ゆうゆ
2020-07-20(月) 23:37

哀しみは

 著名人の訃報は突然な事が多いけど、今回ばかりは目を疑った。
しばらくは、意味が理解出来なかった。
ただ、手先が冷たくて、喉の奥に何か大きなものが詰まったような、
息苦しさを感じてしまった。
瞬間、これはかなりヤバイと感じた。

 三浦春馬さんの演技は、彼の存在を見た「14才の母」の頃から
結構見た方だと思う。
「恋空」も「ブラッデイマンデー」も「陽はまた昇る」もよかった。
けれど、何より真摯に演技をされていた「僕のいた時間」は、本当に
本当に素晴らしかった。「私を離さないで」も名作。
こういう表現者が若くして、世にいる事。
しかも、歌やダンスも上手だった事に驚きを持ち、次の発展を楽しみに
していた。
そういう若手の俳優さんだった。

 その彼がこの世から居なくなった。居なくなった。
その事をワタクシ自身の経験がフラッシュバックしない訳はなかった。
どうしよう、どうしようと涙も出ない、いや出せない感情を誤魔化して
過ごしていた。
そのくらいの感情を押し殺す事は何でもない。
が、いつか溢れた時に自分がどうなるのか、それが怖かった。
情報を得ないという選択肢があるが、涙を堪えていた城田優くんを見て
向き合おうと決めた。
その作業は苦しかった。けれど、止められなかった。
そうして、今朝の事。
朝の情報番組で音として耳に入った福山雅治さんの言葉。
文字では読んでいたのだけど、TVで聞いたら印象が変わり、心にずんと
しみた。
そうして、やっと涙が出てきた。
泣く事が出来ないままだと、感情の放出が出来ないとまたあの場所まで
引き戻されてしまう。

 今回は、順風満帆な状態の人気者の突然の死にコロナ鍋でもあり、マスコミ
も神経を使っている。
当たり前の事であると思う。
何があったのかなんて、本人しか分からない。いや、本人も分からないまま
かもしれない。
当事者とすれば、死ぬ事が目的なのかもしれないのだから。
残された者の思いはそれぞれであるが、それなりのショックを受けているはず。
哀しい事を哀しいと言い、泣きたい時に泣けば良い。
そうして、福山さんが言う様に残された作品を愛し続けてあげたい。
生きた証を大切にしてあげたい。

 哀しみは消えないと思う。
本当に本当に残念で仕方がない。身近に関わられた方ならばなおさら。
自死はなくならないかもしれない。
けれど、選択をする前に言いたい。生きて、死なないで。
どんなになってても良い。逃げても良い。死なないで。