曇り時々晴れ。日差しが少ないぶん、とても寒く感じる。
新橋演舞場で、18時開演、劇団☆新感線いのうえ歌舞伎『朧の森に棲む鬼』Lord of the Lies(参照:http://eplus.jp/sys/web/theatrix/special/oboro.html、http://info.pia.co.jp/et/promo/play/shinkansen_oboro.jsp)を観る。市川染五郎演じる「ライ」という貧乏なしかし口がうまくて野心と才覚のある若者が朧の森から弟分キンタ(阿部サダヲ)を連れて、舌先三寸と魔剣によって王までのしあがっていく物語である。徹底した悪役であるライは人を嘘で騙し、たらし込む。最初、染五郎であるとも気付かぬくらいの貧相でどん欲な若い男が、幕が進むにつれどんどん姿も悪も洗練され、迫力が増していく。ただ刀に振り回されるだけだった殺陣は美しく人を殺していくまでになり、姿形まで大きく見えるようになる……。染五郎裂帛の演技であった。阿部サダヲは恐ろしく身が軽く、しかしキンタという役を悲しく演じきる。ほか主な出演者は、秋山菜津子、真木よう子、高田聖子、粟根まこと、小須田康人、田山涼成、古田新太。脚本はすっきりしており、いのうえ歌舞伎、新感線、とくれば長くて複雑で分かりづらい……というのが定番(?)なのだけれど、今回の筋はとても追いやすく、理解しやすかった。写真は、『朧の森に棲む鬼』劇場外の大入り看板。
夕食: 新橋演舞場の弁当。