は猫FIPの治療薬が入手できるようになったので、朝晩三ヶ月間薬を飲ませつづけて、最近やっと投薬が終わったところである。いまのところは必要以上に超ウルトラ元気だ。
前からときどき書いてる、液晶パネルをくっつけて携帯用にしてるRaspberry piには、タッチスクリーン操作だけだと「右クリックができない」という問題があった。前のバージョンのRaspberry pi OSでは、というかXorgでは、evdev-right-click-emulationなるソフトを使うと補完できたのだが、これがWaylandに変わってからまともに動かなくなってしまったのである。
bookwormに変わって以来困っていて、ゲームパッドでマウスの代替をしようかとか、キーボードにスティックでもつけようかとかいろいろ検討していた。右クリックができなくても最低限の操作はできるので、まあ飛行機の中とかでもなんとかなってはいたのだが。
しかし、なんと数日前のOSアップデートで対応されたらしく、何も特殊な設定をせずに普通に長押しで右クリックとして認識されるようになったのでびっくりした。ダブルタップもちゃんとダブルクリックとして認識されるし(これは当然のことではない。指でダブルタップしても普通はだいぶ位置がずれるので、ちゃんと対応してないとまともに使えない)、全体にタッチスクリーンでの操作の反応がよくなっているような気がする。
というわけで、Rpiをタッチスクリーン操作で使ってる人は、10月28日版へのアップデートは検討すべきだと思う。
まあアレだ、さすがにそろそろ普通の人もXorgではなくWaylandを使うべき時期が来てるということなんかね。現代では、「動いてるシステムはアップデートしない」というのは基本的に無理なんだよな。