1980年代は、アガサ・クリスティーが流行っていました。 推理小説は映画化やドラマ化され、ドラマのうちいくつかはNHKで放映されていたように記憶しています。 が、当時観た、と記憶に残っているドラマはこの「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか？」だけ。 日本語にするとやたら長いタイトルが野暮ったくもあり逆に印象に残ったのでしょうか。 この作品が放映されたのは 1981年。 高視聴率を上げたそうで…。 英国製作なんですが、英国チックな映像でした…。 それが「味」なのですが、ビデオ(屋内セット)とフィルム(屋外ロケ)の両方を使った撮影が混ざっていて映像のトーンが変わるのが、変といえば変。 名探偵ではなく、素人探偵が活躍します。 吹き替えは、佐々木功、田島令子。 佐々木功というと、宇宙戦艦ヤマトの主題歌歌手、というイメージが強いですが、この頃は吹き替えも結構やっていたんですね。

アガサ・クリスティーと英国の雰囲気を味わうのにぴったりの作品。 ミステリチャンネルやLaLaTVでたびたび放映されているようです。

• なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? ハヤカワ文庫—クリスティー文庫 田村 隆一 訳
• アガサ・クリスティー・ミステリーズ Vol.3「なぜ、エバンスに頼まなかったのか?」【字幕版】

おそらく「なぜエヴァンスに頼まなかったのか」が好評だったのを受けて、同じ主人公キャストで、TVシリーズ化されたものと思われます。 もちろん英国製作。 それを日本ではNHKが放映したらしいのですが、それはさっぱり記憶になし。 最近では、ミステリチャンネルやLaLaTVでたびたび放映されているのを観ることができます。 吹き替えも同じ佐々木功、田島令子コンビ。 でも、役柄の設定は違うところがまぎらわしい…。 「なぜエヴァンスに頼まなかったのか」では令嬢と運転手でラブ・ロマンスを匂わせつつ、身分の壁があったのですが、「二人で探偵を」では夫婦役。 素人探偵が探偵事務所を開いてしまうという設定。 シリーズということもあり一つ一つのミステリーはそれほど複雑ではないので、軽いノリで楽しめます。

• おしどり探偵 クリスティー文庫 [早川書房] 坂口 怜子 訳
• 二人で探偵を 創元推理文庫 105-12 一ノ瀬 直二 訳

「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか？」と同じく素人探偵役をJames Warwick が演じ、佐々木功が吹き替えています。 ヒロインの女優さんは「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか？」「二人で探偵を」とは違うキャスティング。 1982年に NHK で放映されたようですが、当時観た記憶はさっぱり…。

「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか？」のノリで観ていると最後に大きく裏切られます。 それがミステリーの醍醐味ですね。

• 七つの時計 クリスティー文庫 深町 眞理子 訳
• 七つのダイヤル 創元推理文庫 105-20 厚木 淳 訳
• アガサ・クリスティー・ミステリーズ Vol.2「七つの時計」【字幕版】