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台湾、特に台北については日本語の情報量がものすごいので、いつもの旅行とのギャップを感じる。
今回わりと無計画に行動したはずなのだが、今回泊まったホテル、食事した店、買い物した店、フードコートや通った商店街に至るまで、ネットでは日本語で詳細に情報を得ることができるのだ。ブログ記事や体験記、動画までなんでもアリだ。たとえば夕食にガチョウ料理の店に入った時、店について詳しく知らないまま入ってしまって、注文をどうするかちょっと悩んだのだが、その場でちょっと検索しただけでも「それぞれのメニューがどういうもので、どういう構成で頼んだらよさそうか」がごく簡単にわかって全く困らなかった。まあこれはわりと有名店ではあるけども。
食べたものはだいたいうまかったので、特に文句があるわけではない。台北駅前ショッピングモールのフードコートに、白菜の漬物鍋を1人分出してくれる店があってなかなかよかった。
オミヤゲの類になると、そもそも台湾の商品はかなりのところまで日本で手に入るんだよな。もちろん日本で買うとちょっと高いので、好みのものがあるなら行ったついでにたくさん買う、というのは意味があると思う。今回は、マレーシアで売ってるお気にいりのインスタントコーヒーやグミなんか買ったりしている(以前シンガポールでも買ったやつ)。これは日本では売ってないし、香港でもそんなに売ってないんだけど、台湾には山ほど売ってたのだった。
全然関係ない話。
深圳に行ったときも思ったけど、電気街というのは、もはや物理的な店舗群としては成立しなくなってきているようだ。一般的な家電製品にしろ、細かい電子部品にしろ、通販が圧倒的に発達してしまったからな。ネジ数個やアンプIC1個とかでも通販で手に入るし、欲しい商品がわかってるなら店頭で選ぶ意味はほとんどないのだ。そして売るがわとしては通販のほうがずっとコストが下げられるのだろう。本屋やソフトウェア屋の実店舗が非常に困難になってるのとおおむね同じだ。さらに変なガジェットとか特殊な部品とかを扱う店だと、普通の商品よりたまにしか売れないわけなので、よけいネットで全国・全世界に通販したほうがマシということになってしまう。
というわけで、ひさしぶりに台北の電気街のようすを見てみたのだが、ずいぶん寂れてるなと思った。変な商品を売ってる店もないし、電子部品を扱うエリアなどはそもそもあまり人がいない。
秋葉原や日本橋がキャラグッズとかトレカとかの販売にシフトしてきたのは、それならまだ商売としてやりようがあるからだろう。台北電気街でも、そういう感じのでかいビルができていた。

新北市というのはどうもわかりにくいのだが、つまり、「首都圏の中で台北市と基隆市以外の部分」のことを新北市と呼ぶようだ。観光客としては、「新北」というのはドーナツ状の台北郊外エリアのことだと思っておけばおおむね差し支えない。
たとえば、今回は猫がいっぱいいることで有名な猴硐と陶器で有名な鶯歌に行ってみたのだが、この2つは台北中心部を挟んで全く反対側にある。住所的にはどちらも新北市なのだ。
鶯歌にはY氏が皿とか器とか多少好きなので行ってみたわけだが、まあその、やっぱりお手頃価格のものは大量生産品であって、なんなら中国本土で作ってるぐらいであった。それはそうだ。でも俺らがちゃんとした中国茶器セットとかインテリア用の巨大な壺とか買ってもしかたないしなあ。
先も書いたとおり新北というのは台北郊外のことなので、中心部の陶器街を出ると普通の町である。牛肉麺の店とかもふつうにあるし、当然台北中心部よりはちょっとだけ物価が安かったりする。
猴硐駅周辺には猫がけっこう住みついてるので、炭鉱が閉山した後に積極的に猫の村として村おこしをしているらしい。正直そこまで期待していなかったけど、実際けっこう猫があちこちで寝ていてY氏はご満悦だった。平日の午前中に行ったせいか、猫好きの人間でいっぱいということもなかったし。だいたいアレだ、猫好きは猫が好きなのであって猫好き人間は別に好きじゃないので、見に来てるやつがたくさんいると自分のことは棚に上げて不満を覚えるものだ。
猴硐猫村の上のほうの通りには観光客向けのカフェが並んでいて、てきとうに入ってみたところ、ちゃんと看板猫がいた。まだ若い個体だったようで、寝てるだけじゃなくけっこう遊んだり走り回ったりすることもあってサービス満点だ。
しかし実際この店の真に変わってるところはトイレだった。あちこち凝ったタイル貼り装飾で、なんならここだけでも一見の価値があるかもしれない。
猴硐駅には礁渓から台北に移動する途中で降りてみたので、当然荷物を全部持った状態だった。でも、台湾国鉄の駅は、ちゃんと駅員がいるようなところだと、基本的に事務室で荷物を預かってくれる制度があるようだ。枋寮駅にもあったし、同じような形式の預け荷物タグを渡されたので、統一された制度なのだと思う。

台東から台北に一気に行くのはちょっとかったるいし、せっかくだから途中下車してみた。
礁渓というのは、台湾北東部にある温泉地である。まあまあ温泉地なので、駅の周辺は温泉ホテルばっかりだ。公共の足湯もあるし、公園には露天風呂まである。
俺の旅行というとたいていはだいぶアレなランクの宿に泊まることが多いのだが、今回は
・期間が短め
・航空券がいつもより安い
ということから、多少高めでもあまり気にせず泊まっている。ここでは思いきって、ちゃんと温泉を引いた浴槽があるような部屋に泊まってみることにした。てきとうに予約して現地に行ってみると、でかいビル形式のホテルではなくて、なんか貸別荘みたいなのが並んでる形式だったのでびっくりした。基本的には中の部屋のどれか1つに滞在するのだが、ねだん表を見ると1棟まるごと借りることもできるようだ。
朝食もかなりうまかったので大変満足である。部屋もきれいだし、ねだんのわりにお得でよかった。
台湾でも温泉はそれなりに人気があるようで、平日でも客はいるようだった。世代もけっこういろいろだ。
togetterか何かで「中華文化圏の人は二言目には体を冷やすなと言うわりに、シャワーばかりで浴槽の文化がない」みたいなことを言ってる人がいたけど、つまり、お湯が潤沢に使える状況であれば彼らも普通に風呂に入るということなのかな。

台東の町は、台湾の他の町と比べてもかなりはっきりした碁盤目状だし、幹線道路はかなり広いし、なんか北海道の町みたいである。
つまりアレだ、台東はわりに新しい町なんだろう。歴史的建造物とかそういうのもあんまりないので、言ってしまえば町の中にはそんなに観光名所があるというわけではない。観光客的には、リゾート的にのんびりしたりサイクリングをしたりするようなところだ。
海を見に行ったりはしてみた。
海岸というものは、一面に白くて細かい砂が広がるのが美しいのだ、というのは趣味の問題に過ぎないとは思う。台東の町の東のように、砂利が広がる灰色の海岸というのもそれはそれで美しいと考えることができる。ていうか普通に砂も灰色なんだよな。不思議なんだけど、台東の近くは川もなんか灰色だった。このへんの鉱物がこういう色なんだろうか。
ところで台湾東部は第一次産業がさかんなので、農産物は豊富である。というわけで、滞在中はやたらに果物屋とかに行っていろいろ買って食べたりした。カットしたものも売ってたりするので、でかいナイフなんぞ持ってないけどパイナップルでも大丈夫である。昼すぎに1パックだけ残ってるやつを買ってみて、正直期待してなかったけど、すごくうまくてびっくりした。さすが産地。
あと台東といえば釈迦頭らしい。いやそもそもそういうフルーツがあるということを俺も最近知ったぐらいだが。
なんでも柔らかくなるのが早いので長距離の輸送ができなくて、外国に輸出することは少ないんだとか。で、台東は釈迦頭の産地だそうなので、せっかく来たことだしモリモリ食べた。デーツなんかもそうだが、こんなお菓子みたいな味の植物があること自体がなんかすごい。一体何をどう品種改良したらこうなったんだろうか。
ふつうの果物屋にはあんまり釈迦頭が売ってないようで、かわりに釈迦頭だけ専門で売ってる店を何件かみかけた。やっぱり輸送や保管に独特のノウハウがあるんだろうか。あと、いかにも旅行者然とした俺らが買おうとすると、店頭に並んでるやつではなく、熟しててすぐ食べられるやつを奥からわざわざ出してきてくれた。これはつまり、専門店では常に「すぐ食べられるやつ」を奥の冷蔵庫とかに置いてるということなんだろうか。

さて鹿港から彰化まで戻って鉄道に乗ったわけだが、次は台湾東部に滞在してみることにした。でも台湾の鉄道はそこそこちゃんと早いので、東部まで移動してもまる一日かかったりはしない。そこで、てきとうに海沿いの町に途中下車してみた。
枋寮駅というのは、まともに設備があって駅員がいるレベルでは一番南の駅である。ここより南の駅は無人駅で、そもそも停車する便も少ないし町があるでもないので、ふらりと降りてどうにかなるような駅ではなさそうだ。いわゆる秘境駅探訪系の人なら、ちゃんと計画を立てて行くのだろう。
枋寮はなんでいちおう町があるのかというと、漁港があるというのもひとつの理由ではないかと思う。それなりにちゃんと競りのスペースとかもある。見たのは昼だから、実際どのぐらい活気があるのかよくわからないけど。
もちろん、漁港の横には海産物の販売所みたいなのも並んでいるし、食べられるところもいろいろある。というわけで、食べられるところにてきとうに入ってみた。
てきとうに入ってみてもなかなかうまくて結構なことである。まあ魚介類というのは要するに鮮度がまず問題なので、海のそばの店でそうめちゃくちゃにまずいものは出てこないので安心だ。ただし、日本とは当然味付けが違うので、そこは面白いと思う。今回は桜エビチャーハンと揚げたカジキのすり身、それとなんかシラスのスープを頼んでみた。特にこのスープというのがあんまり食べたことない味でうまかった。スープというか、かなりとろみがついてて餡掛けの餡みたいだったけど、中華料理的にはそういうジャンルのスープがあるらしいね。
散歩してて暑かったので、かき氷の店にも入ったりした。この店で注文しようとしたら、「マンゴーの時期は終わりなので、マンゴーかき氷のマンゴーは冷凍したものになります」みたいなことを日本語で書いた紙を見せられ、用意のいいことだなあと思った。なんかネットで文句でも言われたんだろうか。地元の客にもそういう説明をしてたようなので、別に日本人対策という話ではなさそうだった。
まあ、冷凍のやつでも日本で食べるよりはずっとコストパフォーマンスが高いわけだよ。

鹿港というのは、台湾中部、台中の町からちょっと海のほうに行ったところにある古い町だ。
わりと人気があるという話なので来てみた。……のだが、あんまり言うほど観光客を見ない感じなのである。確かに龍山寺や天后宮のような名所にはけっこう観光客がいるのだが、何かの本で「通りが人でごったがえすぐらい人気」とか書いてあるのを見たことがあるので、不思議に思いながら散歩していた。
そしてしばらく歩きまわり、そろそろここの滞在も終わりかなあとなってきた夕方、急に人でいっぱいの通りに行きあたって大変びっくりした。どうも、鹿港の町で「古くからの町並みが残っていて観光客に人気」というのは、要するにほぼ埔頭街周辺に限られるようだ。あとは天后宮の周辺の道ぐらいしか観光客が集まるエリアはなさそう。ふつうに車が通る大通りでジュースとか台湾おにぎりとか買ってる場合ではないのである。
危うく仁和寺の法師をやるところだった。
でもアレだ、その中心部はマジで観光客しかいないので、レストランとかもそういう雰囲気で、大変入りづらい。結局、毎回ふつうの生活で使われてるほうのエリアに行って食事したのだった。別に中心部でなくとも、だいたい店の人は観光客に親切なのである。朝食に地元民しか来てない感じの店に入ってしまい、メニューが読めねえなみたいな顔をしてたら、適当に麺とか飯とか選択肢を出してくれたりした。さらにダイコンやカボチャの煮物をちょっとおまけでつけてくれたりもした。まことにありがたいことである。
ところで今回は、基本的には台湾を鉄道で一周するという企画にしてみた。ただ鹿港にはもはや鉄道が通っていないので、台中・彰化あたりからバスに乗るしかないのだが、観光地なのでちゃんと新幹線台中駅からもバスが出ていてありがたい(なお、新幹線台中駅は、本来の台中駅とだいぶ離れている。新大阪駅みたいなもんである)。このため、飛行機で台北空港について、すぐMRTで新幹線桃園駅に移動→新幹線で台中まで移動→そのままバスで鹿港まで移動、とやると、飛行機の着陸から4時間弱で鹿港まで行くことができる。思ったよりアクセスは悪くなかった。

俺の旅行では毎度、大学に入れそうなところがあったら入ってみる感じである。今回は香港大学を見に行ってみた。建物的には「ちょっとかっこつけたスタイルの本館と、それ以外はコンクリートのビル」という基本的なスタイルだ。ただ、やはりこの地形のおかげで、普通に作っても立体感のあるちょっとおもしろい構造のキャンパスになっている。建築コストは高そうだなあ。
最近、いくつかの大学で「今日はどの教室で何の授業をやってるか表示するモニタ」というのを見かけたけど、ここでは各教室の入口の小さいモニタにその日の授業予定が表示されるようになっていた。あれはいいと思う。たいしてコストもかからないし、日本の大学でも導入してはどうだろうか。作れはしても責任を持ってメンテナンスを続ける余裕がないので無理かな。
あと、香港大学では授業時間がいろいろなようで、1コマ1時間のものから2時間、3時間のものまであるようだった。とくに実習でもなさそうなのに3時間はなかなかキツそうだ。学生はちゃんと耐えられるのだろうか。まあ、普通に遅刻してきて教室の後ろから入ってる奴もそれなりに見たけども。
ところで香港島に来るのは今回がほとんど初めてだ。とりあえず、坂が多いな。九龍半島と違って山と海の距離が近いので、町になっているエリアでもすでに勾配がきつい。神戸より上、長崎レベルだと思う。香港大学〜西営盤から上環あたりまでは普通に人が生活している下町のようだけど、住んでると足が丈夫になりそうだ。ちょっと移動するだけでもアップダウンがたくさんあって大変。
あと夕方にビクトリアピークにもいちおう行ってみた。ここだけはたぶん20年前ぐらいに来たことがあるはずなんだがさっぱり覚えてない。景色を眺めたあとは徒歩で降りてみたところ、これまた相当な急坂で、降りるだけでも大変だった。徒歩で登ってくる人を思ったよりたくさん見かけたけど、なかなかつらそうである。
思い返してみると今回観光したのは中環より西のエリアが多い感じだけど、宿泊したのは銅鑼湾である。香港島の宿泊施設は普通のホテルがほとんどで、安いドミトリーの類は銅鑼湾に少しあるだけなんだよな。予算を限定すると、滞在場所の選択肢はあまりないのだった。
行き来するとき、中環はまだしも金鐘のあたりを俺のような者が通ると場違い感甚しい。湾仔まで来るとなんかほっとする。
以前香港に来たときは、おおむねネイザンロード周辺しか見て回らなかった気がするので、今回はそれ以外のところも歩きまわってみた。
まず獅子山から半島市街を眺めてみようかと思い、朝から登りに行った。同じ道を往復するのもつまんねえかなと思って、ちょっと西側のBeacon Hillとかいうあたりから登ってみたら、道を間違えたらしく無駄に苦労した。あと最後の獅子頭までのアプローチ部分の勾配が急にきつくなってて大変だった。
さて上から市街を眺めてみると、なんか妙に建物の背が低いエリアがあったので気になって見にいってみたら、えらい高級住宅街だった。なるほど香港では建物が低いほうが値段が高いわけか。そりゃそうだな。
あと九龍城エリアにも行ってみた。なんか最近は新しい飲食店が進出してて良いみたいな話を見たが、別にそんなでもなくない? 要するにタイ料理屋がけっこう増えてきたという話? タイ料理をわざわざここで食べるのもなんなので、結局、普通の食堂みたいなところに入ってニラ餃子を食べたりした。
九龍塞城の跡地に作られた公園では、中央の古い建物は昔のものそのままらしい。もう何も残ってないのかと思っていたのでちょっと意外だった。まあ、あとで近くのショッピングモールでやっていた Twilight of the warriors という映画の関連展示を見たんだけど、こっちのほうが九龍塞城の往時の姿をイメージできる感じではある。内部の様子なんかを実物大模型で展示してあって、わりとよくできていておもしろかった。
香港の町は、以前と変わらず活発で、それなりに人の生活も続いているようである。やっぱり観光客が数日見たぐらいでは何が変わったのかわからないね。

一般的なウォーキングに対して、なんか荷物を背負ったまんま歩くのをラッキングとか呼ぶそうですね。それなりに負荷がかかるのでけっこういいとか。
つまり、今回結果的にそうなったという話だ。最近ギリシア国境付近とかマレーシア国境付近とかでもそうなってて、どうもわりとなんとかなるようなので、可能なときには旅程に積極的に入れてみようかなあと思った。
深圳から戻ってきて、後半の宿泊先は香港島(銅鑼湾)なのであるが、せっかく来たので新界の町も少しぐらい散歩してみたかったのだ。そこで、とりあえず香港中心部まで一気に戻らずに大埔で一旦降りて、特に何をするでもなく散歩してみた。ついでに、大埔から沙田までは海沿いのサイクリングコースとして整備されてる道を歩いてみることにした。まだ次の宿泊先についていないので、この間はずっと荷物を持ったままだったわけである。
ただこのついでがけっこう大変で、すでにしばらく散歩した後さらに10kmというのは多少無理があったようだ。日が暮れてきてしまったので普通に挫折して、中間点の駅から電車に乗ったのだった。まあ景色はそれなりに楽しんだけども。
実は最初に大埔の町についたときにgoogleマップでてきとうに検索すると「ロッカー」と称するものがいくつかひっかかったので、なるほど町を散歩する間はそこに預けておいてもいいかな、と思っていた。でも実際にはあちこち見てもそれらしきものが見当たらなくて、どうやらこれは通販受けとり用のロッカーではないかという結論に達するまでにけっこう疲れてしまった。あらためて調べてみると、そもそも最近の香港では全体的に荷物預かりサービス自体がほとんどないという話である。最初にこっちの情報を見ておけばよかった。
でもこのサイクリングコースと称する道はそこそこ整備されてて歩きやすかった。じっさい自転車でなくて歩いてたりランニングしたりの人もそれなりにいたのだ。
あと大埔の町はごく一般的な香港の住宅街だ。市場の二階で食事をしたりして住民ごっこが捗る。

香港の隣の町である。何か用事があるわけではなくて、来れるから来てみたというかんじ。
とりあえず、中国の短期滞在で日本国籍の人に対するビザ免除が復活したというのはマジで、ごく簡単に入出国できた。まあ行き来してる人の大半は香港人か在住者だったようである。外国人レーンにいたのは数人だけだった。
どうでもいいが、指紋採取機の案内音声の言語が自動で変わるので、日本人がいると丸わかりだ。
香港と明らかに違う点は、
・なんかそこら中にスローガンの類が貼ってある
・やたらに警官が多い
とかである。いちおうフォローしておくと、警官は別に高圧的とかではなくて、一見したところ真面目で親切である。
あと物価はかなり安い。そりゃ香港人が買い物に来るね。特に外食が安いと感じるので、要するに人件費が安いのだろう。
せっかく深圳に来たので、電気街に行ってみた。キーボードの部品でも安く売ってないかと思ったけど、残念ながら見つからず。
というか、ドローン・カメラ・PCパーツあたりが多くて、そんなに変わったものが売ってるわけでもないようだった。まあ、2020年以降通販に移行した業者は、わざわざもう一度実店舗に戻すかというと確かに微妙なところだ。
製品でなくて電子部品や基板で賑わっているエリアもあったけど、ホビー的電子工作はそれほど対象ではないような雰囲気だった。
ところで深圳の滞在記とか調べるとキャッシュレス決済が極まった未来都市みたいな話がよく出てくるので、アリペイとか使えないと何もできなかったりするのではないか、とちょっと心配していた。でも、どこでも現金を普通に受けとってくれて、お釣りもくれたので一安心。
まあ確かに、住民はほとんどスマートフォンで決済していたようだった。
ちょっと香港まで来てみた。
というわけで、これは香港でも悪名高い雑居ビルだ。まあ最近はだいぶ治安改善が進んだそうで、凶悪犯罪は減ったらしい。
というか、香港で安く個室に泊まろうとすると、ここにあるゲストハウスぐらいしか選択肢がないのだ。ほかは旺角のあたりにも多少あるかな、ぐらいだ。
どのゲストハウスもbooking.comで評価を見るとだいたい底辺で、よく見ると人によってかなりばらつきがある。
これは「当たり外れが激しい」ということなのか、それとも「ふつうのホテルを期待して来たやつがある程度いた」ということなのだろうか。
とりあえず俺が今日泊まったところは、(安い船室みたいな狭さだけど)ちゃんとバスルームつき個室だったし、虫が出るようなこともなかったし、シャワーの湯も短時間だがちゃんと出た。チェックイン・アウトの処理も特に問題はなかった。
ちょっと疑っているのは、「単一の経営者が複数の名義で複数のゲストハウスを経営していることが多く、予約したのと違う名前のゲストハウスに入れられて、騙されたと感じた」とか「デポジット制度を知らず、よくわからないまま100HKD取られたと感じた」というケースである。まあ確かに前者の件はどこかに明記したほうがいいと思う。
あと重慶大厦名物のなかなか乗れないエレベーターだが、ちゃんと交通整理の人がいて、数分待ってれば特に問題なく上階に行けた。昔はもっと無秩序だったんだろうか。
なさけない話だが、今回は帰国直前にイスタンブルで詐欺にひっかかってしまった。イスタンブル市内交通は主にICOCAやSUICAのようなICカードを使って乗るのだが、これにチャージするための機械でやられた。具体的には、
- チャージしようとしていてモタモタしていると、手伝ってやるよ!とか言って知らん奴が現れる
- 100リラぐらいチャージするような操作をして、これでクレジットカードでタッチ決済すればチャージされるよ!などと言う
- タッチ決済すると、実際には俺のカードにチャージされるのではなく、どこか別のアカウントにもっと高い金額が流れる
という手順である。つまり、メールとかで「ここをクリックすると手続きできるよ」みたいにリンクを貼る系の詐欺の物理版みたいな感じだ。後から考えれば、知らん奴が機械を勝手に操作してる時点でおかしいし、妙にせかすような物言いなのも明らかに怪しい。しょせん交通系カードのチャージ機なので被害額は数千円なのだが、ひさしぶりにやらかしてしまったので非常に悔しい。
トルコで話しかけてくる奴の大半は、単に親切な奴か単にヒマで話しかけてみただけの奴なので、完全に油断してたところ、最後にひっかかってしまった。よく考えたら、イスタンブルの空港に向かう途中などは、詐欺師の狩場としてはこの国でトップレベルだろう。帰りの飛行機に乗らなきゃいけないから焦ってるしな。だいたい、地下鉄で空港まで行けるようにしたんだったら、空港線についての案内は詳しく書いておいてほしい。値段をはっきり書かないのは、どんどん値上げできるようにするためか?
というか、そもそもイスタンブルの地下鉄とかバスとかは、どうもクレジットカードのタッチ決済でそのまま乗車できるような感じだったので、短期滞在でわざわざICカードを使わなければよかったかもしれない。じっさいアンカラやブルサの市内交通では全部クレジットカードで直接乗ってたんだよな。
イスタンブルには15年ちかく前にも一度来ている。
しかしここまでうじゃうじゃ猫がいただろうか? 前回もけっこう猫の多い町だなとは思った気がするけど、今回はとにかくやたらにあちこちで猫をみかけた。イスタンブルでは町をあげて犬猫の保護には力を入れているそうだが、普通に数が増えてるんだろうか。
それはまあ犬猫と暮らすのはいいものではあるが、あいつらは結局人間ではないので、散らかしたり汚したり人間にとってよけいなこともけっこうやってくれる。そういうのは全部受けいれて町を運営する、というつもりなんだろうか。日本では確実に無理だと思う。細かいことが気になる人の比率が高すぎる。
というかアンカラやブルサと比較しても明らかに猫が多い気がしたんだよね。
あと今回は、無計画に散歩していたら途中で気力体力が尽きそうになって大変だった。そういえばイスタンブルの町は急坂が多くて大変なんだった。喫茶店でお茶を飲んだりして休憩すべきだったか。
途中で観光名所に入ったりせず、延々歩いてたのもよくなかったかもしれない。なんか最近はイスタンブルの観光名所の入場料(外人料金)が無茶苦茶に上げられたようなので、そういうの入る気にもならなかった。ガラタ塔とか再建なのに30ユーロとか無茶すぎない? そういうのはペトラ遺跡とかボロブドゥール遺跡とかそのクラスだけに許される値段だと思う。
そういえば、今年は凶作だかなんだかでオリーブオイルが高騰しているけど、産地ではどうなのかなと思って、スーパーに行ったときオリーブオイルコーナーをのぞいてみた。そしたら普通に1Lで1500円相当とかの値段がついてて、生産国でこういう値段なら日本で少々高くなっても全然おかしくないかんじ。
でもよく考えたら以前どんな値段だったのかわからないな。

前回ブルサからイスタンブールに移動したときは、途中ヤロワなる町から船に乗ったような覚えがある。しかしちょっと調べてみたところ、そもそもマルマラ海のイスタンブール周辺にはけっこういろいろと船の定期航路があるようだ。そこで、今回は別ルートの船にしてみた。
ブルサは別に海沿いの町ではないが、「ブルサのフェリーターミナル」と呼ばれている港が存在する。ブルサの中心部から北に25kmほど行ったところに小さな町があって、そこからイスタンブール中心部への船が出ているのだ。ヤロワはもっと倍以上遠くて、普通にバスターミナルから長距離バスに乗る必要があるのだが、この町は近いので、途中までは地下鉄で、そこからは市バスで行く。まあ、ブルサの港と言えないこともない。関空を大阪の空港と称するよりはいくぶんマシだ。
注意すべきは、その北の港は面倒なことに2つ存在するという事実だ。ムダンヤと呼ばれる地区と、ギュゼルヤルと呼ばれる地区に1つずつ港があるのだ。しかも両方から、別の会社がそれぞれイスタンブールまでの船を出しているようである。
そして地下鉄の終点駅から乗るバスももちろん2種類ある。地下鉄駅から来る場合、ギュゼルヤルのほうが手前にあるので、ムダンヤまで行きたいのに間違ったバスに乗ってしまった場合はご愁傷さまである。4kmほど歩くことになる。
俺らはというと、ギュゼルヤルまで行くつもりでムダンヤに行くバスに乗ってしまったので、幹線道路の途中で降りて、残りを歩いた。この場合、歩く距離は1kmもないので大きな問題はない。海に向かった下り坂なので、けっこう眺めもよかったりした。
だいたいこの手のマルマラ海を移動する客船は「フェリー」とか呼ばれているけど、今回乗ったやつはどっちかというと日本語では「高速船」と呼ぶんじゃないかと思う。車は乗れないやつだった。

ブルサの町といえばイスケンデル・ケバブが名物ということになっている。これは前に来たときの日記に書いたやつで、薄パンの上に肉をのせてトマト系ソースをかけ、ヨーグルトを添え、最後に溶かしたバターをかけた料理だ。このときの肉は「ケバブ」というぐらいなのでいわゆるドネルケバブ的な奴なのだが、ケバブではなくトルコ的肉団子を使うバージョンも存在し、ピデリ・キョフテと呼ぶ。
というわけで、今回はピデリ・キョフテのほうを食べてみた。今回全然まじめに下調べしてこなかったので、てきとうにgoogleマップで調べた店に入っただけである。でも味は悪くなかったし、なんかすごい狭くて雰囲気のある店舗だったし、お値段もリーズナブルだったしでけっこうよかった。あとイスケンデルケバブにはつきものらしい、シラとかいうブドウの飲み物もちゃんと置いてた。
前回と変わったところその2は、バスターミナルまでトラムが開通してたことである。トラムや地下鉄は単純なので、どこへ行くのか悩むことがなくて楽だ。このトラムはごく最近できたらしく、前回は影も形もなかった。なんか普通に市バスに乗ったような記憶がある。
前回来たときにはあまり観光らしい観光もしていないので、今回はちょっとだけ散歩したりもしてみた。市場を見物したり、丘に登って町を見わたしてみたりとかその程度だけど。
途中、なんかY氏が女子中高生にやたら話しかけられていた。話しかけられていたといってもたいしたことではなくて、あいさつして、日本から来たとかちょっとしたことを話したぐらいでおしまいである。いったい何がしたかったのかよくわからない。学校で「外国人観光客に話しかけてみよう」的な課題でもあったのだろうか? 日本人だと答えたらきゃーきゃー言ってたのは、最近すっかり日本人が珍しくなったからかもしれない。

テッサロニキから東に向かい、イスタンブール空港でY氏と合流したあと、なんとなくさらに東へ向かってアンカラを訪れてみた。
いやけっこう遠かった。なんとなくで行く距離ではないな。
ここには古くから集落があるとは言え、トルコ共和国で突如首都になってから急激に成長してるし、大規模な都市計画で整備されてるし、ほとんどの地区で建物が整然と並んでいて計画都市系の風情がある。
でもいちおう、中心部に旧市街らしき見た目のエリアがあることはある。これは近年大規模に修復しているようなので、元の旧市街の形を保っているかどうかは定かではない。丘の上にあるアンカラ城まで登ってみると、周辺の家屋が明らかに修復中だったり、修復前のものと後のものが並んでいたりするのでよくわかる。
俺たちはアンカラ城〜旧市街エリアに正門ではなく裏の公園のほうから入ったので、アンカラ城のイマイチ整備されてない部分に入ってしまい「?? これのどこを見物するのか?」と悩んだりした。中心部の整備されてるほうの部分はちゃんと周囲が見渡せるようにできてて、いかにもな観光名所である。帰るころになって初めて、正門のあたりはちゃんとおみやげ屋や観光客向け飲食店が並んでいることに気付いた。
裏のほう(Ulus駅あたり)からアプローチすると、途中に庶民的な商店街もあってわりとおもしろいので、実際けっこうおすすめ。坂がきついけど。
見渡せるといえば、町の中心からちょっと南に行ったところにあるAtakuleなるショッピングモールが、展望塔がついてておもしろかった。高台にあるので、塔に登ってみるととても景色が良い。ただし、入場料は展望デッキに入るだけでも2000円近くした(さらに展望レストランに入るのは別料金らしい)。
ここは坂の下に向けて開いた妙な形をしていて、この開いた方向に向けて設置されている店はすべて飲食店だ。つまり、塔の展望レストラン以外も、(すこし低いけど)すべて展望レストランになっているようだ。いわゆる「レストランフロア」ではなく「レストラン方角」になっている珍しいつくりである。
南側の地区には大使館がけっこうあったりして、高級住宅街らしい。だからオサレなお店や凝ったお店が多いし、酒も飲めたりするのだった。googleマップの評判だけ見てなんとなく入った朝食レストランがすごくうまかったのでびっくりした。

テッサロニキはギリシャ領マケドニアの中心都市だ。
ここは海と山に挟まれた地形になっている。神戸とか阪神間地域みたいなかんじだ。メインストリートが山や海と平行に走っているところも共通だな。
というわけで、とりあえず山側の見晴らしがいいところまで行ってみて眺めを楽しもうと思ったわけだが、ちょっと楽をするために登るときに市バスを使うことにした。
市バスというとだいたい「どの路線でどこに行けるのか外部の人にはわからない」問題を解決する必要があるわけだが、最近、googleマップでバス停をタップして表示される情報が、ある程度使いものになる場合があることに気付いた。確かに実情と違ってる場合もあるが、大都市なら合ってるほうが多いようだ。それに、乗ったあともマップを確認していれば、間違いにも気付きやすい。今回も、まあおおむねうまくいった。
いちいち町の交通局ごとに専用アプリをメンテする方式もけっこう見るけど、労力の無駄のような気もするよね。
しかしまあここらへんは北マケドニアに比べて暑いことである。海のせいか湿気もわりとある。
少なくとも、夏の昼間はあんまりうろうろするのはやめたほうがよさそうだ。この町は猫がいっぱいいるけど、猫に会うにも朝とか夕方のほうがいいな。
いつも出勤中「なんだってわざわざ夏に京都観光に来るんだ」と思っていたが、自分もまったく同レベルであることが判明した。
というかアレかね? 夏のこの地域はむしろビーチリゾートの類で、そもそも俺のようないつも一人でいる奴が来るところではない?

さて、賢明なる読者諸氏はお気付きかもしれないが、今回の旅程前半は「マケドニア編」であって「北マケドニア編」ではない。つまり、ギリシャ領マケドニア地方にも行くのだ。
ということはビトラから南の国境を越える必要がある。でもこの二国は多少いざこざがあるせいか、ここを越える公共交通が全く存在しない。
またそういうやつかよとお思いかもしれないが、またそういうやつだ。
基本的にはビトラからギリシャのフロリナという町に移動することになる。フロリナはそこそこでかい最初の町で、ここからならバスとかで別の地方に移動可能だ。
この間は30キロかそこらしか離れてないのに、タクシーを使うと50ユーロぐらいかかるらしい(以前は25ユーロぐらいだったらしいが、今回宿泊先の人に聞いたらそう言われた)。
また、50ユーロがたいしたことないと思う人でも、北マケドニア側からだと「国境を越える許可を持っているタクシードライバーを探すのがけっこう大変」という問題もある。
いずれにせよ困ったことである。
今回は、とりあえず国境までタクシーに乗り、歩いて国境を越えた。そこまでは別に問題ない。
問題があったのはその後で、ギリシャ側には特にタクシーもバスも何もないということだ。
国境からフロリナまではまだ20キロぐらいあり、すごくがんばれば不可能ではないという程度の距離である。朝に出発したので日がくれるまではかなり時間があるし。
最悪休み休み歩くつもりではいたが、でもまあさすがにもうちょっとなんとかならんかと、手近な集落まで行って様子を見ることにした。
一番近いNikiという集落は、ほとんと誰もいない感じで、何もしようがなかった。
次にあったPoliplatanoという集落はもう少し人がいたが、それでも交通手段を探すのは難しそうだった。木陰で休んでいたら、近くにいたばあさんが何か言っていて、よくわからないが「そこにバスは来ないよ」みたいなことを言っていたのではなかろうか。「かつてはバス停として使われていたであろう場所」はいくつかあったんだよね。
さらに進んでKato Kleinesという集落につくと、ここはさらに大きく、なんと喫茶店やそのまわりに集まってる人達が存在した。ここでついにタクシーを呼んでもらうことができて、なんとかフロリナまで行けたのだった。
結局、荷物を持ったまま歩いたのは8キロちょっとぐらいか。
集落の間はマジで何もないので、次の集落の教会とかが見えてくるとすこしほっとした。

国内第二の都市というのは、それはそれで興味深いものだ。どうしても第一の都市を意識せざるを得ないので、どのへんに特徴があるのか妙にアピールしてたりする。いや大阪について何か意見があるわけではないが。
ビトラは北マケドニア第二の都市で、ここは「この国で最もヨーロッパ的な町」なんだそうな。つまりこれは、綺麗な建物が並んだ目抜き通りがあって、オープンカフェで皆が駄弁ってるということを指すのだろうか。
確かにこういうちゃんとした繁華街をこの国で見たのは初めてだ。
こういう通りは他のヨーロッパの国に行けばいくらでもあるので、外国人観光客的にはまあアレかもしれない。そこそこ観光客は来てるようだが、国内からかな。
まあせっかくだから俺も、コーヒーを飲んだりバーでワインとか飲んだりして格好つけた顔でもすべきなのかもしれない。なんか自己啓発業界では、自分のcomfort zoneから出ると良いとかいう話らしいし。
で、やってみたところ、ワインバーでてきとうに頼んだ料理がどう見ても焼き鳥だったのでびっくりした。いやワインはおいしかったけども。small chicken steakってこういうのか?
ところで、ここの旧市街というか市場周辺の商店街は、それなりに古いバルカン式商業地区の構造を残しているんだそうだ。こっちはちゃんとガイジンにも興味深い。
というか、この町は「ヨーロッパ的」とか言うわりにはいわゆるショッピングモールが存在しないのだが、それはこの種の古い商店街がまだそこそこ機能している、ということもあるのかもしれない(原因と結果が逆か?)。

旅程前半マケドニア編であるが、首都スコピエと最大の観光地オフリドは以前に行ったことがあるので、今回は別の町に行くことにした。
最初に行ってみたのはクルシェヴォという国土のまんなかへんの町である。なんか山奥の小さな町なのだが、建物とか町並みとかがかっこいいと聞いて。
……確かにわりとかっこよくてよかった。回りが高くなった地形に町を作って、建物が段々に並ぶ系だ。ヴェリコ・タルノヴォとかベラトとかああいうやつ。散歩するとアップダウンがあってちょっと疲れるのも同じだ。
ここは別にすごく古くからある町だというわけではないのに、それなりに統一感があるのは、わざわざそうしてるんだろうか。実際今でも新しく建物を作ってるところとかわりと見た。
この町がしいて観光客に知られてるとしたら、写真の変なモニュメントだろう。こういう無茶なモニュメントといえば社会主義か宗教と相場が決まっているが、これはユーゴスラビア時代のものである。
いやなんというかその、どうしても四次元怪獣ブルトンを連想するけども。
ところでこの町はアクセスがめちゃ不便である。結局、現在のところ、山のふもとにあるプリレプの町と往復するバスが一日数回存在するだけのようだ。もちろん乗り継ぎは便利ではない。
ネットで調べるとスコピエから直通のバスがあるとか、近くの大都市ビトラからのバス便が表示されたりとかするのだが、現地で聞くと実際にはそんなものはないらしい。よくわからん。
あとクルシェヴォの「バスターミナル」と称するものは旅行会社かなにかの小さい建物にすぎず、しかも閉まっている。ほんとに来るのかかなり不安にさせられるし、そもそもいつ来るか地元の人に聞かないとよくわからないありさまだ。
いやまあ、結局いなかだと自家用車がほとんどになっちゃって、公共交通がへぼくなるのはしょうがないけどねえ。

今回使ったAJetというのはトルコ航空傘下のLCCだ。機体にAJetと書いてないが、最近名前が変わったからのようである。
座席が狭いとかモニタがないとか、食事が全部有料とかはLCC的には普通だ。というか特筆すべき点がなくて書くことない。
さらに今回は遅れもなく予定通りに飛んだ。これはたまたまかもしれん。噂では定時性はLCCとしてもかなり悪いらしい。多少の遅れはともかく、次の日になるとかだと面倒だっただろうな。
航空券を買うwebサイトやチェックインの機械まで普通だった。じつはトルコにはもうひとつPegasus AirというLCCもあって、そっちも検討していたのだが、なぜかPegasusのサイトはうちのPCからだとまともに表示されなくて、検索しようがなかったのだ。
普通っていいねえ。

ここから2024年夏旅行。
今回はとりあえずエティハドのイスタンブール往復が多少安かったので買ってみた。
でも、せっかくなのでもうちょっと探したところ、イスタンブール→スコピエという便がセールしていたので、これも買ってみた。
つまり、行きはイスタンブールで乗りかえることになるのだが、スコピエ行きはLCCである。そしてイスタンブールのLCC拠点はサビハ・ギョクチェンとかいう別の空港なのだ。今回はこっちをはじめて使ってみることになった。
ここはイスタンブールの本空港と、海をはさんで全く反対側にある。まあシャトルバスがあるので移動は特に問題ない(1時間ぐらい)。カードで払えるので、トルコリラの現金を用意する必要もない。もちろん空港のお店やレストランの類も基本的にカード可だ。
ここは小さめの空港なので、迷うこともない。でもレストランとかお店とかもそれなりにはあるし、なんなら仮眠やシャワーのサービスとかもある。使ってる人がいるか知らないけど。
ちょっとした注意点としては、出国してすぐのレストラン・お店エリアにはほとんどベンチがないことである。お金をかけずに休みたければ、ゲート側まで進む必要がある。
イスタンブールからちょうどいいLCC便があれば、ここを使うのも選択肢になりうると思った。乗り換えのためだけにちょびっと入国するのも、たいていのケースでは特に何も問題ないしな。

マレーシア名物にホワイトコーヒーというものがある。去年おみやげに買ってみたところ、我が家でわりと人気である。ただ一つ問題があって、東南アジアで売っているインスタントコーヒーは普通3in1、すなわち砂糖が元から入っているスタイルなのだ。こっちなら日本amazonでも手に入らないことはないのだが、我々が好きな2in1(砂糖が入っていないやつ)はかなりレアである。
今回はマレーシアには行かないが、シンガポールで18時間ほど乗り換え待ちがある。この間に大規模スーパーに出かけて、無事2in1のホワイトコーヒーを入手することに成功した。やったぜ。
あとマレーシアでよく売ってるLOT100とかいうグミキャンディも日本で入手しにくい(というか無茶苦茶高い)ので、これも買いこんできた。レジでマンゴーグミを3つぐらい並べて会計を待っていたら、ひとつ前にいたじいさんが「何それそんなマンゴーばっか買うの?」みたいなことを(たぶん)言ってきておもしろかった。そうだよ買うんだよ。
しょうもないお菓子ばっかり買っていたら、荷物は重くなるし金はかかるし大変だ。ふだんこんなにおみやげを買うことはないのだが。
あと、シンガポールの空港というのは今回初めて使ったのだが、わりと評判がいいらしいね。確かに使いやすくて感心した。
ここが使いやすいのは、
・でかいけど単純な構造
・イミグレーションや荷物検査での行列が少ない
あたりがポイントではないかと思う。
まず、到着・乗り換え時と出発時に通るエリアが分かれていない(全利用客が同じエリアを通る)ので、似たような店をいくつも作る手間も少なくなるし、動線が複雑になることも少ない。あと行きと帰りで同じところを通るので覚えやすい。
それから、なんと荷物検査が制限エリアの入口とかではなく、各搭乗口の前にある。これは他で見たことがなくてびっくりした。全員が必ず通る荷物検査場というものが存在しないので、列が長くなりにくいし、これまた動線を単純にすることにも役立つ。普通は、特に乗り換え客の動線が複雑になるのだ。
イミグレーションはかなり機械化されていて、多くの国籍の乗客が自動ゲートを使える。そしてここが重要な点だが、自動ゲートを20個置いたら、基本的にずっと20個動いているのだ。人間と違って食事に行ったり用事でいなくなったりすることがない。イミグレーションのカウンターがひとつしか開いてなくて長蛇の列になってる、というのはいろんなところで見る光景である。
まあ、しかしこういう構造にできるのは、基本的に国際線しか存在しない(全フライトでやるべきことが同じ)という事情も大きいのかな。

「かつて首都だったけど今では政治的にも経済的にもそれほどではなくなっていて、でも芸術文化方面ではまだ勢力を保っており、わりとデカい顔をしている町」ということを、日本では「京都みたいなところ」の一言で表せる。
ジョグジャカルタは京都みたいなところである。
ここは伝統工芸を元にした着倒れの町だし、大学が多い学生の町でもある。さらに、おみやげとして有名なお菓子まであり、各ブランドが競って店を並べ、有名店には観光客を満載した大型バスがどんどん来たりする。
このお菓子(Bakpiaという)、原型のサクサク型に対して最近開発されたしっとり型があり、観光客にも人気らしい。でも俺は試してみたところ古いタイプのほうが好きだった。新しいほうは、なんか萩の月みたいであんまり独特さを感じないんだよなあ。
この町には平日も滞在していたので、有名大学を見物に行ってみたりした。なかなかでかくて活気がある。学生食堂は、余所者が入っても大丈夫なタイプなのでありがたい。ありがたくあたりを眺めながらのんびりした。
あと、研究室周辺の、あの研究紹介パネルとかシンポジウムの案内とか貼ってあるあたりの雰囲気って世界共通だよね。
えーと京都の話ではなくてジョグジャカルタの話だ(俺は別にオリジナル八ツ橋は好きではない)。ジョグジャカルタでひとつ感心したのは、歩道がそこそこ使いものになる、という事実である。まあ先進国みたいに完璧な状態で維持されてるわけではないが、それでも、だいたいの道は歩いて移動するのに大きな問題はなかった。
いやつまりアレだ、問題だったのはバンドンだよ。でかい町なのにアレはねえと思う。担当者はもう少しがんばってくれ。
