み〜

SWING GIRLS スウィングガールズを観てきた。 なかなかの盛況ぶり。 面白いといえば確かに面白い。 面白く作っているから。 そのためにドラマ性を犠牲にしているのかもしれない。 だが、これはドラマ性のあるストーリーを鑑賞するというより、ギャグを楽しむものだろう。

そして、やはり最後のステージでの演奏シーンは楽しい。 映画中にもあるように、ジャズは蘊蓄親父がブランデーグラスを傾けながら聴くもの、そんなイメージがあるのは確かだ。 だからといってそれが古くさいとか、ジャズの音楽の良さが損なわれるわけではない。 が、こんな底抜けに明るく楽しくスウィングできるのは、演奏しているのが女子高生という設定だからだと思う。 演奏に長けたプロのジャズ・ミュージシャンには、逆にこんなに明るいパワーは出せないのではないだろうか。 良い演奏、素晴らしい演奏を聴きたいのならば、プロの演奏を聴けばいい。 それはそれで楽しめるだろう。 が、ここには、そこにはない良さがある。 だから、こんなに明るく聴けるのだと思う。

ただし、宣伝(というか緻密なプロモーション)に助けられていると思う。 演奏経験がほとんどない女の子達が吹き替えなしで挑戦している、といった事実を知らなければ、どうせ吹き替えているんだろう、とか、経験者を使っただけだろう、と思われても仕方がない。 (ホーンやブラス楽器というのはそれくらい音を出すのが難しい。) ドラマはそこに至るメイキングにあるのだ。 メイキング映像(フジテレビ721+739で放映している)の方がはるかにドラマ性がある。

そして、映画なんだから、もう少し映画的なカメラワークを狙ってもいいように思ったのだが。

しかし、イノシシのシーンは笑えた。 あのチープさ加減がかえって味になっているとは!

今朝は地震で一気に目が覚めました。 起きなきゃ〜起きなきゃ〜とうつらうつらしている所にグラグラと。 震災地の方々はそれどころではないと思います。 本当にお見舞い申し上げます。

ブラック・ジャック」今日『10月25日の放送を予定しておりました「ひったくり犬」のエピソードには、地震の場面が含まれておりました。 新潟県中越地震直後ということに配慮し、放送を延期させていただきました』だそうです。 延期するのはいいとして、代わりに放映したエピソードが再放映とは! ストックが一話もないんですか? それはそれでびっくり。

今回はっきりと地震の時差というか、地震は波だ、いうことを感じました。 土曜日の地震直後からテレビをつけていると、震源地新潟のスタジオからの放映もあったのですが、ちょうどその時に「今、揺れてます〜」と。 放映が続けられるのかどうか心配になったところ、すぐに、自分の所へも地震の揺れが…。 (テレビの)電波よりも地震の波が伝わってくる方が遅いということを実感しました。 地震のニュースが「〜時頃」とだいたいの時間しか示さないのも納得。 考えてみれば当たり前なのですが、あまり「感じる」ことなんてありませんから。

それにしても余震が続いているだけに心配です。

ロング・ラン イーグルスが来日公演を行っている。 ドーム公演というのがひっかかって、チケットを取らずにいた。 (コンサートはせめて武道館クラスで観たい、というか聴きたい) が、行かないとやっぱり後悔しそうであわててチケットを取った。

イーグルスというと Hotel California が有名だ。 が、ちょうど私が洋楽を聴き始めた頃にリリースされたのは HEARTACHE TONIGHT だった。 つまり、Hotel California の大ヒットの重圧から、やっと新アルバム「THE LONG RUN」がリリースされた頃。 イーグルスというだけで、もうOK、みたいな雰囲気があったように記憶している。 それなりにヒットした。 その後、ソロでドン・ヘンリーやグレン・フライが活躍する1980年代になる。

そんな聴き方だったので、イーグルスというグループにそれほど思い入れがあるわけではない。 とはいえ、Hotel California は聴けば聴くほど名曲だし、洋楽を聴き始めた頃にヒットしていた HEARTACHE TONIGHT や I CAN'T TELL YOU WHY(言いだせなくて) は懐かしい。 どんなステージが観られるのか、どんなサウンドが聴けるのか、楽しみだ。

ローマの休日 金曜ロードショーで放映していたのを観た。 吹き替えキャストが現在発売されているDVDとは違っていた。

アン王女オードリー・ヘプバーンすずきまゆみ
ジョー・ブラドリーグレゴリー・ペック津嘉山正種
アーヴィング・ラドヴィッチエディ・アルバート内田直哉
ヘネシー支局長ハートリー・パワー富田耕生
ヴィアバーグ伯爵婦人マーガレット・ローリングス谷 育子
マリオ・ディラーニ(美容師)清水明彦
これはこれで悪くなかった。 …が、オードリー・ヘプバーンの吹き替えは池田昌子さんで聞きたい、と思ってしまう。 かといって、現在発売されているDVDの池田昌子さんの吹き替えがいいのかというと…。 やはり近年吹き替え直したものは少々苦しいものがあると言わざるを得ない。 さらに言えば、美容師役の吹き替えは広川太一郎さんでないと!(笑)

古い吹き替えで馴染んでしまった人も決して少なくないと思うのだが、以前の吹き替え音声は残っていないのだろうか。 現在の技術があれば、現存するテープが多少痛んでいたとしてもなんとかなるものだと思うのだが…。 放映でカットされた場面の吹き替えが無い、などとなると難しいのか…。

今回観て思ったのが、意外に台詞が少ない、ということ。 暴走してしまった後の警察の場面では、サイレント映画風の雰囲気が逆に効果的だ。 オードリー・ヘプバーンの素の魅力を生かすには、下手に台詞をはさむより、映像に語らせる方がずっといい。 そして、50年前のローマの街並がさらに雰囲気を添える。

今ローマに行っても「ローマの休日」のロケ地を訪ねる観光客であふれかえっている。 スペイン階段なんてアイスを食べる人だらけだ。 映画の中のオードリーも50年前のローマの街並も、それはフィルムに収められた映画の中だけにある。 だが、それだけでもこの映画は充分だ。 細かいことを言えば、ストーリーはお伽噺のようでリアリティがない。 王女の脱走なんて、テレビが普及した今では考えられないストーリーだ。 また、カットのつなぎが粗い部分が気になると言えば気になる。 50年前の映画なんてこんなものなのだろう。 それでも今では再現することのできないフィルムの中だけの世界、これがその映画の魅力だと思う。

スター・ウォーズ トリロジー フジテレビ「プレミアステージ」で放映していた。 最近発売されたトリロジーDVD-BOXの吹き替えキャストとは違う吹き替えだった。 2年ほど前に日テレ系で放映された時と同じキャストだと思うのだが、この比較的若手を起用した最近の吹き替え直しのバージョンはどうも馴染めない。 ダース・ベイダーはやはり、渋くて低いトーンの声の方に演っていただきたい…。 昔のように、オリジナルにはない個性まで加わってしまうような吹替えや、声を聞いただけですぐに誰かわかってしまうような吹替えには、賛否両論あるかと思うが、それにしても…。 オープニングで若山弦蔵さんのナレーションを入れているのは、映画館のスクリーンではなく家庭のテレビで観ることを想定したときにむしろ良いといえるが…。 とはいえ、一番最初に放映されたときの吹き替えから比べれば天と地の差か…。

最初に「A New Hope」がテレビ放映されたのは「ジェダイの復讐」の劇場公開から間もない頃だったと思う。 (もし違っていたらごめんなさい。) 超人気作品の初テレビ放映ということで、ものすごいお祭り騒ぎだったことを記憶している。 今でこそ珍しくないかもしれないが、映画の放映に先駆けて、同じ日の夕方に特番の放映があった。 その特番を観ていた私もよっぽど物好きということになる(苦笑)。 当時はビデオデッキの普及率も半分以下、レンタルで借りてきて見る、なんてことはできなかっただけに、テレビ放映は映画の公開とおなじくらい祭りだった。

お祭り騒ぎのはいいのだが、この初放映の大失敗は吹替えだった。 主役の3人ルーク、レイア、ハン・ソロに、いわゆる声優さんではない人を起用した。 もちろん、声優 なんていう区分は比較的新しいものなので、声優さんでなければ吹替えができない、という考えは間違いだ。 が、正直言って、この吹替え版はひどかった…というか、いい語り草になっていると言っていい。 いわゆるアイドルを吹替えに起用して語り草になってしまっている映画は、この後も絶えないが…。

ちなみに、この時の C-3PO は野沢那智さん。 吹替えにはいろいろなバージョンがあるが、C-3PO の吹替えは野沢那智さん以外に考えられない。 …と思ったら、富山敬さんが C-3PO を演じていらっしゃるバージョンもあるようだ。 ちょっと記憶にないのだが、これはこれでなかなか良さそう…。

吹き替えに文句をいうくらいならば、字幕で観ればいいだけのこと。 肝心の内容はといえば、元々続編の映画の作成は未定だったというだけに、単作品としてのまとまりはピカ一。 ストーリー展開が早いので、気を抜くと、どんどん先に進んでしまうが、次から次へと見せ場が絶えなくて飽きさせない。

主役というと、ルーク、レイア、ハン・ソロということになるのだろうが、本当の主役は C-3PO と R2-D2 と言えるかもしれない。 ストーリーは常にこの2体のロボットと共に進行していく。 このロボットが実に人間的で面白い。もちろん、中に人間が入って演じている。 やはり、人間が演じてこそなのではないかと思う。

この初代の作品にも、もちろんモンスター類は出てくるが、製作された時代的な背景も影響してか(技術的な問題)その数は、最小限に押えられていると言える。 それだけに、人間ドラマ的な面が見えている。 単作品としてのまとまりの良さはもちろんのこと、技術に頼りすぎない人間ドラマの部分がしっかりしていたからこそ、この初めての作品が受けたように思うのだがどうだろうか。 特別編ではジャパ・ザ・ハットとハン・ソロの会話のシーンが追加されている。 「ジェダイの復讐」では、自分の宮殿で家来を沢山従えているジャバが、自ら宇宙の港町に乗り込んでハン・ソロに借金を返すよう催促しているのは、なんとなく違和感を感じる。 それ以上に、このシーンは無かった方が、人間ドラマとしてのスターウォーズを際だたせていたように思う。 (あった方が後にジャバに捕らえられるストーリーとしては理解しやすいが)

DVDの特典映像のインタビューにもあるが、スター・ウォーズはおとぎ話の基本を押えている。 お姫様がいて、騎士がいて、敵対する悪の親玉がいて…と。 悪の親玉の要塞デス・スターはお城というわけ。 「フォース(理力)」と言うと何やらカッコ良く最先端的な響きを感じなくもないが、平たく言えば「魔法」の一種。 モデルは中世ヨーロッパといったところ。 そう考えると、黒人がキャスティングされていないのは、当然とも言えるが、これについては非難を浴びたそうで「帝国の逆襲」からは黒人がキャスティングされている。

古典的なイメージと、宇宙を舞台にした最先端のイメージの融合がスターウォーズの魅力と言えるのかもしれない。 最後の場面の勲章授与は、極端なことを言えば、宇宙戦争映画としては無くてもいいかもしれない。 デス・スターが崩壊して反乱軍が喜ぶシーンで終っても構わないのだ。 が、お姫様と騎士が出てくる映画としてみると必要なシーンなのだ。

イーグルス ベスト DVD付き 行かないとやっぱり後悔しそうであわててチケットを取ったイーグルスの公演に行って来た。 たくさん人を収容しようと思うとドームという選択肢になるのかもしれない。 が、開演時間過ぎてもいつまでもワサワサとしている会場を見ていると、コンサートはせめて武道館クラスがいいよ、などと始まる前に気分が落ち込みかけた。 でもそんな気分もオープニングの Long Run のイントロが聴こえてきた途端吹き飛んだ。 やっぱり来て良かった〜。 アリーナ席は最初から総立ち。 さすがに1階席はもう少しテンション低め。 アリーナは前の人が立ってしまったら立つしかないから、傾斜のついている1階席の方が、自分のペースで楽しむには気楽。

イーグルスのメンバー4人の他にサポート・プレイヤーが8人もいるので、音の厚みは凄い。 聴いていて安心する。 メンバー全員がソロ・ボーカルをとってしまうのがイーグルスだ。 それもそれぞれ特徴があって面白い。 I Can't Tell You Why (言い出せなくて)を歌うティモシー・B・シュミットは、この曲が流行った当時とまるで変わらない容姿というか雰囲気で、懐かしいやら何やら…。

ドン・ヘンリーのソロ・ヒット The Boys of Summer を聴いた時に思った。 私はイーグルスとはすれ違ってしまったんだ、と。 名曲に時間の流れは関係ないが、曲にとって旬の時代、というのが存在する。 そして、聴く者にとっては、ある時代を一緒に駆け抜けた曲というのがある。 やはりそういう曲には、名曲を後追いで聴くのとは違った想いがあるのだ。 そういう意味では、私はイーグルスのコアなファンにはなり損ねた、と認識した。

メンバーがそれぞれソロをとるだけではなく、コーラス・ワークも良い。 第二部の始めはアコースティック・サウンド+コーラス中心。 911の事件をきっかけに書いたという曲 Hole in the World のコーラスが美しく心に染みた。

後半はさらにソロ曲が多くなる。 イーグルスのカントリー・テイストなサウンドよりはロック色が強い。 ソロ曲は80年代にヒットしたものは別として、あまり知らなかったり馴染みがなかったりする。 が、どれもノれるタイプの曲ばかり。 コンサート終盤に向けてテンションが高くなっていく。 いや、テンションが高かったのはジョー・ウォルシュか? ヘルメットまで被っちゃうんだから(笑)。 (後から理解したのだが、HELMET CAM …つまりヘルメットにカメラが仕込んであってそれで客席を映していたらしい。 客席が映っていたのはそういうことだったか。) しかし、ワッザッァーというのはいまいち意味不明だったが…。 (これも後で知ったのだが What's Up らしい。) 客席でテンションが高くなるのは、まだあの曲も出ていない、この曲も出ていない、まだまだ終らない、という期待でもあるのだが…。

Heartache Tonight はシングル・ヒットだけあって客席のノリがまた違ってくる。 「これってイーグルスの曲だったんだ〜」という声がどこからか聞こえてきたのには思いっきり(ズルッ)だったが(だって一応イーグルスのコンサートの場だし…)、いろいろな方たちがいますらかね、はいはい。 あの曲も出ていない、この曲も出ていない、という状況でステージはいったん終了。 当然のアンコール・コール。 トランペットの独奏に続きあのギター・イントロが! そう Hotel California だ。 これ聴かなきゃ帰れないでしょ。 残念ながらオリジナルメンバーではないが、サポートのギタリストがダブル・ネック・ギターでジョー・ウォルシュとギターの掛け合いを再現してくれた。 ダブル・ネック・ギターというのがやはり嬉しいじゃないか。

Hotel California 一曲でまたメンバーは引っ込んでしまう。 この辺りでゾロゾロと出口に急ぐ人たちが見えてしまうのは思いっきり嫌だ。 それぞれ都合があるのかもしれないが。 アンコールは3回目まであった。 ここまで出し惜しみしなくても…という感じだが、最後に Take It Easy と Desperado を聴いてそんな思いも忘れてしまった。

しっとりと締めたコンサートだったが、イーグルスのメンバーはみんな元気。 50半ば過ぎたオジサンたちとは思えないくらい、飛んだり跳ねたり、グレン・フライはダンスしていた。 ソロ曲であってもそれなりにみんな楽しそうに演奏している姿が、観ている方も嬉しい。

イーグルスのアルバムはすべて持っているので、新曲だけのためのベストCDを買う気はしないのだが、コンサートで聴いたコーラスが良かった…。 このツアーのDVDでも出ないかしらん…。