一昨日夜の東京集中豪雨は凄かったようだ。中野区、杉並区、世田谷区等の川沿いの低地が軒並み床上浸水の被害に見舞われた。なんせ元から低地の上に川が溢れ、さらに住宅の高さ制限のため、玄関が道路より低くせざるを得ない家とか部屋数確保のために地下室を作った家に、その濁流が押し寄せたのである。

幸い我が家は、地名でも坂の上と言われる位の比較的高い場所にあり、豪雨はともかく、洪水の心配は無い。その夜もぐっすり寝込んでいた。そのかわりカミさんの病院では、1FとB1がやられてエレベータが動かず、バケツリレーで患者さんの食事を4Fまで運んだそうだ。PC2台もイカレたとか。

この集中豪雨の元となった台風14号が鹿児島付近に上陸中である。実はコイツが発生する前から「今年の台風は14号あたりがヤバそう」と私は周囲に漏らしていた。そして、その予言(?)はみごと的中。果たしてヤツは、アメリカで猛威を振るったカトリーナより大型に成長して日本列島にやって来た。

私はそれが怖かったのだ。なぜなら今週末の9日には、年に一度の営業部隊の全国一斉テストがあり、全国30会場で同時に実施されるのだ。実施責任者の私としては、この日だけは天災や事故があってはならず、とにかく無事に終わらせなくてはならないのである。

という事で、数ある危機のうち最も懸念されたのが台風上陸で、それも14号あたりがクサいと睨んでいた。今のところ北海道再上陸が8日午前と出ているので、まあ大丈夫だとは思っているが、一刻も早く通り過ぎるよう、西の空に向かって念力発動中の毎日である。

さて、9月と言えば、3ヶ月に一度の「全国研修ツアー」の月なのだが、今回は金沢、京都、大阪、埼玉、千葉、横浜という、この近辺の地域を含む程よいコースではある。それでも平日は2週に渡り、すべて宿泊移動の連チャンとなる。さらに新入社員フォロー研修in河口湖にも3日間ほどサポートに行く事が決まった。

気がついたら、9月の勤務日数20日のうち12日がツアーの空の下という大変な事になっていた。ま、これも仕事とあらばやむを得んだろう。

そのかわり、来月になったらキッチリ休みを取って、今度こそ温泉に行くからな!

心配された台風14号は、各地で被害を出しつつもオホーツク海へ抜けて行ったようである。見たか、念力の威力を! てなモンである。東京では真夏に戻ったような日差しが肌に痛い。夕刻には予定通り名古屋に向けて出発する。

さて、郵政法案否決解散による衆議院選挙の投票日が3日後に迫ってきた。ここで各党のキャッチフレーズや党首のコメントを見てみたい。

自民党:「改革を止めるな」「郵政民営化は、あらゆる改革につながる本丸だ!」
そもそも郵政問題は民営化自体の是非ではなく、政府(自民党)が出した法案の是非が焦点だった。法案自体は不備な点も多いのに、議論もそこそこ、数頼りの採決強行。否決されるや否や、国民に賛否を問うという二極分化に持っていき、同時に反対者を自党他党まとめて「改革に反対する人」と一括りにイメージさせた。さらに、彼らの選挙区にハデに立てた対立候補を正当化させた小泉首相の戦略は、見事と言っていいだろう。この選挙に勝てば、大方の参議院の反対派議員も翻意せざるを得ない。結果、郵政法案は通せるは、反主流年寄りは一掃できるはで、一石三鳥以上の成果となるだろう。久々に「キレ味スッキリ!」の首尾だな。

公明党:「日本を前へ。改革を前へ」「そうは いかんざき!」
キャスティングボートを握る事で政権入りを果たしたが、連立相手の自民党も、所詮はバックにある創価学会票目当て。討論会等では、野党時の発言とのあまりの転換ぶりに苦笑を禁じ得ない場面もたびたびあった。議席も維持が精一杯、自民単独過半数になったら、もはやお役御免か。

民社党:「日本を、あきらめない」「今回は郵政選挙ではなく、政権選択選挙だ!」
当初、自民党分裂選挙は民社党に有利だと言われていたが、政権交代という機運が一向に盛上がって来ない。前回は追い風も吹いたが、今回は自民党の役者ぶりに圧倒されている。もともと都市部を中心とした有権者は、郵政民営化に原則賛成なのである。「賛成なら自民党」という構図の中では、異を唱える者は皆「否定論者」のレッテルを貼られる。もはや民主党がいくら法案のみに反対なのだと叫んでも聞こえない。年金の方がより重要な争点だと言っても聞こえない。選挙前まで影の薄かった民主党が、都合よく目立てるはずもない。大願成就が本気なら、普段からの言動がより大事だという見本だな。このムードを「あきらめない」でどう巻き返せるか?

社民党:「国民を見ずして、改革なし」「社民党はオムライス〜!」
かつてのマドンナ旋風どこへやら、衰退著しい原因の一端は党首の福島瑞穂氏にもあろう。言質がことごとく軽く、対案を出さずに何でも反対の近視眼的な姿勢は、世論が反自民の時は多少モノを言うかもしれないが、そうでなければすぐに底を見透かされ、存在意義すら疑われてしまう。議席維持どころか激減必至。それにしても「オムライス」はないだろ?

共産党:「庶民増税に反対、憲法をまもりぬく」「たしかな野党が必要です!」
ここも一時ブームがあって議席数を増やせた頃もあったが、前回社民党と共に民主党に議席を取られ沈滞している。もはや「帝国主義」と「共産主義」のイデオロギー対立は過去のものとなったのに、いつまで「共産党」なのか。解決策抜きの何でもかんでも反対という姿勢も社民党と一緒。そういえば一昨日、会社近くの党本部で数百人規模の集会があり、駅への帰り道が大混雑となったのには閉口したな。

国民新党&新党日本:自民党の反対派の集まりで、かろうじて政党要件を満たした政党。離党勧告され、対立候補を立てられ、ついに二つの集団になった。それでも一つになりきれないのは、自民党復党への未練ありありの「今だけ政党」ゆえか。政党と言いつつ、片や情に訴える個人戦、片や有名知事の看板頼りの選挙戦。彼らは一見気骨ある人物のように見えるが、どっこい郵政族の血が濃い連中なのである。同時に選挙後の身の振り方が楽しみな連中でもある。

いずれにせよ、たまにはドラマチックな選挙というのも面白い。いつものように「どうせ変わらない」などと棄権せずに、今回ばかりはきちんと意思表示してみるのも悪くないと思うぞ。

さて、あなたの一票はどこへ?

久々に出張でやって来た名古屋。いやぁ、聞きしに優る「万博バブル」だった。

まず、半月前にホテルを予約しようと、楽天トラベルサイトを見た。いつもなら名古屋のホテルなぞいくらでも出てくるので、選択に戸惑うほどなのに、出てきたのは二流どころのビジネルホテル1軒とカプセルホテル数軒のみ! その1軒もたぶんキャンセルでの空室だろう。まともなホテルは旅行業者がガッチリ押さえ込んでいるのだから。

仕方なくそこを押さえていたのだが、よく見ればホテルの場所は、なんと当日の試験会場の隣りだった。名古屋勤務当時、何回もその会場を使っていたが、隣のホテルの存在はまったく印象に残っていない。そんな程度のホテルなのだが、チェックインしている間にも空室問い合わせ電話が2、3件あった。もちろん満室お断りである。

続いて夕食に錦の焼き鳥屋に移動。同僚が「今回は手羽先が食べたい」と言っていたので、どうせなら名古屋コーチンの手羽先を食べられる居酒屋を、とネット予約しておいた。道々、タクシーの運転手曰く「万博をアテ込んで、新しいホテルが少なくとも10軒以上は出来たんだわ。でも、万博後にはツブれてくでしょうな。もともと名古屋にはこんな数のホテルいらんですから」

ほどなくして着いた居酒屋は、木曜日にもかかわらずほぼ満席でごった返していた。入口近くの我々の予約テーブルのみがポッカリ空いていた。見渡せば、決して地元の連中ばかりではない。関西弁など県外の言葉も目立つ。日本版「人種の坩堝」だな。お世辞にも上品な料理屋という雰囲気ではないこの店でもこれである。

予約していてとりあえず良かったけれど、肝心の料理は「?」だった。安めのコースを予約していたが、すでにテーブルに出ていた前菜の皿にラップがかかっていたのは驚かされた。楽しみにしていた手羽先も予想してたほどの味ではなかったし、他のメニューも同様、全体的にレベルは低い。事前に知っていたら予約してまで来たかどうか。いっそ「山ちゃん」「風来坊」の方が割り切って楽しめたかも。と言いつつも、しそ焼酎1本はカラにした。

普段の愛知県人は、すべてに「お値打ち」じゃなければサイフのヒモを緩めない。今は「万博入れ食い状態」である。内外から人が押し寄せ、モノあれば売れ、店あれば入る。本物のバブルの時でさえ微動だにしなかったと言われる堅実なお国柄のこの地に、時ならぬバブルの波が来ているのだ。

かつての「大阪花博」の時とは違い、何より地元が盛り上がっているのでまだマシだが、それだけに「祭りのあと」のさびしさに翻弄されなければいいけれど・・・。

昼食に中華が食べたくなった。早めに投票を済ませ、向かった先は千駄木「天外天」。TVにも度々登場する名物の坦々麺を始めとする四川料理の店で、休日もランチコースをやっている。

日曜日なら家から車で30分弱の距離なので、開店時間の11:30前の到着を狙ったが、到着した時には本館前にすでに10人以上が行列していた。駐車場は近くの別館の横にあるため、我々はそちらに移動し、別館へと案内された。

ランチは、2品とスープ、小皿+デザートの2コース(¥1800)と坦々麺などの麺類と小皿+デザートのセット(¥1300〜)があった。小皿とデザートは自分で選べるのが嬉しい。カミさんは「レバニラ炒め」と「鶏肉と野菜の唐辛子炒め」のAコース、私は坦々麺(汁ソバ)セットを注文。開店直後にも関わらず、別館さえもすでに4組の客で埋まった。

2品の炒め物は、四川料理と言ってもそんなに辛味はなく、却ってさっぱりした印象を持ったほどだった。小皿料理のマヨネーズソースのかかった芝エビフリッターの油分がちょうど良いと感じた位である。坦々麺も他店と比べればやや辛味を感じるが、決して激カラではない。他店以上にコクがあり、挽肉も多かった。もちろんデザートの杏仁豆腐、マンゴープリンも上々だ。

ランチだったせいか、注文から5分足らずで出てきたのは意外だったが、味は値段に十分見合ったものだった。これなら夜の部も大いに期待できるだろう。いずれまた来てみたい。

食事の後は、5%割引セールをやっている品川ジャスコへ。来週からの出張用グッズや食料品などを買い、六本木経由で帰路についた。が、走り出して10分も経たないうちから夕立が。しかもハンパな雨ではない! 三田から六本木あたりにかけては、気象庁言うところの200〜300mm以上の激しさである。めったに使わない最速のワイパーでもロクに前が見えない。

よっぽど緊急避難を考えたが、幸いコース取りが低地ではなかったため、大事に至らなかった。その後、新宿あたりではちょっと強めの雨、我が家では一雨のお湿りがあったかという雨量の差が見て取れた。結果的には局地的なスコールだったと思われるが、温暖化が叫ばれる中、都市部ではヒートアイランドとも相俟って徐々に熱帯雨林化して来ているのかもしれない。

67%超というまれに見る高投票率だった総選挙だが、その結果は自民党の歴史的圧勝であった。造反議員を除く改選前議席数212から単独過半数を超える296議席と、なんと84議席も上乗せした。民主党は、政権交代どころか64議席も減らし、113議席と惨敗した。一方、反対派議員も33人中当選したのは15人と辛酸をなめた。

これで公明党と併せれば2/3以上の議席を占めた事になり、今後待ち受ける数々の法案が全て可決可能というとんでもない状況になった。郵政法案はもちろんのこと、増税だろうが消費税アップだろうが、はたまた憲法改正だろうが議会レベルではいつでも通せるようになったのだ。今回国民の下した結果は、ことによると思いもよらない未来を作り上げる事になるかもしれない。

結局、今回の選挙は小泉首相のレトリックの魔術の勝利だと言えよう。「法案の賛否」から「民営化の是非」へ、さらに「改革をやるか止めるか」と争点をすり替えて行った。その都度「自民の中での戦い」、「造反候補vs対立候補」、「与党vs野党」とめまぐるしく変化したが、しかし国民にとっては非常にわかりやすい構図を示し続けたのである。そして、民主党を始めとする野党が訴えようとしていた年金問題や歳出削減等の声をことごとく封印せしめてしまったのである。

それは無党派層アンケートからも伺える。回答者は「年金改革」を政治の最大の課題としてを挙げたにもかかわらず、投票したのは前回の民主党ではなく自民党だった。その理由は、年金一元化を掲げた岡田代表の言葉は力がなく、期待感も持てなかった。前回、民主党に入れたのは、自民党は派閥のリーダーの意見で党の方針が決められている印象だったから。「小泉さんは、郵政民営化を断固やり遂げるという姿勢がはっきりしていた。刺客を送り込む手法も政策のためには仕方ない」という声もあったようだ。

そんな中「貧すれば鈍す」というニュースが。

衆院選で他人になりすまして投票したとして、東京10区の小林興起候補の私設秘書2人が公職選挙法違反(詐偽投票)で逮捕された。2人は共謀して池袋の投票所で、同区の男性の投票所入場券を使って投票した疑い。 2人とも容疑を認め「小林先生を当選させるためにやった」と供述しているという。

何をか言わんや。