95歳(もうすぐ96歳)のご老体が、関東の娘さんの所へ引き取られて行った。
昨夜の最後の夜がワタクシの夜勤だったが、なんとなく察しており、夜も食堂から帰らなかった。
今朝もワタクシに「手紙を書く」と言われる。
会話は成立する時もあるが、感性で答えているようで、内容を理解して話をしているのではない。
それなのに「手紙」という言葉が泣かせる。
どちらかというとひどい心の病いがあり、そのために介護にも困難な場面もあった。
しかし、よく人を見ており、その人、人で違う会話、違う役割を持たせていたようだ。
ワタクシの事は、よく誉めてくれたが、その後かならず「〜だったらもっと良いのに」と、付け加えてくれた。
そうそう当初は、本気でプロポーズされたっけ。(そういう職員は数名いる)
お別れの握手の時には、ワタクシは「弟」になっていたっけ。
けれど、可愛い所もたくさんあるお爺さんで、自然と涙が出たよ。
気がつけば、娘さんも涙目だったよ。
今回の事は家族間ですんなりと決まった事でなく、今だに反対をしている家族もいる。
が、娘さんの後悔をしたくない。自責の念にとらわれたくない。という強い希望で、
押し切ったようだ。
その心意気だけでも、あっぱれと言いたい。
ところだが、本当に大変な人なので、上手く生活が起動にのる事を祈らずにはいられない。
施設で、こういう別れがあるとは思わなかった。
これも一つの家族愛だね。
年とった親に何をしたいか、明確に思える強さがあるよね。
どうぞ、穏やかにお元気で。
さよならね!