み〜

2003年の夏はなぜかボーナスに余裕があったので(決してたくさん貰えたわけではない)、突然だが、マイ・マシンを買った。 これまで使ってきたのが iMac (一応家族共用)だったので、Winマシンがあるといいとずっと思っていたことのだが、なぜか唐突にiBook を選んだ。 なんとなくこの iBook が最後のG3マシンでMac OS 9が立ち上がる最後の機種になりそうな予感がしたので買ってしまった。 このモデルが出たのが春…ということはそろそろ新モデルが出てもいい頃で、そういう意味では買い時とは言えなかった。 (が、予感どおりこれが最後のG3マシンで最後のOS 9起動マシンになった。追記)

G3というCPUは1997年にデビューしているので随分と息の長いCPUと言える。 G4という上位バージョンがあるにもかかわらず今まで生き残ってきた理由はいろいろとあると思うが、G4より静音で発熱が少ないのだとか。 G4より安定している、という話も聞いたことがあるような…。 個人的に初めてのG3マシン(当時目茶目茶高かった)を仕事で使ってきたということもあり、最初のG3マシンと最後のG3マシンを両方使うとは、感慨深い(というと大袈裟だが)ものがある。

OS Xも安定してきてアプリやドライバーも揃ってきたので、OS 9で起動するか否か、というのは今やそれほど重要ではない。 が、これまで Mac を使ってきていきなり OS X というのは少々敷居が高い…。 今までの環境を移すにしても、Mac OS 9で起動する方が何かと便利だし、何があるかわからないから、一応OS 9起動マシンは押さえておきたい…。 では、Mac OS 9 がそんなに良い OS かというと、そうではなくて、この大容量ブロードバンド時代には既にいろいろと無理の出てきているOSだと思う。 Mac OS 9起動が必要だなんて、過去の遺産(ゴミかも)を引きずっている者の言うことではある。 MS-DOS、UNIX(BSD系)と使ってきて、初めてMac OSを使ったときは、(悪い意味で)なんてOS!と思ったものだ。 が、その思想は一貫しているので、そういう意味では Windows 系の OS なんかよりはるかにましだ。

新調したパソコンを使い始める。 ところが早速トラブル発生。 ポータブルHDDを認識してくれない! HDDのアクセスランプがついたまま認識しようと苦しみ続けている様子。

これが使えないのでは、自分専用のパソコンを買った利便さも半減…。 とりあえず、ポータブルHDDの内容は、ネット上でファイル共有させた他のパソコンから自分のパソコンに移せるものの、さて、どうしたものか…。

とりあえず(本来なら不要なはずの)ドライバーをインストールしてみたがやはり駄目。 「OSの低いバージョンで読み書きしていたHDDをOSの高いバージョンにすると読めないことがある」という情報をネットでキャッチ。 それじゃぁ、一度、フォーマットしてまっさらな状態にすれば大丈夫なのかと、実行。 まずはポータブルHDD内のデータをバックアップ。 しかし、USB1.1接続の遅いこと…。 たかがファイルコピーにこんなに時間がかかってどうする? 同じ USB1.1接続でも Win より Mac の方がサクサクとコピーが進む。 そして、フォーマット。 これで大丈夫だと思ったら、やはり駄目。

次にひょっとして供給電力不足?と疑ってみた。 ポータブルHDDの場合、USBのバスパワー接続で供給される電力の最大値まで必要とされる。 つないで駄目なのがノートなので、もしかして…? ポータブルHDDの専用ACアダプターは別売り。 いちいち電源をつながなくていいのが利便性の一つだったのに、ちょっと悔しい。 わざわざACアダプターを買うのも悔しい。 そこで、単に電力不足なら、セルフパワーのUSBハブを使えばいいかも、と思い、(専用のACアダプターより高いが、USBハブなら使い道は他にもある…)試したところやはり駄目。

このポータブルHDDは自分専用のパソコンとつなぐことはできないのか…、 便利に使ってきた今までの環境はいったい…。 電力不足でなければやはりフォーマット? あるいはディスクを完全にイレースしたらどうか?…とまだ試す余地は残っている。 どうせフォーマットするなら、と今度はMacの形式で一度フォーマット。 それからWinの形式で再度フォーマットしなおしたところ、無事に Win でも Mac でも今まで駄目だった新しいパソコンでも認識。 …う〜む、いったい何だったんだろう…。 何はともあれ、無事使えるようになってホッ。

MacはWin形式のファイルを読み書きする場合、隠しファイルを作るので、それがフォーマットしても残っていて悪さしていたのだろうか…。

次なる課題は無線LANの設定…。

AirMacカード 新しい愛用機はノート型なので、無線LANのカードを入れた。 無線のベースステーションは、モデムとの一体型で既存のもの。 モデムと無線のベースステーションが別だと、アドレスの関係(外向けと内向け)で設定に一手間かかったり悩んだりするケースが多々あるようなのだが、一体型なのでその心配はなし。 問題は、ベースステーションと新たに買ったノートパソコンに入れてある無線LANのカードとメーカーが違うこと。 Macにしちゃったんだからしょうがない…という部分だったりするが…(汗)。

ノートを立ち上げて無線LANを on にすると、早速無線の電波を捕まえている様子。 パスワードを入れればつながるはずなのですが、ここでつまづいた。 ここで悩むこと一週間…。 ずっと設定にかかりきりだったわけではなくて、片手間に時々あれこれ試してみる、という程度なので一週間というと大げさだが、すぐにそれくらい経過してしまう。

やっぱり Mac には Mac のベースステーションでないと駄目なのか…とあきらめかけた頃、Air Mac (Mac の無線LAN)は一番互換性がある、との情報をキャッチ。 Web上で拾った情報なのでどこまで信用していいのか、どこまで信用するのかは難しいところだが、もう少し粘って試してみることにした。

結局、なんことはない、パスワードを16進数で入力させてやればいいだけのことだった。 設定の方はこれでうまくいったが、思った程パフォーマンスが出ていないのは残念。

というのは、無線LANで常に100%の性能が出ているわけではない上に、暗号化しているため遅くなってしまうようだ。 理論値ではイーサーとそんなに変わらないはずだが、暗号化のロスのためか、体感速度はかなり遅い。 かといって、暗号化をはずすのはちょっと抵抗がある。 接続できるMacアドレスを指定して、他者が無線LANに入り込まないようにすることはできる。 が、無線LANを介して飛んでいる情報を「見る」ことは不可能ではない、おそらく。

大きなデータを流すときは有線に切り替えるなど、使い分けた方が良さそうだ。

パソコンを新調すると、結局そのパソコンだけですまなくて、周辺機器もいろいろと揃えたくなってしまう。 どれだけ使う機会があるかわからないのに、PHSとの接続ケーブルを買ってきてしまった。 他にもあれもこれも…。 あ〜、パソコンだけでギリギリの予算のはずだったのに、次々と散財してしまうのはなぜ?(苦笑)

SUPER CHANNELで放映していたのを観た。 21世紀になった今、見ると、いろいろ古くさいところが気になってしまう1964年のモノクロ映画。 同時期に「博士の異常な愛情」が作られている。 原子爆弾、米ソの対立…時代の産物によるテーマということだろうか。

主人公らしい主人公が不在のこの映画、 前半はいろいろな人物がいろいろな場面で入り乱れ、よくわからないまま話が進行していく。 グッと引き込まれるのは、ヘンリー・フォンダ演じる大統領が登場する辺りから。 ここからの緊迫感、緊張感でグイグイ引き込まれる。 前半で複数の登場人物の背景を語っておきたかった製作者の気持はわからなくないが、背景を語られない人物もいることを考えると、前半は少々冗長だったのではないか。

今、映画化するとしたら、ラストの衝撃的なシーンを如何に映像化するかに力点が置かれてしまいかねない。 が、そこは1960年代。 人間ドラマに仕上がっており、またそこがこの映画の魅力と思われる。 最終的に全責任を負う米大統領は、ある意味、孤独な存在だが、そこにロシア語通訳として一人配置させているのが絶妙だ。 この通訳を演じているのが、若き日のラリー・ハグマン。 TVドラマ「ダラス」のJ.R.の頃と比べると別人みたいにスリム…というのは関係ないが、個性を殺すべき立場をうまく演じていると思う。

あってはならないことを描いているこの作品。 派手さはないし、現在とは時代背景はまったく異ってしまったが、それでも考えさせられるものがある。